top of page

検索結果

Search this site

空の検索で421件の結果が見つかりました。

  • 学会・学術大会に行ってきました!

    研究者が自身の研究成果を発表し、その妥当性を検討・論議する学会や、同じ関心事を持つ人たちが集って最新の知識を得たり、意見交換を行ったりする学術大会。主な参加者は研究者や薬剤師であるが、大学院や研究機関の道を目指すため、最新の知見を得たり、臨床現場の実態を把握したりするために参加する学生も少なくない。ここでは学会等に参加した学生に、参加した目的や感想などを聞いた。 愛知学院大学3年 佐藤大歩(さとう だいほ) 佐藤さん ■参加した学会について 日本薬剤師会学術大会は「将来の可能性を広げ、自分の未来を彩るきっかけをくれる場所Jこのような気持ちが芽生えた2日間でした。私が参加したきっかけは2日目に開催された薬学生シンポジタムの企画担当責任者を務めるためでしたが、大変多くの学びを得ることができました。災害医療を取り上げた今回のイベントは、薬学生が主体的ではあったものの、学術大会の参加経験が乏しい私はご参加いただいた薬学生と社会人薬剤師の多さに目を見開き、会場の雰囲気には圧倒されていました。 ■参加して気づいたことは? 大変多くの分科会、ポスターセッション、ランションセミナーなどに足を踏み込んだだけでも、「今の医療や技術はここまで進んでいるのか」と果気に取られ、「自分はまだまだ何も知らない」のだと大学で勉強をする意味をあらためて見いだすことができました。自分からさまざまな場所に赴き、多くの社会人の方々にお話を伺うなかで気が付くと緊張は消え、薬学生も社会人の方もそれぞれの思いが学術大会には集まっていたことに気づきました。 ■今後の目標は? 今回の経験を糧に、自分らしく薬剤師として活躍で薬学生シンポジウムに関わった方々ときるよう、これからも精進していきたいと思います。 ■後輩に伝えたいこと 「薬剤師の職能は学生が思っている以上に深く自由なのだ」と、参加したことのない後輩や学校の友人にそう伝えたいです。 薬学生シンポジウムに関わった方々と   慶應義塾大学6年 宮澤みなみ(みやざわ みなみ) 宮澤さん(左から2番目) ■参加した学会について 3年次に先輩に誘われて、当時コロナ禍でオンライン開催だった日本医療薬学会年会を聴講し、臨床現場で活躍するたくさんの“スーバー薬剤師"の発表を聞いて、カンコイイ!私もこうなりたい1と大興奮したのがきっかけで興味のある分野の学会に積極的に参加するようになりました。 今回の日本薬剤師会学術大会では日本の薬局薬剤師の活躍の幅を知るとともに、日本薬学生連盟に薬学生企画の依頼が来たということで、本企画をきっかけにもっと多くの薬学生に学会に足を運んでもらい、私が経験したような感動を味わってもらいたいとの思いで運営として参加しました。 ■ 気になった研究、発表は? 私が特に印象に残ったのは腎臓病薬物療法認定薬剤師を持つ薬局薬剤師の先生の講演です。処方箋への臨床検査値の記載が少しずつ進んではいるものの、全ての医療機関で記斎売されているわけではなく、腎機能の把握が難しかったり院内処方であったり、患者が複数の薬局を利用していたりとさまざまな要因で腎機能に応じた用量調節がなされないケースも少なくありません。そんな中、近隣医療機関に腎機能検査値の記載をお願いしたり、そこで得たデータをおくすり手帳に記章交し他の薬局に共有したり、院内処方の処方元に問い合わせて次回からの減量を提案したりと、情報が足りないなら自分で取り1こ行く、さらにそれを周囲に共有するという安全な薬物治療の提供を目指した積極的な姿勢に感動しました。 ■今後の目標は? 私は来年度から博士課程に進学し週末は薬局薬剤師として働く予定ですが、研究でも臨床でも壁にぶつかった時は言い訳をせず、どうしたらできるかを考え続ける姿勢を忘れないようにしたいです。 日本薬学生連盟が企画した「薬学生シンポジウム」の様子。災害医療をテーマに、現場の薬剤師とグループワークをして薬剤師のあり方について考えた。   帝京平成大学6年 上山彩葵(かみやま さき) 今回の発表で優秀賞を受賞した上山さん ■参加した学会について 日本地域薬局学会年会に参加することで、ポスター発表を行い卒業研究の成果を発表すること、地域における薬剤師の役割を学ぶこと、実際の医療現場での課題や解決策について理解することを目的としました。 ■気になった研究、発表は? 特に気になったのは、「薬局薬剤師ができる地域住民のための健康管理」についての発表です。エクオーノレは女性に使用されることが一般的ですが、男性の関節痛に対する使用症例が紹介されており、とでも興味深かったです。実際の医療現場での使用方法や治療効果を知ることができ、勉強になりました。 ■研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? 地域で行われている薬剤師の活動についてや、薬局での取り組みについて多くの話を伺いました。特に、若年者に対する薬物治療や栄養療法、認知症に関する教育活動についての話が印象的でした。どのようにして若年者にこれらの重要な知識を普及させるか、具体的な取り組みや成功事例を共有していただくことができました。 ■参加して将来の進路に変化はありましたか? 学会に参加することで、私の将来の進路に対する考えがさらに明確になりました。私は将来、病院薬剤師として医療に関わりたいと考えています。このため、病院薬剤師が地域医療とどのように関わっていけるのかを深く考えるきっかけとなりました。病院内での役割だけでなく、地域との連携や協力の重要性を再認識しました。 ■今後の目標は? 指導教官の井手口直子先生(左)上山さん) 今回の学会参加を機に、薬剤師国家試験に向けての勉強に一層励み、将来臨床で使える知識を身につけることが目標です。学会で得た新しい知識や視点を生かし、実際の医療現場で役立つ薬剤師になるために努力していきたいと考えています。 ■後輩に伝えたいこと 後輩には、学会に積極的に参加することを勧めたいです。学会に参加することで、実際の医療現場の状況を学ぶことができ、理論だけでは得られない貴重な経験を積むことができました。また、自分の研究を発表し、多くの方々からフィードバックを得ることで、自分の成長につながると感じました。     東京薬科大学4年 小山内天音(おさない あまね) 小山内さ ■参加した学会について 私は、薬学部2年生の時に初めて、仙台にて開催された「第55回日本薬剤師会学術大会」に参加しました。多くのシンポジウムに参加することで、現代社会における薬局の問題等を学び、実際に薬剤師として働かれている方々のお話もお聞きすることができました。このような経験から、視野を広げることができたと感じています。 今回参加した「第57回日本薬剤師会学術大会」では参加者としてだけでなく「薬学生シンポジフム薬学生の未来に彩りを~災害医療から考える薬剤師のあり方~Jの運営側という立場としても参加しました。もっと薬学生が気軽に学会に参加してほしい、という思いから薬学生シンポジラムの企画運営に携わり、約半年間作り上げてきたシンポジウムを無事開催することができ、心からうれしく思っています。 ■ 研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? 多くのポスターや展示を拝見し自ら積極的に質問をすることで、より多くの企業について知ることができました。 会場前にて ■ 今後の目標は? 将来は、製薬企業の創薬に貢献し、一人でも多くの患者さんを救いたいと考えています。そのため、現在は就活と研究を両立させながら、研究の成果を学会で発表することが目標です。 ■ 後輩に伝えたいこと 視野を広く持ち、社会で貢献できるような人材となるためには、自らさまざまなことに挑戦し、経験することが必要不可欠です。私は、全国の薬学生と交流できるような団体の運営やオーケストラでの活動を通して、自分を成長させることができたと感じています。 低学年の方は、視野を広げるためにもまず、さまざまなことに「挑戦」してみてください。学会に足を運ぶのもその一つだと思います。きっと、自分が興味あること'やりたいと思えることに出会えるはずです。   東京薬科大学博士課程2年 千明大悟(ちあき だいご) 千明さん ■参加した学会について 日本分析化学会第73年会に参加することで、ポスター発表を行い同じ研究分野の研究者に聴いていただき、意見交換すること、自身の研究に関係せずとも最新の研究内容や分野を知り、発表者と直接話をすることでより詳細な情報を学ぶことを目的としました。 ■ 気になった研究、発表は? 特に気になったのは、リポソームを用いて実際の細胞の分極状態などを再現する実験についての発表です。細胞の模倣を目指す実験は私も行っており、使用していた試薬も似たものがあったため、とても興味深かったです。DDSの分野だけでなく、人工細胞とし てリポソームが使用されていく研究がさらに深化することを期待しています。 ■研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? 企業の研究者と話をする時間が多かったですと特に私の研究の今後の展望や産業利用についてディスカッションを行いました。また、似た研究を行っている研究者と、この分野の課題や苦労する手技、それに対する互いの工夫点などを意見交換することができました。 ■参加して将来の進路に変化はありましたか? 学会に参加することで、私の将来の進路に対する考えがさらに明確になりました。私は将来、企業に就職し、研究を通して培った技術を生かしたいと考えます。自身の研究分野がどのような企業に必要とされているのか、似た研究を行っている企業はどこかなどに興味が湧きました。 ■ 今後の目標は? 企業に就職して役に立てるよう、自身の研究の専門性高めるとともに、さまざまな研究に触れ、幅広い知識を身につけたいと考えます。 学会に参加したことでその後も交流が続く仲間ができたという。 ■後輩に伝えたいこと 後輩には、学会に積極的に参加することを勧めたいです。学会に参加することで、たくさんの研究成果をコンパクトに聞くことができます。しっかり理解することは難しいかもしれませんが、どのような研究分野があるかなど雰囲気を味わうことはできます。自身の 研究をポスターやスライドにまとめ声に出して発表することで、さらに理解が深まります。また、多くの方々とディスカッションをすることで、自分の成長につながると感じました。     東京薬科大学博士課程2年 中村好花(なかむらこのか) 国際学会で賞を受賞した中村さん(右) ■参加した学会について 大学で毎日研究をしていく中で、研究室内という狭い視野にとらわれていると感じていました。そこで、学会に参加することによって新たな知見を得ることができるのではないかと考え、参加を決意しました。 ■気になった研究、発表は? 経営学の観点から「開発」や「イノベーション」について切り込んでいた発表が強く印象に残っています。このような異分野の方の発表を聞くことができる機会があるのも学会の醍醐味であると感じました。 ■研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? 薬学部を卒業して研究者となった方に学生時代にどのようなことを考えて研究をしていたのかという話を伺いました。学生時代の過ごし方は無限であるからこそ、一つの考えを聞く意義を実感しました。アドバイスもしてくださり、とても頼もしかったのを覚えています。 ■参加して将来の進路に変化はありましたか? 国際学会参加が世界に目を向けるきっかけとなりました。外国の方に向けて発表や質問をすることによって、研究は世界中の人が行っているのだと実感じました。将来は海外で活躍する研究者になりたいと強く感じました。 ■ 今後の目標は? 学会会場の部屋から見た富士山と海の風景 学会発表を通じて自身の研究内容についてだけでなく発表方法についても多くの課題を見いだしました。この課題を糧にして、研究者としてさらに成長できるようにしていきたいです。また、国際学会へのさらなる参加を目標とし、広い視野で研究を進めることによって自身の研究の新たな可能性を探求したいと考えています。 ■ 後輩に伝えたいこと 「研究内容について知識がない」「質疑応答に自信がない」などと不安になって一歩を踏み出せない方もいらっしゃると思います。しかし、自分の発表を面白く伝える気持ちと学びの姿勢があれば十分です。学会での経験は決して無駄にはなりません。ぜひ挑戦してみてください。応援しています。     東京薬科大学6年 畠山慶悟(はたやま けいご) 畠山さん ■参加した学会について 日本英学会、分析化学討論会に参加することで、ポスター発表を行い、卒業研究の成果を第三者に発表しすることを目的としました。また、他学部の学生の取り組んでいる研究を学ぶことで今後の自身の研究ヘの糧とすることを目的としました。 ■気になった研究、発表は? 「研究を遠隔で行うための遠隔シスズムの構築」についての発表に興味をもちました。病院実習での経験で医療現場はいまだアナログな部分が多くあることを実感していました。しかし、学会で上記のような研究内容が発表されていることから近い将来、医療現場でのデジタ′レ改革が実現され、昨今の医療現場での人材不足の課題の解決にもつながると期待しています。 ■研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? 自身の行っている研究が今後どのように社会に貢献していくのかという内容について議論を交わしました。当初は研究内容について理解が追い付かない部分もありましたが、お話をしたことで将来このようになったらいいな、そのためにこの研究が行われているという長期的な目線からの研究へのアプローチが可能となり、より理解を深めることができたと思います。 ■参加して将来の進路に変化はありましたか? 学会に参加したことによる将来の進路の変化は特にありませんでした。ですが、臨床現場、大学、企業それぞれの立場の方々が研究を発表している学会に参加したことで医療への貢献は1つの立場ではなく複数の立場から実現していることを強く認識しました。 学会会場前にて ■今後の目標は? 薬剤師国家試験に向け勉学に励み、学生生活の集大成として薬剤師免許の取得が現在の目標です。そして学会、実習で得た経験を生かし、将来は製薬企業の立場から医療に貢献できる人材になりたいと考えています。 ■後輩に伝えたいこと 学会への積極的な参加を勧めたいと思います。自身が打ち込んできた研究内容を第三者に簡潔に説明すること、多くの方々と議論を交わすことは研究室内では得られない経験ばかりです、また、この経験は学生に留まらず、将来の社会人としての成長にもつながると考えています。   東京薬科大学博士課程2年 北谷菜津美(みたや なつみ) 北谷さん ■参加した学会について 自身の研究成果を発表するために学会に参加しました。発表を通じて、異なる分野の研究者に対して自分の研究内容を簡潔かつ明瞭に伝えるためのプレゼンテーションスキアンを磨くことを目指しています。また、質疑応答の際には、他の研究者と建設的に議論を交わすためのコミュニケーションスキノレを向上させています。 ■気になった研究、発表は? バイオ界面の分析化学に関するシンポジタムでの発表は、非常に興味深いものでした。特に、界面における水分子の動態に関する発表が印象的であり、自身の研究を進めるうえで大変参考になりました。発表内容を通して、界面での分子の挙動やその影響を理解することができ、自分の研究に新たな視点を取り入れるヒントを得ることができました。 ■研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? アカデミアの研究者とは、主に自身の研究に関する議論を交わし、研究を進めるうえでの課題や悩みについて助言をいただくことが多いです。その助言を通じて、研究の進行に役立つ新たな視点や方法を学ぶ機会となっています。また、企業の研究者とは、なぜ企業を選び、どのような目標を持って研究に取り組んでいるのかについて話を伺いました。彼らの話から、企業での研究の目的やアプローチ、実践的な成果に向けた取り組みの姿勢について理解を深めました。 ■参加して将来の進路に変化はありましたか? 学会に参加する前は、薬局薬剤師や病院葵剤師の具体的な役割や活躍の場については理解していましたが、研究者がどのように活躍しているのかについては、あまり明確なイメージがありませんでした。しかし、学会に参加してさまざまな分野の研究者とお話をさせていただくことで、研究者としてどのように社会に貢献できるのかを具体的にイメージできるようになりました。 ■今後の目標は? 多様な視点を持つ研究者と交流を深めることで、一つの事象に対してさまざまな角度から考える力を養うことを目標としています。そのためには、自分の発表で受けた質疑応答を丁寧に振り返り、研究の理解を深めるだけでなく、関連する分野の研究発表にも積極的に参加して学びを広げたいです。 ■後輩に伝えたいこと 学会に参加することで得られる多くのスキルは、研究に限らずどの職業にも生かすことのできる「トランスファラブルスキル」として役立ちます。例えば、プレゼンテーションスキル、コミュニケーションスキル、時間管理能力などは、どの職業においても重要です。単位取得のためだけではなく、自分自身のスキルアップのために学会発表を経験してほしいと思います。   東京薬科大学博士課程1年 北爪颯(きたづめ はやて) 後列左から2番目が北爪さん。前列右から、東海林 敦先生と森岡和大先生 ■ 参加した学会について 学会に参加することで、ポスター作製の技術やプレゼンテーション能力を高めたいと思い、参加しました。また、他の研究発表を聞くことで、発表の仕方を学んだり、自分の知らないことを吸収したいと考えたからです。 ■気になった研究、発表は? 特に興味をひかれたのは、紙のマイクロ流体デバイスを用いた工場の廃棄溶液の分析のデバイスについての発表です。紙マイクロデバイスの研究を私たちの研究室でも行っており、実際の現場での利用を意識した研究が非常に興味深かったからです。 ■研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? 他の研究者の方々とは、自分の研究に関することについての議論や就職についての話をすることが多いです。 ■参加して将来の進路に変化はありましたか? 私の将来の進路に対する考えは変わらず研究者になりたいと考えています。特に多くの研究発表を聞く中で、基盤研究の重要性をあらためて感じました。社会の問題を解決するためにも新しい分析法などの基礎研究を行いたいと考えています。 学会でポスター賞を受賞した。 ■今後の目標は? 今回の学会参加を機に、自分の発表にはまだまだ改善すべきことが多いことを実感しました。今後はこれらの課題を克服し、より多くの人の興味をひくような発表ができるようになりたいと思っています。 ■後輩に伝えたいこと 後輩には、学会に積極的に参加することを勧めたいです。学会に参加することで、初対面の人とのコミュニケーション能力が向上し、人の発表を聞いて質問することで考察力も養われます。これらは普段の研究でも得られますが、学会発表では普段以上に経験することができると考えています。     東邦大学3年 秋本さくら(あきもと さくら) 秋本さん ■ 参加した学会について 日本薬局学会学術総会に参加することで、薬局の方がどんな問題に取り組んでいるのかを知り、実際の現場でどのような課題や解決策があるのか学ぶことです。 ■ 気になった研究、発表は? 特に気になったのは、「精神科医療における薬局薬剤師の対人業務を考える」についての発表です。患者さんとの会話の仕方にガイドラインが作成されていることを初めて知り、さまざまな状況で薬剤師としてどのような対応をすべきなのかを考えることができて印象に残りました。 ■ 参加して将来の進路に変化はありましたか? 薬局での薬剤師の姿や役割等について多くの方が真剣に学ばれているのを見て、薬剤師になってからもたくさん勉強をし続けていくことを実感しました。私は将来、薬系技官(厚生労働省)を目指しているのですが、現場の薬剤師の方がどんな患者さんや課題と向き合っているのかを常に理解していたいなと思いました。 ■ 今後の目標は? 将来のために試験に向けて勉強をしながらヽ、自分の興味ややりたいことを大切にしながら大学外での活動にも挑戦し続けていこうと思います。今回学術大会に参加させていただいたように、新しい情報に触れたりさまざまな経験を積んでいきたいです。 ■ 後輩に伝えたいこと ぜひ一度学会や学術大会に参加してみてほしいです。大学では学べないことをたくさん知ることができ、また積極的に活動している薬剤師の方々を近くで見られるので、とても良い刺激を受けることができると思います。敷居が高く感じるかもしれませんが、意外とそんなこともなく自身が何をしたいのかを考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。     日本薬科大学4年 柴田冴理(しばた さえり) 学会では多くの研究者や薬剤師と意見交換した柴田さん(右) ■参加した学会について 昨年、和歌山で開催された日本薬剤師会学術大会に参加した際、地域医療や薬剤師の役割について多くの学びを得ました。その経験から、今回、埼玉で開催された大会でもさらに深い知識を得たいと考えました。特に、地域包括ケアシステムにおける薬剤師の具体的な役割や、最新の医療現場の課題について学び、自分の将来像を明確にすることを目的に参加しました。 ■気になった研究、発表は? 日本薬剤師会会長の岩月進先生が語られた「自助・互助・共助・公助」の考え方が心に残りました。地域社会の中で薬剤師が果たすべき役割を、住民に分かりやす「見える形」にすることの大切さに気づかされました。薬局が単に医薬品を提供する場所ではなく、地域の健康を支える基盤であることをどう示していくか、具体例を交えた先生の講演から多くの示唆を得ました。 ■研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? 学会では多くの研究者や薬剤師の方々と意見交換をする中で、地域医療や災害医療の課題とその解決策について深く話す機会がありました。岩月先生の講演を踏まえ、「地域で薬局の存在をどう分かりやすく示すか」というテーマで、具体的な取り組みや工夫について議論しました。特に、災害時には避難所で薬剤師がどのような役割を担うべきか、避難所の環境改善や被災者の健康維持に向けた実例を教えていただき、大きな学びとなりました。 ■参加して将来の進路に変化はありましたか? 学術大会で得た学びは、将来の進路をさらに明確にするきっかけとなりました。災害時や地域包括ケアにおける薬剤師の役割を考える中で、自分は医療の現場だけでなく、地拗社会における貢献にも力を入れていきたいと感じました。特に、地域医療と薬局の連携を深める取り組みに携わりたいという気持ちが強まりました。 ■今後の目標は? 5年生になると現場実習が始まります。そのため、今回の学術大会で得た知識や視点を基に、実習でさらに理解を深め、臨床や地域医療で役立つ知識を確実に身につけたいと考えています。 ■後輩に伝えたいこと 学術大会に参加することは、自分の視野を広げ、成長するための大きなチャンスです。発表を通じて、現場の薬剤師や研究者から 直接ノイードバックを得られるのは、とても貴重な経験でした。後輩の皆さんには、ぜひ積極的に学会に参加し、現場での実践につながる知識を吸収してはしいです。   北里大学4年 久住直之(くすみ なおゆき) 久住さん(右)と竹中さん ■参加した学会について 医療業界が直面する最新の課題を学ぶこと、普段会えない方々と直接話すことも目的としました。(日本薬剤師会学術大会) ■ 気になった研究、発表は? 「地域の健康増進とセノンフメディケーション推進ヘの薬剤師の関与」では、震災と感染症対策の同時推進が強調されていた点が印象に残りました。後発医薬品の供給問題については、薬局が「医薬品の拠点」としての役割を取り戻す必要性を再認識しました。学生シンポジウムでは運営の一人として関わることができたことも大きな経験となりました。 ■研究者や薬剤師とどんな話をしましたか? オンライン上で知り合った薬学部5年生と、リアルで初めて会い、実習の楽しさなどについて話を聞くことができました。さらに、薬局アワードを運営する竹中孝行先生から、人間関係の育み方について経営者目線での考えを伺いました。懇親会では、日本薬剤師会の岩月進会長とお話する機会があり、AIの進展によって薬剤師の役割がどのように変わるかについても伺うことができました。 ■参加して将来の進路に変化はありましたか? 学会を通じて、現場の薬剤師として変革することには限界があると感じ、医療業界を支援する企業で働きたいと考えるようになりました。 学生シンポジウムの運営に携わった久住さん ■今後の目標は? 医療業界が抱える長期的かつ複雑な課題をより深く理解し、具体的な解決策を見いだすために学びを続けていきたいです。今、医療業界は変革期を迎えていると思うので、その流れに遅れないよう努力していきたいと考えています。 ■後輩に伝えたいこと 分科会での内容が分からなくても心配いりません。それが普通です。臆せずに社会人と話してくださいI!皆さん親切で、いろいろな人たちと話す中で多くの経験や視点を学ぶことができるはずです。

  • 能登半島地震、その時薬剤師はどう動いたか①

    1月1日16時頃、石川県の能登半島で発生したマグニチュードフ.6の大地震。 最大震度7の激しい揺れを観測し、津波も発生した。多くの尊い人命が奪われるとともに、社会インフラが破壊され、地域社会が崩壊するような壊滅的な被害が生じた。地震発生翌日には各地から派遣されたDMAT(災害派遣医療チーム)が救護にあたり、岐阜県や神奈川県などから派遣されたモバイルフアーマシー(災害対策医薬品供給車両)が調剤にあたり、さらには被災地に駆けつけた薬剤師が医薬品集積所や医療救護所などで医療支援を行っている。ここでは現地で災害医療支援に従事された薬剤師にお話を伺い、災害医療における薬剤師の役割を聞いた。 横浜薬科大学 モバイルファーマンーを出動し、災害医療活動に従事する 左から長嶋さん、金田さん、鈴木さん ―能登半島地震が発生後、横浜薬科大学では、有志の職員(薬剤師)が被災地で災害医療に従事されたそうですが、いつ支援に向かわれたのでしょうか。 金田光正(以下金田):横浜薬科大学では2018年に横浜市薬剤師会および横浜市と大規模災害の発生時に薬局機能を維持・補完するモバイルファーマシーを連携して運用する協定を結んでいます。今回は、日本薬剤師会から横浜市薬剤師会への支援要請に基づき、横浜薬科大学が保管・管理しているモバイルファーマシーを1月10日に被災地へ出動させることになりました。派遣メンバーは横浜薬科大学、横浜市薬剤師会、神奈川県薬剤師会の薬剤師で、第1陣から第7陣まで交代で被災地へ向かいました。第1陣は1月10日にモバイルファーマシーでおよそ9時間かけて能登半島へ行きました。現地の薬剤師を統括する石川県薬剤師会からの要請で能登町に行き、災害対策本部のある能登町役場近くの駐車場で活動していました。 鈴木高弘(以下鈴木):派遣された当初は、モバイルファーマシーの運用期間は決まっていませんでしたが、病院や薬局の再開状況を見ながら、第1陣は1月10日から14日改で、第2陣は14日から19日まで、第3陣が19日から23日まで、第4陣は23日から27日まで、第5陣は27日から31日まで、第6陣は31日力うら2月4日まで、第7陣は、2月4日から6日まで、薬剤師が入れ替わって活動し、2月6日にモバイルファーマシーは撤退しました。第2陣以降のメンバーは横浜から金沢まで新幹線、金沢市からは能登町まではンンタカーを駆使し、およそ6時間かけて現地に向かいました。 長嶋大地(以下長嶋):モバイルファーマシーは、神奈川県のほか、岐阜県、三重県、宮城県、和歌山県などからも派遣され、輪島市、穴水町、珠洲市などで活勃していました。 モバイルファーマシーにはどんな機能があるのでしようか。 金田:モバイルファーマシーには、医薬品が約300種類入る棚、自動分包機、薬品冷蔵庫、分包機、注射剤の混注ができるクリーンベンチといった薬局の機能に加え、災害時の対応のための無線、最大4人が宿泊できるベッド、トインなどが備わっており、被災地の薬局の機能が復旧するまでのつなぎ役として活勃します。 長嶋:モバイルファーマンーの大きな特徴は自律していること。電力や水が途絶えた状態でも調剤や医薬品の交付を行うことはもちろんのこと、寝食も車中で行うことができます。今回の場合、食料や水については金沢市で調達しました。車内はお湯しか使えなかったので、私が滞在していた期間は11食連続、カップラーメンと菓子パン、栄養補助食品という状況でした。 能登町役場近くの駐車場を活動拠点にしていたモバイルファーマシー ―被災地ではどんな活動をしましたか。 長嶋:第4陣として被災地に入ったのですが、急性期から慢性期へと災害医療活動のフェーズが変わる時期で、2日目には、薬局が営業し始めました。避難所で発行される災害処方箋は1日数枚でした。災害処方箋は、避難所DMAT(災害派遣医療チーム)やJMAT(日本医師会災害医療チーム)の医師が発行します。従来の処方箋との違いは「災」という文字と避難所名が明記されていることです。各避難所で発行された災害処方箋は、拠点となる役場に届けられ、モバイルファーマシーに持ち込まれます。それを私たちが調剤し、避難所にいる患者さんのもとへ届け、月礎薬指導をしま す。モバイルファーマシーの人員は4人あるいは2人体制だったのですが、2人体制の場合は各地から来たボランティア薬剤師に薬の配送と服薬指導をお願いしていました。避難所までは車で移動するのですが、道が陥没していたり、大雪だったりと路面状況が悪く、片道1時間以上かかるところもありました。また、地元の卸が1日1回来てくれたので、在庫が欠品することはありませんでしたが、雪の影響で行けないかもしれない、という連絡もあり、毎日状況が目まぐるしく変化していました。 私が被災地にいた時期は、調剤と医薬品の供給がミッションだったのですが、薬局が営業できるようになったため、横浜へ帰る頃(5日目)に行われた医療関係者などが一堂に会する能登町の災害対策本部では、災害処方箋の発行枚数を減らし、徐々に医療の担い手を地域に移行していく方針が立てられました。そこで私は薬剤師の判断で出せるOTC医薬品の活用を提案し、避難所に在庫がない場合は、モバイルファーマシーに連絡してほしい旨を伝えました。 鈴木:長嶋先生の災害紺策本部での提案により、私が第5陣として金沢に到着した際、金沢市薬剤師会からOTC医薬品を持っていくように指示され、被災地に入ってからは、各災害医療チームに渡すことが可能になりました。その後、各避難所でOTC医薬品を活用したという報告が多くありました。 災害処方箋は減りつつありましたが、ちょうどその頃、感染症が流行し始め、コロナがアウトブレイクしている状況で、保健師や、避難所を管理しているボランティアで各地から来た自治体職員から感染対策について相談を受けました。早速、避難所に向かい、環境調査とともに、手指消毒や換気の重要性についての啓発を被災者や避難所の管 理者に対して行いました。また、感染者のゾーニングについても話し合い、感染者を管理する部屋を設けていただきました。避難所は段ボールベッドで密になっているため、少しでも咳をすると、周りの人が反応するといったピリピリとした環境でした。さらに、日本赤十字病院(以下日赤)の救護班と連携し、各避難所で健康相談や服薬指導 も行いました。 金田:私が現地に入ったとき(第6陣)はモバイルファーマシーの撤退が決まっているフェーズでした。ある程度地域の医療が再開していたので、災害処方箋は発行しないという方針が立てられており、モバイルファーマシーでの活動というよりは、保健師や他県の薬剤師と連携を図り、各避難所を訪問して、C02濃度を測定する機器を使った環境検査などを行っていました。特に冬場で燃焼系の暖房器具を使って部屋を閉め切っているため、換気の状況はよくありませんでした。数値が高いところでは、避難所のスタッフに換気に関する指導を行いました。翌日訪問してみると各避難所に合った方法で換気が行われるようになり、高かった数値は改善していました。長期間に及ぶ避難所生活において感染症対策を含めた住環境の改善に寄与できたのではないかと思います。 モバイルファーマシーでの調剤の様子 ―災害対策本部の会議ではどんなことが話し合われているのですか。 鈴木:DMATやJMAT、DHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)、、日赤の救護班から各2人ずつが参加し、避難所や障害者施設にいる被災者の状態、クリニックや薬局などの状況などを1日1回、夕方に報告し合って、翌日以降の方針を決めていきます。 長嶋:災害処方箋の中には、所属名や連絡先、さらには患者の生年月日が記載されていなかったものなど、疑義照会や監査に多くの時間が割かれました。中には夕方に災害処方箋が発行され、翌々日の朝までに薬を届けてくださいというように期日を指定するものもありました。スムーズに医薬品が提供できるように、会議の中で災害処方箋を発行する際の注意点を提示しました。 そのほかに、保健師だけが集まる会議が1日1回、朝に行われていました。参加規定は特になかったのですが、できるだけ多くの情報を入手すること、モバイルファーマシーと薬剤師の存在をアピーブレすることが重要だと思い、保健師の会議にも参加しました。 金田:保健師の会議では、避難所を回っている保健師から、薬がなくなって体調不良を訴えている避難者がおり、再開している病院に受診したいが、移動手段がなく受診が困難である、どうしたらよいかという相談がありました。そこでオンライン診療で処方箋を発行してもらい、近隣の薬局に届けてもらうことを提案、届けることが難しい場合は、他県の薬剤師が協力して届けてくれることになりました。朝に行われている保健師の会議に出席していなければ、対応は、1日遅れていたかもしれません。 愛知県・福岡県薬剤師会チームと連携して被災者に医薬品を提供した。 ―災害医療に従事して学んだことは? 長嶋:私自身、初めて災害医療に従事しましたし、横浜のモバイルファーマシーが派遣されたのも初めてのことでした。毎日の状況が変わる中、何かできることはないかということを常に考えながら行勃してきました。気づいたことは提案する、そして他職種と連携をして、実行することを学びました。 また、自分の体調はしっかりと管理しないといけませんね。被災地に行って自分が救護される立場にならないように転倒によるけが、事故などにも注意していました。 鈴木:季節によって避難所の環境は大きく変わります。どうしても調剤に目が向きがちですが、環境衛生をつかさどることも薬剤師の大きな役割です。夏場は熱中症や食中毒、冬場は感染対策といったことがありますので、状況に応じてしっかりと対応する力を身につけておく必要性を感じました。 金田:医療に関する情報はもちろんのこと、道路と橋のつなぎ目は隆起していて道路状況が悪いため、通過する時は注意するなど、周辺情報が徹底周知されていたおかげで、事故することなく、避難所へ行くことができました。 私たちが支援活動している間、大学では通常通り授業や業務が行われており、支援活動に携われたのは大学のサポートがあったからです。これは病院や薬局で働いている方も同様のことだと思います。薬学生の皆さんも将来、同じような立場になったら、職場だけでなく、場合によっては家族の理解を得ることも必要でしょう。そのことを肝に銘じて災害支援活動に携わってほしいと思います。 保健師とのミーティング 環境調査の様子

  • 【ツムラ漢方記念館】17年ぶりにリニューアル!体験型展示で漢方を身近に

    生薬シンボルゾーン。100種類以上の生薬を展示 医療用漢方製剤で国内トップシェアを誇る株式会社ツムラは、茨城工場の敷地内にある「ツムラ漢方記念館」の展示を17年ぶりに刷新した。「漢方・生薬を学ぶ・知る・楽しむ」をコンセプトとする同館は、医療関係者を中心に年間約3,000名が訪れる、漢方に関する専門的な情報発信拠点である。歴史的に貴重な書物や100種類を超える生薬の展示、漢方製剤の製造工程や品質管理に関する展示などを通して、漢方の正しい知識を伝えてきた。 今回のリニューアルでは、「漢方薬を、ツムラを、もっと分かりやすく!」をコンセプトに、同社の品質への取り組みを幅広い世代に理解してもらい、来館者がその体験を誰かに話したくなるような魅力的な展示を目指した。体感型の展示を増やし、イラストや写真などの視覚情報を充実させることで、より感覚的に理解できるような工夫が凝らされている。特に注目されるのは、新たに設けられた「TSUMURA KAMPO LABO」である。ここでは、薬学部の実務実習生が模擬調剤を体験することができる。 生薬体験コーナー約70種類の生薬を展示し、壁面には生薬のイラストも掲示。香りや形状を実際に楽しむことができる。 TSUMURA KAMPO LABO 模擬調剤の様子 また、310平方メートル、テニスコート約3面分の広さを誇る薬草見本園には約300種類もの薬用植物が植栽されており、実際に植物に触れ、香りを感じることで、漢方薬の原料となる生薬をより身近に感じることができる。薬用植物は、方剤ごとにまとめて栽培されている。例えば、「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」の区画には、牡丹皮(ぼたんぴ)、牛膝(ごしつ)などが植えられている。300種類もの薬用植物が息づく空間は、まさに生きた教材であり、漢方への理解を深める貴重な機会となるだろう。 薬草見本園。右奥の建物はツムラ漢方記念館。方剤ごとにまとめて栽培されている。 明治時代に入り、西洋医学が主流となる中で漢方医学は一時衰退したが、昭和期に入り、日本東洋医学会の設立や西洋薬の副作用問題などを背景に、再び注目を集めるようになった。1960年代には漢方薬が薬価基準に収載され、1976年には医療用漢方エキス剤が保険適用となるなど、現代医療における漢方の地位が確立されていった。2001年には医学教育モデル・コア・カリキュラムに「和漢薬を概説できる」が採録され、2002年には薬学教育モデル・コア・カリキュラムに「現代医療の中の生薬・漢方薬」が採録されている。 漢方の古典『傷寒論』『金匱要略』 現在の日本漢方の考えは江戸時代中期に広まった。 同館館長の吉田勝明氏は、「今後も訪れたお客様がワクワクしながら楽しく漢方を学べる施設を目指し、五感を通じて正しい情報を発信していきたい」と意気込みを語った。 吉田氏 調剤過誤を防ぐために、製品番号を「色」と「ライン」の組み合わせで示す識別方法を導入している。この方法では製品番号の一の位を色で、十の位と百の位をラインの太さと本数で表現する。例えば、137番の場合、「茶色」の色表示と「太いラインが2本」および「細いラインが3本」のライン表示の組み合わせで識別している。 工場の敷地内から見える牛久大仏 リニューアルの主なポイント TSUMURA KAMPO LABOの新設: 薬学部の実務実習生が模擬調剤を体験できる。 生薬体験コーナーの拡充: 約70種類の生薬を展示し、壁面には生薬のイラストも掲示。香りや形状を実際に楽しむことができるエリアとなった。 2階展示の刷新: 大型マルチビジョンで生薬の栽培・調達から製造・販売までの流れを動画で紹介。製造工程はイラストと実物展示を組み合わせた。 ツムラ漢方記念館 茨城県稲敷郡阿見町吉原3586 茨城工場の敷地は東京ドーム約4個分という広さを誇り、約1100名の従業員が勤務している。敷地内にはツムラ漢方記念館のほか、工場施設、研究施設がある。同館はツムラ創業100周年の記念事業として設立され、2008年度のグッドデザイン賞(公共建物空間/土木/景観)を受賞した。また、ウェブ上で漢方が学べる 「バーチャル漢方記念館」 を公開している。

  • 起業家の伴走者として社会課題解決に貢献し、持続可能な社会の実現を目指す

    株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ マネジャー 後町陽子 今まで治らなかった病気を治す薬を開発する、新しいテクノロジーを活用して業務の効率化を図り、必要な人に必要な医療を届けるといったように、社会課題解決を目指す企業に対して投資する。このような社会課題解決型スタートアップ企業に対して、成長を支援し、経済的なリターンと社会的なリターンの両立を目指す投資活動「インパクト投資」が注目されている。持続可能な社会を実現するためのアプローチとして今後の成長が期待される分野だ。ここでは、株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズのマネジャーの後町陽子さんにインパクンパクト投資や自身の近況について聞いた。 ──インパクト投資って日本ではありまなじみのない言葉ですが、従来の投資とはどう違うのでしょうか。  従来の投資は経済的なリターンを追求するものです。つまり富がある人がより富む方向にお金が流れます。一方でインパクト投資は、経済的なリターンだけでなく、社会的なインパクト、つまり社会の課題を解決する事業かどうかを重視する点が大きな特徴です。従来の投資は、企業の成長性や利益性を基準に資金を投入し、その結果として得られるリターンを期待しますが、インパクト投資は、投資先の企業が社会課題の解決に寄与するかを考慮します。例えば、これまで一部の専門性の高い医療者のみしか提供できない匠の技があり、必要な患者さんに届かないという社会課題があった場合に、新しいテクノロジーを用いた医療機器により多くの医療現場で提供できるようにするプロダクトを開発する企業に対して出資する。その事業が成長すれば、社会課題の解決につながります。インパクト投資とはすなわち、社会課題に新たな解決策をもたらす事業によって社会にポジティブなインパクトをもたらす意図を持つ企業への投資のことです。  日本政府が打ち出す「新しい資本主義」の中にインパクトの観点が盛り込まれており、G7サミットにおいても持続可能な社会に向けた具体的方策について議論されています。  インパクト投資の投資先分野は教育、医療やヘルスケア、貧困問題などで、企業の種類や状態もさまざまあります。 ──後町さんは現在どのような仕事をされていますか。  私たちが主に投資の対象にしているのは、医療、介護、福祉、健康といったヘルスケア領域のスタートアップ企業です。創業間もない会社は、これから事業成長する可能性がある段階で、会社としての価値が世の中にはまだ認められていません。新しい技術やサービスを作り上げるためには資金が必要ですが、医療や介護などの問題の解決に取り組む会社は、きちんと効果を出すプロダクトやサービス開発に時間を要すため、すぐに大きな収益が上がらないケースが多く、他分野に比べて資金調達に苦労することがしばしばあります。そのような現状に対し、私たちはまず、投資対象領域の社会課題を構造的に整理する課題デザインマップを作り、社会課題を網羅的に把握します。そのうえで、課題解決に資するスタートアップ企業を探し、出資をさせていただきます。そして私たちは、投資先の事業成長のサポートを行います。最終的には、投資した企業が株式上場あるいはM&A(株式譲渡)というかたちで利益を得るというのがベンチャーキャピタルの事業の大きな流れです。私たちのゴールはインパクト投資によって、社会課題の解決に挑むスタートアップ企業の成長を促し、あらゆる社会問題の解決に希望が持てる社会を創ることです。  普段は、投資先企業の経営会議に出席して、投資先企業の方々と一緒に事業の問題点の確認をしたり、改善に向けたディスカッションを行ったりしています。時には難しい局面を迎え、経営者も迷うことがあります。そんなときには多くの投資先企業の支援で得た知見やノウハウなどを生かしながら、少しでも事業を前に進める力になれるように努めています。  また、年に1度、各投資先の社会課題解決に向けた事業の進捗状況を「インパクトレポート」というかたちにまとめて公表しています。 インパクト投資に興味のある人向けにインパクト投資家仲間とトークセッション   ──具体的にどんな企業と関わっていますか。   遠隔心臓リハビリアプリを開発する会社やAIを使って高度な放射線治療を最適化するソフトウエアを開発している企業、地域の介護サポート人材と介護施設をマッチングするサービスを提供している企業などを担当しています。最近では、バイオ系の創薬のスタートアップ企業も担当しています。私たちのようなベンチャーキャピタルが出資を行う場合、ファンドの運用期間は10年と限られているので、期間内に成果を出すことが求められています。 目標に向かって進み続けていても、時には悩むこともある。合宿を開催して起業家の成長を促す。 ──今の会社に入社したきっかけは? 前職は、病院の経営コンサルティングをやっていました。ここ数十年の日本は、社会保障制度を持続可能なものにするために、医療費を抑制する方向に舵を切っています。さらに近年は物価高騰、エネルギー費の急騰、人件費の高騰などにより、病院経営は非常に厳しい状況にあります。経営を改善するために経営者は患者を増やすための新たなサービスの提供、また、業務の効率化を図るために、新しい医療機器の購入、あるいはデジタル化の推進などを行いたいと思っているものの、資金がないため実現できていないという現実を目の当たりにしてきました。現場の医療者の方々は日々身を粉にして患者さんや地域のために頑張っているのに、働く環境や医療の提供の効率がなかなか上がらず疲弊していってしまうという負のスパイラルを断ち切る方法はなかと考えている時に、医療分野の起業家を育成するプログラムの運営を依頼されました。その時に医療をより良くするために奮闘しているスタートアップ企業があるのだと気づかされ、これらの企業をサポートする手段の一つにインパクト投資というものがあると知り、今の会社に入社したのです。 それから間接的には、JICA青年海外協力隊としてアフリカで活動していたことも関係していたかもしれません。もともと社会課題を解決することに関わる仕事に就きたいと思い、大学卒業後、JICA青年海外協力隊に応募しました。医療環境や貧困を改善する目的で活動していたものの、国の枠組みで行っているため、プロジェクトは2~3年で終了します。プロジェクトが終わった後も現地の人たちでできるように引き継ぎはするのですが、持続可能という面ではなかなか難しいのが現状です。その時に感じたのが医療はそれでいいのかなと。援助という枠組みは必要だと思いますが、そこに住んでいる人が必要な医療を受け続けるためには、もっと別のやり方があるのではないか、その時は漠然と感じていました。そう考えると今の仕事はその答えの一つかもしれません。 女性起業家ランチ ──今後の目標をお教えください。   ヘルスケア領域については、医療アクセスの問題、従事者・介護従事者の働き方の問題など、解決しなければいけない課題はたくさんあります。その一方で、その課題解決を目指す人や企業はまだまだ十分とはいえず、課題解決への思いを持っている方々の伴走者として事業の成長を促すことが、社会をより良くすることにつながるのではないかと信じています。     ──最後に薬学生へメッセージをお願いします。   皆さんは卒業後の進路ついて、病院、薬局、企業、行政の4つくらいをイメージしているでしょうか。私自身もそうだったのですが、学生時代に日本薬学生連盟のイベントで海外の薬学生と交流した時にさまざまな薬剤師の可能性に気づかされました。私の場合は、公衆衛生に興味を持ち、JICA青年海外協力隊としてアフリカで活動しました。薬学生の皆さんもいろいろな人と出会って、薬剤師の可能性を探ってみてください。臨床で働くことは素晴らしいことだと思いますし、尊敬もしています。人生100年時代といわれるようになり、働く期間も長くなりました。1つのことを続けて専門性を極めることも選択肢の一つだと思いますが、ライフステージの変化や人との出会いで自分がやりたかったことが新たに見つかるかもしれません。いろいろな選択肢があるということを学生時代に知っておくと、豊かな人生を送ることができるのではないかと思っています。 後町陽子(ごちょう・ようこ) 明治薬科大学卒業後、JICA青年海外協力隊エイズ対策隊員としてガーナで活動。帰国後、病院・薬局にて臨床経験を積んだ後、病院経営コンサルタントとして、オペレーション改革・組織改革、人材マネジメント支援、ヘルスケアスタートアップの育成プログラム運営等を担当。外資系コンサルティングファームにて製薬企業向け戦略コンサルティングおよびDX支援を経験後、現職にて投資・投資先支援等を担当。薬剤師・経営学修士。

  • 問◆フレイルに関する内容として、正しいのはどれか。

    問 226(衛生) フレイルに関する内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。 ❶フレイルは、加齢に伴う身体的、精神的な機能低下のことである。 ❷フレイルは、要介護になった状態のことである。 ❸フレイルは、回復することない病態である。 ❹フレイルの進行を防ぐことは、健康寿命の延伸につながる。 ❺フレイルは、過栄養により防ぐことができる。 (第109回薬剤師国家試験より) *** 蔵之介です。薬学実践問題【衛生/実務】からフレイルに関する設問です。リード文に続き、フレイルとその予防に関する提案の2連問。超高齢社会において要介護者の急増は喫緊の課題なので、毎年のように出題されています。  フレイルとは、『加齢に伴う身体的、精神的な機能の低下』を意味し、とくに高齢者に多い状態です。『自立した健康な状態(no frailty)』と日常生活動作に介助を必要とする『要介護状態(disability)』の中間的な段階に位置します。語源は、欧米の老年医学で使用されているfrailty(フレイルティ)。直訳すると、「虚弱」や「老衰」になります。しかし、この日本語訳だと“不可逆的に老い衰えた状態”というネガティブな印象を与えるため、日本老年医学会は、2014年5月に『フレイル』という新しい概念を提唱し、フレイルが持つ多面性や正しく介入すれば再び健常な状態に戻れるという可逆性を強調しました。 フレイルは、加齢により筋肉量が減少して、筋力が低下した状態(サルコペニア)や運動器障害のため移動機能が低下した状態(ロコモティブ・シンドローム)などを含む『身体的フレイル』と配偶者との死別など、ライフイベントから抑うつや軽度の認知機能低下になる『精神・心理的フレイル』、独居や経済的困窮などを背景に、社会との繋がりが希薄化する『社会的フレイル』などから構成されます。フレイル予防には、散歩や軽い筋トレなど、適度な『身体活動(運動)』や栄養バランスやオーラルフレイルに配慮した『栄養・口腔機能』、余暇活動、ボランティア活動などを積極的に取り組む『社会参加・こころの健康』などがあります。フレイルは早期に対処すれば、進行を緩やかにし、健康寿命を延ばすことができます。中年期はメタボリックシンドロームに注意しますが、高齢期では低栄養の改善や良質な蛋白質の摂取が重要になります。過栄養ではなく、バランスの取れた適切な栄養の補給になります【正解は1、4】。 出題予想 フレイルの判定基準、サルコペニア、ロコモティブ・シンドローム、オーラルフレイル、フレイルサイクルなど。 ■解説 蔵之介(アポクリート株式会社)

  • 【くすりの適正使用協議会】 オーバードーズ対処法啓発資材を公開

    一般社団法人くすりの適正使用協議会と、日本大学薬学部薬剤師教育センターは、オーバードーズ(以下OD)の対処法に関する啓発資材を共同制作し、2024年10月1日より同協議会サイトで無料公開している。資材は、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦氏と厚生労働省が監修した。 近年、医薬品のODが社会問題となっており、市販薬の乱用経験のある若者は60人に1人といわれている。ODに陥る要因は、好奇心や快楽を求めてというだけではない。勉強やスポーツで好成績を上げたいという向上心、あるいは劣等感や孤独感、プレッシャーや寂しさを紛らわすといったことから市販薬を不適切に使用するケースが少なくないという。一方で、ODを繰り返し、依存症になってしまった、あるいはその可能性がある若者は、精神保健の専門家に繋がり適切な医療を受けることが重要である。これらを踏まえ同協議会ではODに悩む当事者、それに悩む家族などに向けた資材を新たに作成。同資材の内容はODにハマってしまうきっかけを漫画で紹介、さらに本人、友達、保護者、先生、それぞれへ向けたメッセージを掲載し、依存症かもしれない本人、友達、保護者、先生が当事者としてODの迷路から脱出するヒントをまとめている。 同資材は同協議会HPで公開しているほか、日本薬剤師会、日本チェーンドラッグストア協会、日本保険薬局協会、日本医薬品登録販売者会、日本OTC医薬品協会に対して、同資材の活用に向けて会員への周知を打診している。また2024年10月1日には、警視庁等4団体で締結した「児童・生徒の薬物乱用防止に関する覚書」に基づき、くすり教育の強化とともに、資材について警視庁、東京都薬剤師会にも普及・活用を依頼している。 ■資材概要 【制作】一般社団法人 くすりの適正使用協議会、日本大学薬学部薬剤師教育センター 【監修】松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター)、厚生労働省 【資材の形態】A4・1枚(両面)のPDF形式、サイトコンテンツ ■オーバードーズ対処法啓発資材のサイト https://www.rad-ar.or.jp/knowledge/post?slug=overdose

  • 問◆エリザベス・キューブラー=ロスによって提唱された死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。【国試探検隊】

    問80(法規・制度・倫理) エリザベス・キューブラー=ロスによって提唱された死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。1つ選べ。 ❶受容 ❷取り引き ❸怒り ❹否認と孤立 ❺抑うつ                               (第109回薬剤師国家試験より) *** 蔵之介です。必須問題【法規・制度・倫理】からの出題です。米国の精神科医、エリザベス・キューブラー=ロスは、1926年にスイスで生まれました。1960年代のがん治療は、有効な治療法もなく、死を待つだけの時代でした。病院での末期患者の対応にショックを受けた彼女は、当時、タブー視されていた「死」を研究テーマに選びました。シカゴの病院で200人を超える末期患者と対話し、ときにはハゲタカ呼ばわりされながらも、人はどのような心理変化を経て死んで逝くかを分析しました。そして、医学が及ばない領域とされてきたサナトロジー(死生学)の講義を始め、世界的ベストセラーとなった著書『死ぬ瞬間-死とその過程について』 (1969年)のなかで、1否認、2 怒り、3取引、4抑うつ、 5受容という「死の受容のプロセス(5段階モデル)」を提唱しました【解答は3】。がんを告知された患者は、【第1段階】『医師の診断を疑い、何かの間違いだ』、自己防衛の手段として(否認)し、現実から逃避しようと周囲と摩擦(孤立)。【第2段階】『なぜ、自分なのか?』、八つ当たり(怒り)。【第3段階】『治るなら、何でもする』、神にすがる(取り引 き)。【第4段階】『もう何もできない』、悲嘆や絶望で(抑うつ)。【第5段階】『どうにもならない』と静かに受け入れる(受容)。終末期医療の先駆者として、今日に至る緩和やホスピスのあり方に多大な影響を与えました。5段階モデルには批判もありますが、元図は単純な階段ではなく、併行して(希望)もありました。晩年、脳梗塞に倒れ、半身不随になりました。テレビ局の取材の中で、『死を受容することはできず、自分のモデルに意味はない』と自らを否定。他人の死と自分の死とは違ったようです。2004年、娘や孫に看取られて静かに旅立ちました(78歳没)。 出題予想 シシリー・ソンダースのトータルペイン(全人的苦痛)やグリーフケア(遺族のケア)など ■解説 蔵之介(アポクリート株式会社)

  • 薬局・ドラッグストアで活躍する管理栄養士 食支援は患者にとっておいしいという選択が実行されることがある

    札幌保健医療大学大学院教授・管理栄養士(医学博士) 川口美喜子 管 理栄養士が医療者として実践する食支援と栄養の意義を考えてみます。食支援は、「栄養・食事・食べる」を2つの側面の重複する領域で暮らしを守ることあります。栄養学的側面は、科学的根拠を第一に考え、健康の維持と増進、疾病の予防と治療に必要な栄養を満たすことです。そして、患者の生理的・心理的ニーズを満たす精神・社会的側面を考慮することが重要となります。精神・社会的側面とは、食べる人の食習慣や食文化を満たし、心の豊かさや満足をもたらし、人間関係やコミュニケーションの形式に役立つことであり、食べる人のQOLや社会性を高めることです。その2つのアプローチが重複するナラティブにより進めることが薬局の管理栄養士には重要になります。単に疾病の治療に必要な栄養素の十分な確保だけでなく,患者の生理的・心理的ニーズを満たすことです。栄養支援は、管理栄養士の職能と洞察力、コミュニケーションによって、向き合うことになります。医療の中で「栄養管理」はやや異端なケアであり、ある意味、ミラクルです。科学的根拠に基づく栄養療法と、説明できない栄養もあり続けます。セルフケアでは、科学に基づく療法よりも、「私にとっておいしい」という選択が実行されます。 現行の教育では、薬局・ドッラクストアの管理栄養士が果たす顧客の栄養支援に必要な基礎教育のカリキュラムはありません。それぞれの企業が管理栄養士教育を進めています。今回は、北九州市を拠点に展開する調剤薬局およびドラッグストアチェーンの株式会社サンキュードラッグです。医薬品の提供に加え、栄養や健康に関する相談サービスにも積極的に取り組み、地域の健康サポートの実施が述べられています。今後、薬局の管理栄養士教育を標準化していく必要性を再認識することができます。 事例紹介 患者の健康状態をリアルタイムで把握し、患者の行動変容を促す 株式会社サンキュードラッグ 岡田圭子 医療機関に勤務する管理栄養士は、患者の身体状況や検査結果を基に栄養指導を行います。医療機関で栄養指導を行っていた私は、初めて薬局で栄養相談をした際に、こうしたデータが揃っていないことに大変驚きました。薬剤師は処方された薬の種類や量から病状を把握できますが、管理栄養士にはそのような手段がありません。そのうえ、初回面談時に患者様に検査結果や体重変化をお尋ねしても、明確な情報が得られないことが多く、ご自身が食べたものを思い出せない方も少なくありません。そこで、検査項目のどの数値を確認すべきか、またその数値がどの程度であれば食生活をどのように調整すべきかを説明しました。これにより、患者様がご自身の健康状態を意識し、次回の面談時には検査結果を持参されるようになりました。また、栄養相談の報告書を薬剤師が医療機関に提出することで、医師が患者様に検査結果を持参するよう指示し、薬局へ紹介いただくケースも増えてきました。その後、入職した現在の職場は、年間28万人が買い物や処方薬の受け取りなどに利用するドラッグストアチェーンでした。そのため、買い物「ついで」や薬の受け取り「ついで」に、気軽に食事や運動の相談ができる健康づくりの場が9店舗に設けられていました。そこでは、会員制の栄養相談や体操教室、地域住民向けの栄養講座、また、新たに供食の場の提供を開始し、健康的な食生活の知識を広める活動を行っています。栄養相談には血圧や体組成計を測定し、患者様の健康状態を定量的に把握しています。会員様によっては血液検査結果を持参していただくこともあります。 近年、重症化予防として、医療機関との連携を強化し、医療機関で行われる月1回の栄養指導と栄養指導の間に、週1回の来店を促し、30分ほどの食事支援や運動支援を実施しています。また、この取り組みではICTを活用し、患者様と同じソフトを使用することで、患者様が自宅で入力した食事や運動、体重などのデータを、管理栄養士が別の場所でいつでも確認できる環境を整えています。これにより、管理栄養士は患者様の状況をリアルタイムに把握し、チャットを通じて適切なアドバイスを提供することが可能となりました。その結果、会員様が継続的に食生活の改善を意識しやすくなり、早期に食事療法を見直し、修正することが可能となりました。さらに、会員様の承諾を得たうえで相談内容を医療機関の医師や管理栄養士にフィードバックすることで、医師から病状や治療方針の指針を示していただいたり、管理栄養士から指導内容や指示栄養量の変更を提示していただいたりすることで、会員様の詳細な情報を共有し、一貫した栄養管理を行うことができています。 また、店舗業務以外でも、特定保健指導、在宅栄養相談、介護予防・日常生活支援総合事業などの事業を、専任の管理栄養士20人ほどで実施しています。今後は生活習慣病の予防のみならず、重症化予防にも重点を置き、医療機関や行政ともさらなる連携を強化し、地域全体の健康増進に貢献していきたいと考えています。さらに、この取り組みを継続していくためには、管理栄養士のスキル向上が重要であると考えており、質の高い栄養サポートを提供できる体制を整え、地域に根ざした支援をより充実させていくことを目指しています。

  • 第14回アジア製薬団体連携会議(APAC)開催:アジアの患者さんへの革新的新薬提供に向け議論進展

    4月22日、「第14回アジア製薬団体連携会議(Asia Partnership Conference of Pharmaceutical Associations, APAC)」が開催された。2012年より毎年東京で開催されているAPACには、国際製薬団体連合会に加盟するアジア各国・地域の製薬団体13団体に加え、規制当局関係者やアカデミアが一堂に会し、「革新的な医薬品をアジアの人々に速やかに届ける」という共通のミッション実現に向けて、「研究」「開発」「申請/GMP」「市場アクセス」「承認後変更管理」の各分野で議論が重ねられている。 今回の会議では、「革新的な医薬品をアジアの人々に速やかに届ける」というミッションのもと、「規制・許認可」「創薬連携」「添付文書の電子化(e-labeling)」「製造・品質管理(MQS)」「aUHC(アジアにおける、すべての人が支払い可能な費用で適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを受けられること)」の計5つのセッションが行われ、オンラインと現地参加を合わせて約600名が参加し、活発な議論と提言がなされた。 会議の総括と合意事項について、APAC運営責任者の村上信夫氏(日本製薬工業協会国際委員長)が記者会見で説明を行った。村上氏は、特にaUHCに関する議論の進展について強調し、「これまで日本が中心となって議論を進めてきたが、『アジアの患者さんに革新的な新薬を届ける』という共通の課題に対し、この1年間で他のアジアの製薬団体も非常に積極的に参加し、議論を深めることができた。民間医療保険の役割や、台湾の事例を参考にした基金設立の可能性についてのカンファレンスでのセッション発表も非常に高い評価を受け、今後も継続的な議論が必要であるという意見が多数出た」と述べた。 さらに、e-labelingに関する規制当局と製薬団体の議論に触れ、「個人の見解としては、この1年間で製薬団体と当局双方の積極的な参加と議論が進み、関係強化ができたこと自体が最大の成果であった」と語った。 創薬連携では、創薬研究の新モダリティとして注目を集めるマイクロバイオーム研究に関し、研究者からは「産学連携によるマイクロバイオーム研究の加速化」と「日本国内のマイクロバイオーム研究の課題と可能性」について、またPMDAからは「マイクロバイオーム医薬品の規制面からの考え方」について発表があった。これらの発表を通じて、日本とアジアにおけるマイクロバイオーム研究の現状を確認し、創薬応用への可能性について考察を深めた。 また、今回の会議においてベトナムの製薬団体(Pharma Group Viet Nam)が新たにメンバーに加わり、来年の第15回APACに向けて14団体で協力していくことが決定したと発表された。 村上氏

  • 薬剤師として社会に貢献することを念頭に行動してほしい

    公益社団法人日本薬剤師会 会長 岩月 進 「薬剤師および薬局に関する制度の改正」「DX推進」「Amazonファーマシー」など、薬剤師を取り巻く環境が劇的に変化している。これから先、薬剤師の将来はどうなっていくのか。ここでは、日本薬剤師会会長の岩月進氏に未来の薬剤師像や薬学教育について聞いた。 ―薬剤師、薬局の取り巻く環境が劇的に変化する中、今の薬剤師に求められる資質をお教えください。 薬剤師という資格は国から付託された資格であることを忘れてはいけません。ここ数十年、薬剤師を取り巻く環境は変化しましたが、どんな状況になったとしても国民に奉仕することを念頭に置いて行動しなければならないのです。免許を取得すれば、薬剤師法に基づいた権限が与えられますが、それと同時に自らの行動に対して責任を負うことでもあります。今一度、自覚を持ってほしいと思います。  近年の規制改革や規制緩和の考え方は、免許がなくても一定の要件を満たせば許容するというものですが、薬剤師に限らず免許というものは、行政処分の対象になるわけですから、ミスをすれば責任を負わなければなりません。そこが実は免許の一番大事なところなのです。「私のせいじゃない」「機械が間違った」それで済むのであれば免許そのものの必要性が問われるのです。 ―国は、薬剤師の業務を「対物から対人へ移行する」ことを打ち出していますが、その意味するところをお教えください。  調剤に関わる薬剤師の必読書である『第十三改訂 調剤指針』の中には、薬剤師業務を「対物と対人」に分けていますが、その考えをまとめたのは私です。それを受けて多くの関係者が、薬剤師業務を「対物から対人へシフトする」ことを提唱していますが、厳密に言えば、この考えは誤りで、対人業務は対物業務の精度を上げるための手段です。患者情報を引き出し、医薬品情報とマッチングして個別最適化した調剤をするというのが本来の意味なのですが、いつの間にか対人業務を充実させることのみがクローズアップされたのです。 ―薬剤師を輩出する大学の果たすべき役割は大きいと思いますが、現在の薬学教育についてどのような考えをお持ちでしょうか。    第一に学生だけでなく、薬学教育に関わる人たちが常に薬剤師の根本的な精神を意識してほしいと思います。 現在の6年制薬学教育は、調剤、さらに言うと医薬分業について熱心に教育しているという印象はぬぐえません。しかしながら薬剤師として社会に貢献することは、調剤だけではありません。医薬品開発や品質管理の仕事として製薬会社や卸、CRO(医薬品開発業受託機関)、公務員として保健所や麻薬取締官、自衛隊など、業種は多岐にわたっています。10年ほど前からWHO(世界保健機関)やFIP(国際薬剤師・薬学連合)は、西アフリカ諸国で蔓延している感染症の対策チームの一員として薬剤師を派遣し、公衆衛生管理に従事させ、一定の成果を上げています。成功体験を持っている彼らからすれば、南アジアについても目を向けているのですが、本来アジアのリーダーであるべき、日本や韓国、台湾が積極的に取り組むべき事案なのに、いまだに進展が見えない状況を見て、アジアの薬剤師が公衆衛生に関わるべきではないかという声も上がっています。日本は自然災害が多い国なのですから、災害対策も含めた環境衛生や公衆衛生にも目を向けるべきだと思います。  製造業に目を向けると、今後、国内市場はシュリンクしていきますので、アジアへの進出はより加速し、それに伴い薬剤師の需要も高まっていくでしょう。そう考えると英語をはじめとした語学も重要になってきますね。 コミュニケーションスキルを高めるプログラムも数多く用意されていますが、薬剤師として一番重要なのはバイタリティーです。例えば地方の病院に勤めた際、地域にとけ込めないから辞める、夜勤や休日出勤は嫌だということでは困ります。どういう環境におかれても強い意志を持ち合わせなければなりません。その次に必要になるのがテクニカルなスキルで、コミュニケーションスキルは3番目です。バイタリティーとテクニカルスキルを身につけたうえで、その知識や技能を患者さんにどう還元するかといったときに、コミュニケーションスキルが必要になってくるのです。 また、薬剤師国家試験の合格率は、高校生の学校選択の大きな要素であることは認めますが、だからといって大学は国家試験対策予備校ではありません。 ―日本の人口減少と高齢化が進む中、2040年問題も控えています。岩月先生が考える未来の薬剤師像についてお教えください。 2040年には労働人口が減少し、過疎化や医療者の偏在も今より深刻になることが予想されます。それを解消するために、オンラインで服薬指導をしてドローンを使って薬を届ける機会も増えるでしょう。しかし忘れてはいけないのは、オンライン服薬指導のような非対面のやり取りは、どんなに精度を高めたとしても真正性(人やデータなどの対象物が本物であること)の疑問がつくわけです。例えば、警察が取り調べをオンラインではやらないのは真正性を担保するためです。私たちは人の命に関わる仕事に従事しているわけですから、IT技術を駆使しながらどうやってその真正性を担保するかということを念頭に置きながら仕事をすべきでしょう。 これまで専門家は知識や体験を切り売りしてきましたが、今後それはAIにとって替わられるでしょう。では何が必要なのか、それは想像力です。例えば薬が飲めなかったら、飲めない理由ばかりを探すのではなく、飲める方法を患者さんとのやり取りの中で見つけ出すというように、患者さんや家族の一つひとつの言葉から想像力を働かせて、最適な薬物治療を導き出すことが求められるのではないでしょうか。 ―2024年6月から岩月体制がスタートしました。日本薬剤師会のビジョンについてお聞かせください。 医療提供体制が病院完結型から地域完結型に移行される中、薬局の役割はますます大きくなっています。在宅医療やOTC医薬品の販売、健康相談といったように薬局のサービスはさまざまありますが、1つの薬局ですべてのサービスを提供することは難しいのが現状です。それを解消するために、地域の薬局が手を取り合って、地域の中に疑似的な大規模薬局を整備していく必要があるかと考えます。専門性の高い治療が必要な患者さんを対応する薬剤師がいなければ、専門薬剤師が在籍する薬局と連携する、あるいは専門薬剤師が先頭に立って地域の薬剤師の底上げを図ることも必要になるでしょう。これについては地域によって事情が異なりますので、地域の薬剤師会が主体的になって行動してほしいと呼び掛けているところです。 ―先日行われた衆議院選挙の投票率は53.85%で、戦後3番目の低さでした。特に若者の政治離れが叫ばれる中、「投票」を通じて政治参加することの意味をお教えください。 薬剤師は法の定めにより、国から付託された資格です。薬剤師法にうたわれた使命を果たさなければ、国から免許は不要といわれる可能性もあります。したがって免許を使って仕事している以上、政治に関心がないという考えはもってほしくない、というのが大前提です。その上で免許を使って、社会に貢献するためには、働く環境を整備する必要があり、それを実現するためには、現場の薬剤師の生の声を政治の中枢に訴えなければいけません。現場で起こっている課題があるけれど、法律が足かせになってうまく患者さんに対応できないといったこともあります。それを怠れば、現場の実情を知らない人がつくった制度ばかりになってしまい、現場ではうまく機能しません。私たちの意見を代弁してくれる薬剤師の資格を持った人が、政策決定に関わる場にいることは大事なことなのです。国家により効率的に貢献する、そのための手段として政治があるのだと思っていただければと思います。 もし自身で政治の世界に身を投じて、薬剤師が地域で活躍できるための政策をつくりたいと考えている方は、全国に薬剤師会の支部がありますので、そちらにお問い合わせいただければ幸いです。 岩月 進(いわつき・すすむ) 1978年名城大学薬学部卒業。2004年から2010年、2020年から2024年日本薬剤師会常務理事を経て、2024年第26代日本薬剤師会会長に就任。2017年から現在まで愛知県薬剤師会会長も務める。厚生労働省医道審議会薬剤師分科会構成員、厚生労働省社会保障審議会医療保険部会臨時委員、厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会要指導・一般用医薬品部会臨時委員などを歴任。 第58回日本薬剤師会学術大会 2025年10月12日(日)~10月13日(月・祝)の2日間、国立京都国際会館にて開催 詳細はこちら https:// www.c-linkage.co.jp/jpa58/ 学生会員募集 4つの会員特典 1 日本薬剤師会ホームページ(会員向けページ)の閲覧可 2 生涯学習支援システムJPALS(ジェイパルス9の無料利用 3 日本薬剤師会が開催する研修会の案内 4 日本薬剤師会雑誌への投稿可 詳細はこちら https://www.nichiyaku.or.jp/about/student/index.html

  • 医師の働き方改革、成功事例を表彰 「メディカルジョブアワード2025」開催

    医師の採用支援プラットフォーム「Med-Pro Doctors」などのサービスを提供している株式会社ENは、2025年2月16日に第2回目となる「メディカルジョブアワード 2025」を開催した。このアワードは、医療現場における働き方改革の成功事例を表彰し、その取り組みを広く社会に共有することを目的としている。 全国の医療機関から50件を超える応募が集まり、一次選考を通過した7つの医療機関が最終登壇した。審査は「医療従事者の働きやすさ」「職場のチーム力強化」「患者へのサービス向上」の3つの視点から行われた。 厳選な審査の結果、最優秀賞は、一般社団法人ハートアライアンス 聖路加国際病院心臓血管外科 中村亮太氏の「心臓血管外科施設群『ハートアライアンス』が変える働き方と教育」が選ばれた。発表の中で中村氏は、自身が所属する心臓血管外科という領域が、長時間労働が常態化している現状を指摘。医師だけでなく、他の医療従事者も同様に、長時間労働を強いられている状況を変えたいという強い思いが、中村氏の活動の原動力となった。また、長時間労働が当たり前であるという風潮の中で、自身のキャリアやビジョンをあきらめざるを得なかった先輩医師たちの存在もあり、心臓血管外科領域における働き方改革を推進している。ハートアライアンスでは、病院の垣根を越えた連携体制を構築し、業務効率化のためのアプリ開発など、さまざまな取り組みを行っている。1つ目は仕組みの共有: 独自のアプリ開発による労務管理、手術器具の標準化、手術説明資料の共有、病診連携の標準化、転院搬送における連携など、2つ目は人の共有: オンコール体制のシェア、病院間連携アプリによる人的リソースの共有、多職種連携(看護師、臨床工学技士など)の推進、研修プログラムの共同開発など、3つ目は知識の共有: 合同ウェビナー開催、手術トレーニング部の活動―である。これら3つの取り組みを通じて、心臓血管外科医の働き方改革を推進し、一定の成果を上げているという。今回の受賞を機に、中村氏は「自身の活動をさらに広げ、心臓血管外科領域における働き方改革を推進し、患者、国民、医療現場、そして社会全体に貢献していきたいです」と述べた。 主催者で代表取締役・医師の鎌形博展氏は「それぞれの現場で創意工夫を凝らした素晴らしい取り組みを発表してくださいました。これらの事例は、医療業界全体の働き方改革を推進するうえで、非常に貴重な参考となるものばかりです。今後も、医療現場の持続可能な発展に向けて、皆様と共に歩んでまいりたいと存じます」と締めくくった。 ◆受賞者 ・最優秀賞 「心臓血管外科施設群『ハートアライアンス』が変える働き方と教育」 一般社団法人ハートアライアンス・聖路加国際病院心臓血管外科 中村亮太氏 ・オーディエンス賞 「『総合診療』と『コミュニティホスピタル』で地域医療を改革する」 一般社団法人コミュニティ&コミュニティホスピタル協会 近藤敬太氏 ・審査員特別賞 「診療看護師が急性期病院の働き方改革に与えるインパクト」 聖マリアンナ医科大学救急医学・株式会社Legix 代表取締役 堤 健氏 「かけはし方式 てんかん専門クリニックが実践する医師の働き方改革」 医療法人社団かけはし理事長 生田陽二氏 ・審査員特別賞 「医師不足に立ち向かう若手医師の挑戦」 新潟県町立津南病院 千手孝太郎 氏 ・優秀賞 「遺伝カウンセラーのタスクシェアで実現するゲノム医療の未来-多職種連携と新たな働き方」 香川大学医学部附属病院臨床遺伝ゲノム診療科特命助教 十川麗美 氏 「私の考える慢性期医療の魅力と元気会横浜病院の取り組み」 医療法人社団元気会横浜病院副院長・経営企画室 中村大輔氏

  • 【スタートアップ】薬局薬剤師から薬局組織コンサルタントへ - 独立までの軌跡と成功の秘訣

    株式会社BeMore 代表取締役・薬剤師 若林雄太 病院や薬局、ドラッグストアといった臨床現場、あるいは行政や製薬企業、CROなど薬剤師が活躍できる場は幅広い。最近では、病院や薬局の経営をコンサルティングする薬剤師も増えてきた。2024年9月に薬局の組織コンサルティング会社を立ち上げた若林雄太さんもその一人だ。 若林さんが独立することを意識し始めたのは大学3年の頃。他学部に進学した高校の友人たちが有名企業に就職したことで、若林さんの心に変化が起こった。「私が社会人になった時、友人たちは社会人としてバリバリ働いています。このままいくと、生涯収入に彼らと大きな差が出てしまうのではないかという危機感を持ち、独立を意識するようになりました」と理由を説明する。 卒業後は静岡県の中小チェーン薬局に就職。「20店舗くらいの規模の薬局だったので、頑張れば社長になれるかもしれないと思い、入社を決めました」と話す。順調に仕事をしていたが、将来的に社長になることが約束された社長の娘が入社したことで、若林さんは次の道を模索し始めた。最初に選択肢に上がったのが薬局を開業すること。だが、調べていくうちに開業資金が2000万円ほど必要だということが分かり、リスクが大きいと判断。それなら自分の身一つで活動できるコンサルタントの道を考えるようになった。当時はコロナ禍で、個人で稼ぐという考えが広まったことも若林さんの考えを後押しした。この頃、若林さんは薬局で採用担当もしていたが、採用業務のやりがいを感じながら仕事していたこともあり、薬剤師新卒採用のコンサルティング会社に転職したという。 転職後は、実績を積み重ねていたものの、若林さんの中で「独立するならこの仕事ではないと感じ始めていた」という。そんな時、顧客から「採用してもすぐ辞めてしまう。打開策はないか」という相談を受けた。そのとき若林さんが所属していた会社も組織づくりをサポートする事業を推進することを打ち出し、若林さんも組織づくりについて学んだ。次に営業で多くの企業に訪問したが、なかなか思うようにいかない時期が続いた。「薬局では体験したこともないような失敗の連続でした」と当時のことを語る。ようやく1年後に一筋の光明がした。初めての契約を交わし、若林さんがコンサルティングに入ったことで、離職率の低下、売り上げの向上などに貢献したという。「クライアントから感謝されたときは、今までにない達成感を感じました」と振り返る。そこからみるみる業績を伸ばし、2024年9月に念願の独立を果たした。「独立初期が一番つらかったという経営者の話をよく耳にしますが、振り返ると私の場合は組織コンサルタントになりたての頃が1番つらかったかもしれません。まだ若造会社員だった私が経営者と同じ目線を持つことは難しく、当時はかなり苦労しました」と胸の内を明かす。 コンサルティングの契約期間は1年。1日1日が勝負だ。現在のところ、契約更新をし、継続してコンサルティングを行っているという。「3年かけて手に入る未来を、1年で手にできるようにすることが私の存在価値だと思っています」と意気込む。 独立して仕事も軌道に乗り、ようやく同級生の背中が見え始めてきた。これからも顧客の一つひとつの言葉に真摯に耳を傾け、顧客よりも顧客のゴールに向き合い、ともに成長していきたいという若林さん。最後に「独立を志している方に限って言えば、若いときは量より質とか言わずに、誰よりも働いた方がいいと思います。また、経営のノウハウを身につけるために、経営者との距離が近い会社を選ぶことをお勧めします」と薬学生にアドバスを送った。 取材後記 若林さんは前職の時から知っており、その力強さと推進力はすごいと感じていました。薬剤師としての新たな「独立」の形に期待しております。今後の活躍が楽しみです。(薬学ステップ 寺本) 経営組織づくりセミナーを実施

bottom of page