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  • 【サノフィ】医療現場の「言語・文化の壁」を考える高生・大学生向けサマープログラムを開催―2026年8月21日実施

    サノフィ株式会社が、医療や製薬業界に関心を持つ高校生および大学生を対象とした夏休み特別授業「医療の未来を考える高校生・大学生サマープログラム― 外国人患者の言葉と文化の課題。患者を支える仕事を学ぼう ―」を2026年8月21日に開催する。 400万人を超えた在留外国人――医療現場で直面する「言葉と心のギャップ」 出入国在留管理庁の発表によると、2025年末時点の在留外国人数は412万5,395人に達し、前年末から9.5%増加して初めて400万人を突破した。この急激な社会の変化に伴い、医療現場における言語や文化の違いによるコミュニケーション上の課題が深刻化している。 日本語を母語としない患者にとって、医療専門用語や日本語特有のオノマトペによる痛み・症状の表現を理解し、正確に伝えることは容易ではない。さらに、宗教や生活習慣、医療に対する価値観の違いが、医療者との間に認識のずれを生じさせ、最適な医療の提供を阻む要因となるケースも存在する。 同プログラムは、こうした日常で気づきにくい社会課題にスポットをあて、受講者が将来ヘルスケアに携わる立場として何ができるかを深く考案する機会を提供する。 主なプログラム構成 当日は講義やパネルディスカッション、ワークショップを通じて多角的な視点から学びを深める構成となっている。 パネルディスカッション 医療×「やさしい日本語」研究会の武田裕子氏、全国医療通訳者協会NAMIの森田直美氏に加え、サノフィの外国籍社員や多言語資材制作担当者が登壇。現場で起きている課題や当事者視点での工夫について議論を交わす。 ワークショップ 武田氏およびイ・ティンザ・キン氏の指導のもと、言語マイノリティが直面する壁を体験・理解し、伝わる表現(やさしい日本語)や解決に向けたアイデアを考える。 ジョブアドベンチャー(仕事紹介) サノフィ現役社員が、新薬の研究開発から承認、発売、患者への情報提供に至る一連の業務を紹介する。製薬企業の役割や多様なキャリアパスへの理解を深める内容となっている。 開催概要・応募方法 項目 詳細 イベント名称 医療の未来を考える 高校生・大学生サマープログラム ― 外国人患者の言葉と文化の課題。患者を支える仕事を学ぼう ― 日時 2026年8月21日(金) 13:30~15:45 会場 サノフィ株式会社(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー47階) 対象・定員 高校生および大学(学部)在籍生 30人(参加費無料・応募多数の場合は抽選) 応募期間 2026年7月30日(木) 10:00 ~ 8月9日(日) 23:59まで 当選連絡 2026年8月11日(火)頃までにメールにて通知 応募フォーム 申し込み専用フォーム 問い合わせ先 サノフィ株式会社 サマースクール事務局(WeVolunteerJapan@sanofi.com) サノフィの取り組みと理念 サノフィは、医療アクセスの格差解消を目指す世界的イニシアチブ「A Million Conversations(AMC)」を推進しており、歴史的に支援が届きにくかった人々へのインクルーシブなヘルスケア環境の構築に注力している。また、同社の持続可能なCSR活動は高く評価されており、2024年には中高生向け特別授業等の取り組みが第10回企業ボランティア・アワードで「大賞」を受賞した。 ヘルスケアの未来や製薬企業の社会的役割に触れ、現場のリアルな課題と向き合う同プログラムは、医療分野を志す学生にとって貴重な学びの場となるに違いない。

  • 薬学生の健康と学びを支える「100円朝食・低価格メニュー」の現状と展開

    イメージです 近年の物価高騰や生活費負担が増す中、全国の大学で「100円朝食」をはじめとする低価格メニューの提供が行われている。ここでは、薬学部に焦点を当て、その実施状況や導入効果などについて紹介する。 低価格メニューが提供される背景と目的 薬学部における講義や実習、実験、国家試験対策といった多忙な日常を乗り切るためには、朝食を通じた脳の活性化と生活リズムの定着が不可欠である。一人暮らしの学生を中心に懸念される朝食抜きの欠食傾向を防ぎ、偏りがちな食生活の栄養バランスを整えるとともに、食材費や生活費が高騰する中で格安の食事を提供して学生の経済的負担を緩和することが、低価格メニュー導入の主な目的となっている。 薬学部設置校における実施状況 薬学部(全78校)の実施状況を集計したところ、私立大学(60校中42校/70.0%)、国公立大学(18校中12校/66.7%)ともに高い割合を示し、全体として約7割にあたる54校で100円朝食をはじめとする低価格メニューや限定的な無料提供などの実績が確認された(過去に実施していた大学も含む)。この結果からも、薬学生の食生活や健康面を支える施策が全国の大学で広く定着していることがうかがえる。 実証されている導入効果と「学生の声」 100円朝食等の導入効果については、九州共立大学や立命館大学などの事例において「遅刻の減少」や「単位修得率の向上・退学防止」への寄与が統計的・客観的に実証されている。 こうしたエビデンスに加え、アンケート調査等を通じて寄せられる「学生の声」からも、生活面や精神面における具体的かつ高い導入効果が浮き彫りとなっている。 例えば、欠食率の低減に関しては「一人暮らしを始めてから朝食を抜きがちだったが、100円で食べられるようになって毎日食べる習慣がついた」といったような声が見られた。 また、出席率やモチベーションの向上については「朝食を食べるために自然と早く起きるようになり、1時限目の授業に遅刻せず出席できるようになった」といった意識の変化がうかがえた。 さらに、キャンパス生活への定着という点でも「朝から友人と食堂で顔を合わせることで規則正しいリズムが作れ、モチベーションを維持して講義や研究に臨めている」という意見が寄せられている。食を通じた学生同士の交流や生活リズムの調整が、学業への意欲向上に確実に結びついていることが理解できる。 各大学における特徴的な取り組みと支援主体の枠組み 単なる朝食提供にとどまらず、現場では各大学のニーズに応じた独自の工夫が展開されている。 例えば東京薬科大学では、後援会の助成金などを活用した支援が定着しており、近年の物価高騰に対しては価格を150円(応援朝食)に改定するなど、取り組みを途絶えさせず持続させる柔軟な運用が見られる。 また、神戸学院大学では教育後援会と大学の助成により、朝食のみならず「200円夕食(ナイトメニュー)」の提供実績もある。遅くまで研究室での実験や国家試験対策を行う薬学生にとって、夜間の手頃な食事支援は非常に重宝されている。 こうした低価格メニューの運営費は、大学予算のみならず多様な団体のバックアップによって成り立っている。薬学部以外における事例として、埼玉大学などで見られる「企業協賛型モデル」では、地元企業からの協賛金によって安価な食事を提供すると同時に、朝食時に企業のPRや業界研究の機会を設けるという、相互にメリットのある仕組みが構築されている。 おわりに 薬学部における「100円朝食・低価格メニュー」は、過密なカリキュラムや研究に励む薬学生の健康維持と学業定着を促す、極めて実効性の高いインフラとなっている。 物価高騰という厳しい環境下にあっても、大学・生協・保護者・卒業生・企業が一体となって持続可能な支援体制を維持していくことが、未来の医療や薬学を担う学生たちの学びを支える鍵となるだろう。

  • 熊本県薬剤師会「薬剤師企業説明会」の開催中止について

    公益社団法人熊本県薬剤師会は、2026年7月28日に発生した最大震度7の地震による余震や交通機関への影響を考慮し、参加者の安全を最優先とするため、同年8月1日(土)に開催を予定していた「薬剤師企業説明会」の中止を発表した。

  • 【熊本大学】オープンキャンパス2026の対面開催を中止—熊本地震の影響で。オンライン企画は実施

    特設サイト「オープンキャンパス2026」より 熊本大学は、2026年7月28日に発生した熊本地震の影響を受け、今年度の「オープンキャンパス2026」の対面開催をすべて中止することを決定した。 大学側は、今後もしばらく余震の発生が懸念される点や、来場者の安全確保が難しくなった点などを総合的に考慮し、今回の判断に至ったとしている。 なお、対面イベントは中止となるものの、オンラインでの企画については予定どおり実施される。詳細なプログラムや視聴方法については、特設サイト「オープンキャンパス2026」にて確認が可能だ。 問い合わせ先 担当部署: 熊本大学 学生支援部 入試課 メールアドレス: nyushi※jimu.kumamoto-u.ac.jp         (メール送信の際は※を@に変えてください。)

  • 熊本大学長が緊急メッセージを発表 令和8年熊本地震を受け安全確保と全力支援を呼びかけ

    2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」を受け、熊本大学の小川久雄学長は翌29日、被災者への見舞いと今後の対応に関する緊急学長メッセージを発表した。 メッセージの全文および概要は以下の通りである。 緊急学長メッセージ全文 令和8年7月28日に発生した令和8年熊本地震により、尊い命を失われた方々に深く哀悼の意を表する。また、負傷された方、被災された方、そのご家族および関係の皆様に心よりお見舞い申し上げる。本学では現在、学生・幼児・児童・生徒・教職員の安否確認を進めるとともに、施設等の被害状況の把握に努めている。余震が続くことが予想される。皆様におかれては、ご自身ならびに関係する皆様の安全確保を最優先に行動していただくようお願い申し上げる。本学は、関係機関と連携し、復旧および支援に向けて全力で取り組んでいく。 令和8年7月29日熊本大学長 小川久雄

  • 高校生のためのサイエンス探究セッション「ファーマデザインラボ2026 in 秋田」を開催します

    東京薬科大学の教員有志が中心となり、次世代を担う高校生を対象に、理数系の学びを深め、また研究成果を披露し、研鑽し合うイベントとして10月24日(土)に秋田県湯沢市にて「ファーマデザインラボ2026 in秋田」を開催します。 本イベントは、現代社会が直面する生命科学や医療の進歩に向けて課題がある中、高校生ならではの自由な発想と論理的思考で、サイエンスにアプローチする機会を提供するもので、主な内容として①実験教室、②サイエンス研究や探究課題の成果をプレゼンするポスター発表を行います。 本イベントに参加する高校生を募集しています。 詳細については以下の項目をご確認いただき、参加希望の方は申込フォーム(当ページ下部にリンクがあります)から所定の項目をご記入のうえ、お申し込みください。 概要 イベント名称: ファーマデザインラボ2026 in 秋田 日時: 2026年10月24日(土) 10:00~17:00 会場: Orbray株式会社[TRAD] 秋田県湯沢市岩崎字狐崎8-29 参加対象: 高校生および教員、保護者 参加費:無料 主催: ファーマデザインラボ実行委員会 (東京薬科大学教員有志) 後援: 湯沢市 湯沢市教育委員会 日本理化学協会 事務局:株式会社エニイクリエイティブ プログラム 10:00 受付開始 10:30 オープニングセレモニー 10:40 実験教室(30名) 13:00 昼食(昼食をご用意します)/実験結果発表会/協賛企業プレゼン 14:00 高校生研究発表会(ポスター発表)/ サポーター大学研究発表 15:20 特別講演 東北大学病院薬剤部 前川正充准教授 16:00 Orbray会社説明 16:20 表彰式 16:30 交流会~閉会 ■メインイベント① 実験教室 大学教員の指導のもと、実験に必要な基礎的な技術や測定手法を学びながら、自ら課題を設定し、実験計画を立案・実施する探究型学習を行います。実験結果が予想どおりであった場合だけでなく、期待した結果が得られなかった場合についても、その原因や背景を考察し、得られたデータをもとに科学的な視点から結論を導きます。主体的に考え、試行錯誤しながら課題解決に取り組むことを重視します。 (※実験内容は現在調整中です。詳細は8月中に公表予定です) ◎実験教室の狙い ・実験に必要な基礎的な技術や測定手法を習得する ・自ら課題を発見し、仮説を立てて検証する力を養う ・実験結果を客観的に評価し、論理的に考察する力を身につける ・データを整理・可視化し、分かりやすく伝える力を高める ・プレゼンテーションやディスカッションを通じて表現力を磨く ・大学における研究活動を体験し、将来の学びや進路について考える機会とする ■メインイベント② 高校生研究発表会(ポスター発表) 高校生によるサイエンス研究・探究課題のポスター発表を行ないます。 対象テーマは生物・化学・物理はじめ、理系の研究・探究課題の成果を発表頂きます。優秀な内容には表彰を行います。 発表ご希望者は申込フォームに概要をご記入ください。 会場・アクセス 会場: Orbray株式会社[TRAD] 秋田県湯沢市岩崎字狐崎8-29 ◎公共の交通機関で来場の方は、JR湯沢駅と会場間の送迎バスを運行予定ですので、ご利用ください。(※発着時間の詳細は参加お申込みの皆様にお知らせします) ◎お車で来場の方は駐車場をご利用ください。 主催者情報 ■主催者:ファーマデザインラボ実行委員会について ファーマデザインラボ実行委員会は東京薬科大学の教員有志によるグループです。 プロジェクトリーダー :東海林敦准教授(生体分析化学教室) 東京薬科大学薬学部には約40の研究室があり、国内の薬学部でも最大級の研究室数と研究領域を誇ります。 基礎薬学研究から臨床薬学研究まで多彩な研究を行い、未来の医療をより良くする可能性に日々挑み続けています。 ◎東京薬科大学 薬学部「分子から社会まで、幅広い視点で薬学を学ぶ」  https://www.toyaku.ac.jp/ お申し込み・詳細 https://www.anycr.net/post/260720

  • 薬剤師を知りたい高校生へ:「薬剤師体験フェスティバル 2026 in GIFU」が8月23日に開催

    薬剤師の仕事や薬学分野に興味を持つ高校生、およびその家族を対象としたイベント「薬剤師体験フェスティバル 2026 in GIFU」が、2026年8月23日(日)の18時より開催される。同イベントは参加費無料であり、家族と一緒に参加することも可能である。会場では現役の薬剤師や薬学生が参加者を迎えており、直接質問をしたり話を聞いたりできる貴重な機会となっている。 同イベントは、岐阜県薬剤師会、岐阜県病院薬剤師会、岐阜薬科大学、岐阜医療科学大学の4団体が共同で主催し、岐阜県が後援を務めている。開催会場は、岐阜薬科大学の本部校舎のほか、岐阜大学医学部附属病院の薬剤部および岐阜大学医学部の医学部記念会館である。 職場見学から調剤体験まで目白押しのプログラム 当日は、薬剤師の多様な役割や大学での学びを深く知ることができる充実したプログラムが実施される。「お仕事の紹介」では、薬局薬剤師の具体的な仕事内容をはじめ、医療従事者や患者から頼りにされる病院薬剤師の役割、さらには人々の健康を支えつつ地域の環境を守る行政薬剤師の仕事まで、各分野で活躍するプロフェッショナルから直接話を聞くことができる。「大学の紹介・相談コーナー」では、岐阜医療科学大学薬学部の紹介や、「薬学ってどんなところ」と題した岐阜薬科大学の紹介が教員や学生の手によって行われ、進路や学びについての個別相談にも対応する。 また「見学ツアー」も用意されており、病院薬剤師による薬の調剤現場や患者への服薬指導、さらには血中濃度の解析作業といった実際の業務内容を間近で観察することが可能である。さらに、一部予約制・先着順で実施される「体験型イベント」では、参加者が自ら手を動かして学べる体験企画が数多く用意されている。具体的には、学校環境と薬剤師のかかわりについての学習、自宅へ足を運ぶ薬剤師の仕事を学ぶ在宅医療体験、市販薬から考える腹痛へのアプローチ、インスリンの自己注射体験などが含まれる。そのほかにも、注射薬の混合方法や配合変化の学習、散薬の混合・分包体験、健康茶の飲み比べ、吸入薬の上手な吸い方の学習、薬剤師の白衣試着、高齢者疑似体験など、実践的でバラエティ豊かなプログラムを体験できる。加えて、イベントに参加してスタンプを集めることで粗品がもらえるスタンプラリーも実施される。 なお、事前参加申込みを行った参加者には特典として、病院薬剤師が主人公の医療漫画『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』などが無料で配布される。 事前申込みの締め切りは8月16日(日)までとなっており、公式案内やチラシに掲載されているQRコードから手続きを行う必要がある。イベントの詳細についてはホームページでも公開されているほか、不明な点については岐阜県薬剤師会事務局(TEL: 058-260-8800)へ問い合わせることができる。 将来薬剤師を目指している高校生はもちろんのこと、医療や薬学の世界に少しでも興味がある方は、ぜひ参加を検討するとよいだろう。

  • メルクバイオファーマが切りひらく「妊活離職」ゼロの未来。当事者・専門医・先進企業と考える仕事と不妊治療の両立

    2026年6月30日、メルクバイオファーマ株式会社は「仕事と不妊治療の両立プロジェクト」のキックオフイベントを「THE GRAND GINZA GALLERY」およびオンライン配信にて開催した。会場とオンラインを合わせて約120人が参加し、企業の人事・DE&I担当者や医療関係者など、多方面から熱い関心が寄せられた。 不妊治療経験者の約4人に1人が治療の断念や離職、雇用形態の変更といった「両立の壁」に直面しているとされる※1。さらに、経済産業省の試算では、不妊治療に伴う離職やパフォーマンス低下による経済損失は年間約3,000億円にのぼる※2。 同イベントでは、当事者、医療、企業の各視点からゲストを招き、不妊治療と仕事の両立を「個人の問題」から「社会で支えるべき課題」へと転換するための議論が深められた。 メルクバイオファーマが描くプロジェクト始動の背景と目指す姿 冒頭では、同社ノースイーストアジア& ジャパン コミュニケーションヘッドの大楠絵里子氏が登壇し、不妊治療と仕事の両立の難しさから生じる「妊活離職」の実態に言及した。大楠氏は、これを個人だけの課題ではなく社会全体で向き合うべき問題であると指摘した。 同社は2017年より「YELLOW SPHERE PROJECT(YSP)」を通じてライフプランニングや不妊治療の理解促進に取り組んできた。今回のプロジェクト始動にあたり、「仕事か治療かの二者択一を迫ることのない“応援される職場”を日本全体に広げたい」と語り、他企業や医療従事者との協働による環境づくりの重要性を強調した。 当事者と専門医が語る両立のリアル 第1部では、フリーアナウンサーの吉田明世氏と東邦大学医学部教授の片桐由起子氏が登壇し、当事者視点と医学的視点から両立の難しさを語り合った。 周囲への相談と通院調整の難しさ 不妊治療経験者である吉田氏は、就労しながら通院スケジュールを調整する困難さや、職場での相談のしづらさについて言及した。「治療がうまくいかない場合もあるため、周囲の目を気にして当時は相談できなかった。しかし振り返ると、不妊治療のときこそ周囲に相談することが大切だった」と自身の経験を振り返った。 医療視点でのアドバイスとプレコンセプションケア 片桐氏は、通院の急な発生について「治療は卵胞の成熟度や予測される排卵日にあわせて組まれるため、突発的な通院が必要になる」と理由を説明。その上で、「治療の流れはある程度の予測が可能であるため、遠慮せずに医師へ相談し、スケジュール調整の可能性を探りながら取り組むことが負担軽減の助けになる」とアドバイスした。 また、セッション内では「プレコンセプションケア(将来の妊娠を見据えた健康管理)」に関するクイズも実施された。自分の体の状態を知り早期にリスクに気づくことで、キャリアとライフプランをトレードオフにせず主体的にコントロールしていく重要性が示された。 企業に求められる環境整備と先進企業の実践事例 第2部では、リクルートワークス研究所の萩原牧子氏、パナソニック コネクトグループの山口有希子氏、株式会社丸井グループの岡利樹氏、メルクバイオファーマの永田一彦氏の4人が登壇。労働市場の変化を踏まえ、企業に求められる支援策や運用上の課題について活発な議論が交わされた。 構造的な労働者不足が進むなか、萩原氏は多様な個の事情に対応し「選ばれる企業」となるための雇用のアップデートが必須であると指摘。制度の実効性を高めるには、誰もが利用できる制度設計、明確な評価基準、そして信頼関係の構築が重要だと述べた。 これを受け、先進企業からは現場での具体的な実践事例が共有された。 丸井グループ:従業員の「フロー」状態を支える環境づくり 丸井グループの岡氏は、社員が自分の能力を発揮して仕事に没頭し、幸福感を得られる「フロー状態」の実現に向けた取り組みとして不妊治療支援を紹介した。社内調査では「性別特有の健康課題を互いに助け合える環境」がある職場ほど、社員が仕事に集中できていることが判明。一人ひとりの「個」を生かす支援の重要性を強調した。実務面においては、プライバシーに配慮しつつ密なコミュニケーションを図ることで、制度を形骸化させない工夫が共有された。 パナソニック コネクトグループ:信頼と共感に基づくカルチャー醸成 パナソニック コネクトの山口氏は、多様な個性を尊重し公平な機会を提供する「DE&I」の推進が、社員の人権を守り、企業の強みにつながると強調した。具体策として、柔軟な休暇制度や研修の充実、卵子凍結の費用補助などを紹介。その上で「制度は作るだけでなく、運用に魂を込めることが大切」と述べ、根底にある信頼や共感、困ったときに助け合える社内風土の醸成こそが不可欠だと訴えた。 メルクバイオファーマ:働き続ける基盤としての徹底した制度設計 メルクバイオファーマの永田氏は「不妊治療支援は福利厚生ではなく、働き続けるための基盤」と定義。同社では「治療費用助成」「休暇取得」「疾患啓発」を3本柱として推進している。特に2026年6月からは、社員対象の生涯助成上限額を従来の315万円から100,000ユーロ(約1,800万円相当)へ大幅に引き上げた事例を紹介した。重要なのは金額そのもの以上に、社員が守秘性を確保された環境で安心して自分らしく働けることだと強調した。 未来へ向けた共創:メルクバイオファーマが目指す社会 クロージングでは、メルクバイオファーマ代表取締役のジェレミー・グロサス氏が総括を行った。グロサス氏は、企業、医療、行政、当事者の垣根を越えた協力の必要性を強調。2026年3月に発足した「社会で支える不妊治療共創会議」への参画や、情報サイト「MIRAI」を通じたサポート強化に触れ、「キャリアと不妊治療のどちらもあきめることなく、誰もが人生の歩みを進められる社会を目指したい」と力を込めた。 キャリアと不妊治療の両立は、個人の努力だけに委ねる段階を過ぎている。持続可能な組織と社会をつくるため、企業の制度設計とカルチャー醸成、そして社会全体の対話が今まさに求められている。 当日のトークセッションの模様をリアルタイムに記録したグラフィックレコーディング。当日議論された、不妊治療を取り巻く実態や、社会・企業が取り組むべき課題が分かりやすくまとめられている。 ※1:厚生労働省「令和5年度 不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」労働者アンケート(令和5年) ※2:経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」(令和6年)

  • 【薬学生必見】第59回日本薬剤師会学術大会(新潟)参加ガイド!日程・申込・注目プログラムまとめ

    2026年10月11日(日)・12日(月・祝)の2日間にわたり、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター、ホテル日航新潟、ANAクラウンプラザホテル新潟にて「第59回日本薬剤師会学術大会」が開催される。 薬剤師免許を保有していない大学等および大学院の在校生は「学生」区分での参加が可能である。学生参加費は事前・当日ともに1,000円と低く抑えられており、将来のキャリアや薬学の知見を広げる貴重な機会となる。 なお、学生区分で登録する際は、学生証または在学証明書の写しをアップロードする必要がある。 参加登録および各種申込スケジュール 会場での混雑緩和のため、事前に参加登録を済ませてからの来場が推奨されている。また、団体登録機能はないため、必ず個人ごとに手続きを行う必要がある。 参加登録期間・費用 事前参加登録期間:2026年5月1日(金)~ 8月5日(水)23:59 予定 費用: 学生 1,000円(税込) / 一般 11,000円(税込) 通常・当日参加登録期間:2026年8月19日(水)10:00 ~ 10月12日(月・祝)13:30 予定 費用:学生 1,000円(税込) / 一般 15,000円(税込) 学生向け注目プログラム&イベント 薬学生シンポジウム 日時: 2026年10月12日(月・祝)11:20~13:20 会場: 第8会場(ホテル日航新潟3F 朱鷺A) テーマ: 薬学の先に広がる可能性-現場で働くプロが語る“仕事”と“選択” 演者: 松下俊介(厚生労働省 医政局医薬産業振興企画課 専門官) 喜古美咲貴(株式会社バイタルネット 営業開発部難病支援担当/株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングス 事業開発部) 間井田成美(東京理科大学 薬学部 助教) 渡辺卓巳(株式会社エヌ・エム・アイ ALPHAS薬局新町店) 内藤 基(キッセイ薬品工業株式会社 医薬営業本部関越支店新潟営業所 営業所長) 行政、卸・ホールディングス、アカデミア、保険薬局、製薬企業と、多角的な領域で活躍する先輩たちの実体験や思考に触れられるセッションとなっている。 懇親会 日時: 2026年10月11日(日)19:15~21:15 予定 会場: ANAクラウンプラザホテル新潟 3F飛翔 参加費: 学生 5,000円(税込)※事前・通常ともに同額(一般は事前12,000円、当日14,000円) 申込期間: (事前)2026年5月1日(金)12:00 ~ 8月5日(水)23:59 (通常・当日)2026年8月19日(水)10:00 ~ 10月11日(日)20:00 備考: 定員に達し次第受付終了となるため、早めの申し込みが望ましい。

  • 【薬学生は参加費無料】現場の熱気を直接体感!「第20回日本薬局学会学術総会」が大阪で開催

    薬学の最新知見や保険薬局・医療現場のリアルな取り組みに触れられる「第20回日本薬局学会学術総会」(主催:一般社団法人日本薬局学会・一般社団法人日本保険薬局協会)が開催される。 同学術総会は、大阪での「現地開催のみ」となっており、オンラインによるライブ配信やオンデマンド配信は予定されていない。第一線で活躍する薬剤師や研究者の知見を直接耳にし、会場の熱気をリアルに体感できる貴重な機会である。 さらに、薬学生は参加費無料で参加できるため、将来の進路や現場での役割について考える絶好のチャンスとなっている。 ■ 学術総会の概要 大会テーマ:思いやりの心をもって ~現況と奮闘しなはれ~ 会期:2026年10月17日(土)・18日(日) 会場:グランキューブ大阪(大阪国際会議場) 開催形態:現地開催のみ(※配信等はなし) ■ 薬学生に参加をおすすめするポイント 教科書では学べない「現場のいま」がわかる 地域医療での薬剤師の奮闘や最新の薬局経営・業務改善など、臨床現場の実践的な取り組みが多数発表される。実習や国家試験対策だけでは見えてこない、将来の選択肢を広げる知見が得られる。 リアル開催ならではのモチベーション向上 全国から薬剤師や同じ薬学を志す仲間が集うため、会場に足を運ぶだけで日頃の勉強に対するモチベーションが大きく刺激される。 ■ 参加方法・登録の流れ 現地参加にあたっては、事前のWEB登録が必要となる。 参加区分・費用: 一般:6,000円 学生:無料(要学生証のアップロード/聴講目的以外の参加は不可) 登録手続き:公式WEBサイトの登録フォームより、区分「学生」を選択して必要事項と学生証画像を送信する。 当日の入場:登録後に発行されるマイページの二次元コードを、会場(グランキューブ大阪)の発券機にかざして参加証を受け取る。 ■ 受付期間および詳細 早期登録:2026年6月2日(火)正午 ~ 9月16日(水)23:59まで ※早期登録を完了すると、9月下旬頃に要旨集が事前発送される。 直前・当日登録:2026年9月17日(木)00:00 ~ 10月18日(日)17:00まで 大学での学びを一歩深め、未来の薬剤師像を描くための場として、ぜひ参加を検討してみてほしい。詳細や申込は公式WEBサイトをご確認いただきたい。

  • 「経済財政運営と改革の基本方針2026」等の閣議決定を受けて——日本薬剤師会がコメントを発表

    政府が2026年7月21日に「経済財政運営と改革の基本方針2026」および「規制改革実施計画」等を閣議決定したことを受け、日本薬剤師会は7月23日に見解を示すコメントを公表した。今回の決定に対する本会の受け止めや今後の姿勢は以下の通りである。 「健康増進支援薬局」の活用と地域貢献への意欲 今回の基本方針2026では「攻めの予防医療と疾病対策」として、「地域住民の健康増進に資する薬局機能及び薬剤師の果たす役割の強化」が明記された。2025年の薬機法改正で認定制度として法定化された「健康増進支援薬局」の枠組みを積極的に活用し、地域住民一人ひとりのセルフケア支援や疾病予防に取り組んでいく考えだ。地域の医療・介護関係者や自治体等と連携し、医薬品の提供にとどまらない責任を果たしていく必要がある。 医療提供基盤の安定に向けた財政措置への期待 持続可能な社会保障制度に向けた検討の必要性は理解するものの、国民の医療・医薬品アクセスを損なってはならない。現在、現場の薬局は物価・金利上昇や医薬品の納入価格高騰により厳しい経営状況にさらされている。2026年度の調剤報酬改定や今後の経営実態調査を踏まえ、国民皆保険の維持と質の高い提供体制構築のための適切な財政措置が講じられることを強く期待したい。 医薬品の安定供給と市場実勢の的確な把握を要求 後発品を中心とした医薬品供給の不安定化により、調達に追われる現場の疲弊は依然として慢性化している。中間年改定への反対スタンスは変わらないが、実施にあたっては市場実勢価格や現場の実態を的確かつ正確に把握したうえで適切な対応がなされるべきである。 調剤業務の外部委託検討に対する警戒と注視 規制改革実施計画に盛り込まれた「一包化を行わない調剤の外部委託等の検討」については、極めて注意深く見守る必要がある。調剤業務は薬剤師の根幹かつ専権業務であり、安全性の確保と責任の観点から今後の議論の推移を注視していく方針だ。 日本薬剤師会は、今般の方針で示された期待に応え、地域医療や保健・公衆衛生の向上に向けて薬剤師としての責務を果たしていく構えである。

  • 日本保険薬局協会が調査:中東情勢緊迫化に伴う調剤資材の供給遅延と薬局現場の対応実態

    一般社団法人日本保険薬局協会の医薬品流通検討委員会は2026年7月、中東情勢の緊迫化やナフサ供給不安に伴う「調剤関連資材等への影響に関する実態調査報告書」を発表した。2026年6月15日から7月3日にかけて全国5,466の保険薬局を対象にオンラインで実施された同調査では、現場における資材調達の遅延や在庫逼迫の現状、ならびに各種対応の工夫が浮き彫りとなった。 資材調達リードタイムの長期化と在庫の現状 調査結果によると、平時と比較して調剤関連資材の調達リードタイム(発注から納品までの期間)が延長しているとする回答が多数を占めた。 特に遅延が顕著であるのは軟膏容器(軟膏壺)であり、「1週間以上の遅れ」と回答した割合が89.5%に達した。次いで水剤ボトル(投薬瓶)が76.0%、錠剤・散剤等一包化機器の分包紙が75.4%となり、調剤に不可欠な多くの資材で納期の遅れが生じている。 また、在庫量に関しても懸念が示されている。軟膏容器では39.3%、分包紙では38.1%の薬局が「在庫量1ヵ月未満」と回答しており、約4割の店舗で在庫が逼迫している実態が判明した。 クロス集計や統計解析の結果では、処方箋受付回数が多い大規模な薬局ほど資材の消費量が多いため、在庫1ヵ月未満となる割合が高くなる傾向が認められた。例えば、軟膏容器において在庫1ヵ月未満の割合は、月間処方箋受付500回未満の薬局で18.3%にとどまる一方、2,000回以上の薬局では60.0%に達した。 現場における創意工夫と連携対応 調達遅延や在庫の減少に対して、現場の薬局は一律に入手不能となる事態を回避しつつ、多様な対策を講じて業務を継続している。 選択式設問において最も多く挙げられた対策は「薬局間での在庫調整(62.8%)」であり、次いで「資材の節約(47.8%)」「患者への協力呼びかけ(28.9%)」「処方医との連携(25.5%)」であった。 自由記述回答の分析(1,857件)からは、さらに具体的な現場の工夫が明らかになっている。 処方医との連携・運用見直し: 軟膏の混合を避けてチューブ単位での処方や重ね塗り指示へ切り替える相談、処方日数の見直し、小児処方における水剤から散剤・ドライシロップへの変更、不要な一包化の抑制などが実施されている。 資材使用量の抑制・容器再利用: 複数容器の1つへの統合、計量カップやスポイトの必要時のみの交付、患者への洗浄済み空容器持参・再利用の依頼などが行われている。 代替資材の活用: 100g容器の不足時に50g容器を2個使用するなどのサイズ調整や、別メーカー・別規格品の活用により補っている。 今後の見通し 現場からは、容器や分包紙だけでなく、PTPシート、薬袋、レジ袋、手袋などの周辺消耗品の品薄・価格上昇や、医薬品自体の供給・物流への波及を懸念する声も寄せられている。 しかし報告書では、現時点において資材が一律に入手不可能となっているわけではなく、薬局間の調整や節約運用によって対応が維持されている点を強調している。また、不安感に基づく過剰発注や買い占め行動は流通の偏りや目詰まりを引き起こすリスクがあるため、冷静な判断と適正発注の徹底が求められる。 同協会は、今後も調剤業務への影響が大きい資材の供給状況を注視し、現場の懸念が続く場合には再調査や関係行政・メーカー・卸との情報共有を通じて、供給の安定化に向けた検討を進める方針である。

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