検索結果
空の検索で200件の結果が見つかりました。
- 【くすりの適正使用協議会】 オーバードーズ対処法啓発資材を公開
一般社団法人くすりの適正使用協議会と、日本大学薬学部薬剤師教育センターは、オーバードーズ(以下OD)の対処法に関する啓発資材を共同制作し、2024年10月1日より同協議会サイトで無料公開している。資材は、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦氏と厚生労働省が監修した。 近年、医薬品のODが社会問題となっており、市販薬の乱用経験のある若者は60人に1人といわれている。ODに陥る要因は、好奇心や快楽を求めてというだけではない。勉強やスポーツで好成績を上げたいという向上心、あるいは劣等感や孤独感、プレッシャーや寂しさを紛らわすといったことから市販薬を不適切に使用するケースが少なくないという。一方で、ODを繰り返し、依存症になってしまった、あるいはその可能性がある若者は、精神保健の専門家に繋がり適切な医療を受けることが重要である。これらを踏まえ同協議会ではODに悩む当事者、それに悩む家族などに向けた資材を新たに作成。同資材の内容はODにハマってしまうきっかけを漫画で紹介、さらに本人、友達、保護者、先生、それぞれへ向けたメッセージを掲載し、依存症かもしれない本人、友達、保護者、先生が当事者としてODの迷路から脱出するヒントをまとめている。 同資材は同協議会HPで公開しているほか、日本薬剤師会、日本チェーンドラッグストア協会、日本保険薬局協会、日本医薬品登録販売者会、日本OTC医薬品協会に対して、同資材の活用に向けて会員への周知を打診している。また2024年10月1日には、警視庁等4団体で締結した「児童・生徒の薬物乱用防止に関する覚書」に基づき、くすり教育の強化とともに、資材について警視庁、東京都薬剤師会にも普及・活用を依頼している。 ■資材概要 【制作】一般社団法人 くすりの適正使用協議会、日本大学薬学部薬剤師教育センター 【監修】松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター)、厚生労働省 【資材の形態】A4・1枚(両面)のPDF形式、サイトコンテンツ ■オーバードーズ対処法啓発資材のサイト https://www.rad-ar.or.jp/knowledge/post?slug=overdose
- 問◆エリザベス・キューブラー=ロスによって提唱された死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。【国試探検隊】
問80(法規・制度・倫理) エリザベス・キューブラー=ロスによって提唱された死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。1つ選べ。 ❶受容 ❷取り引き ❸怒り ❹否認と孤立 ❺抑うつ (第109回薬剤師国家試験より) *** 蔵之介です。必須問題【法規・制度・倫理】からの出題です。米国の精神科医、エリザベス・キューブラー=ロスは、1926年にスイスで生まれました。1960年代のがん治療は、有効な治療法もなく、死を待つだけの時代でした。病院での末期患者の対応にショックを受けた彼女は、当時、タブー視されていた「死」を研究テーマに選びました。シカゴの病院で200人を超える末期患者と対話し、ときにはハゲタカ呼ばわりされながらも、人はどのような心理変化を経て死んで逝くかを分析しました。そして、医学が及ばない領域とされてきたサナトロジー(死生学)の講義を始め、世界的ベストセラーとなった著書『死ぬ瞬間-死とその過程について』 (1969年)のなかで、1否認、2 怒り、3取引、4抑うつ、 5受容という「死の受容のプロセス(5段階モデル)」を提唱しました【解答は3】。がんを告知された患者は、【第1段階】『医師の診断を疑い、何かの間違いだ』、自己防衛の手段として(否認)し、現実から逃避しようと周囲と摩擦(孤立)。【第2段階】『なぜ、自分なのか?』、八つ当たり(怒り)。【第3段階】『治るなら、何でもする』、神にすがる(取り引 き)。【第4段階】『もう何もできない』、悲嘆や絶望で(抑うつ)。【第5段階】『どうにもならない』と静かに受け入れる(受容)。終末期医療の先駆者として、今日に至る緩和やホスピスのあり方に多大な影響を与えました。5段階モデルには批判もありますが、元図は単純な階段ではなく、併行して(希望)もありました。晩年、脳梗塞に倒れ、半身不随になりました。テレビ局の取材の中で、『死を受容することはできず、自分のモデルに意味はない』と自らを否定。他人の死と自分の死とは違ったようです。2004年、娘や孫に看取られて静かに旅立ちました(78歳没)。 出題予想 シシリー・ソンダースのトータルペイン(全人的苦痛)やグリーフケア(遺族のケア)など ■解説 蔵之介(アポクリート株式会社)
- 薬局・ドラッグストアで活躍する管理栄養士 食支援は患者にとっておいしいという選択が実行されることがある
札幌保健医療大学大学院教授・管理栄養士(医学博士) 川口美喜子 管 理栄養士が医療者として実践する食支援と栄養の意義を考えてみます。食支援は、「栄養・食事・食べる」を2つの側面の重複する領域で暮らしを守ることあります。栄養学的側面は、科学的根拠を第一に考え、健康の維持と増進、疾病の予防と治療に必要な栄養を満たすことです。そして、患者の生理的・心理的ニーズを満たす精神・社会的側面を考慮することが重要となります。精神・社会的側面とは、食べる人の食習慣や食文化を満たし、心の豊かさや満足をもたらし、人間関係やコミュニケーションの形式に役立つことであり、食べる人のQOLや社会性を高めることです。その2つのアプローチが重複するナラティブにより進めることが薬局の管理栄養士には重要になります。単に疾病の治療に必要な栄養素の十分な確保だけでなく,患者の生理的・心理的ニーズを満たすことです。栄養支援は、管理栄養士の職能と洞察力、コミュニケーションによって、向き合うことになります。医療の中で「栄養管理」はやや異端なケアであり、ある意味、ミラクルです。科学的根拠に基づく栄養療法と、説明できない栄養もあり続けます。セルフケアでは、科学に基づく療法よりも、「私にとっておいしい」という選択が実行されます。 現行の教育では、薬局・ドッラクストアの管理栄養士が果たす顧客の栄養支援に必要な基礎教育のカリキュラムはありません。それぞれの企業が管理栄養士教育を進めています。今回は、北九州市を拠点に展開する調剤薬局およびドラッグストアチェーンの株式会社サンキュードラッグです。医薬品の提供に加え、栄養や健康に関する相談サービスにも積極的に取り組み、地域の健康サポートの実施が述べられています。今後、薬局の管理栄養士教育を標準化していく必要性を再認識することができます。 事例紹介 患者の健康状態をリアルタイムで把握し、患者の行動変容を促す 株式会社サンキュードラッグ 岡田圭子 医療機関に勤務する管理栄養士は、患者の身体状況や検査結果を基に栄養指導を行います。医療機関で栄養指導を行っていた私は、初めて薬局で栄養相談をした際に、こうしたデータが揃っていないことに大変驚きました。薬剤師は処方された薬の種類や量から病状を把握できますが、管理栄養士にはそのような手段がありません。そのうえ、初回面談時に患者様に検査結果や体重変化をお尋ねしても、明確な情報が得られないことが多く、ご自身が食べたものを思い出せない方も少なくありません。そこで、検査項目のどの数値を確認すべきか、またその数値がどの程度であれば食生活をどのように調整すべきかを説明しました。これにより、患者様がご自身の健康状態を意識し、次回の面談時には検査結果を持参されるようになりました。また、栄養相談の報告書を薬剤師が医療機関に提出することで、医師が患者様に検査結果を持参するよう指示し、薬局へ紹介いただくケースも増えてきました。その後、入職した現在の職場は、年間28万人が買い物や処方薬の受け取りなどに利用するドラッグストアチェーンでした。そのため、買い物「ついで」や薬の受け取り「ついで」に、気軽に食事や運動の相談ができる健康づくりの場が9店舗に設けられていました。そこでは、会員制の栄養相談や体操教室、地域住民向けの栄養講座、また、新たに供食の場の提供を開始し、健康的な食生活の知識を広める活動を行っています。栄養相談には血圧や体組成計を測定し、患者様の健康状態を定量的に把握しています。会員様によっては血液検査結果を持参していただくこともあります。 近年、重症化予防として、医療機関との連携を強化し、医療機関で行われる月1回の栄養指導と栄養指導の間に、週1回の来店を促し、30分ほどの食事支援や運動支援を実施しています。また、この取り組みではICTを活用し、患者様と同じソフトを使用することで、患者様が自宅で入力した食事や運動、体重などのデータを、管理栄養士が別の場所でいつでも確認できる環境を整えています。これにより、管理栄養士は患者様の状況をリアルタイムに把握し、チャットを通じて適切なアドバイスを提供することが可能となりました。その結果、会員様が継続的に食生活の改善を意識しやすくなり、早期に食事療法を見直し、修正することが可能となりました。さらに、会員様の承諾を得たうえで相談内容を医療機関の医師や管理栄養士にフィードバックすることで、医師から病状や治療方針の指針を示していただいたり、管理栄養士から指導内容や指示栄養量の変更を提示していただいたりすることで、会員様の詳細な情報を共有し、一貫した栄養管理を行うことができています。 また、店舗業務以外でも、特定保健指導、在宅栄養相談、介護予防・日常生活支援総合事業などの事業を、専任の管理栄養士20人ほどで実施しています。今後は生活習慣病の予防のみならず、重症化予防にも重点を置き、医療機関や行政ともさらなる連携を強化し、地域全体の健康増進に貢献していきたいと考えています。さらに、この取り組みを継続していくためには、管理栄養士のスキル向上が重要であると考えており、質の高い栄養サポートを提供できる体制を整え、地域に根ざした支援をより充実させていくことを目指しています。
- 第14回アジア製薬団体連携会議(APAC)開催:アジアの患者さんへの革新的新薬提供に向け議論進展
4月22日、「第14回アジア製薬団体連携会議(Asia Partnership Conference of Pharmaceutical Associations, APAC)」が開催された。2012年より毎年東京で開催されているAPACには、国際製薬団体連合会に加盟するアジア各国・地域の製薬団体13団体に加え、規制当局関係者やアカデミアが一堂に会し、「革新的な医薬品をアジアの人々に速やかに届ける」という共通のミッション実現に向けて、「研究」「開発」「申請/GMP」「市場アクセス」「承認後変更管理」の各分野で議論が重ねられている。 今回の会議では、「革新的な医薬品をアジアの人々に速やかに届ける」というミッションのもと、「規制・許認可」「創薬連携」「添付文書の電子化(e-labeling)」「製造・品質管理(MQS)」「aUHC(アジアにおける、すべての人が支払い可能な費用で適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを受けられること)」の計5つのセッションが行われ、オンラインと現地参加を合わせて約600名が参加し、活発な議論と提言がなされた。 会議の総括と合意事項について、APAC運営責任者の村上信夫氏(日本製薬工業協会国際委員長)が記者会見で説明を行った。村上氏は、特にaUHCに関する議論の進展について強調し、「これまで日本が中心となって議論を進めてきたが、『アジアの患者さんに革新的な新薬を届ける』という共通の課題に対し、この1年間で他のアジアの製薬団体も非常に積極的に参加し、議論を深めることができた。民間医療保険の役割や、台湾の事例を参考にした基金設立の可能性についてのカンファレンスでのセッション発表も非常に高い評価を受け、今後も継続的な議論が必要であるという意見が多数出た」と述べた。 さらに、e-labelingに関する規制当局と製薬団体の議論に触れ、「個人の見解としては、この1年間で製薬団体と当局双方の積極的な参加と議論が進み、関係強化ができたこと自体が最大の成果であった」と語った。 創薬連携では、創薬研究の新モダリティとして注目を集めるマイクロバイオーム研究に関し、研究者からは「産学連携によるマイクロバイオーム研究の加速化」と「日本国内のマイクロバイオーム研究の課題と可能性」について、またPMDAからは「マイクロバイオーム医薬品の規制面からの考え方」について発表があった。これらの発表を通じて、日本とアジアにおけるマイクロバイオーム研究の現状を確認し、創薬応用への可能性について考察を深めた。 また、今回の会議においてベトナムの製薬団体(Pharma Group Viet Nam)が新たにメンバーに加わり、来年の第15回APACに向けて14団体で協力していくことが決定したと発表された。 村上氏
- 薬剤師として社会に貢献することを念頭に行動してほしい
公益社団法人日本薬剤師会 会長 岩月 進 「薬剤師および薬局に関する制度の改正」「DX推進」「Amazonファーマシー」など、薬剤師を取り巻く環境が劇的に変化している。これから先、薬剤師の将来はどうなっていくのか。ここでは、日本薬剤師会会長の岩月進氏に未来の薬剤師像や薬学教育について聞いた。 ―薬剤師、薬局の取り巻く環境が劇的に変化する中、今の薬剤師に求められる資質をお教えください。 薬剤師という資格は国から付託された資格であることを忘れてはいけません。ここ数十年、薬剤師を取り巻く環境は変化しましたが、どんな状況になったとしても国民に奉仕することを念頭に置いて行動しなければならないのです。免許を取得すれば、薬剤師法に基づいた権限が与えられますが、それと同時に自らの行動に対して責任を負うことでもあります。今一度、自覚を持ってほしいと思います。 近年の規制改革や規制緩和の考え方は、免許がなくても一定の要件を満たせば許容するというものですが、薬剤師に限らず免許というものは、行政処分の対象になるわけですから、ミスをすれば責任を負わなければなりません。そこが実は免許の一番大事なところなのです。「私のせいじゃない」「機械が間違った」それで済むのであれば免許そのものの必要性が問われるのです。 ―国は、薬剤師の業務を「対物から対人へ移行する」ことを打ち出していますが、その意味するところをお教えください。 調剤に関わる薬剤師の必読書である『第十三改訂 調剤指針』の中には、薬剤師業務を「対物と対人」に分けていますが、その考えをまとめたのは私です。それを受けて多くの関係者が、薬剤師業務を「対物から対人へシフトする」ことを提唱していますが、厳密に言えば、この考えは誤りで、対人業務は対物業務の精度を上げるための手段です。患者情報を引き出し、医薬品情報とマッチングして個別最適化した調剤をするというのが本来の意味なのですが、いつの間にか対人業務を充実させることのみがクローズアップされたのです。 ―薬剤師を輩出する大学の果たすべき役割は大きいと思いますが、現在の薬学教育についてどのような考えをお持ちでしょうか。 第一に学生だけでなく、薬学教育に関わる人たちが常に薬剤師の根本的な精神を意識してほしいと思います。 現在の6年制薬学教育は、調剤、さらに言うと医薬分業について熱心に教育しているという印象はぬぐえません。しかしながら薬剤師として社会に貢献することは、調剤だけではありません。医薬品開発や品質管理の仕事として製薬会社や卸、CRO(医薬品開発業受託機関)、公務員として保健所や麻薬取締官、自衛隊など、業種は多岐にわたっています。10年ほど前からWHO(世界保健機関)やFIP(国際薬剤師・薬学連合)は、西アフリカ諸国で蔓延している感染症の対策チームの一員として薬剤師を派遣し、公衆衛生管理に従事させ、一定の成果を上げています。成功体験を持っている彼らからすれば、南アジアについても目を向けているのですが、本来アジアのリーダーであるべき、日本や韓国、台湾が積極的に取り組むべき事案なのに、いまだに進展が見えない状況を見て、アジアの薬剤師が公衆衛生に関わるべきではないかという声も上がっています。日本は自然災害が多い国なのですから、災害対策も含めた環境衛生や公衆衛生にも目を向けるべきだと思います。 製造業に目を向けると、今後、国内市場はシュリンクしていきますので、アジアへの進出はより加速し、それに伴い薬剤師の需要も高まっていくでしょう。そう考えると英語をはじめとした語学も重要になってきますね。 コミュニケーションスキルを高めるプログラムも数多く用意されていますが、薬剤師として一番重要なのはバイタリティーです。例えば地方の病院に勤めた際、地域にとけ込めないから辞める、夜勤や休日出勤は嫌だということでは困ります。どういう環境におかれても強い意志を持ち合わせなければなりません。その次に必要になるのがテクニカルなスキルで、コミュニケーションスキルは3番目です。バイタリティーとテクニカルスキルを身につけたうえで、その知識や技能を患者さんにどう還元するかといったときに、コミュニケーションスキルが必要になってくるのです。 また、薬剤師国家試験の合格率は、高校生の学校選択の大きな要素であることは認めますが、だからといって大学は国家試験対策予備校ではありません。 ―日本の人口減少と高齢化が進む中、2040年問題も控えています。岩月先生が考える未来の薬剤師像についてお教えください。 2040年には労働人口が減少し、過疎化や医療者の偏在も今より深刻になることが予想されます。それを解消するために、オンラインで服薬指導をしてドローンを使って薬を届ける機会も増えるでしょう。しかし忘れてはいけないのは、オンライン服薬指導のような非対面のやり取りは、どんなに精度を高めたとしても真正性(人やデータなどの対象物が本物であること)の疑問がつくわけです。例えば、警察が取り調べをオンラインではやらないのは真正性を担保するためです。私たちは人の命に関わる仕事に従事しているわけですから、IT技術を駆使しながらどうやってその真正性を担保するかということを念頭に置きながら仕事をすべきでしょう。 これまで専門家は知識や体験を切り売りしてきましたが、今後それはAIにとって替わられるでしょう。では何が必要なのか、それは想像力です。例えば薬が飲めなかったら、飲めない理由ばかりを探すのではなく、飲める方法を患者さんとのやり取りの中で見つけ出すというように、患者さんや家族の一つひとつの言葉から想像力を働かせて、最適な薬物治療を導き出すことが求められるのではないでしょうか。 ―2024年6月から岩月体制がスタートしました。日本薬剤師会のビジョンについてお聞かせください。 医療提供体制が病院完結型から地域完結型に移行される中、薬局の役割はますます大きくなっています。在宅医療やOTC医薬品の販売、健康相談といったように薬局のサービスはさまざまありますが、1つの薬局ですべてのサービスを提供することは難しいのが現状です。それを解消するために、地域の薬局が手を取り合って、地域の中に疑似的な大規模薬局を整備していく必要があるかと考えます。専門性の高い治療が必要な患者さんを対応する薬剤師がいなければ、専門薬剤師が在籍する薬局と連携する、あるいは専門薬剤師が先頭に立って地域の薬剤師の底上げを図ることも必要になるでしょう。これについては地域によって事情が異なりますので、地域の薬剤師会が主体的になって行動してほしいと呼び掛けているところです。 ―先日行われた衆議院選挙の投票率は53.85%で、戦後3番目の低さでした。特に若者の政治離れが叫ばれる中、「投票」を通じて政治参加することの意味をお教えください。 薬剤師は法の定めにより、国から付託された資格です。薬剤師法にうたわれた使命を果たさなければ、国から免許は不要といわれる可能性もあります。したがって免許を使って仕事している以上、政治に関心がないという考えはもってほしくない、というのが大前提です。その上で免許を使って、社会に貢献するためには、働く環境を整備する必要があり、それを実現するためには、現場の薬剤師の生の声を政治の中枢に訴えなければいけません。現場で起こっている課題があるけれど、法律が足かせになってうまく患者さんに対応できないといったこともあります。それを怠れば、現場の実情を知らない人がつくった制度ばかりになってしまい、現場ではうまく機能しません。私たちの意見を代弁してくれる薬剤師の資格を持った人が、政策決定に関わる場にいることは大事なことなのです。国家により効率的に貢献する、そのための手段として政治があるのだと思っていただければと思います。 もし自身で政治の世界に身を投じて、薬剤師が地域で活躍できるための政策をつくりたいと考えている方は、全国に薬剤師会の支部がありますので、そちらにお問い合わせいただければ幸いです。 岩月 進(いわつき・すすむ) 1978年名城大学薬学部卒業。2004年から2010年、2020年から2024年日本薬剤師会常務理事を経て、2024年第26代日本薬剤師会会長に就任。2017年から現在まで愛知県薬剤師会会長も務める。厚生労働省医道審議会薬剤師分科会構成員、厚生労働省社会保障審議会医療保険部会臨時委員、厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会要指導・一般用医薬品部会臨時委員などを歴任。 第58回日本薬剤師会学術大会 2025年10月12日(日)~10月13日(月・祝)の2日間、国立京都国際会館にて開催 詳細はこちら https:// www.c-linkage.co.jp/jpa58/ 学生会員募集 4つの会員特典 1 日本薬剤師会ホームページ(会員向けページ)の閲覧可 2 生涯学習支援システムJPALS(ジェイパルス9の無料利用 3 日本薬剤師会が開催する研修会の案内 4 日本薬剤師会雑誌への投稿可 詳細はこちら https://www.nichiyaku.or.jp/about/student/index.html
- 医師の働き方改革、成功事例を表彰 「メディカルジョブアワード2025」開催
医師の採用支援プラットフォーム「Med-Pro Doctors」などのサービスを提供している株式会社ENは、2025年2月16日に第2回目となる「メディカルジョブアワード 2025」を開催した。このアワードは、医療現場における働き方改革の成功事例を表彰し、その取り組みを広く社会に共有することを目的としている。 全国の医療機関から50件を超える応募が集まり、一次選考を通過した7つの医療機関が最終登壇した。審査は「医療従事者の働きやすさ」「職場のチーム力強化」「患者へのサービス向上」の3つの視点から行われた。 厳選な審査の結果、最優秀賞は、一般社団法人ハートアライアンス 聖路加国際病院心臓血管外科 中村亮太氏の「心臓血管外科施設群『ハートアライアンス』が変える働き方と教育」が選ばれた。発表の中で中村氏は、自身が所属する心臓血管外科という領域が、長時間労働が常態化している現状を指摘。医師だけでなく、他の医療従事者も同様に、長時間労働を強いられている状況を変えたいという強い思いが、中村氏の活動の原動力となった。また、長時間労働が当たり前であるという風潮の中で、自身のキャリアやビジョンをあきらめざるを得なかった先輩医師たちの存在もあり、心臓血管外科領域における働き方改革を推進している。ハートアライアンスでは、病院の垣根を越えた連携体制を構築し、業務効率化のためのアプリ開発など、さまざまな取り組みを行っている。1つ目は仕組みの共有: 独自のアプリ開発による労務管理、手術器具の標準化、手術説明資料の共有、病診連携の標準化、転院搬送における連携など、2つ目は人の共有: オンコール体制のシェア、病院間連携アプリによる人的リソースの共有、多職種連携(看護師、臨床工学技士など)の推進、研修プログラムの共同開発など、3つ目は知識の共有: 合同ウェビナー開催、手術トレーニング部の活動―である。これら3つの取り組みを通じて、心臓血管外科医の働き方改革を推進し、一定の成果を上げているという。今回の受賞を機に、中村氏は「自身の活動をさらに広げ、心臓血管外科領域における働き方改革を推進し、患者、国民、医療現場、そして社会全体に貢献していきたいです」と述べた。 主催者で代表取締役・医師の鎌形博展氏は「それぞれの現場で創意工夫を凝らした素晴らしい取り組みを発表してくださいました。これらの事例は、医療業界全体の働き方改革を推進するうえで、非常に貴重な参考となるものばかりです。今後も、医療現場の持続可能な発展に向けて、皆様と共に歩んでまいりたいと存じます」と締めくくった。 ◆受賞者 ・最優秀賞 「心臓血管外科施設群『ハートアライアンス』が変える働き方と教育」 一般社団法人ハートアライアンス・聖路加国際病院心臓血管外科 中村亮太氏 ・オーディエンス賞 「『総合診療』と『コミュニティホスピタル』で地域医療を改革する」 一般社団法人コミュニティ&コミュニティホスピタル協会 近藤敬太氏 ・審査員特別賞 「診療看護師が急性期病院の働き方改革に与えるインパクト」 聖マリアンナ医科大学救急医学・株式会社Legix 代表取締役 堤 健氏 「かけはし方式 てんかん専門クリニックが実践する医師の働き方改革」 医療法人社団かけはし理事長 生田陽二氏 ・審査員特別賞 「医師不足に立ち向かう若手医師の挑戦」 新潟県町立津南病院 千手孝太郎 氏 ・優秀賞 「遺伝カウンセラーのタスクシェアで実現するゲノム医療の未来-多職種連携と新たな働き方」 香川大学医学部附属病院臨床遺伝ゲノム診療科特命助教 十川麗美 氏 「私の考える慢性期医療の魅力と元気会横浜病院の取り組み」 医療法人社団元気会横浜病院副院長・経営企画室 中村大輔氏
- 【スタートアップ】薬局薬剤師から薬局組織コンサルタントへ - 独立までの軌跡と成功の秘訣
株式会社BeMore 代表取締役・薬剤師 若林雄太 病院や薬局、ドラッグストアといった臨床現場、あるいは行政や製薬企業、CROなど薬剤師が活躍できる場は幅広い。最近では、病院や薬局の経営をコンサルティングする薬剤師も増えてきた。2024年9月に薬局の組織コンサルティング会社を立ち上げた若林雄太さんもその一人だ。 若林さんが独立することを意識し始めたのは大学3年の頃。他学部に進学した高校の友人たちが有名企業に就職したことで、若林さんの心に変化が起こった。「私が社会人になった時、友人たちは社会人としてバリバリ働いています。このままいくと、生涯収入に彼らと大きな差が出てしまうのではないかという危機感を持ち、独立を意識するようになりました」と理由を説明する。 卒業後は静岡県の中小チェーン薬局に就職。「20店舗くらいの規模の薬局だったので、頑張れば社長になれるかもしれないと思い、入社を決めました」と話す。順調に仕事をしていたが、将来的に社長になることが約束された社長の娘が入社したことで、若林さんは次の道を模索し始めた。最初に選択肢に上がったのが薬局を開業すること。だが、調べていくうちに開業資金が2000万円ほど必要だということが分かり、リスクが大きいと判断。それなら自分の身一つで活動できるコンサルタントの道を考えるようになった。当時はコロナ禍で、個人で稼ぐという考えが広まったことも若林さんの考えを後押しした。この頃、若林さんは薬局で採用担当もしていたが、採用業務のやりがいを感じながら仕事していたこともあり、薬剤師新卒採用のコンサルティング会社に転職したという。 転職後は、実績を積み重ねていたものの、若林さんの中で「独立するならこの仕事ではないと感じ始めていた」という。そんな時、顧客から「採用してもすぐ辞めてしまう。打開策はないか」という相談を受けた。そのとき若林さんが所属していた会社も組織づくりをサポートする事業を推進することを打ち出し、若林さんも組織づくりについて学んだ。次に営業で多くの企業に訪問したが、なかなか思うようにいかない時期が続いた。「薬局では体験したこともないような失敗の連続でした」と当時のことを語る。ようやく1年後に一筋の光明がした。初めての契約を交わし、若林さんがコンサルティングに入ったことで、離職率の低下、売り上げの向上などに貢献したという。「クライアントから感謝されたときは、今までにない達成感を感じました」と振り返る。そこからみるみる業績を伸ばし、2024年9月に念願の独立を果たした。「独立初期が一番つらかったという経営者の話をよく耳にしますが、振り返ると私の場合は組織コンサルタントになりたての頃が1番つらかったかもしれません。まだ若造会社員だった私が経営者と同じ目線を持つことは難しく、当時はかなり苦労しました」と胸の内を明かす。 コンサルティングの契約期間は1年。1日1日が勝負だ。現在のところ、契約更新をし、継続してコンサルティングを行っているという。「3年かけて手に入る未来を、1年で手にできるようにすることが私の存在価値だと思っています」と意気込む。 独立して仕事も軌道に乗り、ようやく同級生の背中が見え始めてきた。これからも顧客の一つひとつの言葉に真摯に耳を傾け、顧客よりも顧客のゴールに向き合い、ともに成長していきたいという若林さん。最後に「独立を志している方に限って言えば、若いときは量より質とか言わずに、誰よりも働いた方がいいと思います。また、経営のノウハウを身につけるために、経営者との距離が近い会社を選ぶことをお勧めします」と薬学生にアドバスを送った。 取材後記 若林さんは前職の時から知っており、その力強さと推進力はすごいと感じていました。薬剤師としての新たな「独立」の形に期待しております。今後の活躍が楽しみです。(薬学ステップ 寺本) 経営組織づくりセミナーを実施
- 【スタートアップ】薬剤師の枠を超え、地域医療を多角的に展開
株式会社ObenTEN あいくる薬局戸山大久保店 代表取締役社長・薬剤師 宮永優馬 東京都新宿区で今年2月に2店舗目の薬局を開局した宮永優馬さんが薬剤師を志したのは中学生の頃だった。「母が乳がんで抗がん剤治療を受けている姿を見たことがきっかけでした。教師を目指していた時期もありましたが、母から薬剤師という安定した職業を勧められたことも影響しました」と当時を振り返る。しかし、薬剤師の道を決めた後も宮永さんの葛藤は続き、教師になりたいと親を説得したこともあったという。最終的には、自分で決めた道だから卒業だけはしようと薬剤師の資格を取得した。 大学時代は、アルバイトに明け暮れる日々だったという。飲食店や塾、ホテルのウェイターなどさまざまなアルバイトを経験した。授業は出ていたが、テストの成績は芳しくなく、常に留年の危機と隣り合わせだった。そんな中、2年生の時に友人とのタイ旅行が大きな転機となる。バックパッカーとして1カ月間タイを旅した経験は、宮永さんの価値観を大きく変え、さまざまな挑戦をするきっかけとなった。 将来はMR(医薬品情報担当者)になって日本の医療に貢献しようと考えていたが、面接を受ける学生との価値観の違いに違和感を覚え、最終的に福岡のドラッグストアに就職した。「たまたま参加したドラッグストアのインターンで、ドラッグストアの社長の考え方に感銘を受け、ドラッグストアを選びました」と宮永さんは理由を説明する。就職先のドラッグストアでは、医薬品販売や店舗運営、採用などさまざまな業務を経験した。また、1年目にはアメリカ研修に参加し、アメリカの医療制度やドラッグストアや病院、他業種の小売店などを視察したことが、独立への意識を高めるきっかけとなった。 アメリカ研修後、宮永さんは「自分の柱を持ちたい、趣味の写真を仕事にしたい」という思いから、ドラッグストアを退職し、フリーランス薬剤師という働き方を選び、それと並行してカメラマンとしても活動を始めた。土曜日と日曜日は福岡で撮影の仕事をし、その日の夜に大分経由で愛媛に移動。愛媛の薬局で水曜日まで働いて、木曜日と金曜日は東京で撮影といった生活を送っていたという。独立後半年ほどで、埼玉の薬局経営者から声がかかり、薬局薬剤師として働きながら、振袖スタジオのカメラマンを兼務した。その後、同じ薬局経営者から独立の誘いを受け、2023年2月に埼玉県ふじみ野市に「アイ薬局」をオープンした。「ゆくゆくは薬局を開業したいと社長に話していたところ、独立の案件を紹介され、この案件を逃したら次はないと思い、開業することを決意しました」と話す。 現在は、薬局2店舗の他、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、レンタルスペースも経営している。薬局事業以外にも、訪問看護や介護事業に参入することで、地域医療に貢献したいという思いがあったという。「訪問在宅をする中で、訪問看護師と連携することで自身を成長させることができました。薬局と同じ法人で訪問看護をしたほうがシームレスな医療が提供できるのではないかと思い、開業してから半年後に訪問看護事業を立ち上げました」と宮永さんは説明する。また、レンタルスペースでは、患者の食生活改善に貢献したいという思いから始めた。「飲食店の営業許可を取っているので、将来的にはお弁当やお惣菜を患者に提供したいですね」と宮永さん。 今後は、3店舗目の薬局を出店する予定だという。宮永さんは「3店舗目が軌道に乗ったら、訪問看護ステーションの近隣に薬局を構え、訪問看護師と連携して地域医療に貢献したいと思います」と意気込む。また、将来的にはサービス付き高齢者向け住宅の運営も視野に入れているという。 学生へのメッセージとして、宮永さんは「いつもと違うことをする」ことを挙げる。「大きなチャレンジをすることは勇気がいること。例えば、帰り道を変える、違うものを注文する、といったように小さなチャレンジを積み重ねて、チャレンジすることに慣れることを学生時代から心がけていました。皆さんも普段から意識してみてください」と話してくれた。 取材後記 宮永さんの決断力と推進力には驚かされました。これまでの道のりの話の中で「決断の速さ」が印象的でした。薬局事業のみならずさまざまな事業展開をしており、今後もとても楽しみです。(薬学ステップ 寺本) あいくる薬局戸山大久保店 百味箪笥をイメージした受付台
- 2025 Winter SEP スタッフインタビュー
(一社)日本薬学生連盟の交換留学プログラム(Student Exchange Program)が2月4日~16日まで開催され、海外から4人の留学生が日本に来ました。実際にプログラムでスタッフを担当した永堀希歩さん(明治薬科大学薬学部3年生)と三浦吉太さん(日本薬科大学薬学部2年生)にお話を伺いました。 (執筆: 東京薬科大学薬学部2年生 庄司春菜) ―SEPの経験、計画・参加した企画について教えてください。 永堀 :SEPの経験は6回です。係は一通りやりました。私はSEO(※1)であるので、全体を見守る立ち位置にいました。参加した企画は、Welcome Party、薬局見学、浅草観光、μstream、Farewell Partyです。 三浦 :私は今回初めてスタッフとして関わり、LEO(※2)という役職につきました。私は門前仲町の観光を企画しました。この場所を選んだ理由は、観光地としては定番でない静かな場所であったからです。参加した企画は、Welcome Party、薬局見学、μstream、地域連携ワークショップ、Farewell Partyです。 ―今回のSEPにおいて、今までよりも良かった部分はありましたか? 永堀 :たくさんありました。スタッフ間での雰囲気が良くなったなと感じました。以前よりも留学生と積極的に話す人が増えたと思います。事前にZoomを使って日本人同士で会い、英語を話す機会を設けたことがコミュニケーション力の向上に繋がり、良かったです。 ―今回のSEPに参加する前はどのようなことを感じていましたか? 三浦 :初めてのスタッフかつLEOというまとめる立場にいたので、とても緊張していました。自分の中で、薬学生の集まりは勉学の向上を図るというイメージがありましたが、互いに仲良くなり、その中に学びに繋がるものがあると気づきました。 ―ハードルは高かったですか? 永堀・三浦 :最初、ハードルは高く感じました。終えた時は、スタッフとしてもっと人に頼ったり、聞いたりしても良かったかなと思いました。気を抜きすぎず、リラックスした気持ちで参加して仲良くできればいいなと思いました。 ―どのような成長ができることを期待して、活動をしましたか? 永堀・三浦 :英語を使う機会なので、自分の英語力の向上を期待しました。また、大学においても企画に携わる機会はありますが、他大学・大学病院・薬局などさまざまな団体が関わっていることで、社会に出ることを学ぶことができたと思いました。自分にとって成長できる機会であったと思います。 ―海外、日本人参加者も楽しんでもらえたと感じる場面はありましたか? 今後も続けていきたいことはありましたか? 反省点なども教えてください。 永堀 :Welcome Partyの前日に英語のウォーミングアップをしたことで、当日は緊張せずに話すことができて良かったなと思います。日本は交通費が高いので、留学生に渡すパンフレットに記載したり、インスタグラムにパンフレットを投稿したりして留学生が安心できるように工夫しました。英語の挨拶や表現などをまとめ、日本人参加者が見られるようにしました。反省点ですが、参加費の中に何が含まれているのか、持ち物、提出物の期限など大事なことはこまめに伝えることが大切だと思いました。何が起こるのかを事前に想定して対策することが大事だなと思います。 三浦 :Welcome Partyの前日に英語の練習を兼ねて開催されたミーティングはとても助かりました。そのおかげでWelcome Partyで英語で会話できる量が増えました。他の日本人参加者も会話が途切れず、盛り上がっていると感じました。 ―自分が想定していたよりも大変だったことはありましたか? 三浦 :集合時間・場所の指定、留学生の食べ物を考慮したところです。インドネシアから来た留学生は、宗教上豚肉が食べられません。私は「ラーメン屋であれば大丈夫だろう」と思い、豚骨ラーメン屋を選んでしまいました。このことを受けて、自分が異国の地へ行った気分で、あらゆる可能性を想定して考えなければならないと思いました。 ―成長できたと感じたのは、どのようなところですか? 永堀・三浦 :参加者の時とは違う成長を得られました。参加者の時は留学生と一緒に楽しみ、国の文化を知りました。スタッフとしてはさまざまな人と関わるという点で、視野を広くすることができたのではないかと思います。 ―お2人が考える“SEPの魅力”とは? 永堀 :薬学生に対してインターンシップを行っているというのが1番の魅力だと感じています。日本薬学生連盟がIPSFに加盟しているため、毎回いろいろな国の薬学生を招いて開催できているところです。それにスタッフとして携わることができているのが貴重な機会だなと思います。留学生と、互いの国の薬学教育について会話することで視野が広がりました。 三浦 :留学生だけでなく、日本人スタッフにもメリットがあると思います。今回SEPを通して、薬局での体験ができました。調剤室に入り、いろいろなものを見ることができてとても良い経験になりました。門前仲町の観光の企画を担当して、留学生だけでなく、日本人スタッフにも「すごく面白いね」と言ってもらえたのが、うれしかったです。日本人にも知らない魅力が発見できたというのが良かったと思いました。留学生とは国が違っても、同じ薬学生であるということで、話に共感することができました。 永堀さん、三浦さん、ありがとうございました! ※1 SEO: Student Exchange Officerの略で、SEP全体をまとめるリーダー。 ※2 LEO: Local Exchange Officerの略で、SEPの企画をまとめるリーダー。 (MIL vol.103 2025 Spring掲載)
- 第57回日本薬剤師会学術大会 薬学生シンポジウム開催~災害医療について学ぶ
『MIL』vol.101(2024Autumn)より 9月22日、23日、第57回日本薬剤師会学術大会が埼玉県で開催され、23日には日本薬学生連盟が企画した「薬学生シンポジウム」が行われた。テーマは「災害医療から考える薬剤師のあり方」である。最初に同連盟に在籍する薬学生が作成した「避難所サバイバル」というカードゲームを使って、災害時の避難所生活を乗り切る知恵を学んだ。 「避難所サバイバル」カードゲーム このカードはトランプと同じ54枚のカードを使い、2~5人で遊ぶゲームである。新聞紙やポリ袋などの日用品のカードと、寒い、吐いたなど避難所で起こるイベントが書かれたカードを使う。プレイヤーはテーブルに裏返しに並べられているイベントカードを引いて、出てきたイベントに手持ちの日用品のカードで対処できるかで加点や減点がされ、勝負を競う。薬学生と、薬剤師や社会人が楽しみながらカードゲームを行った。 続いて、同連盟が災害関連死についての話題を提供した。災害では、災害で直接亡くなる災害直接死と、発災時には生存していたものの、その後の生活で亡くなる災害関連死がある。災害関連死は、災害での負傷の悪化や、避難所生活の負担によるもので、医療者が適切に介入していれば、避けられたケースも少なくない。熊本地震のデータによれば、災害関連死は災害直接死に比べ5倍の数に上ったという。また、内閣府が作成したデータによると、災害関連死の要因として、避難所生活での肉体的負荷、精神的不安によるものが過半数を占めていた。厚生労働省がまとめた「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」や東京都が作成した「防災ブック」などには避難所生活を乗り切る方法が記載されているので、ぜひそれらを活用してほしいと呼びかけた。 後半のセッションでは、「災害関連死や防ぎえた災害死を未然に防ぐために薬剤師はどのような過程で被災者の方々に対応することができるか?」というテーマで、薬学生と薬剤師がディスカッションをした。発災から2~3週間、時期は秋から冬、時間帯は昼頃、ライフラインは電気だけ通っているという設定で、避難所生活を描いたイラストを見て、災害医療チームの一員として派遣された薬剤師の立場で、どう被災者をサポートするかを考えた。そして最後にそれぞれのグループでまとめた意見を発表した。 最後に今回の企画の担当者が「避難所生活は時期や状況によって対処法が異なるため、1人では解決できないことも少なくありません。臨機応変に対応するために、みんなで問題を共有し、最適な選択を導き出すことがこれからの薬剤師には必要だと感じました」と指摘し、会を締めくくった。 薬学生と薬剤師がディスカッションし、避難所生活をしている被災者をサポートする方法を考える。
- イオン、ツルハHD、ウエルシアHD、が経営統合へ!日本最大のドラッグストア連合が誕生
4月11日、イオン株式会社、株式会社ツルハホールディングス、ウエルシアホールディングス株式会社の3社は合同で記者会見を開き、経営統合について発表した。今回の統合により、国内で5600店舗超、売上規模2兆3000億円(1位(調剤も1位))を超える圧倒的な全国ネットワークが実現する。 株式会社ツルハホールディングス代表取締役社長の鶴羽順氏は、今回の経営統合について「イオングループの数ある資源を最大限に生かした日本最大のドラッグストアチェーンが誕生する」と強調した。顧客と患者に心から満足してもらえる、地域の健康を支えるライフライン(ワンストップの機能の充実)としてのドラッグストア連合を目指すと述べた。また、海外展開についても言及し、イオングループの海外基盤を活用し、ツルハとウエルシアの経験と知見を結集することで、中国・ASEAN地域を中心に高齢化や健康保険制度が未発達な地域でのドラッグストアの役割を重視し、将来的にはアジアナンバーワンのグローバル企業への成長を目指す考えを示した。 ウエルシアホールディングス株式会社代表取締役兼社長執行役員の桐沢英明氏は、経営統合が「将来にわたり、より良いお客様の豊かな社会生活とより一層の健康な暮らしを提供し続けるため」の最善の策であると説明した。ドラッグストア業界を取り巻く環境変化や小売業界の再編が進む中で、持続的な成長と企業価値の向上には経営基盤の強化と規模拡大が不可欠であるとの認識を示した。両社の強みを融合し、イオングループのインフラを活用することで、新たなヘルスケアサービスの提供や顧客体験の向上を図り、業界のリーディングカンパニーを目指すと語った。 イオン株式会社取締役兼代表執行役社長の吉田昭夫氏は、今回の経営統合により「健康社会をリードしていけるグローバル企業になるという共通の思いの実現に向けて動き出す」と述べ、強い期待感を示した。イオンが持つスケール、マルチフォーマット、インフラ、顧客基盤といったリソースを生かし、両社の成長を支える役割を担うとした。特に、イオンの食品に関するノウハウを活用した新たなドラッグ&フードの店舗フォーマット開発に意欲を示し、ヘルス&ウェルネスのエコシステム構築においても貢献していく考えを強調した。また、国内外におけるヘルス&ウェルネス関連の格差解消にも取り組む姿勢を示した。 両社の経営資源連携によるシナジー効果は多岐にわたり、商品調達、物流効率化、イオンによる食品カテゴリー商品の供給支援、プライベートブランド商品の共同開発・マーケティング強化、調剤薬局事業の強化、デジタルマーケティングの強化などを通じて、顧客へのよりきめ細やかなサービス提供と売上拡大を目指す。 統合後の具体的な中長期目標として、統合から6年後の2032年2月期に売上高3兆円、営業利益率7%をターゲットとすることを発表。国内での売上規模拡大に加え、利益改善を重視した経営を進める方針を示した。 経営体制については、引き続き鶴羽氏がグループを牽引し、2025年5月のツルハHD定時株主総会でウエルシアから2名の取締役を受け入れる予定だ。執行役員についてもウエルシアから複数名の就任が見込まれている。 左から、吉田氏、鶴羽氏、桐沢氏
- 向日葵のように咲こう! ①目の前の仕事に夢中になってみる
昭和の新人類薬剤師からZ世代の薬学生の皆さんへ エールを送ります 文・富永由美 「目の前の仕事に夢中になってみる」 大学を卒業してからもうすぐ38年。皆さんのお母さん世代の現役薬剤師からこれから社会で活躍する皆さんへの応援メッセージを届けていきたいと思います。おせっかいかもしれませんが、お付き合いよろしくお願いします。 なんで私薬学部にいるのだろう? 私、薬剤師向いてない? 薬局の仕事いやだ! 病院いやだ! そんなふうに毎日過ごしている人もいるのではないでしょうか。私も若い時、そうでした。 薬学部が嫌で、薬剤師に興味がなくて、就職先は日用品メーカーに決めました。当時少なかった週休2日が魅力的で(志が低いです)。当時、女性の商品開発っていうのがはやっていて、数少ない女性社員だった私は商品開発の部署に配属されました。 「どんな商品を市場に出したらヒットするか?」そのようなことを毎日考えるマーケティングの仕事は本当に楽しく、毎日夢中に働きました。 結婚して、子どもが産まれ、夫の転勤もありメーカーでの仕事は辞めましたが、仕事の面白さと醍醐味を知った私は、その後薬剤師免許を使って薬局で働き始めました。当時、子育てしながら働くには薬局薬剤師の仕事はとても恵まれていました。 今の私は「どんな薬局なら、地域で必要とされるか?」と夢中で考えています。夢中になれることも時とともに変っていくものです。人生って繋がっていますね。 『MIL』vol.99 2024 Spring 掲載 〈筆者プロフィール〉 富永由美 とみなが・ゆみ 株式会社ネオプラスファーマ(大阪府吹田市)虹薬局南千里店 薬局長 株式会社ネオプラスファーマ 大阪府吹田市に3店舗の薬局を展開している会社です。クリーンルームを設置した薬局で10年以上前から薬剤師による在宅訪問を積極的に行っており、自宅などで訪問診療を受けている方、病院や薬局に通うのが困難な方を対象に服薬支援しています。 http://neoplus-pharma.co.jp/














