日本家庭薬協会が日本在宅薬学会学術大会に共同出展―家庭薬を在宅医療の新たな選択肢へ
- toso132
- 1 日前
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日本家庭薬協会は、2025年7月20日から21日にかけて東京ビッグサイトで開催された第18回日本在宅薬学会学術大会に共同企画として出展した。在宅医療に携わる薬剤師に家庭薬(OTC医薬品)の知識を深めてもらい、患者のセルフメディケーションを支援するのが目的だ。
「模擬薬局」で家庭薬をアピール


今回の企画の目玉は、学会会場内に開設された「模擬薬局」だった。会場入り口付近にはのぼりを立てて存在を周知し、来場した薬剤師は家庭薬について深く学んだ。日本家庭薬協会のメーカー各社がブースを構え、製品に関する詳細な情報を提供。メーカー担当者と薬剤師が直接意見交換できる貴重な場となった。また模擬薬局では、来場者に医薬品のサンプルも提供され、家庭薬を身近に感じる機会となった。この取り組みは、日頃から在宅医療の現場で活躍する薬剤師にとって、新たな治療選択肢として家庭薬を検討するきっかけとなったようだ。
今回の企画を担当した株式会社山崎帝国堂の嶋津正治氏は「在宅医療を担う薬剤師の先生方は、患者さんやご家族と密に接する機会が多く、家庭薬の正しい知識があれば、よりきめ細やかなサポートが可能になります。今回の企画が、新たな視点を持つきっかけになれば幸いです」と話す。
在宅医療における家庭薬の重要性
この企画の背景には、在宅医療の現場におけるポリファーマシー(多剤服用)の問題がある。複数の処方薬を服用する患者に対し、便秘などの軽微な症状には、作用が穏やかな家庭薬で対応できるケースも少なくない。各社のブースでは、そうした家庭薬の適切な活用法についても情報提供を行い、薬剤師の視点から患者のQOL向上に貢献できる可能性を示した。
市民公開講座でセルフケアを啓発
21日には、一般市民向けの市民公開講座「知っていますか?病院に行く前にやるべきこと〜がん予防とセルフケアの新常識〜」も開催された。この講座には、在宅医療に携わる薬剤師も多数参加。東京都医師会会長の尾﨑治夫氏や医療法人社団ナグモ会理事長の南雲吉則氏が登壇し、セルフケアの重要性を訴えた。
今回の企画は、在宅医療の専門家である薬剤師と家庭薬メーカー、そして患者をつなぐ重要な一歩となった。来年は大阪での開催も予定されており、今後も継続的な啓発活動を通じて、家庭薬の正しい知識とセルフメディケーションの普及に努めていくとのことだ。

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