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  • 薬学生の92.6%が医療DX・AIに期待〜日本薬学生連盟・カケハシ共同調査より

    一般社団法人日本薬学生連盟と株式会社カケハシは、薬学生向けキャリア支援イベント「教科書には載っていない薬局のリアル」を開催した。これに併せて、参加者などを対象とした共同企画「薬学生のキャリア意識・医療DXに関する実態調査」を実施した。 実態調査から見えた薬学生の本音 医療現場・薬局業界でのDX・AI活用に対する意識 就職活動とは別に、医療現場や薬局業界におけるDX・AI活用の進展に対し、薬学生の92.6%(「とても期待している」「やや期待している」の合計)が期待を寄せていることが判明した。 DX・AI活用に「期待すること」(複数回答可) ・業務負担の軽減(60.3%) ・人的ミスの減少・防止(54.0%) ・患者さんとのコミュニケーション量の増加(50.8%) ・医療の質向上(27.0%) ・単純作業の削減(23.8%) 回答の多くは業務負担の軽減や安全性の確保、対人業務の充実に集中しており、単なる効率化以上の価値を期待している様子が見て取れる。 求人票だけでは届かない現場の雰囲気と「IT・DX環境」の重要性 求人票や企業説明会だけでは「判断が難しい・情報が足りない」と感じる項目として、「職場の雰囲気(44人)」や「現場で働く薬剤師のリアルな声(36人)」が上位に挙げられた。さらに、就職先を検討・選択する際の基準として、就職活動を本格的に見据える高学年(5・6年生)の70.0%(「とても重視する」「やや重視する」の合計)が「職場のIT・DX環境の導入状況」を重視しているという実態も明らかになった。 【調査実施概要】 調査対象:イベント参加者および日本薬学生連盟のメーリングリストを通じて回答した薬学生69人 調査期間:2026年6月15日〜18日 企画・実施:一般社団法人日本薬学生連盟 × 株式会社カケハシ 熱気に包まれたキャリア支援イベントの現場 東京および大阪の2会場で開催された本イベントには、学生69人、18社の法人が参加した。 当日は、さまざまなキャリアを持つ薬剤師とのカジュアルなランチ交流やフリータイムが設けられた。参加した5年女子学生からは「合同説明会よりカジュアルに多くの企業の先輩から本音が聴けるのを魅力に感じて参加した。過去の病棟勤務の経験が現在の薬局での在宅医療に生かせているという話が、キャリアのつながりとして印象的だった」との声が聞かれた。また、5年男子学生からは「大手やドラッグストアも含めて新システムを導入し業務効率化を進めている点に驚き、対人業務に関する学びを深めていくモチベーションが高まった」といった意見が寄せられた。 今回のイベントおよび調査を通じ、これからの時代を担う薬学生が、医療DXの推進による業務環境の向上と、対人業務をはじめとする薬剤師本来の価値発揮に対して強い関心を抱いていることが示された。

  • 崇城大学長、熊本地震を受け夏季休暇の前倒しを発表 試験延期で学修機会も保障

    崇城大学学長の小野長門氏は8月4日、同年に発生した熊本地震に関する学長メッセージを公表した。メッセージにおいて小野氏は、被災者への心からのお見舞いを伝えたうえで、学生の安全と心身の健康を最優先とし、夏季休暇の開始時期を当初の予定から2週間程度前倒しすることを明らかにした。 大規模災害が学生に及ぼす心理的影響を考慮し、一人ひとりが心を落ち着かせ、自身や家族の安全に向き合う時間を確保することが狙いである。また、保護者が危惧する学修の遅れや進級・卒業への影響に対しては、前期の期末試験を夏季休暇終了後に延期して実施する方針を示した。後期授業は当初の予定どおり開始し、教育の質を維持しながら年間の教育計画に支障が出ないよう柔軟に対応していくとしている。 大学側は今後も学修面、生活面、心理面での支援を継続するとともに、個々の状況に寄り添った必要な対応を行っていく構えである。小野氏はメッセージの締めくくりとして、困難な状況下で他者を思いやり支え合う大学の役割を強調し、学生や地域社会とともに一丸となってこの試練を乗り越えていく強い決意を示した。

  • 熊本大学長、熊本地震の被災へのお見舞いと授業再開を公表

    熊本大学学長小川久雄氏は8月3日、同年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」に関する学長メッセージを公表した。メッセージの冒頭で小川氏は、地震により尊い命を失った人々へ深い哀悼の意を表すとともに、被災した方々やその家族、関係者に向けて心よりのお見舞いを申し上げた。 大学側は発災直後に災害対策本部を設置し、学生や教職員の安否確認とキャンパス内の被害状況の把握に努めてきた。一部の施設や研究機器に被害が生じたものの、大学施設の健全性が確認されたため、8月3日より授業を再開した。あわせて、附属病院についても通常の診療体制へと復帰しており、学内は少しずつ落ち着きを取り戻しつつある。なお、幸いにも学生および教職員の人命に係る被害は確認されていない。 最後に小川氏は、被災直後から全国の国立大学をはじめ多方面から寄せられた支援や温かい励ましの言葉に対し、教職員を代表して深い感謝の意を示した。依然として余震が続く厳しい状況ではあるが、今後も関係機関と緊密に連携しながら、復旧および支援活動に向けて全力で取り組んでいく方針である。

  • 第26回JAPANドラッグストアショー 薬学生の参画や新設「アカデミックフォーラム」で進化するセルフメディケーション

    2026年7月31日から8月2日にかけて、東京ビッグサイトにて「第26回JAPANドラッグストアショー」が開催された。同イベントでは「セルフメディケーションによるドラッグストアの未来像~NEXT25~」をテーマに掲げ、多様な展示や催しが行われた。なかでも次世代を担う薬学生の積極的な参加や、学術的アプローチを強化した新企画が大きな注目を集めた。 現役薬剤師とタッグを組んだ「薬科大学生クイズ大会」 8月1日のイベントステージでは、「薬学生&薬剤師と一緒に考える 私たちのくすり 薬科大学生クイズ大会」が開催された。本大会には、大学とドラッグストア企業による以下の6つの合同チームが出場した。 神戸薬科大学&アカカベ 城西大学&トモズ 城西国際大学&スギ薬局 帝京大学&龍生堂本店 東京薬科大学&ツルハ 星薬科大学&マツキヨココカラ&カンパニー 大会では、指定乱用防止医薬品や漢方薬の実務的な知識から、物理化学の学問的知識、薬に関する雑学まで幅広く出題された。問題解説はセキ薬品常務取締役 調剤本部本部長の関颯伎氏が担当し、専門的な視点から分かりやすく丁寧な解説を加えて大会を支えた。 学生たちは日頃の学習成果を発揮し、現役薬剤師のサポートを受けながら白熱した戦いを展開した。難問にも果敢に挑んだ接戦の末、見事に優勝を果たしたのは神戸薬科大学&アカカベチームであった。優勝した学生からは「大学で学んできた知識をこうした大きな舞台で発揮でき、さらに薬剤師の方と一緒に力を合わせて優勝をつかみ取ることができて本当にうれしい」といった喜びと感謝のコメントが寄せられ、会場は大いに盛り上がった。 優勝した「神戸薬科大学&アカカベ」チーム 地域とのつながりを作る「健康茶房」ブース 会場内のアルフレッサヘルスケアブースでは、帝京平成大学・スギ薬局との共同企画として「〜地域とのつながりを作る〜 コトカフェ 健康茶房」が展開された。 この取り組みは、薬局を単に薬を受け取る場所ではなく、地域住民が自然と集うコミュニティの場へ転換させることを目指して企画されたものである。ブースでは、処方箋なしで気軽に立ち寄れるスペースとして、健康茶の提供とともに血圧測定や健康相談を行い、学生が参加者の健康ニーズをくみ取る貴重な実践の場となった。 健康茶房のブース 学術研究の成果を一堂に集めた「アカデミックフォーラム」を新設 今回のドラッグストアショーにおける大きな目玉の一つが、新設された「ドラッグストアアカデミックフォーラム」である。 本フォーラムは、ドラッグストアにおける薬剤師の高度な実践研究や地域医療への貢献を体系的に発信することを目的として設置された。会場では全28演題のポスター発表が行われ、一般来場者の混雑を気にせず学生や大学関係者がアカデミックな視点でじっくりと交流できるよう会議棟にスペースが設けられた。 ポスター発表では、マツキヨココカラ&カンパニーによるChatGPTを活用した調剤支援業務の可能性と課題の検討や、千葉薬品によるマイナ保険証活用による重複防止と減薬提案といったDX・最新技術の活用に関する事例が紹介された。また、杏林堂薬局によるパーキンソン病患者のADL改善事例や大賀薬局による在宅緩和ケアでの訪問看護師との連携といった地域医療・在宅ケアの取り組みも提示された。さらに、星薬科大学による薬物濫用防止に向けた「薬のゲートキーパー」としての役割の検討や、ウエルシア薬局による移動販売を通じた過疎地での地域ヘルスケア提供など、社会課題への先進的なアプローチが幅広く発表された。 アカデミックフォーラムの様子 今回のドラッグストアショーは、単なる商品紹介の場にとどまらず、薬学生のフレッシュな感性と現場での実践知、そして学術的な研究成果が融合する、ドラッグストアの新しい可能性を示すイベントとなった。

  • 佐藤薬品工業×立命館大学がタッグ!学生の柔軟な発想で「奈良の和漢薬」に新たな息吹を

    立命館大学経営学部西岡ゼミのメンバーと佐藤薬品の社員たち 佐藤薬品工業株式会社と立命館大学経営学部の西岡正ゼミは、奈良の和漢薬資源における新たな価値創出を目指す「価値共創プロジェクト」を開始した。 市場調査から「本気の製品化」へ 本取り組みには、同ゼミに所属する3年生21人が参加する。学生たちは市場調査やマーケティング分析を通じて、奈良の和漢薬の魅力を生かした商品アイデアを企画・検討する。単なるアイデア提案にとどまらず、実際の製品化まで視野に入れた具体的な企画提案を行う予定だ。 同社は、学生ならではの柔軟な発想や新奇な視点を取り入れることで、和漢薬の新たな可能性を探求し、伝統ある奈良の和漢薬文化の魅力を広く発信することを目指す。 薬の発祥地・奈良から発信:伝統の6次産業化と次世代への継承 奈良県は『日本書紀』にも記載がある通り、薬草の採取や栽培、調製といった歴史を持つ「薬の発祥の地」である。この地で医薬品の受託製造事業を展開してきた佐藤薬品工業は、薬用植物の自社栽培から製品企画、販売に至る6次産業化を推進してきた。 今回の産学連携プロジェクトを通じて、次世代を担う若者とともに新たな価値を創出すると同時に、奈良の和漢薬文化および同社の取り組みに対する認知度向上を図っていく考えだ。

  • DX・多職種連携・フェムケアで激変するドラッグストアの未来像──第26回JAPANドラッグストアショー JACDSパネルディスカッション

    「第26回 JAPANドラッグストアショー 2026」において、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)主催のパネルディスカッションが開催された。業界を牽引するトップ経営陣が集結し、これからのドラッグストアが果たすべき役割について熱い議論を展開。薬学生の皆さんが将来活躍するフィールドがどう進化しようとしているのか、5つのテーマから最新動向を読み解く。 調剤・医療連携・介護領域:患者の「生活圏」で自然につながる仕組みづくり 杉浦氏 初めに、医療機関・介護施設・薬局が分断されることなく、患者の「生活圏」で自然に手を取り合う環境づくりが議論された。 一方で、医療機関や介護施設と過度に近づきすぎることに対して「門前薬局等立地依存減算」や「経済上の利益の提供による誘引の禁止」といった制度上の懸念が生じる点も共有された。これに対し、スギホールディングス株式会社代表取締役副社長の杉浦伸哉氏は「制度上の独立性や透明性を両立させつつ、判断軸を『患者負担の軽減』『アクセス改善』『アウトカムのエビデンス』において、健全な連携モデルを育てていく」と表明。同社が進める「ハブ&スポーク構想」では、ケアプランセンターや訪問看護ステーション、福祉用具レンタルを備えたハブ店舗を中心に、周辺の店舗(スポーク)と連携して患者の生活空間までシームレスな支援を届ける体制を構築している。 株式会社ツルハホールディングス代表取締役社長の鶴羽順氏は「日常的な接点が最も多いドラッグストアにはプライマリケア機能が求められている。薬剤師が処方箋を渡すだけでなく、登録販売者、管理栄養士、ビューティースタッフ、介護スタッフが一体となったチーム連携が重要だ」と多職種連携の必要性を強調。 JACDS会長の塚本厚志氏も「薬剤師の業務負荷が増すなか、DXやIT、AIを活用して業務を効率化し、患者さんとのカウンセリングに集中できる時間を確保することが不可欠だ」と語り、テクノロジーを活用した現場対話の重要性を訴えた。 予防・未病領域:DX×専門職で実現する「攻めの予防医療」 水田氏 角谷氏 続いて、受診前の段階で適切な判断を行い、必要な医療へつなぐトリアージ機能と、食事面からのアプローチが紹介された。 株式会社新生堂薬局代表取締役社長の水田怜氏は、処方箋がなくても気軽に相談できる場を「ヘルスケアステーション」と定義。独自開発した特許システム「健康台帳®」を活用したトリアージエンジンを紹介した。全相談件数41,362件のうち、医療機関受診が必要なレベル(Red Flag)を0.6%検出するなど高い精度を実証。知識不足による不要な受診勧奨を防ぎ、根拠を持った受診提案やOTC医薬品の推奨を実現することで、客単価上昇や顧客離脱率の改善というビジネス成果も挙げている。「質の高い対話と適切なトリアージが、社会保障費の抑制と企業収益の両立を可能にする」と手応えを示した。さらにJACDSとしても「受診勧奨ガイドライン」を作成し、全国の店舗を「健康生活拠点」として標準化していく構想が語られた。 株式会社トモズ代表取締役社長の角谷真司氏は、スーパー「サミット」等と共同展開する健康相談コーナー「けんコミ」の事例を発表。1店舗に管理栄養士2人を常駐させ、1日平均で測定312回、カウンセリング27回といった高い利用実績を挙げている。さらにアプリによるデータ管理と栄養アドバイスを連携させ、専門性を生かした売り場づくりとリピート率向上を両立させている。 また、角谷氏はJACDS管理栄養士委員会委員長として、ドラッグストアにおける管理栄養士のさらなる活躍に向けて「ドラッグストアにおける管理栄養士の実態調査」を実施。企業側へのアンケート調査と管理栄養士本人へのヒアリング調査の両面から現場の課題を抽出しており、認知度向上策や教育、好事例の収集などを通じて、業界全体での「ドラッグストアにおけるあるべき管理栄養士像」の確立と環境整備を進めていることが報告された。 コンビニエンス(利便性)の追求:生活に溶け込む身近な存在へ 日常の生活導線上にあるドラッグストアだからこそ提供できる、「食」も含めたワンストップな利便性の追求が語られた。 塚本氏は、ドラッグストアの成長軸として「簡便性(利便性)」「コストパフォーマンス(ディスカウント性)」「ヘルス(健康・美容)」の3要素を提示。「単に便利なだけでなく、顔を見て名前で呼び合えるような心理的な近さと信頼関係を築き、真っ先に選ばれる存在であり続けることが重要だ」と述べた。 これを受け、杉浦氏は「地域住民や高齢者がワンストップで生活を完結できるよう、中食・総菜分野の強化を進めている」と説明。現在、セントラルキッチンで作られた惣菜・お弁当の店舗導入を拡大(中部34店舗・関西14店舗の計48店舗)しており、今後は協業している株式会社トライアルホールディングスからの商品提供を受けながら、供給エリア(関東・中部・関西)や商品ラインナップを大きく拡大し、日常の「食」と「健康」の提案をより身近に広げていく姿勢を示した。 サクセスフルエイジングとライフステージへの寄り添い:人生に寄り添う「ライフストア」へ 鶴羽氏 年齢を重ねることを前向きに捉える「サクセスフルエイジング」の概念と、顧客の生涯にわたって関わり続ける店舗づくりが提示された。 塚本氏は「サクセスフルエイジングの基盤は日々の健康生活にある。食事や運動、セルフメディケーションを通じて個々が体調を整える努力をする社会を目指すことが、持続可能な社会保障制度を支える」と力説した。 また、ウエルシアホールディングス株式会社との統合を進める株式会社ツルハホールディングスの鶴羽氏は「私たちが目指すのは『ライフストア』というビジョンだ。特定の店舗形態を指すのではなく、乳幼児のおむつから介護・終末期まで、お客様の人生のあらゆる変化に地域密着で寄り添う存在でありたい」と力強く語った。 女性の健康とビューティー:フェムケアで広がる新たな専門性 初鹿氏 ヘルスケアとビューティーの両面から女性の健康をサポートする「フェムケア」の最前線について、より踏み込んだ発表が行われた。 マツキヨココカラ&カンパニーグループ・株式会社MCCマネジメント執行役員の初鹿妙子氏は、思春期・成熟期・更年期・老年期と変化するライフステージにおいて、女性ホルモン「エストロゲン」が心身の健やかさをつなぐ重要な鍵であることを解説。エストロゲンは、肌のハリ・弾力や豊かな髪といった「外面の美しさ」だけでなく、自律神経の調和・質の高い睡眠・血管の柔軟性や骨密度の維持といった「内面の健やかさ」にも深く関わっている。 初鹿氏は「女性のサクセスフルエイジングには美と健康の両面を捉えることが不可欠だが、『相談してもいいと気づいていない』『どこで相談できるか分からない』『自分に合った商品に辿り着けない』女性が非常に多い」と問題意識を指摘。 同社ではその解決策として、薬剤師・医薬品登録販売者・管理栄養士・ビューティースペシャリスト等を対象とした社内認定制度「フェムケアスペシャリスト」を育成・配置し、ドラッグストアを誰もが気軽に相談・解決できる場へと変革している。さらに、自社女性従業員向けに「プレコンセプションケア支援(20〜40歳代の葉酸含有サプリ購入補助)」や「更年期ケア支援(40歳以上のエクオール含有サプリ購入補助)」といった健康支援プログラムを展開。「スタッフ自身が実体験を通して理解を深めることで、店頭でのリアルで説得力のある提案へと繋がる。『あのとき知っていればよかった』という後悔をなくす取り組みを広げたい」と締めくくった。 ドラッグストアで描くこれからのキャリア 今回のパネルディスカッションを通して見えてきたのは、単に「薬を渡す場所」を超えて、DX技術を活用した高精度なトリアージ、管理栄養士や他職種とのチーム医療、フェムケアなどの専門的アプローチ、そして人生のあらゆる場面に寄り添う「ライフストア」へと進化するドラッグストアの姿だ。 これからのドラッグストア薬剤師には、調剤スキルはもちろんのこと、患者さんの生活空間全体を捉える視点や、多職種と連携して「予防〜医療〜介護」をシームレスにつなぐリーダーシップが求められている。就職活動や実習の場でも、ぜひ「これからのドラッグストアが果たす地域役割」に注目してみてほしい。

  • クオールHDが「UMU」のAIワークショップを導入! 育成担当者がAIエージェント構築までを実践

    ユームテクノロジージャパン株式会社は2026年8月4日、実践型AIリテラシー学習プログラム「UMU AILIT」のハンズオンワークショップを、クオールホールディングス株式会社(以下、クオールHD)へ提供したことを発表した。当日はクオールHDおよびグループ各社の教育担当者から役員層まで計24人が参加し、生成AIの基礎から実務に即したAIエージェントの構築までを体系的に学んだ。 導入の背景と決め手 多くの企業で生成AIが「導入されて終わり」となり現場に定着しない課題がある中、研修や人材育成の現場でも指導人員や時間の不足が深刻化している。こうした課題に対し、調剤薬局事業を軸に展開するクオールHDは、育成担当者自身がAIを使いこなして研修作成を効率化するアプローチを選択した。 クオールHDでは、すでに学習プラットフォーム「UMU」をグループ内で約8,500アカウント利用している実績があった。さらに今回は、200本以上の学術論文に基づいた信頼性の高いコンテンツや、AIからその場でフィードバックを受けながら試行錯誤できる実践的な学習設計が高く評価され、導入へと至った。 ワークショップの内容と成果 全2回にわたり対面で実施されたプログラムの初日には、参加者はAIリテラシーの基礎を修得し、独自フレームワーク「RSTCC」を使ったプロンプト設計とAIによる即時フィードバック付きの対話演習を行った。2日目には効果的な研修設計の考え方を学んだうえで、自社の業務に合わせた専用のAIエージェントを実際に構築した。 実施後のアンケートでは、参加者の95%が「今後もAIツールを業務で活用したい」と回答し、84%が自社業務向けAIエージェントの構築を達成する大きな成果が得られた。 受講者からは実務に直結した内容でやり方を見直すきっかけになったという声や、応用場面の広さを実感したという反響が寄せられた。また、クオールHDの常務取締役である長沼未加氏も、今回のワークショップを通じて育成や研修業務の可能性が大きく広がる手応えを得られたとしたうえで、今後は学んだ内容を現場業務で生かし、グループ全体の人材育成をさらに進化させていきたいと期待を寄せている。

  • 【城西大学薬学部】がん患者と家族のためのレシピサイト「cojimiru」を開設

    城西大学薬学部は、がん患者とその家族に向けたメニューサイト「cojimiru」を公開した。 同サイトは、2018年から継続されている「がん患者さんのためのメニュー開発」プロジェクトの成果をまとめたアーカイブサイトである。当初は医療栄養学科の取り組みとしてスタートしたものの、現在では薬学科、薬科学科、医療栄養学科の3学科が連携する多職種連携教育プログラムへと発展を遂げている。 患者の身体と家族の食卓によりそう工夫 サイトに掲載されているレシピは、実際に闘病中のがん患者の症例をもとに開発されたものである。がん化学療法に伴う味覚障害や口内炎、食欲不振、吐き気といった副作用や体調の変化に対応しており、苦味や金属味を感じるときでも食べやすい工夫や、食欲がないときに少量で効率よくエネルギーを補給できる工夫が凝らされている。 さらに、薬剤師や管理栄養士の視点から、抗がん薬と食品の相互作用にも十分な配慮がなされている。患者本人の食べやすさや栄養面を追求するだけでなく、同じ食卓を囲む家族も一緒においしく食べられるメニューとなっている点が大きな特徴である。 閲覧者は自身の体調や好みに合わせてスムーズにレシピを検索できる構成となっており、「味覚変化」「吐き気」「食欲不振」といった症状や悩みからの検索に加え「主食」「主菜」「副菜」といったメニュー種別からの検索にも対応している。 3学科混成のグループにて検討、試作を行う 3学科の専門性と強みを生かした多職種連携 同プロジェクトの核となっているのが、薬学部の持つ3学科の専門性を融合させた教育体制である。それぞれの学科が果たす役割と専門性は以下の通りである。 医療栄養学科(管理栄養士養成) 食と栄養の専門家として、患者の症状や食べやすさ、嗜好に配慮した栄養バランスの良い献立を作成する。さらに実際の調理や栄養価計算、試作検討を担当している。 薬学科(6年制・薬剤師養成) 医療薬学の専門知識を生かし、がん化学療法による副作用の発生メカニズムや症状を詳細に調査する。使用食材と処方薬(抗がん薬など)の飲み合わせに問題がないか、薬学的視点から確認を行う。 薬科学科(4年制・創薬および生命科学研究) 創薬科学や生命科学の知見に基づき、食品成分と医薬品の相互作用について科学的根拠を調査・検証し、レシピの安全性と有効性を裏付ける。 学問の垣根を越えたチームによる開発工程 14回目を迎えた今回のレシピ開発では、薬学科4年生と薬科学科・医療栄養学科の1〜4年生が学科横断の混成グループを結成。学生たちは症例に応じた1日分の献立を考案し、以下のプロセスを経てレシピを作り上げた。 副作用・症状の調査: がん化学療法による副作用を調査し、食事面での課題を抽出する。 メニュー考案・栄養計算: 医療栄養学科が中心となり、栄養バランスと食べやすさを両立した献立を作成する。 相互作用・エビデンス確認: 薬学科および薬科学科が、食材と医薬品の飲み合わせや科学的根拠をチェックする。 試作・試食検討会: 実際の調理を行い、味付け、彩り、硬さや温度などの食べやすさを学生と教員で評価・改良する。 レシピ公開: 管理栄養士資格を持つ大学院生や、薬剤師・管理栄養士の資格を持つ教員による最終確認を経てサイトへ掲載する。 また、同プロジェクトには那覇市立病院の管理栄養士や、みよの台薬局の薬剤師・管理栄養士など、実際の医療現場で活躍する専門家も協力しており、教育現場と臨床現場の知見を融合させることで、きわめて実践的で信頼性の高い内容が担保されている。 医療の未来を担う人材育成と今後の展開 超高齢社会や医療技術の高度化に伴い、医療現場では単一の専門性だけでなく、異なる職種と協働して課題を解決する「多職種連携」の力が強く求められている。同プロジェクトは、食、薬、生活という多面的な視点から患者の健康を支える力を養う教育プログラムとして、人生100年時代を支える医療人材の育成に寄与している。 同サイトでは、今後も学生たちが情熱を傾けて開発した新たなレシピを順次追加し、更新していく方針である。 関連リンク: がん患者とその家族のためのメニューサイト『cojimiru』

  • 第26回JAPANドラッグストアショー 来場者数速報

    一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会主催による「第26回JAPANドラッグストアショー」が、2026年7月31日から8月2日までの3日間にわたり、東京ビッグサイトにて開催された。「セルフメディケーションによるドラッグストアの未来像 ~NEXT25~」をテーマに掲げた今回の開催では、連日多くの来場者が詰めかけた。 会期3日間の総来場者数は112,989人を記録し、前年度実績(99,510人)を13,479人上回る結果となった。 日別の来場者数および前年度実績との比較は以下の通りである。 7月31日(金・商談日) 来場者数:29,841人(前年度実績:26,969人) 8月1日(土・商談日/一般公開日) 来場者数:38,643人(前年度実績:31,418人) 8月2日(日・商談日/一般公開日) 来場者数:44,505人(前年度実績:41,123人) 全ての日程において前年度の動員実績を上回り、ドラッグストア業界およびセルフメディケーションに対する関心の高さを印象づける開催となった。

  • 第26回JAPANドラッグストアショーが開幕

    2026年7月31日、東京ビッグサイトにて「第26回JAPANドラッグストアショー」のオープニングセレモニーが挙行された。会場には朝から多くの業界関係者や来場者が集まり、熱気であふれていた。 主催者を代表して登壇した日本チェーンドラッグストア協会会長の塚本厚志氏は、冒頭で直前に発生した熊本地震の犠牲者へ悼みの意を示し、被災者へのお見舞いを述べた。その上で「ドラッグストア業界は2030年に13兆円の売上高が期待されている。我々は『NEXT25』を見据え、世界中の人々のウェルビーイングに貢献する産業を目指して挑戦を続けていく」と力強く宣言。さらに「実りある3日間を通じ、出展者の皆様が『出展してよかった』と思えるような会にすることをお約束する」と熱い意気込みを語った。 続いて登壇した実行委員長の尾池勇紀氏は、今回のテーマ「セルフメディケーションによるドラッグストアの未来像~NEXT25~」に込めた思いを語った。自身が38歳であることに触れ「2050年には62歳。自分事としてこのテーマを考えている。次の25年はAIの普及により、ビジネスも生活環境も一変する」と変化のスピードを強調。その一方で人口減少や少子高齢化といった社会課題に言及し「人にまつわる課題はテクノロジーだけでは解決できない。しかし、この業界が持つポテンシャルを発揮できれば、1歩ずつ解決できる。誇張ではなく、ここにいる全員が力を合わせれば『世界を変えられる』と信じている」と、業界の未来に向けた並々ならぬ情熱を露わにした。 防災啓発と被災地への募金活動を展開 セレモニー後のパネルディスカッション前には、同協会防犯・有事委員会委員長の石田岳彦氏が登壇し、令和8年熊本地震に対する支援体制と防災活動について報告を行った。 石田氏は「健康に尽くし、生活の糧になることが我々の大きな使命である」と語り、すでにドラッグストア各社から現地へ熱中症対策商品などの支援物資が出荷されている現状に言及した。さらに、熊本県や国(経済産業省)からの支援要請に基づき、JACDSとしても今後同様の支援をしっかり行っていくことが理事会でも確認されていると明かした。 あわせて、東日本大震災から10年以上の節目としてリニューアルされた「備蓄啓発パンフレット」の周知を図るとともに、日本赤十字社を通じた被災地支援の募金活動を開始したことを発表。会場内の協会ブースやレセプション会場に募金箱が設置されるほか、加盟各社でも8月末を目途に募金活動が展開される予定である。

  • 大阪医科薬科大学病院が「令和8年熊本地震」の被災地へDMATを派遣

    大阪医科薬科大学は2026年7月31日、7月28日に発生した「令和8年熊本地震」の被災者支援に向け、大阪医科薬科大学病院の災害派遣医療チーム(DMAT)を現地に派遣すると発表した。今回の派遣は、厚生労働省DMAT事務局から大阪府を経由した要請に応じるものである。 派遣隊員は医師2人、看護師2人、調整員2人の計6人で構成される。派遣にあたっては、8月1日、12時30分より出発式が行われる予定である。 隊員の活動期間は8月2日から5日までとなっている。熊本県南活動拠点本部(熊本労災病院内)に参集し、現地での医療救護活動などに従事する見込みである。

  • 新薬が日本に届かなくなる?製薬協が語る「イノベーション評価」と「日本の薬価・市場の課題」

    宮柱氏 日本製薬工業協会(製薬協)は2026年7月30日、都内で会長会見を開催し、今般閣議決定された「骨太の方針2026」および「日本成長戦略会議」の決定事項に対する同協会の見解と今後のビジョンを発表した。 骨太の方針2026:新薬のイノベーション評価と薬価制度の課題 7月21日に閣議決定された「骨太の方針2026」について、会長の宮柱明日香氏は「国民の健康と命を守り、日本経済の成長と競争力に貢献するための内容が幅広く反映された」と高く評価した。 特に同方針には、米国における「最恵国待遇(MFN)価格政策(※他国で取引されている最も安い薬価と同等まで自国の薬価を引き下げようとする政策傾向や議論)」をはじめとする諸外国の動きを踏まえ、革新的な医薬品が日本で迅速に発売(上市)される環境整備を進めることが明記された。さらに、初収載時における適切な価値評価や、特許期間中の薬価の在り方(売上が伸びた薬の価格を下げる『市場拡大再算定』や『持続可能性特例価格調整』の見直しなど)、費用対効果評価制度の再検討を通じて、新薬のイノベーションを正当に評価する方向性が示された。 宮柱氏は、今後の薬価改定や制度改革に向けて「革新的な新薬の価値を十分に評価できる制度設計について、さらに議論を深めていきたい」と語った。 日本成長戦略会議:官民投資64.1兆円規模のロードマップ 日本成長戦略会議のワーキンググループに構成員として参加した宮柱氏は「医薬品産業は国民の生命と健康、経済成長、安全保障を支える国家の基盤である」との認識を一貫して訴えてきた。今回の会議で取りまとめられた「官民投資ロードマップ」では、「創薬・先端医療」および「合成生物学・バイオ」の2領域において、2040年までに累計約64.1兆円の官民投資規模が掲げられた。これは全17の戦略領域の中で、AI・半導体に次ぐ2番目の規模となる。 製薬協の試算によると、諸外国の薬価抑制リスクに対して「薬価制度の見直しや成長投資、MFN等の制度変化への適切な対応」を行った場合、何もしなかった場合と比べて2040年時点で年間12.8兆円の経済価値(粗付加価値)が生み出され、106万人の雇用創出が見込まれるという。また、乳がん・認知症・メンタルヘルスの3疾患を対象とした健康増進による生産性向上効果も、2.7兆円に上ると推計されている。 事業戦略本部長の榊原由紀子氏は、この「12.8兆円の経済効果」の内訳について補足説明を行った。制度改革や成長投資を行わず、海外の薬価抑制リスクを放置して新薬の60%が日本に入ってこなくなった場合、日本の製薬市場は「マイナス4.2兆円」の打撃を受ける。一方で、適切な対応を取って日本市場の魅力を高め、順調に市場が拡大した場合は「プラス8.6兆円」となる。両者の差額を計算すると、実に「12.8兆円分」もの大きな成果(価値の底上げ)を生み出すことになるという。 国際的な薬価リスクへの対応と「市場の魅力度」の本質 海外の薬価引き下げ政策に伴うリスクへの対応について、事業戦略本部MFN TFリーダーの赤名正臣氏は「単なる一産業の薬価の問題ではなく、これまで米国が過度に負担していた創薬イノベーションのコストを、各国の経済力に応じて相応に負担し合おうという議論である」と解説した。 背景には、膨大な新薬開発費の多くを薬価の高い米国市場が実質的に支えてきたグローバル構造がある。米国が「他国並みに薬価を下げる(MFN政策)」と主張し始めたことで、日本をはじめとする先進国も自国の経済力に応じた相応の価格(イノベーションのコスト)を負担し、世界全体で創薬を支え合う姿勢が求められている。赤名氏は、海外動向の把握や厚生労働省などの関係省庁との連携を進め、日本の患者に革新的な新薬を迅速に届ける体制の維持を目指すと述べた。 また、製薬企業が投資先を選ぶ指標となる「市場の魅力度」の定義について問われた宮柱氏は「日本の一番の強みは、国民皆保険制度のもとでのアクセス(患者が必要な医療にかかれることや、公的保険の適用によって新薬がすばやく使える環境)」であると強調した。単に薬価の水準(価格の高さ)のみを指すのではなく、優れた新薬が患者に届きやすい医療環境全体が、日本市場の魅力度を形成しているとの見解を示した。 持続可能な社会に向けた今後の取り組み 宮柱氏は最後に「誰もが必要な医療にアクセスできる持続可能な社会の実現を目指し、研究開発投資の継続、国内製造基盤・人材育成・医療DXの強化に取り組む」と強調した。今回示された方向性を具体的な政策・制度へと落とし込み、実行に移すべく、今後も官民一体となった協議を継続していく姿勢を示した。

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