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空の検索で421件の結果が見つかりました。

  • 新卒薬剤師を全力応援!日本薬剤師会「初年度会費無料キャンペーン」が始動

    日本薬剤師会(以下、日薬)は、薬剤師としての新たな一歩を踏み出す新卒者を支援するため、令和8年度(2026年度)より「初年度会費無料キャンペーン」を実施する。 本施策は、令和7年度(2025年度)に薬学部を卒業し、薬剤師国家試験を経て免許を取得した新卒会員が対象である。日薬が提供する最新の医療情報の入手や生涯学習の場、さらには地域医療のネットワークを、初年度の会費負担なく体験できる画期的な制度となっている。 キャンペーン詳細 項目 内容 実施期間 令和8年(2026年)4月1日 〜 令和9年3月31日 対象者 令和7年度内の新卒薬剤師(既卒者は対象外) 特典内容 入会初年度の日本薬剤師会 B会員(勤務薬剤師)会費が全額無料 【留意事項】 A会員(薬局開設者・管理薬剤師等)は本キャンペーンの対象外である。特典の適用は、日本薬剤師会への新規入会者に限る。 薬剤師会への入会で得られるメリット 入会により、日々の業務や専門性の向上に直結する以下のサポートを受けることが可能となる。 最新の医療・薬事情報の提供: 法改正や最新の医薬品情報などを迅速に把握。 生涯学習の支援: 各種研修会や講習会を通じたスキルアップの機会。 職能の拡大: 多職種連携や地域医療への参画、政策提言活動への関与。 入会手続きの流れ 本キャンペーンを利用するには、まず「勤務地の都道府県薬剤師会」に入会する必要がある。その上で、日本薬剤師会への入会手続きを行う。詳細な手順については、各都道府県薬剤師会の事務局へ問い合わせるのが確実である。 お問い合わせ先 本キャンペーンおよび入会に関する詳細は、下記まで。 公益社団法人日本薬剤師会 総務部 総務課 住所:〒160-8389 東京都新宿区四谷3丁目3-1 電話:03-3353-1170 E-mail:kaiin(a)nichiyaku.or.jp ※(a)をアットマークに読み替えること。

  • スギホールディングス副社長・杉浦伸哉氏、薬学博士号を取得。地域包括ケアの未来を拓く「文武両道」の経営者へ

    杉浦氏 2026年3月25日、公益財団法人日本ヘルスケア協会において、スギホールディングス株式会社代表取締役副社長であり、同協会評議員を務める杉浦伸哉氏の「薬学博士取得報告会 兼 祝賀会」が開催された。本会は、開催決定から1カ月に満たない急な呼びかけであったにもかかわらず、業界関係者ら50人を超える出席者が詰めかける盛況ぶりを見せ、経営と学術の両面で新たな一歩を踏み出した杉浦氏を祝福した。 故・宗像守氏の遺志を継ぐ「文武両道」の体現 今西氏 今回の博士号取得の背景には、同協会会長の今西信幸氏と、今は亡き日本チェーンドラッグストア協会初代事務総長の宗像守氏との間に交わされた「約束」があった。かつて宗像氏は、ドラッグストア業界が持続的に成長するためには、現場の実行力である「武」のみならず、学術的知見や経営理論という「文」を兼ね備えたリーダーの育成が不可欠であると説いていた。 この遺志を受けた今西氏は、次世代のリーダー候補として杉浦氏を推薦した。杉浦氏は、上場企業の経営者として阪神調剤やセキ薬品のM&Aを指揮する多忙な極みにありながら、帝京平成大学大学院に入学した。4年間にわたり、継続的に指導教員との連携を図りながら研究に取り組み、見事に学位を授与されたのである。今西氏は、本会が故・宗像氏へ「約束を果たした」と報告する場でもあると、その歩みを感慨深く振り返った。 社会薬学の視点から描く「ヘルスケア・ハブ」への進化 報告会において杉浦氏は、自身の論文テーマ「地域包括ケアシステムにおける薬局の役割に関する探索的研究」に基づき、これからの薬局・ドラッグストアの展望を語った。この研究は、薬物の作用機序や有効性・安全性の解明を中心とする基礎薬学とは異なり、薬局が社会の中でいかに機能すべきかを問い直す「社会薬学」の視点から構築されている。 杉浦氏は、薬局を単なる処方箋の受け皿(医療の終点)ではなく、生活と医療をつなぐ「起点」としての「中間支援拠点」に再定義すべきだと主張した。処方箋の有無にかかわらず住民が立ち寄り、免疫、栄養、睡眠、介護といった暮らしに関わる悩みを専門職が受け止め、適切な選択肢を提案できる場所への進化を目指すものである。 3つの研究が示す「生活の異変」への介入 杉浦氏は、自身の論文を構成する3つの調査研究の詳細を解説した。まず、東京都中野区の住民調査を分析し、孤独感を感じている層ほど医療機関や薬局の利用頻度が低い実態を新規に示した。この結果は、孤独感が医療アクセス行動と関連している可能性を示すものであり、薬局を含む身近な医療関連資源との接点を持ちにくい住民が存在することを示唆したと説いた。次に、高齢患者の服薬状況を嚥下内視鏡で可視化した結果、服薬補助ゼリー等を使用しても完全には飲み込めずに吐き出してしまう可能性を動画で示した。これは、単に商品を提供するだけでなく、個々の嚥下機能を評価する専門性の必要性を示唆している。さらに、現場の薬剤師向けアンケート調査では、地域の孤独・孤立対策への関与意識に関して、8割以上が積極的に関わるべきと回答した。これらの知見から、杉浦氏は受療前段階における生活上の小さな予兆や異変を早期に把握し、重症化する前に医療や介護のネットワークへつなぐ実践力の重要性を強調した。 「実務家博士」の困難と価値 小原氏 杉浦氏を4年間指導した帝京平成大学大学院薬学研究科教授の小原道子氏は、杉浦氏が成し遂げたことの意義を高く評価した。実務家が博士号を目指す際、最も高い壁となるのは、自身の経験という「主観」をデータに基づいた「客観」へと昇華させることであるが、杉浦氏は一度も弱音を吐かず、徹底して現場のエビデンスを積み上げ、学術的な論理構築をやり遂げた。 小原氏は、この研究が薬局の役割を点から線へ、医療から生活へと広げていく出発点となる提案であり、薬剤師という職能の未来を問うものであると述べ、その研鑽のプロセスを称賛した。 標準化と制度化を目指す「具現化」への決意 最後に杉浦氏は、今後の展望として「中間支援機能」の社会実装を掲げた。個人が重要性を説くだけでは意味がなく、思いを共にする方々と共にこの機能を備えた薬局・ドラッグストアを増やし、DXを活用した密な情報共有を通じて、その役割を標準化・制度化していくことが次の一手であると締めくくった。 ドラッグストアが単なる「物を売る場」から、真に「地域の健康を支える社会インフラ」へと進化を遂げる中で、経営の第一線に立つ杉浦氏が学術的根拠という武器を手にしたことは、業界全体にとって極めて大きな意味を持つ 。

  • 【日本チェーンドラッグストア協会】管理栄養士の地位向上へ新委員会を設置〜「食と健康」の専門性を強化〜

    角谷氏 日本チェーンドラッグストア協会は、2026年度の新組織体制において「管理栄養士委員会」を新設することを決定した。業界内で重要性が増している「健康」や「予防」の領域において、管理栄養士・栄養士が活躍できる場を広げ、その社会的地位の向上を図る狙いだ。 新委員会の狙いと役割 新設される委員会の委員長には、同協会理事の角谷真司氏(株式会社トモズ)が就任する。これまで角谷氏は「ドラッグストア機能向上委員会」の委員長を務めていたが、今後は管理栄養士の専門性に特化した組織の舵取りを担う。 委員会の主な役割は以下の通りである。 資質の向上と活躍の場を拡大 :管理栄養士および栄養士の専門性を高めるとともに、各企業内での役割を広げる。 他団体との協働 :食と健康に関連する外部団体との意見交換や連携を推進する。 具体的な施策の策定 :コミュニケーションスキルの向上といった教育内容を含め、詳細な活動計画は今後策定される予定である。 業界における管理栄養士の現状 直近の調査結果(回答企業の店舗カバー率80.3%)によると、現在ドラッグストア業界に在籍する管理栄養士および栄養士の合計人数は約4,800人に達している 。 業界として「健康・予防」というテーマは極めて重要であり、その推進役として期待されているのがこれらの専門職である。角谷氏は、自身の役割について「彼らの活躍の場を広げ、地位向上につなげていきたい」と抱負を語り、課題解決に向けた他団体との共同作業にも意欲を示した。 今回の組織変更は4月1日付で施行され、6月15日に開催予定の第7回通常総会にて正式に決定される見通しだ。ドラッグストアが単なる物販の場ではなく、地域住民の健康を支える拠点となるべく、管理栄養士の活用を通じた専門性の強化が加速することになる。

  • 2030年、HIV流行終結への挑戦。ギリアド・サイエンシズが「知ることから、できることへ。」プロジェクトを発足

    2026年3月25日、東京・赤坂にて、2030年までのHIV流行終結を目指す新たな取り組み「知ることから、できることへ。HIV流行を終わらせよう。メッセージフォト&ムービープロジェクト」の発足会が開催された。同プロジェクトは、認定NPO法人ぷれいす東京、社会福祉法人はばたき福祉事業団、魅惑的倶楽部(エキゾチッククラブ)、community center ZEL、一般社団法人金沢レインボープライドという5つの当事者支援団体等と、ギリアド・サイエンシズ株式会社が協力して推進するものである。医療従事者、支援団体、クリエイターが手を取り合い、HIV/AIDSに対する正しい理解の普及と、社会的なムーブメントの創出を目的としている。 日本の課題「診断率」の向上を目指して 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、2030年までのHIV流行終結を掲げ、その指標として「95-95-95」(診断率、治療率、ウイルス抑制率を各95%以上にする)という目標を提示している。日本国内では治療率とウイルス抑制率において既に95%を達成している一方、診断率については依然として90%に届いていない。UNAIDSが掲げる2030年の目標期限まで、残された時間はあと5年。日本が世界に先駆けて流行終結を実現できるか、今まさにその真価が問われている。 写真の力が社会を変える。レスリー・キー氏の思い レスリー・キー氏 プロジェクトのスペシャルパートナーには、世界的に活躍するフォトグラファーのレスリー・キー氏が就任した。レスリー氏は、2010年に同プロジェクトに参画する金沢レインボープライド共同代表の松中権氏らから「LGBTQ+を可視化して日本を変えていこう」という企画を受けたことが、フォトグラファーとして社会貢献に深く関わるきっかけだったと振り返った。当時は企業の賛同も限定的であったが、一歩ずつ歩みを進めた結果、2026年現在では多くの自治体でパートナーシップ証明書が導入されるに至った歴史に触れ、継続的な発信の重要性を説いた。 レスリー氏は、「写真は1枚のきっかけで、誰かの考えを変える力がある。今回のプロジェクトも、元気な写真を通じて、まだ知らない方々にメッセージを届けたい。2030年の目標に向けて、みんなでこのプロジェクトをシェアし、和を広げていこう」と述べ、写真が持つ「対話のきっかけ」としての力に期待を寄せた。 パネルディスカッション:専門家らが語る現状と未来への提言 パネルディスカッションでは、医療、地域支援、当事者活動など、それぞれの立場から深い洞察が語られた。 左から、平井氏、仲村氏、生島氏、鈴木氏、後藤氏、松中氏 医療現場のギャップと「いきなりエイズ」の課題 東京医科大学八王子医療センター教授の平井由児氏は、現在も新規診断者の約3割がエイズを発症してから見つかる「いきなりエイズ」の状態にあることを深刻な課題として挙げた。医療が進歩し、適切に治療すればウイルスが検出されないレベルまで抑制できる現代においても、「感染するとすぐに亡くなる」といった古い認識が社会に根強く残っている。平井氏は、都心と地方、あるいは世代間にある知識のギャップを埋めることの重要性を説き、特に高齢化社会において介護現場などでも正しい知識が必要とされる時代が来ていると強調した。 地方におけるスティグマと検査への壁 琉球大学大学院医学研究科助教の仲村秀太氏は、沖縄県における現状を報告した。沖縄では3人に2人がエイズ発症後で見つかるという極めて厳しい状況にあり、その背景には地方特有のコミュニティーの狭さと、それゆえに生じる強い「スティグマ(社会的偏見)」があるという。仲村氏は、医療リソースは整っているものの、偏見を恐れて検査にアクセスできない人々が多いことを指摘し、社会全体でこの負のイメージを払拭していく必要性を訴えた。 若年層へのアプローチと進化した予防法「PrEP」 認定NPO法人ぷれいす東京代表の生島嗣氏は、HIVが若い世代にとって「自分とは関係のない、リアリティーのないもの」になっている現状に警鐘を鳴らした。かつてのような死の恐怖が薄れた一方で、最新の予防法である「PrEP(プレップ:曝露前予防内服)」などの重要な情報が、届くべき層に届いていない。PrEPとは、HIVに感染していない人が、性交渉の前にあらかじめ予防薬を服用することで、感染のリスクを極めて低く抑えることができる手法である。生島氏は、コミュニティーの中だけでなく、もっと広い一般社会の中でこうした最新の予防法も含めて語り合える環境をつくることが、診断率の向上に不可欠であると述べた。 地方からの意思表示とレッドリボンの意味 魅惑的倶楽部(エキゾチッククラブ)理事長の鈴木恵子氏は、静岡県を拠点とする活動から、地方ではいまだにHIVが「どこか遠い世界の話」として捉えられている実感を語った。鈴木氏は、レッドリボンを身につけるといった小さな意思表示が、当事者にとっては「この街にも理解者がいる」という大きな安心感につながることを強調した。誰一人取り残さない社会をつくるために、日常の中で賛同の意を示すことの価値を再確認させた。 薬害の歴史を風化させず、全ての人が生きやすい社会へ 社会福祉法人はばたき福祉事業団の後藤智己氏は、薬害被害者の遺族の声を代弁した。すでに多くの被害者が亡くなっている中で、遺族たちは「この事件があったことを、そして亡くなっていった人がいたことを忘れてほしくない」と願っている。後藤氏は、病気を持つ人が生きやすい社会をつくることが、結果として全ての人にとっての生きやすさにつながると語り、過去の教訓を未来の流行終結へとつなげる決意を示した。 誰もが参加できるプロジェクト:無関心をアクションへ 同プロジェクトは、特定の団体や当事者だけでなく、広く一般の人々が参加できる仕組みとなっている。レスリー・キー氏が撮影するポートレートに加わることだけが参加ではない。公開されたコンテンツに対してSNSで「いいね」を押す、あるいはシェアするといった、日常の中の些細な行動も、立派な賛同のアクションとして位置づけられている。 司会を務めた松中氏は、差別をしないと心の中で決めるだけでなく、一歩踏み出して「賛同の意思」を可視化することの重要性をあらためて強調した。正しい知識を得ることが第一歩となり、それが検査の受診や偏見の解消へとつながっていく。著名人から一般市民までが参加するこのフォトプロジェクトは、2030年の流行終結に向け、社会全体の関心と行動を呼び起こす強力な原動力となることが期待されている。

  • 【スタートアップ】母への恩返しを胸に、師の背中を追って駆け抜ける独立初年度の挑戦

    株式会社うちだ薬局 代表取締役社 内田 睦(うちだ・むつみ) 大学を卒業し、薬剤師免許を手にした後のキャリアパスは多様化している。病院、薬局、製薬企業。しかし、その先に「独立」という選択肢を明確に描き、実行に移せる者は決して多くはない。株式会社うちだ薬局の代表取締役を務める内田睦さんは、2024年11月に法人を設立し 、わずか1年余りで3店舗の経営に携わるに至った。現代の若手薬剤師が抱く「独立への心理的ハードル」を、軽やかな決断力と泥臭い努力で突破した一人である。 内田さんのキャリアは、神奈川県の薬局から始まった。しかし、1年が経過した頃、自身の「独立したい」という未来像を具体化するため環境を変える決断をする。「薬局だったら独立できる未来像が果たせると思った」と直感し、いちょう薬局株式会社へと入社した。ここで内田さんは、生涯の師となる佐藤裕之社長と出会う。内田さんの特筆すべき点は、単なる勤務薬剤師に留まらなかったことだ。日々の業務をこなしながら、薬局の数値管理を徹底的に学んでいった。技術料や薬剤料、さらには想定される人件費や分包機のリース料に至るまで、自ら収支を算出しては佐藤社長にぶつけ、「まだ甘い」と0点をつけられる。その繰り返しの2年半こそが、経営者としての目を養う修行期間となった。 うちだ薬局田無店 2025年1月、東京都板橋区の「いちょう薬局板橋成増店」を事業承継したことが独立の第一歩となった。特筆すべきは、そのわずか4カ月後の5月には「うちだ薬局田無店」を完全新規でオープンさせ、さらに2026年3月には「こうえんじ薬局」の開局を控えている点だ。短期間での多店舗展開を可能にしたのは、師からの案件に即答し続ける姿勢である 。「佐藤社長からもらった話は断らない主義」という信念を貫き 、既存店舗の利益を積み上げることで銀行からの信頼を勝ち取り、融資を取り付けてきた 。 小児患者が安心して来局できるよう、遊び心のある環境作りを行っている。スタッフ手作りの精巧な折り紙や、カプセルトイの導入により、待ち時間の退屈や不安を軽減する試みがなされている。 新規開局した田無店では、認知度向上のためにマスクを安く販売したり看板を設置したりと、地道な活動もいとわなかった 。さらに、近隣ドクターと密に連携し、流通が不安定な薬の在庫状況を共有することで、患者を「たらい回し」にしない体制を構築。待ち時間を減らすためのLINE処方箋の導入など、利便性の向上にも着手している。内田さんが掲げる目標は、店舗数の拡大そのものではない。「従業員が働きやすい環境を築きたい。雰囲気が良くなれば、患者さんも来たくなる。その循環が結果的に利益を生み、従業員に還元できるサイクルを回したい」と語る 。現在は約10人のスタッフを抱える経営者として、人間関係の悩みや雇用の重圧に真っ向から向き合っている。 未来の薬剤師である学生に向け、内田さんは2つのアドバイスを送る。1つ目は「自分がやっていて楽しいと思えることを1つでも多く見つけること」だ。内田さん自身、学生時代の飲食店アルバイトを通じて「店舗を回す楽しさ」に目覚めた経験が、今の薬局経営に生きている。2つ目は、「何のためにやるか」という絶対的軸を持つことである。最大の原動力は、自身のバックボーンにある。「母子家庭で育ててくれた母を幸せにしたいという思いが根本にある。そこが基盤にあると、どんなにつらいことがあっても耐えられる」と強い覚悟を口にする。独立から1年。数値へのシビアな視点と周囲への感謝、そして即断即決の行動力を持つ彼にとって、現在は通過点に過ぎない。自らの人生を切り開くその背中は、将来に悩む薬学生にとって一つの希望の形として映るだろう。 こうえんじ薬局は、同社が初めて医療モール全体の開発を手掛けた店舗である。従来の薬局の枠を超えた大規模な空間設計が最大の特徴だ。体調の優れない患者が少しでも安らげるよう、内装の随所に細やかな工夫を凝らしている。 取材後記 佐藤社長のもとでの研鑽を経て、母への恩返しを胸に突き進む内田社長。その即断即決の行動力と泥臭い努力を間近で見てきたからこそ、今の躍進には胸が熱くなります!独立1年目、若きリーダーの挑戦を全力で応援します。(薬学ステップ 寺本) 株式会社NSS 開業支援のご相談なら てら|薬剤師の転職・開業支援

  • 第111回薬剤師国家試験結果:新卒合格率は86.25%に上昇 既卒者には厳しい関門に

    2026年3月25日、厚生労働省より第111回薬剤師国家試験の合格発表が行われた。本年度の試験結果を昨年度(第110回)と比較すると、全体の合格率は微減したものの、新卒者の合格率が向上するという特徴的な傾向が見て取れる。 合格率は68.49%で微減 本年度の受験者数は12,774人であり、昨年度の13,310人から536人減少した。合格者数は8,749人、全体の合格率は68.49%(昨年度比0.36減)となっている。 項目 第110回(昨年) 第111回(今年) 増減 受験者数 13,310人 12,774人 -536人 合格者数 9,164人 8,749人 -415人 合格率 68.85% 68.49% -0.36 現役生の健闘と既卒者の苦戦 区分別に見ると、6年制新卒者の合格率は86.25%に達し、昨年度の84.96%から1.29上昇した。一方で、6年制既卒者の合格率は41.33%(昨年度比2.61減)に留まっており、新卒と既卒の合格率格差がさらに広がる結果となった。 6年制新卒合格率 :86.25%(昨年:84.96%) 6年制既卒合格率 :41.33%(昨年:43.94%) 設置主体別の状況 国立・公立大学が高い合格率を維持する中、私立大学も新卒に限れば85.86%と、全体の平均を上回る高い水準を示している 。 国立大学 : 合格率 79.41%(新卒 87.85%) 公立大学 : 合格率 82.92%(新卒 91.94%) 私立大学 : 合格率 67.43%(新卒 85.86%) 大学別合格率の動向と昨年比 一部の大学では合格率に大きな変動が見られた。金沢大学や名城大学が極めて高い合格率を維持・向上させる一方で、千葉大学や東北大学といった難関国立大学で大幅な低下が確認された。 大学名 第110回合格率(総数) 第111回合格率(総数) 増減 金沢大学 93.33% 94.87%  +1.54 岐阜薬科大学 73.65% 80.43%  +6.78 東京薬科大学 77.85% 82.21%  +4.36 名城大学 89.80% 92.28%  +2.48 千葉大学 96.49% 75.47%  -21.02 東北大学 92.59% 80.00%  -12.59 総括 第111回試験は、新卒者の合格水準が向上し、現役受験生の対策が実を結んだ年と言える。しかし、既卒者の合格率低下や一部大学での合格率の落ち込みなど、試験の難易度変化の影響が如実に結果に反映される形となった。 資料出典:  厚生労働省「第111回薬剤師国家試験の結果について」および「第110回薬剤師国家試験の結果について」

  • いのちの「鍵」を創り出す。女子高校生がのぞいた創薬の最前線と未来のキャリア

    2026年3月23日、東京・北の丸公園にある科学技術館の一角は、未来の科学者を目指す女子中高校生たちの熱気に包まれていた。これは、公益財団法人山田進太郎D&I財団が主催する女子中高生向け理系領域のツアー体験型プログラム「Girls meet STEM」の一環として開催された、春休み特別企画である。 今回は日本製薬工業協会(製薬協)が初めて参画し、「いのちを救う科学のチカラー くすりが生まれる瞬間をのぞいてみよう! Girls meet STEM 2026 Spring Session」を実施した。理系進路に関心を持つ生徒約30人が、創薬の深淵に触れた一日の模様を紹介する。 本プログラムの最大の目的は、国際女性デー(3月8日)に合わせ、女子高校生が理系の道に進んだ製薬企業に在籍する女性社員との交流を通じて科学を身近に感じ、自身のキャリアの可能性を広げることにある。現在、日本のSTEM(Science、Technology、 Engineering、Mathematics:科学・技術・工学・数学)分野における大学卒業者に占める女性比率は、OECD加盟国の中で最下位という厳しい状況にある。この現状を打破し、次世代の女性研究者を育成することが、財団と製薬協共通の願いである。 定員30人に対し、全国から約450人もの応募が殺到した事実は、創薬という分野への関心の高さと、理系キャリアを志す女性たちの熱望を如実に物語っていた。 分子模型が明かす「くすりのカタチと仕組み」 講義では、最新のiPS細胞を用いた創薬やデジタルアプリ療法の広がりについても紹介され、生徒たちは熱心にメモを取っていた。 イベントは、薬がどのように生まれ、体内でどう働くのかを学ぶ講義から始まった。製薬協産業政策委員会の舩木美歩氏(中外製薬)は、薬が効く仕組みを「鍵と鍵穴」の関係に例えて解説。病気の原因となるタンパク質(受容体)という「鍵穴」に対し、ぴったりとはまる構造を持つ「鍵」=「薬の分子」を見つけ出すことが創薬の核心であると説明した。 舩木氏は、一つの薬が完成するまでには、ターゲットとなる分子の「微妙な改変」を幾度も繰り返し、薬効や副作用のバランスを整えながら仕上げていくプロセスがあることを強調。また、低分子医薬品のみならず、iPS細胞を用いた再生医療やデジタルアプリ療法といった新しい治療法の広がりについても触れ、創薬のフィールドが多様化している現状を紹介した。 続いて、この理論を体験するために分子模型を用いたワークショップが行われた。生徒たちが最初に取り組んだのは、精神を安定させる作用を持つセロトニンの構築である。黒、白、赤の原子パーツを設計図と照らし合わせ、骨格を一つひとつ組み立てていく。完成後、さらにこのセロトニンと「片頭痛」の関係について解説が加えられた。 「セロトニン」の分子模型を組み立てる生徒。原子パーツを一つひとつ繋ぎ合わせ、複雑な立体構造を再現していく 。 セロトニン不足により拡張した血管を縮めるため、研究者はセロトニンと似た構造を持ちつつ、より適切に作用する分子を追求する。生徒たちは組み立てたセロトニンの一部を「改造」し、特定の頭痛薬(トリプタン系製剤)へと作り変える作業に挑戦。構造をわずかに変えることで機能が変化する様子を指先で確認し、レクチャーで聞いた「分子の改変」の重要性を確かめていた。 現場のリアルを札に込める「創薬かるた」 「創薬かるた」の読み札を読み上げる生徒。生徒たちの瑞々しい感性で創薬のプロセスや社会課題が表現された。 続いて、薬ができるまでの膨大なプロセスを学ぶ「創薬かるた」の作成ワークショップが行われた。創薬は単に有効な分子を見つければ終わりではない。基礎研究から動物試験、さらにはヒトを対象とした臨床試験を経て、国に承認されるまでには10年以上の歳月と、成功確率3万分の1という気の遠くなるような努力が必要となる。 各テーブルには「心強い助っ人」として、製薬企業で実際に働くプロフェッショナルたちが加わった。生徒たちは、目の前の絵札を見つめながら「これにはどんな背景があるのか」と助っ人に問いかけ、開発現場の苦労や喜びを聞き出しては、自分たちの感性で読み札の文句を考案していった。 完成した読み札が次々とホワイトボードに貼り出されると、会場はその独創的な表現に沸いた。社会課題を鋭く突いた「み・未解決 ドラッグ・ロス大問題」や、公衆衛生の危機を生徒らしい言葉で表現した「や・やばいぞ 薬剤耐性菌が発生中」、そして創薬の原点を称える「き・基礎研究 新薬への第一歩」など、いずれも個性が光る作品ばかりである。カラフルな札がずらりと並んだホワイトボードは、生徒たちが創薬の複雑なプロセスを自分たちの言葉として消化した証そのものであった。 なお、生徒たちの情熱が込められたこれらの「創薬かるた」は、 製薬協の公式X(旧Twitter) にて3月末日に公開される予定である。 現役女性社員の背中を追う、真剣な座談会 現役の女性社員を囲んで行われたキャリア座談会。仕事のやりがいや理系進路の選び方など、理系の道を歩む先輩からの具体的なアドバイスを吸収しようと、学生たちが真剣に聞き入っていた。 プログラムの締めくくりは、生徒たちが待ち望んでいたキャリア座談会であった。現役の研究者や開発担当者など、理系の道を切り開いてきた製薬企業の女性社員が、生徒たちの輪の中に飛び込んだ。 20分間のセッションが2回行われる中で、飛び交う質問は具体的で切実なものばかりであった。なぜ今の仕事を選んだのかといった動機や、仕事とプライベートの両立、あるいは大学での学びがいかに現場で生かされているかなど、ライフデザインからキャリア形成に至るまで幅広い話題がのぼった。 「科学のチカラ」を次世代へ 午後1時に始まった3時間のプログラムは、あっという間に幕を閉じた。分子模型という「物質」に触れ、かるた作りで「プロセス」を学び、座談会で「生き方」を吸収した生徒たち。科学技術館を後にする彼女たちの表情には、未知の領域へ挑む科学者としての第一歩を、力強く踏み出したような誇らしさがあふれていた。 この熱気は、今回の1回きりのイベントに留まるものではない。今年の夏には、製薬協の会員企業各社が独自に高校生を対象とした体験イベントを実施する予定だ。

  • 杉村太蔵、薬剤師に期待

    3月15日、東京都内で開催された、クラスAネットワークの主催する会員薬局向けのイベント「class Aフェスタ」の特別講師として、元衆議院議員の実業家でタレントしても活躍中の杉村太蔵氏が登壇。 「感性とともに行動する」と題し、この日参集した薬局経営者を前に講演を行った。 ファクトに基づき、客観的な情報から物事を判断すること 杉村氏はイベントのテーマである「感性」について触れ、「一次情報にしっかりアクセスして」ファクトに基づく判断することが自分にとっての感性であると述べて、その重要性を訴えた。 またベストセラーとなっているスウェーデンのハンス・ロスリングの著書『FACT FULNESS ファクトフルネス』の一節から、人間がいかにネガティブな報道や衝撃的な映像によって実態を悪く思い込みやすいかを指摘。思い込みは社会や企業の変革において大きな壁となるため、常に客観的なデータや真実に基づいて物事を考えることが、優れたリーダーの条件であると述べた。 話題は2月の衆議院銀選挙を経て自民党が単独で3分の2以上の議席を獲得するという憲政史上類を見ない圧倒的な勝利を遂げた現在の政治状況を踏まえ、これからの日本経済をどう捉えるべきかについて持論を展開。 「高市早苗首相を支持するかしないか、好きか嫌いかは別として」、今日の情勢では自民党の掲げる公約に沿った政策の実現性が高いと語った。 国の方向性を示す一次資料に目を通すこと 政権与党の政権公約は選挙前だけでなく、選挙後にも公表される。この公約に基づき、選出された首相が施政方針演説を述べ、その方針を遂行するために、民間人からも参画する経済財政諮問会議が開催される。この会議の議事録もファクトチェック済の内容で政府のHPで閲覧することができる。 この会議でまとめられる提言が「骨太の方針」で、毎年一回、今年も6月に公開される。300ページを超えるボリュームではあるが、専門的知識が無ければ読めない内容かというとそうではなく、資料は高卒以上の学力で理解できるようにまとめられている。 これからの社会の動向を見通すうえで最も重要な一次情報だとして、一読することの重要性を説いた。 自民党の政権公約  https://www.jimin.jp/election/results/sen_shu51/political_promise/ 施政方針演説(首相官邸) https://www.kantei.go.jp/jp/105/statement/2026/0220shiseihoshin.html 経済財政諮問会議(内閣府)  https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/ 経済財政運営と改革の基本方針:骨太の方針(内閣府)  https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/honebuto-index.html 日本成長戦略会議  https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/index.html 薬局・薬剤師に期待 また杉村氏は、国民全体が腹痛や発熱のときにはまず、(受診する前に)薬局・薬剤師に相談して薬を購入して1回様子を見るように国民が行動変容するだけでも医療費の抑制に繋がっていくと述べ、高齢社会におけるセルフメディケーションや予防医療の重要性にも触れた。さらには健康長寿に向けた予防医療の分野では、薬局・薬剤師にはさらに活躍してほしいと、熱い口調で期待感を込めたメッセージをおくり講演をしめくくった。 クラスAネットワーク・橋本薫会長とのトークでは、「“薄口”政治評論家」としてのポジションを確立するまでの苦労と努力を面白おかしく語り、大いに聴講者を沸かせた。

  • 感性に基づく揺るぎない薬局経営を提唱 classAフェスタ開催

    全国4751の保険薬局*をグループ化しているクラスAネットワークは、3月15日に毎春の恒例イベントである「class Aフェスタ」を東京都内で開催した。 クラスAネットワークでは、超高齢社会を迎えた日本の課題解決のため、地域に根差した薬局が予防医学をベースとした健康生活提案や、ライフスタイルの実現に寄与する活動を行っている。class Aフェスタでは経営者に役立つ講演セミナーをはじめ、来局者に向けて健康提案するに適した食品メーカーのプレゼンや即売会なども行われた。 (*2026年2月1日現在) 挑戦する薬局へ 今年のメインテーマは「挑戦する薬局へ ~制度を感性と勇気で味方につける」。クラスAネットワークの橋本薫会長は常に「感性」を重視した経営のありかたを提唱しており、今回も地域生活者の健康的な生活を預かる薬局としての感性を磨き、歩むべき先を示すプログラムが繰り広げられた。 冒頭、メディセオの真砂一誠氏による令和8年度調剤報酬改定を解説する講演に始まり、続いて、改定を受けてどのような薬局を目指すべきかのケーススタディ報告も行われた。 LINEを活用して地域生活者とのコミュニケーションを強化 東京の多摩エリアで富士薬局を展開する安島邦雄氏は、薬局の新規顧客の獲得とリピーター化を促す施策としてLINEの活用が効果を上げている実例を報告。処方せん受付機能、調剤完了後に薬を渡せる用意ができたことを知らせる機能などは、標準的な薬局向けLINEシステムには搭載されているが、それ以外にも薬局からの発信を積極的に行うことで顧客に向けて存在価値を高めることに繋がると手ごたえを示した。 健康イベントの開催によって広がる効果 青森県十和田市でひがし調剤薬局を開局する柴崎崇氏は、地方ならではの店舗面積の広さを活かして定期的に地域生活者を招いたイベントを開催している。ヘルスチェック機器での測定を元にした健康相談会をはじめ、料理教室や手芸教室まで、内容は多岐にわたる。こうしたイベントを継続することで薬局の認知が向上し、介護施設や自治体からも講演を依頼されたり、在宅医療の依頼仕事が増える結果となり、またスタッフのモチベーションが上がることになったと成果を振り返った。 感性を刺激するプログラム クラスAネットワークでは加盟している会員薬局専用の商品仕入れポータル「クラスAマーケット」を運営しており、そこでは大手量販店では流通していないような健康に良い食材や地域特性のある食品などが厳選されて扱われている。 会場ではクラスAマーケットに展開する食品メーカー各社のプレゼンや即売会も行われ、大いに盛り上がった。 昼食とマーケット商品即売会を経て、午後はさらに「感性を磨く」プログラムとして、タレントとしても活躍する元衆議院議員で実業家の杉村太蔵氏による特別講演、また、アートディレクターの結城昌子氏と、武蔵野美術大学で同窓であった橋本薫会長との対談「名画で感性を刺激する」など、タイトル通り薬業・医療とは異なる分野での知見を持つ専門家による、クラスAフェスタの醍醐味とも言えるプログラムが続き、大いに感性が刺激される一日となった。 >杉村太蔵氏講演

  • 東京薬科大学と江戸川学園取手中・高等学校が高大連携協定を締結 ―― 次世代の医療・科学人材育成へ

    左から、山本宏之氏、東京薬科大学 三巻祥浩氏 東京薬科大学と学校法人江戸川学園が設置する江戸川学園取手中・高等学校は、2026年2月20日、高大接続連携教育の推進を目的とした連携協定を締結した。本協定は、双方の教育内容の充実と、生徒および学生の資質向上を図ることを目指している。 協定締結の背景と目的 東京薬科大学には、例年、江戸川学園取手中・高等学校から多くの生徒が入学しているという実績がある。グローバル化の進展や科学技術の革新、国内における生産年齢人口の急減といった激しい社会変化の中、両者は新たな価値を創造できる人材の育成が必要であるとの認識で一致した。 本協定により、東京薬科大学の教員が中・高の教育プログラムに積極的に関与することで、生徒一人ひとりの才能や個性を最大限に引き出す。さらに、薬学・生命科学分野において社会に貢献できる優れた理系人材を輩出するための、強固な協力体制を構築していく方針である。 具体的な事業展開 本協定に基づき、両校は多角的な事業を展開していく。大学と中・高等学校の間で互いに講師を派遣し合うほか、高大接続教育への支援や、双方で実施する課外授業・FD活動を通じた交流活動を推進する。 また、中・高等学校の生徒に対して大学の授業や各種講座への受け入れを行い、大学院生との交流や図書館をはじめとする大学施設の利用機会も提供する。さらに、大学側の教育・研究・社会貢献活動や学生の教育実習などに対し、中・高等学校が支援を行うなど、相互の教育的成長を促すための協議を継続していく。 東京薬科大学・学長の三巻祥浩氏は、「本学は創立146年、八王子キャンパス移転50年という節目を迎え、これまで時代に先駆けて薬学・生命科学の専門人材を育成してきた。2022年度から高等学校で本格導入された探究学習において、本学との連携が生徒諸君の関心をより専門的・体系的に深める機会となることを期待しており、優秀な人材の育成につなげたい」と語った。 一方、江戸川学園取手中・高等学校・学校長の山本宏之氏は、「本校は『心豊かなリーダーの育成』を理念に掲げ、近年は理数教育や探究活動に注力している。今回の連携により、生徒が最先端の学びや研究に触れることで、科学と社会のつながりを実感できると確信している。これは単なる進路選択にとどまらず、生涯学び続ける姿勢を培う契機となり、未来を担う若者の育成に結実することを願っている」と期待を寄せた。 今回の協定締結により、茨城と東京の教育機関が手を取り合い、理系教育のさらなる高度化が進むことが期待される。

  • 神戸学院大学の学びが街へ!「まなびーフェスタ」が神戸ハーバーランドumieで開催

    2026年3月28日・29日の2日間、神戸ハーバーランドumieを舞台に、神戸学院大学による体験型イベント「まなびーフェスタ」が開催される。全10学部が集結し、ショッピングモールという日常の空間が、知的好奇心を刺激する「キャンパス」へと姿を変える。 同イベントは、大学が持つ専門的な知見を、小・中・高校生やその保護者に分かりやすく伝えることを目的としている。参加費は無料で、大学オリジナルのノベルティ配布や、豪華グッズが当たるスタンプラリーも実施される予定だ。 イベント概要 日時:  2026年3月28日(土)〜3月29日(日) 10:00〜17:00 場所:  神戸ハーバーランドumie センターストリート1F 中央特設会場 サウスモール1F 中央特設会場 対象:  小学生・中学生・高校生、および保護者 参加費:  無料(※一部プログラムは事前予約・先着順) 学びを遊びに変える、多彩なワークショップ 会場では、各学部の特色を生かした個性豊かなプログラムが展開される。 【両日開催】 歴史を肌で感じる人文学部の「木簡と封泥体験」や、経営学部によるデータの法則探し、栄養学部でのエコー・顕微鏡を用いた臨床検査体験など、知的好奇心を揺さぶるブースが並ぶ。また、心理学部やグローバル・コミュニケーション学部では、ゲームやクラフトを通じて専門領域に触れることができる(要事前予約)。 【3月28日(土)限定】 法学部による法律クイズ、経済学部のプログラミング体験、薬学部のVR調剤体験など、最新技術や寸劇を交えた学びが提供される。現代社会学部では寄せ植え体験、総合リハビリテーション学部では作業療法の仕事紹介が実施される。 【3月29日(日)限定】 経済学部による地域連携の発表や、薬学部での錠剤づくりの科学体験、現代社会学部の防災神経衰弱など、実践的かつユニークな試みが続く。総合リハビリテーション学部では、ユニバーサルデザインの体験ブースも設置される。

  • 第27回年会・薬学生の集い 特別講演「生きること、働くこと、伝えること 〜がんと闘う薬剤師」

    2026年3月14日から15日にかけて、日本薬学生連盟主催の「第27回年会・薬学生の集い」が開催された。本大会では、スギホールディングス株式会社に在職し、現在はステージ4の小腸がんと向き合いながら活動を続ける薬剤師・野村洋介氏が登壇した。野村氏は「生きること、働くこと、伝えること 〜がんと闘う薬剤師の話」というテーマで、自身の歩みと闘病中の生々しい対話を交え、次世代の薬剤師へ向けた熱いメッセージを伝えた。 薬剤師としての歩みと、予期せぬ「がん」との遭遇 野村氏は昭和薬科大学を卒業後、2006年にチェーン薬局に入社した。現場での経験を積んだ後、管理薬剤師やブロック長を歴任。臨床業務の傍ら、糖尿病療養支援の講師活動にも尽力した。さらに、2021年には帝京大学大学院にて公衆衛生学修士(MPH)を取得するなど、薬剤師としての専門性を常に磨き続けてきた。 現在はスギホールディングスに在職しながら日本保険薬局協会へ出向し、業界全体の発展に寄与している。しかし、充実したキャリアの途上にあった2023年8月、42歳のときにお盆休みの韓国旅行中に突如として激しいみぞおちの痛みに襲われた。帰国後の精密検査の結果、10万人に0.25人という極めて稀な「ステージ4の小腸がん」であるとの宣告を受けた。すでに直腸や11カ所のリンパ節への転移も認められ、2度の手術と過酷な化学療法を余儀なくされることとなった。 野村氏 患者となって気づかされた「言葉の持つ力」 35日間に及ぶ入院生活は、医療者としての野村氏の価値観を根本から覆すものだった。手術後の合併症による再手術の不安にさいなまれていた際、レントゲン待ちの廊下で出会った80代の胃がん患者の男性との間に、忘れられない対話があった。 「どうしたんだ。元気ないな」と声をかけてきたその男性に対し、野村氏が「明日また手術なんです」と沈んだ声で返すと、男性は力強くこう語ったという。 「がんは治療や薬が治すのではない。治すのは自分なんだ」 この言葉に触れたとき、野村氏は薬剤師という専門職でありながら、「誰かに治してもらいたい」という依存心に支配されていた自分に気づかされた。さらに男性は「あなたは凛々しい顔をしてるから大丈夫だ」と、根拠のない、しかし揺るぎない励ましをくれた。野村氏は「その言葉を聞いて、涙が出るほど勇気をもらった。エビデンスも何もない言葉が、これほどまでに人を救うのか」と、言葉の持つ力を痛感した経験を振り返った。 また、入院手続きの際に一人になった瞬間、理由もなく蛇口をひねったかのように涙があふれ止まらなくなった。その際、「患者の気持ちはこれほどまでにもろいものか」と身をもって知り、これまで自分は医療者として本当に患者の心に寄り添えていただろうかと深く反省したという。 未来の薬剤師へおくる三つのメッセージ 野村氏は、自身の経験から導き出した三つのメッセージを薬学生たちにおくった。 第一に「何年生きたかよりも、どう生きたか」という視点である。野村氏が2024年に出会った22歳の若きがんサバイバーは、再発を繰り返し「あと数カ月の命」と言われる過酷な状況下にあっても、最期までハローワークへ通い、社会とのつながりを求め続けた。野村氏は「彼は最期まで自分らしく生きようとした。その姿に、命の長さではなく、どう意志を持って生きるかの尊さを教わった」と語った。 第二に「ほとんどの失敗と挫折はかすり傷」という考えである。死を目前に意識することで、それまで縛られていたプライドや職位といった価値観が一変した。「死ぬことに比べれば、今の悩みや失敗など大したことではない。自分に何ができるかを純粋に追求してほしい」と述べ、学生たちに対し、失敗を恐れて挑戦を止めるのではなく、勇気を持って一歩を踏み出してほしいとエールを送った。 第三に「病気をした人にしか見えない景色がある」という伝えることの使命である。がん告知直後、絶望の中で恩師である京都大学大学院特任教授の岡田浩氏に電話をした際、岡田氏は「野村君、謝る必要はない。あなたにしか見えない世界があり、それを次世代に伝えることが役目ではないか」と背中を押した。この言葉を契機に、野村氏は自身の体験を発信し続ける決意をした。 社会全体で創るがん医療の未来に向けて 野村氏は、がんが慢性疾患に近い特徴を持ちつつある現代において、生物学的な治療(バイオ)だけでなく、心理的(サイコ)側面や社会的(ソーシャル)側面を支える「バイオサイコソーシャルモデル」の重要性を指摘した。 「抗がん薬治療の奏効率が10〜20%という厳しい現実の中で、薬では成し得ないケアを医療者が担う必要がある。患者の心の脆さを理解し、寄り添うことができる薬剤師になってほしい」という野村氏の願いは、これから臨床の海へ漕ぎ出す学生たちの心に深く刻まれた。野村氏は現在、和歌山県立医科大学大学院(博士課程)に進学し、がん患者に対する薬剤師のコミュニケーションに関する研究に取り組んでいる。自らの経験を学術的に昇華させ、患者中心の医療を実現するために、今もなお歩みを止めていない。

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