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- 失敗を恐れず、学校の外へ一歩を――学生主体のプラットフォームで届ける「新たな価値」とは【日本薬学生連盟 2026年度会長・田代莉咲子さんインタビュー】
田代さん 日本薬学生連盟(APS-Japan)の2026年度会長に、昭和医科大学薬学部4年の田代莉咲子さんが就任した。これまでに2年間、同連盟の本部役員(副会長など)を経験してきた田代さんに、新体制への思いや今後の展望、そして全国の薬学生へのメッセージを聞いた。 現在、日本薬学生連盟には52大学、223人(2026年5月時点)の会員が所属しており、4年生や5年生を中心に日々活発な活動が展開されている。 変化と失敗を恐れずに挑戦する組織へ これまで生徒会や実行委員会などで「サポートする立場」を多く経験してきた田代さんにとって、組織の先頭に立って引っ張る会長職への就任は大きな挑戦であり、今も不安はあるという。しかし、それ以上に「自身の成長の機会にしたい」という強い思いが原動力となっている。同連盟が掲げる「薬学生にプラットフォームとして新たな価値を提供する」というビジョンに対し、田代さんは「学校では経験できないこと」を新たな価値として定義する。 「弊団体は、学生のみで運営を行っている点が大きな特徴です。OB・OGからの助言はあるものの、方針決定からイベント運営まで、すべて自分たちで調べて動かなければいけません。この主体的な経験こそが、学校や他の組織では得られない独自の価値です」 田代さんが1年間の任期中に掲げる目標は、「変化や失敗を恐れずに挑戦する団体になること」だ。今年度の本部メンバー(副会長、財務統括、広報統括、プロモーション統括、国際渉外統括など)は連盟での活動歴が浅いからこそ、従来の枠にとらわれない新鮮なアイデアや高い推進力を持っている。 「今までのやり方に固執して変化をためらうのではなく、リスクを検討したうえでまずはやってみる。失敗してもそこからのリカバリーを全員で考える、そのような姿勢を大切にしたいです」と語り、自身の殻を破るとともに、過去2年間見てきたものとは異なる新しい連盟の形を目指している。 低学年のうちに「興味のある分野」を見つける 試験や実習を控える薬学生に対し、田代さんは低学年のうちに「自分の得意分野や興味のある分野を見つけ、可能であれば極めること」を勧める。自身に目標や理想の薬剤師像というモチベーションがあれば、大きな物事も乗り越える原動力になるからだ。自身は小児医療への興味をきっかけに、2年生の時に先輩との縁で同連盟に入会した。学外のコミュニティーに早い段階から触れる意義について、田代さんは自身の視界が大きく広がった経験を挙げる。 同じ大学の仲間だけでは進路や思考が似通いがちになるが、同学年であっても、研究に注力している学校、漢方に強みを持つ学校、あるいは薬局や地域医療に力を入れている学校など、大学ごとに異なる特色や強みを持つ薬学生、そして多様な進路を見据える仲間と出会うことができる。田代さんも多様な視点に触れたことで、「病院一択だった視野から、他の世界も知りたいと思えるようになった」と振り返る。 独自のメリットと学業との両立 学生主体で運営される同連盟では、企画、プレゼンテーション資料の作成、広報のデザインといったパソコンスキルや社会人マナーが、活動を通じて自然と身につくというメリットがある。これらは大学の講義だけでは得がたいスキルであり、学内のグループワークやレポート作成の際にも大いに生きている。 また、「勉強が忙しくて両立できるか不安」という声に対しては、連盟内で徹底した配慮がなされている。定期試験期間にあたる7月と1月は、団体としてのイベント開催を行わず、試験勉強に集中できる体制を整えている。同連盟には、学生の状況に合わせて活動できるよう、以下の2種類の会員制度が用意されている。 レギュラー会員:団体のイベント活動に積極的に参加することができるほか、複数の会員特典や限定イベントへの参加が可能。※新しく会員登録された人は、まずはレギュラー会員として登録される。 スタッフ会員:スタッフ登録をしたレギュラー会員。レギュラー会員の特典に加え、部門・委員会の各部署に所属しながら、「日本薬学生連盟を運営する側」として活動することができる。 スタッフ会員は、自身の忙しさや興味に合わせてプロジェクトごとに活動量を調整できるため、それぞれのライフスタイルに合わせた無理のない両立が可能である。 地域展開と「イチオシ」の交換留学プログラム 今年度は、対面とオンラインを合わせて年間約20のイベント開催を目標に掲げている。これまでは関東中心、あるいは東京・名古屋・大阪での開催が主であったが、今年度は春の新入生歓迎会を北陸でも開催するなど、地方支部の復活を見据えた地域的な広がりを見せている。今後は、病院や薬局、製薬企業に留まらない「薬剤師の資格を生かせる多様なキャリア」を伝えるイベントの構想や、英語のハードルを下げて海外へ飛び出すアウトバウンド(海外派遣)企画の拡充を目指している。 その中でも、田代さんが最も一押しする企画が「交換留学プログラム(SEP)」である。今年の夏に開催される交換留学プログラムは、東京と名古屋の2地域で実施が予定されている。 交換留学プログラム(昨年度) 「長期休暇中に、海外からの学生を日本に招き、共に対面で過ごすプログラムです。最初の1週間は東京で病院・薬局見学やワークショップ、観光を行い、その後の1週間は名古屋へ移動してプログラムを展開します。海外の薬学・医療事情についての意見交換はもちろん、プログラム後も密に連絡を取り合うような、密度の濃い国際的な友情が生まれます」 実は田代さん自身、2年生の時にこのプログラムに参加した際、ある海外の学生から「一緒に遊びに行こう」と声をかけられたことがきっかけで、非常に親しくなった経験を持つ。プログラムが終了した現在もその学生とは密に連絡を取り合っており、国境を越えた深い絆が続いているという。「英語に苦手意識があっても、互いに歩み寄る姿勢があれば深く打ち解けることができる、非常に魅力的な企画です」と、実体験を交えてその魅力を語る。 最初の一歩を踏み出す薬学生へのメッセージ 「いきなり大規模なプログラムに参加するのはハードルが高い」と感じる学生に対しては、交流がメインのイベントへの参加を推奨している。9〜10月頃には、同連盟の主要イベントである「秋の新入生歓迎会(薬学生ジャンボリー)」の開催が予定されている。これらは堅苦しいワークショップではなく、他大学の初対面の学生同士が気軽に話せる交流中心の企画である。最初にしっかりとアイスブレイクの時間が用意されているため、一人での参加や初参加の学生でもなじみやすい工夫が施されている。 最後に、田代さんは全国の薬学生へ向けてエールを送った。 「日本薬学生連盟には、それぞれ異なる目標や理由を持って集まった仲間がいます。だからこそ、団体に所属して感じる魅力も、人の数だけ存在します。私自身、外の世界へ一歩踏み出したことで、それまで知らなかった世界を知ることができ、最高の仲間に出会うことができました。最初の一歩には勇気がいるかもしれませんが、ぜひ恐れずに挑戦してください」 プロフィール 田代 莉咲子(たしろ・りさこ) 昭和医科大学薬学部4年。日本薬学生連盟(APS-Japan)2026年度会長。同連盟にて副会長を含む本部役員を2年間経験後、現職に就任。高校時代まで習い事としてクラシックバレエに打ち込み、現在は趣味の舞台鑑賞や音楽、ドライブを楽しむアクティブな薬学生。普段はアルバイトや友人との食事など、等身大のキャンパスライフも大切にしている。 ■ 日本薬学生連盟案内・入会について 日本薬学生連盟では、共に活動する仲間を随時募集しています。入会費以外の会費(年会費・更新費など)は一切必要なく、一度の登録で卒業予定年度まで継続して在籍可能です。 入会費 一般:2,000円 協力団体よりお申し込みの方:1,500円 諸会費:年会費・更新費等は一切不要(卒業予定年度まで自動継続) ▼詳細・お問い合わせは公式ウェブサイト等をご覧ください。 日本薬学生連盟(APS-Japan) 公式ホームページ:https://apsjapan.org/ X:https://x.com/aps_japan Instagram:https://www.instagram.com/apsjapan
- 【福岡大学】薬学部生が若者へ届くメッセージを模索、薬物乱用防止「NO DRUG, KNOW DRUG キャンペーン」に参加
効果的な啓発方法について考える 福岡大学の薬学部生が、薬物乱用防止を目的とした「NO DRUG, KNOW DRUG キャンペーン」に参加している。 近年、SNS上での不適切な薬物情報や、医薬品の過剰摂取(オーバードーズ)を助長する情報の拡散が、若年層を取り巻く大きな課題となっている。こうした深刻な状況を受け、福岡市薬剤師会、FM FUKUOKA、福岡市が連携し、2010年度から社会貢献事業として同キャンペーンを展開してきた。 専門家も交えた意見交換 2026年は7月1日から9月6日までを啓発期間とし、各団体が多様な啓発活動を行う。福岡大学薬学部においても、課題解決型学習プロジェクト「ふくやくプロジェクト」を中心に、学生が主体となった広報活動やイベントの実施を予定している。 キャンペーンの開催に先立ち、5月13日には「第17回 NO DRUG, KNOW DRUG キャンペーン」に向けた意見交換会が開催された。福岡大学からは2人の代表者が参加し、九州大学、第一薬科大学、九州産業大学の学生とともに、若年層の心に届く効果的な啓発方法について活発な議論を交わした。 意見交換会に出席した薬学部2年次生の久保山瑠さんは、「SNSには誤った情報も多いため、正しい知識を分かりやすく伝えることが大切だと感じた。同世代だからこそ届けられるメッセージを発信していきたい」と力強く意気込みを語った。 また、薬学部の牛尾聡一郎助教は「学生が主体となることで、薬物使用の防止を呼びかけるだけでなく、不安や悩みを抱える人が相談に踏み出せるきっかけとなることを期待している」と述べ、学生たちの主体的な取り組みに大きな期待を寄せている。
- エーザイ、ローソン、ウェルネスダイニングが連携を開始――愛媛県今治市で認知症リスク低減に向けた3つの取り組みを始動
「のうKNOW」の画面イメージ エーザイ株式会社、株式会社ローソン、およびウェルネスダイニング株式会社の3社は、認知機能低下および認知症のリスク低減をめざした連携を開始した。2026年6月11日(木)より、愛媛県今治市内の一部ローソン店舗を舞台に、疾患啓発やツール・宅配食の販売など3つの具体的な取り組みを展開する。 他産業との連携による「認知症エコシステム」の構築を進めるエーザイが、身近な生活拠点であるコンビニエンスストア、そして食事制限食に強みを持つウェルネスダイニングと組むことで、誰もが認知症に備えられる環境整備を目指す。 3つの具体的な取り組み 今回の連携に基づき、愛媛県今治市内の一部ローソン店舗において、以下の取り組みが実施される。 1. 「あたまの健康セミナー」の開催 生活者がMCI(軽度認知障害)および認知症を正しく理解し、早期発見と対策の重要性を学ぶための疾患啓発活動である。ローソン店舗内のコミュニティースペースを活用し、エーザイがセミナーを行う。 開催日時:6月11日(木) 10~11時、13~14時(1日2回) 開催店舗:今治馬越町三丁目店 その他:今治別名店、伯方島インター店のモニターでもセミナーの様子が放映される。 2. 「のうKNOW®」短縮版(非医療機器)の販売 のうKNOW短縮版パッケージイメージ パソコンやスマートフォンなどを使い、簡便なトランプテストによって脳の反応速度や記憶力をチェックできるツール「のうKNOW」の短縮版を販売する。利用者が単独かつ約10分で定期的なセルフチェックを行えるのが特徴である。 販売期間:6月11日(木)より半年間(予定) 価格:1回あたり 税込550円(税抜500円) 販売店舗:今治馬越町三丁目店、今治別名店、伯方島インター店 3. 「おもいで彩り宅配食」の販売 認知機能に配慮した宅配食「おもいで彩り宅配食」を店舗で販売する。本商品は、国立長寿医療研究センターが監修し、エーザイが作成したガイダンスや手引きを基に、ウェルネスダイニングが栄養バランスと食べやすさを両立させて開発したメニューである(開発・製造・販売の責任はウェルネスダイニングに帰属)。 販売開始日:6月11日(木) 販売店舗:今治馬越町三丁目店、今治別名店、伯方島インター店、今治北日吉町店、大島吉海店 『おもいで彩り宅配食』メニュー一例 連携の背景と各社の狙い エーザイは、中期経営計画「EWAY Future & Beyond」において、貢献対象を医療領域だけでなく日常領域の生活者にまで拡大している。今回の連携を通じて、生活者の身近な場面でMCIや認知症について知る機会をつくり、誰一人取り残さない「認知症と共生する社会」の実現に貢献したい考えである。 また、地域密着の店舗運営を通じて健康や暮らしを支える価値提供を目指すローソン、および「健康になってもらうこと」を目的として管理栄養士による食生活のサポートを行うウェルネスダイニングの強みが融合することで、地域課題への新たなアプローチとして期待される。
- 薬剤師100人カイギ いよいよクライマックスへ!多様な薬剤師キャリアが語りつくされたVol.19の模様をレポート
「100人カイギ」とは、特定の地域やコミュニティに所属する人たち100人が一人ずつプレゼンを行ない、それぞれの生き方や考え方を共有することで緩やかに人と人を繋ぐことをコンセプトにした活動。その医薬関係者バージョンである「薬剤師100人カイギ」が2023年に発足して3年が経過。隔月ペースで5名ずつ登壇するイベントとして継続開催されてきた。先ごろ第19回目が川崎市の「F3rd X Uvance Kawasaki」を会場にハイブリッド開催された。 次回(8月22日開催)でいよいよ100人到達となるクライマックスを迎える中、Vol.19でも様々な思いで薬剤師の道を前進する5名のプレゼンテーションが行われた。その模様を紹介する。 「LINEと馬刺しと薬局探検隊」 吉田大貴さん 株式会社pharb 取締役/株式会社nobleme 代表取締役 吉田大貴さんは新卒で大手のドラッグストアチェーンに入社。4年目に調剤専門の薬局チェーンに転職してからは、転勤続きで目まぐるしい生活を経験します。派遣薬剤師として資金を貯めて独立を考えていた折、大学時代の友人から誘いを受けたことが、後の多彩なキャリアを切り拓く大きな転機になりました。 プログラミングとの出会いとスタートアップへの道 誘われた会社(株式会社pharb)では社員が自主的にプログラミングを学んでいました。吉田さん自身もこの時初めてパソコンを本格的に触り、独学でシステム開発の勉強を開始しました。そこで自ら構築したシステムを、スタートアップ支援プログラムに応募したところ、見事に採択されます。この時から吉田さんは事業構築や資金調達、企業価値の向上といったビジネスの洗礼を受けることになります。試行錯誤の期間が長く続きましたが、成果としてこのオンライン服薬指導システムの立ち上げへと結びつきました 。 コロナ禍での先進的な取り組みと失敗から生まれた馬刺しフランチャイズ事業 まさにその当時はコロナ禍の最中で、オンライン服薬指導は先進的な取り組みとして話題を呼びました。 また、開発過程では「LINE」の仕組みに深く馴染んでいたため、この知見を活かして薬局の集客用LINEツールをリニューアルしたところ、他の企業からも作成依頼が殺到。このニーズも本格的な事業として進めるために新会社「nobleme」を創業しました。SNSやYouTubeチャンネルを開設するなど、多角的な情報発信を続けていきます。 実は吉田さんはコロナ禍の時期に「無人販売のお肉店」ビジネスにも参入したものの、これが大赤字を叩き出して閉店へと追い込まれるという経験もありました。しかし、残された冷凍庫を薬局内に持ち込み、個人的に美味しいと感じていたという理由で「馬刺し」を仕入れて試験的に販売を開始。するとこれが予想以上にSNSでも反響を呼び、周囲の薬局からの「うちでも馬刺しを販売したい」という声にこたえるようにフランチャイズ事業をスタート。いまでは30店以上を数えるほどの成長を遂げます。 すべての挑戦はキャリアの伏線になる 吉田さんはこれまでの歩みを振り返り、SNSなどで外の世界に向けて発信を続けることがいかに大切であるかを力説します。発信を続けることで異業種との繋がりが生まれ、一見関係のない点と点が、後から思わぬ形で結びついていくからです。全力を尽くした経験は、後から必ず自分だけのユニークな『特色』やキャリアの『伏線』となり、未来の自分を形作ることになると語りました。 笑顔を生み出す薬学生 いつきさん 富山大学大学院(薬系)修士2年 長野県出身のいつきさんは、中学生の時に経験した激しい腹痛をきっかけに薬学の道を志しました。市販薬によって症状が改善し、その薬をお守りのように持ち歩くことで得られた安心感から、「薬を作ることで多くの人の日常を守り、誰かの助けになりたい」という強い想いを抱くようになります。 富山大学に進学し、現在は大学院修士2年生として研究に励む傍ら、複数のサークルや学生団体に所属し、精力的に活動しています。 患者さんの声を聞くための学外活動と小児医療への想い 将来の進路としては小児用医薬品を開発し、病気の子どもたちを救うことを目標にしていましたが、一方では保育士を目指すか迷ったほど子どもが大好きだったことから、「子ども」と「患者さんの声」の双方に関わる活動を模索。大学に入り、まず第一歩として取り組んだのが「ぬいぐるみ病院」という活動でした。これは子どもたちにお医者さん体験をしてもらうことで病院への恐怖心を和らげる活動ですそして1年生の冬に全国の薬学生が夢を語る「全国薬学生アワード」に出場し、活動をプレゼンします。これをきっかけに医療学生団体「Links-mil」にも参加し、闘病経験者との対談などの活動をはじめ、全国の仲間との交流を深めていきました。 地域コミュニティでの漢方カフェと手話・国際交流の再開 大学2年生の時には、過疎化が進む富山県砺波市で医学部の友人と共に「漢方カフェ」を立ち上げました。カフェでは地域の住民から薬草の知識を教わるなど、地域ならではの空間を作り上げることを意識しました。また、コロナ禍で活動が停止していた大学内の「手話会」を再開。手話講座を開けるレベルまで上達し、マスク生活で口元が見えず困窮していた聴覚障害者の架け橋となる活動を展開しました。さらに、台湾やタイからの留学生・交換留学生とも積極的に交流し、異文化の視点から医療や生活習慣の違いを学ぶなど、好奇心旺盛に視野を広げ続けています。 出会いと挑戦のサイクル 現在は小児薬物療法研究会学生部会の副代表として小児医療への学びに注力しています。 ここまでの活動を振り返り、いつきさんは「出会いが挑戦を生み、その挑戦がまた新しい出会いを生む」という持論を語りました。一歩を踏み出すことで世界が広がり、そこで得たアドバイスによって次の挑戦へ繋がる好循環が生まれます。そして、これからは「誰かの『やってみたい』という想いを後押しできる存在になりたい」と、後輩を後押ししていくことへの抱負も語りました。 昭和の熱血おじさん薬剤師 田代結城さん 株式会社DoraPharma取締役/一般社団法人日本薬学生支援機構代表理事/株式会社ユニコーン薬局取締役 田代結城さんは現在、3つの会社・組織を統括しています。7店舗を運営する調剤薬局「ユニコーン薬局」、薬局や医療業界向けの採用支援を展開する「DoraPharma」、薬学生に向けて成長のきっかけや出会いを提供する「日本薬学生支援機構」。薬局の実務の現場で得た知見や発見を外部に発信・アドバイスし、さらにその最先端の業界動向を薬学生に認知してもらうという、相互に好循環を生み出す構造になっています。 独立への歩みとコロナ禍の苦難 2007年に社会人となった田代さんは、ドラッグストア企業へ入社し、薬局実務やマネージャー職、新卒等の採用担当など様々な経験を積みました。そこで培った10数年の経験が現在の強固な土台になりました。この経験を元に、代表と2名で独立を果たし、DoraPharmaを創業。しかし創業直後にコロナ禍が直撃し予定していたイベント等が一切開催できず、資金繰りに苦悩した苦い経験もありました。 薬学生支援と「働きがい日本一」の薬局経営へ コロナ禍を経て、田代さんは薬学生が楽しみながら自身のキャリアに関心を持てるよう、ユニークな施策を次々と打ち出します。 薬学生が夢を語るイベント「薬学生アワード」、人生ゲームのように薬剤師の様々な職種を疑似体験できるキャリアゲームの開発、薬局業界で活躍するトップランナーを招いた52週連続オンラインセミナー等々。 一方で薬局運営では、「働きがい日本一の薬局組織」というコンセプトを掲げています。自社独自の「セブンバリュー(7つの価値観)」を定めて仕組み化を図っています。会社の経営状態や各店舗の利益状況を薬局長などへ完全にオープンにし、働く上での「納得感」を醸成。その企業風土から自発的な新しいチャレンジへと繋がる信頼関係を築いています 。 将来進む道に悩む若者へ 田代さん自身、若い頃は先のことを明確に考えていたわけではなく、瞬間瞬間のやりたいことに向き合い、積み上げてきた結果として今ようやく未来が見えてきた段階だと言います。独立時の苦い経験も今では前向きにとらえて糧にしています。そのうえで、先のことは誰にも分からないからこそ、今、目の前にあるやるべき仕事や課題に一生懸命取り組んでほしい。その地道な積み重ねの先に、いつか必ず本気で情熱を注げる本当の目標が現れる」と語りました。 人生の使い道を整える薬剤師 鈴木理恵さん 国際コーチ(ACC)、整理収納アドバイザー 鈴木理恵さんは現在、薬局勤務の傍ら、個人事業主として国際コーチ、整理収納アドバイザー、各種企業研修の講師など多彩な活動を展開しています 。 薬学の道を志したきっかけは、高校2年生の時に先生から聞いた「薬剤師はいいぞ、名義貸しで月30万だ!(?)」という昭和の都市伝説のような言葉に心を動かされたからで、出身地である宮崎から出たいという思いもあり、郷里から遠く離れた千葉大学薬学部へ進学しました 。 9年間の講師生活と10年間の専業主婦生活 学生生活を謳歌した結果、国家試験に一度不合格となる挫折を経験したものの、予備校を経て無事に合格。そのままその予備校で国試対策の講師を9年間務めることになります。この9年間が、現在の研修講師としての確かな土台となりました 。 その後、結婚、妊娠、出産を経て、10年間の専業主婦生活に入ります。3人の子どもを育てる中、目の前の育児イベントを必死にこなし続ける日々を送りました。 そして一番上の子の小学校入学を機に、6年制卒の薬剤師が社会に出始めるタイミングと重なった焦りもあり、約20年のブランクを経て実務未経験のまま薬局のパート薬剤師として社会復帰を果たしました。 コーチングとの出会いと服薬指導への応用 子どもたちが思春期を迎えると、親の言うことを聞かないという新たな壁に直面し、解決の糸口を求めて書店で手にした本からコーチングを学び始めます。 このことは仕事の上でも一つの転機になります。対話の手法を一から学んだ鈴木さんは、薬局での服薬指導にも実践的に応用。患者さんに対して適切な問いを投げかけることで、患者自身から自発的な言葉を引き出すことに成功します。コーチングのスキルは、薬剤師としての業務の質を劇的に向上させることになりました。 自分らしく働いていくためには 鈴木さんもまた、最初から強い熱意や明確な計画をもっていたわけではなく、その時々に直面した進学、国試、育児、子供の思春期などの課題に向き合い、試行錯誤して行動を重ねてきた結果が、現在の「薬剤師×国際コーチ×整理収納アドバイザー」という唯一無二のキャリアに繋がっています。「目の前にあることに全力を尽くして学び続けることで、自分らしい生きる道が後から必ず拓けていく」という経験に基づく希望を提示し、プレゼンを締めくくりました。 薬学界のジャンヌダルク 「メディセレのしゃっちょう」こと児島惠美子さん メディセレスクール代表取締役社長 「メディセレのしゃっちょう」の愛称で親しまれている児島惠美子さんは、薬剤師国家試験予備校「メディセレスクール」の代表をはじめ、多方面で事業展開を行っています。精力的に華々しく活躍しているように見られる児島さんですが、人生の大きな転機はすべて「マイナス体験」がきっかけでした。 幼少期に実の兄を医療事故で亡くした経験から「将来は小児科医になって子どもたちを救いたい」という強い夢を抱いていました。しかし、センター試験の受験直後、今度は父親が胃がんを患っていることが発覚。家計への負担などを顧みた児島さんは、医師になる夢を断念。失意の中でも気持ちを切り替え、同じ医療の道である薬学部への進学を決意しました。 予備校講師としての頭角と「メディセレ」の創業 大学卒業後は国試対策予備校の講師としてのキャリアを歩み始めます。持ち前の熱意と指導力で、若くして要職を任されるまでになりました。しかし、経営方針と自身の考えにずれを感じるようになり、児島さんは自分が理想と考える教育を実現するために独立を決意。そして立ち上げたのが、現在の「メディセレスクール」です。創業にあたっては、かつて自分の夢を阻んだ「医療事故」を起こさせないという願いを込め、「倫理観と思いやりの心を持った質の高い医療人を育てる」という理念を掲げました。 災害医療で見えた「あるもので工夫する」重要性 児島さんは災害時における医療支援活動にも情熱を注ぎます。東日本大震災をはじめ、大規模災害の折には被災地へいち早く足を運び、物資や医療体制が整っていない極限状態の現場で、薬剤師として何ができるかを模索し続けました。被災地での過酷な支援経験を通じて、環境や物資が揃っていない状況で、今あるものをいかに代用し、工夫して乗り切るかというマインドを学んだと語ります。これは企業経営や組織運営にも同じことが言えます。「今いるメンバーで、今あるリソースを最大限に活かしてみんなで頑張る」という感覚こそが、これからの時代を生き抜く強さになると説きました 。 すべての経験を前進する力に変えていく 最後に児島氏は、人生における挫折や不条理なマイナス体験があっても、それを単なる不幸で終わらせるのではなく、見方を変えることによって次の挑戦への原動力へと変えていけるはずだと語り、講演を締めくくりました。 以上、5名のプレゼンターによる波乱と冒険に満ちた薬剤師(薬学生)の半生が語られた形だが、どの話からも共通して、計画通りにいかなくても、また計画性が無かったとしても、地道に目の前の課題に熱意をもって向かい合うことで、自身が納得できる場所にたどり着けるというメッセージが込められていた。 学生にとっては「将来何になりたいの?」と聞かれたときに、明確なビジョンが描けていない人も多いはずだが、ここで紹介した先輩方の話からは、それでも大丈夫なのだということを汲み取ってもらえたら良いと思う。 薬剤師100人カイギは次回8月22日(土)開催のVol.20にて累計100名目のプレゼンを以って完結する予定だ。 >薬剤師100人カイギ Vol.20 申込み
- 【塩野義製薬】国内初の小児ADHD対象デジタル治療補助アプリ「ENDEAVORRIDE®(エンデバーライド)」を新発売
塩野義製薬株式会社は、2026年6月5日、小児期における注意欠如多動症(ADHD)の治療補助を目的とした国内初のデジタル治療補助アプリ「ENDEAVORRIDE®(以下、エンデバーライド)」の販売を開始した。本アプリは、同社が米国のAkili, Inc.(以下、Akili社)から日本および台湾における独占的開発権・販売権を取得して開発を進めてきたものである。 背景と製品の特長 ADHDは不注意、多動性、衝動性を特徴とする神経発達症であり、学童期における有病率は約7%ともいわれている。これらの症状は学業や就労などの日常生活に支障を及ぼす可能性がある。 エンデバーライドは、スマートフォンやタブレットを通じて取り組むことで症状の改善を目指す、小児ADHD患者向けのデジタル治療補助アプリ(医療機器プログラム)である。Akili社のコアテクノロジー「SSME™(Selective Stimulus Management Engine)」に基づいて設計されており、患者ごとに最適化された二重課題を行うことで大脳皮質を刺激し、脳の前頭前野を活性化させる。これにより、患者の不注意、多動性、および衝動性を改善するように促す仕組みとなっている。 なお、米国においては同技術を用いたアプリが「EndeavorRx®」の製品名で、8〜17歳の小児ADHD患者を対象に世界初のデジタル治療用アプリとしてすでに承認・販売されている。 国内第3相臨床試験の有効性と安全性 今回の発売は、塩野義製薬が日本国内で実施した第3相臨床試験の良好な結果に基づいている。 試験の概要は以下の通りである。 対象:通常の環境調整や心理社会的治療を受けている6〜17歳の小児ADHD患者164人 主要評価項目:ADHD重症度評価尺度である「ADHD-RS-IV 不注意スコアのベースラインからの変化量」 結果:エンデバーライド群は、通常治療を継続した群に対して、治療開始6週時点で統計的に有意な改善(p<0.05)を認め、有効性と安全性が検証された。 今後の展望と治療選択肢の拡大 ADHD治療においては、患者や保護者のニーズに応じた治療選択の重要性が報告されている。従来の環境調整や心理社会的治療、薬物治療といった選択肢にデジタル治療補助アプリが加わることで、多様なニーズへの対応が可能になると期待されている。 塩野義製薬は、医療用医薬品の提供にとどまらない多様なヘルスケアサービスを提供する「HaaS(Healthcare as a Service)企業」への変革を進めており、今回の新発売を通じて、患者とその家族のQOL(生活の質)向上に貢献していく構えである。 薬学生が知っておくべきデジタル医療の未来 今回紹介した「エンデバーライド®」の登場は、これからの医療における大きな変革を象徴している。これまでの「薬(化学物質)」を中心とした治療に加え、スマートフォンのアプリなどの「デジタル技術」が正式な医療機器(治療補助アプリ)として処方される時代が、まさに今、日本でも本格的に幕を開けた。 もちろん、治療薬やアプリの選択、処方決定は医師の専権事項である。しかし、将来、医療の現場へ進む薬学生には、医師による処方意図を正しく理解し、患者や保護者が正しくアプリを使いこなせるようサポートする役割が期待される。 薬物治療だけでなく、こうした最先端のデジタルヘルスケアの知識をいち早く吸収することは、今後の大きな強みとなる。医師をはじめとする多職種と連携しながら、患者や保護者の多様なニーズに寄り添い、最適な治療を支える一翼を担う医療人を目指して、日々の学びを大切に突き進んでほしい。
- 【第一三共ヘルスケア】OTC緊急避妊薬「ノルレボ®」のLINE公式アカウントを開設。ブランドサイトの英語対応など多言語展開も強化
第一三共ヘルスケア株式会社は2026年6月5日、日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ®」(要指導医薬品)のLINE公式アカウントを開設した。緊急避妊薬を必要とする女性が安心して速やかに購入できる環境の整備を目指し、購入前のセルフチェックから服用後の体調管理までを総合的にサポートする。 同アカウントは利用時の個人情報入力が不要で、アカウント名や通知メッセージに「妊娠」や「避妊」の文言が表示されないなど、プライバシーに配慮した設計が特徴である。また同時に、ブランドサイトの英語表示への対応や、店頭資材の多言語展開も開始した。 LINE公式アカウントの主な機能 公式LINEアカウントでは、主に以下の2つの機能を提供する。 服用前セルフチェック ノルレボを店頭で購入できる可能性があるかを事前に確認できる機能である。同製品の購入・服用には一定の条件があるため、来店前の確認を推奨している。チェック結果は画像として保存でき、薬局やドラッグストアの店頭で販売可否チェックを受ける際に提示することも可能である。 ※ただし、実際の服用可否は研修を修了した薬剤師の確認が必要となる。 服用3週間後のお知らせ機能 ノルレボは服用から3週間後に、妊娠検査薬の使用や医療機関の受診による妊娠の有無の確認が必要となる。希望する利用者に対して、適切なタイミングで体調確認や受診判断を促すメッセージを配信する。 ノルレボ公式LINEアカウント内 リッチメニューイメージ セルフチェックに回答すると、3週間後の通知設定ができるアイコンが表示される。 ブランドサイトの英語対応と多言語展開 2026年2月の発売以降、同製品のブランドサイトや取扱店検索システムへのアクセス数は、同社の他製品と比べて多い傾向にあるという。 日本語を母語としない購入希望者が来店前に情報収集しやすくなるよう、ブランドサイトの英語対応を開始した。さらに、店頭で使用する「ノルレボ服用前チェックシート」や「添付文書」「薬の説明文書(使用者向け医薬品ガイド)」についても多言語化を実施。製品情報ページにおいて、英語、簡体字、繁体字、韓国語、ポルトガル語の資料を公開している。 ノルレボ ブランドサイト 英語対応画面イメージ OTC緊急避妊薬「ノルレボ®」の製品特徴と購入条件 「ノルレボ®」は、医療用の「ノルレボ®錠1.5mg」と同一成分を同量配合したスイッチOTC医薬品であり、一定の要件を満たした薬局・ドラッグストアで購入可能である。 効果:妊娠の不安がある性交後、72時間以内の服用で妊娠を防止する効果が期待できる。排卵の抑制や受精の阻止、受精卵の着床阻止により、妊娠そのものを防ぐ。 購入条件:服用する女性本人のみが購入可能(男性による購入は不可)。購入に際してパートナーや親の同意は不要で、年齢制限もない。 販売方法:緊急避妊薬に関する研修を受けた薬剤師による確認の後、薬剤師の面前で服用する必要があり、製品を持ち帰ることはできない。 価格:1錠 メーカー希望小売価格 税抜き 6,800円(税込み 7,480円) 同社の調査によると、1年以内に性行為の経験がある18〜49歳の女性のうち、予期しない妊娠のリスクを経験した割合※は約2割にのぼる。第一三共ヘルスケアは、女性が自らの意思で速やかに購入できる環境を整えるとともに、性別を問わず避妊への正しい理解を広げる取り組みを今後も進めるとしている。 薬局の役割変化とこれからの薬剤師に求められる職能 OTC緊急避妊薬「ノルレボ®」の登場と、今回のデジタル・多言語展開という一連の動きは、これからの薬局や薬剤師のあり方を大きく変える象徴的な事例である。これから医療の現場へと進む薬学生には、この変化を自身の未来の職能と重ね合わせて捉えてほしい。 これまでの医療用医薬品とは異なり、OTC緊急避妊薬の登場によって、薬局は「処方箋を持たない生活者」が不安や焦りを抱えて最初に駆け込む窓口となった。研修を修了した薬剤師による確実な条件確認と、プライバシーへの細やかな配慮を伴う対面指導は、地域住民の健康と権利を守る重要な砦である。 また、今回の多言語展開が示す通り、今後の医療現場においては、日本語を母語としない患者への対応力も不可欠な要素となる。言葉や文化の壁を越え、適切な情報と安心を提供できる視点を持つことは、これからの薬剤師にとって強力な強みとなるはずである。 単に薬学の知識を修めるだけでなく、「目の前の人が何を必要とし、どうすれば安心して薬を受け取れるか」に寄り添える先進的な視点を持ってほしい。皆さんの日々の学びの先には、人々の人生の選択肢を支え、尊厳を守るという極めて重要な使命が待っている。 ノルレボ公式サイト:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/en/site_norlevo/ ※性行為をした後で、「避妊に失敗した可能性がある」「妊娠したくないのに避妊をせずに性行為をした」といった経験
- FAPA2026:日本薬剤師会学生会員を対象とした参加登録費割引の申請受付中
2026年11月3日(火)〜7日(土)にタイ・バンコクで開催される「第31回アジア薬剤師会連合学術大会(FAPA2026)」において、日本薬剤師会の学生会員を対象とした参加登録費の割引が適用されることとなった。 アジア圏の薬剤師や薬学生が一堂に会する貴重な国際学会に、通常よりもお得に参加できる絶好の機会である。 概要 FAPA2026への参加を予定しており、本割引の適用を希望する学生会員は、期日までに指定のフォームから回答を行う必要がある。 対象者:日本薬剤師会 学生会員 回答期限:2026年6月30日(火)まで ※特別会員(学生会員)の年会費は無料。 4つの会員特典 1 日本薬剤師会ホームページ(会員向けページ)の閲覧可 会員になると、事務局よりIDとパスワードを発行しますので、そちらを用い会員向けページにアクセスできます。 2 生涯学習支援システムJPALS(ジェイパルス)の無料利用 学習したことを記録し、整理しながら学習を進めることができるWEBシステムです。 3 日本薬剤師会が開催する研修会の案内 会員になると、日本薬剤師会若しくは都道府県薬剤師会が開催する研修会のご案内を送らせていただきます。 ※申し込みフォームで希望を選択した方に限る。 4 日本薬剤師会雑誌への投稿可 会員になると、日本薬剤師会雑誌への投稿が可能になります。 申し込みはこちら 問い合わせ先 日本薬剤師会 総務部総務課 TEL:03-3353-1170 gakusei-entry@nichiyaku.or.jp 大会概要と重要スケジュール 学生割引の申請以外にも、アブストラクト(演題抄録)の提出期限や、一般向けの早期割引登録期限が迫っているため、合わせて確認されたい。 会期:2026年11月3日(火)〜11月7日(土) 場所:タイ・バンコク 主催:アジア薬剤師会連合(FAPA)、開催地のFAPA加盟団体 期限の迫る重要スケジュール アブストラクト提出期限: 2026年6月30日(火)まで(受付中) 早期割引参加登録期限: 2026年7月31日(金)まで(受付中) ・FAPA2026 大会公式サイト ・FAPA2026 プロモーション動画は(日本薬剤師会YouTubeチャンネル) ・フライヤー(日本語版PDF) ・フライヤー(英語版PDF)
- 薬学部の韓国人留学生を支援する日韓共同サポートシステムが稼働
5月28日、薬剤師国家試験予備校を手掛ける株式会社Medisere(メディセレ 本社:大阪市)と、韓国の株式会社江南スカイ語学院(本社:韓国天安市)は「韓国人日本薬学部留学生支援センター」を両校に開所し、メディセレ大阪本部にて開所式を行なった。 同センターは日本の薬学部で学ぶ韓国人留学生を入学前から学習支援、進級、卒業、薬剤師国家試験対策までの6年間を一貫してサポートするシステムとして稼働する。 開所に至る背景として、日本の薬学部に留学する韓国人留学生の実態を見守り続けてきた江南スカイ語学院の崔根澤院長は「韓国人留学生は入学を果たしたあとで進級・卒業・国家試験の過程で十分な支援を受けられずに放置され、1~3年次で留年、休学、途中離脱に追い込まれる事例を数えきれないほど目にしてきた」と述べ、日本語による専門授業、基礎科学、進級試験、卒業試験で次々と壁にぶつかる現実はもはや看過できない水準であると説明。このような環境の中にあって江南スカイ語学院では過去14年にわたり日本の薬学部、歯学部進学を希望する韓国人学生を指導実績を重ね、安定した進級率と高い国試合格実績を積みあげてきた。 メディセレの児島惠美子社長は6年制薬学部の2019年度入学者のうち、6年以内に国試に合格した学生の割合は、国公私立計で58.8%にとどまり、2024年のコアカリキュラムの改訂にともない日本人学生でさえ6年で確実に薬剤師免許を取得することが当然ではない時代にはいっている中、言語の壁を抱えながら同じ関門に挑む韓国人留学生にとってはさらに難度が高まっていることに触れ、「メディセレが手掛けてきた国試対策に合格率実績と個々人に寄り添った指導で評価されてきたノウハウによって、一人でも多くの韓国人留学生を最後まで支えぬいていく」と決意を述べた。 同センターを通じた両校の役割分担は次の通り。 ◎メディセレ(日本)の役割 日本の大学入学後、留学生に対し学習進捗支援、進級・卒業対策、CBT・OSCE対策、薬剤師国家試験対策を一貫提供。「留年することなく6年間で卒業し、薬剤師国家試験に合格するまで」を伴走する。 システム全体の運営においては、メディセレが日本側のハブ機関として中核を担う。 ◎江南スカイ語学院(韓国)の役割 韓国国内において、入学前の日本語、基礎科学、専攻適応、進級戦略指導を担い、学生を「合格後に通用する状態」に仕上げて送り出す。在学中・卒業準備段階では、韓国側の窓口として学生・保護者からの相談に対応する。 ◎両校で個々の学生の進捗データを共有し、韓国フェーズと日本フェーズを通じた切れ目のない指導判断を実現する。 Medisereの児島惠美子社長(左)と江南スカイ語学院の崔根澤(チェ・グンテク)院長
- ドラッグストア・薬局で買える「緊急避妊薬」の情報ページと無料配布チラシを公開。若者向けに購入方法や安全性をわかりやすく整理
メンタルヘルスに関する情報発信を行うNPO法人ぷるすあるはは、アフターピル(緊急避妊薬)について、若者や支援者向けの情報ページとチラシを新たに公開した。 薬局販売スタートも、情報不足が課題に 一部の薬局やドラッグストアにおいて、アフターピルの購入が可能となった。しかし、具体的な利用方法や購入できる場所などの情報は、いまだ十分に認知されているとは言えない状況にある。 そこで、ぷるすあるはが運営するウェブサイト「子ども情報ステーション」内に特設ページを開設した。「今すぐ必要な人」へのアプローチはもちろん、学校や居場所、支援機関などで、平時から若者へ自然に手渡せる「知っておくための情報」としての活用を想定し、情報ページとチラシを制作している。 掲載内容とチラシ(PDF)の特徴 今回公開されたページおよびチラシでは、アフターピルの基本的な仕組みや効果をはじめ、ドラッグストアや薬局で買う手順、病院やオンライン診療について詳しく解説している。さらに、費用の目安や年齢・保護者同意に関する注意点、WHO(世界保健機関)が示している安全性情報、性暴力被害や妊娠についての相談窓口までを網羅した。店頭や検索で見かける「ノルレボ」や「レソエル72」などの具体的な商品名も明記し、実用性を高めている。 チラシは用途に合わせて選べる2つのサイズが用意されており、いずれもPDF形式で無料ダウンロードが可能である。A4サイズ2枚版は両面印刷して折ることでコンパクトなA5サイズとして配布でき、A4サイズ4枚版は文字が大きく見やすいため、片面印刷して壁などに掲示する用途に適している(チラシPDF)。 NPO法人ぷるすあるは イラストを担当する精神科看護師の細尾と、医師の北野を中心としたプロジェクトチーム。心理教育絵本や支援ツールの制作、情報サイトの運営を通じ、メンタルヘルスに関する幅広い情報発信を行っている。主に精神疾患を抱える親とその子どもをテーマに活動を展開している。 団体ウェブサイト:NPO法人ぷるすあるは(https://pulusualuha.or.jp/)
- 働く女性の管理職志向はわずか17%。立場による意識のギャップと「相談相手」の重要性
エスエス製薬株式会社の解熱鎮痛薬ブランド『EVE(イブ)』は、全国の20~49歳の女性500人を対象に「女性管理職に関する調査」を実施した。2026年4月の改正女性活躍推進法の施行や、昨年(2025年)の女性初となる首相誕生など、女性を取り巻く社会環境は大きな変化を迎えている。しかし調査からは、キャリア形成における「ロールモデルの不在」や「意識のギャップ」といった課題が依然として存在している実態が浮かび上がった。 女性総理誕生の影響と役職別の温度差 女性初の首相誕生を受け、全体の48.6%が「女性管理職へのイメージがポジティブになった」と回答した。特に20代では約8割(76.1%)がポジティブな変化を感じており、社会的な象徴の誕生が若い世代に好影響を与えていることがうかがえる。 しかし、役職別で見ると明確な温度差が生じている。現管理職層の約7割がポジティブに受け止めているのに対し、非管理職層の約7割は「変わらない」と回答した。身近な環境の変化を伴わない限り、非管理職層にとって総理の誕生は「自分ごと」として捉えきれていない実態が示された。 「負担」と感じる非管理職と「やりがい」を実感する管理職 管理職に対する具体的なイメージについても、役職間で大きなギャップが存在する。 非管理職層のイメージ:「忙しく時間に追われている(36.4%)」「仕事とプライベートの両立が難しい(32.4%)」といった、業務負担やライフバランスへの懸念が上位を占めた。 管理職層の実感:「自分自身のやりがい・成長が期待できる(40.4%)」「メンバー育成・人の成長にやりがいを感じる(37.6%)」など、前向きな回答が多く見られた。 実際に管理職に就きたいと考える女性は全体の17%にとどまり、年齢が上がるにつれてその希望は低下する。希望しない理由には「責任の重さ(58.7%)」や「両立への不安(43.7%)」が挙げられており、管理職の実態に関する正確な情報や相談機会の不足が、挑戦への足かせになっていると考えられる。 求められる「福利厚生」と「伴走者」の存在 管理職層が実際に就任してよかったこととしては、「仕事の視野が広がった(32.4%)」が最多であった。また、20~30代の若手層では「キャリアに自信が持てるようになった」という回答も約3割にのぼり、早期の経験が自己肯定感の向上に寄与していることが分かった。 女性が前向きにキャリアを進めるためのサポートとして、管理職・非管理職を問わず「福利厚生」と「相談相手・メンターの存在」を求める声が強く、特に20代では約半数(49.3%)が相談相手を重視している。 同社が提供するLINE上の無料・匿名AIメンタリングサービス『BeliEVE Mentors』の利用データ(1カ月間で4,241件のメッセージ)でも、「仕事・キャリアの悩み(35.9%)」や「育児・ライフイベントとの両立(29.7%)」が上位を占めており、気軽に悩みを吐き出せ、いつでも伴走してくれる環境の必要性が改めて裏付けられた。 これからのキャリアを描くヒント この調査結果を見て、「管理職になるのは大変そう」「自分には無理かもしれない」と不安を感じた人もいるかもしれない。しかし、注目すべきは「実際に管理職を経験した人は、視野の広がりや成長に強いやりがいを感じている」という点である。 世間のネガティブなイメージや「責任の重さ」ばかりが目につきやすいが、いざそのポジションに就いてみると、若くしてキャリアに自信を持てるようになるなど、自己成長の大きなチャンスにあふれている。 これから社会に出る大学生のみなさんに意識してほしいのは、「一人で抱え込まず、頼れる味方を見つけること」である。社会には制度としての福利厚生だけでなく、大学の先輩、職場のメンター、あるいは今回紹介されたAIツールのように、相談できる選択肢が広がっている。周囲のサポートを賢く活用しながら、自らの可能性を狭めず、自分らしいキャリアを自由に描いていってほしい。 「女性管理職に関する調査」概要 ・調査実施日:2026年3月26日(木)~2026年3月29日(日) ・調査方法:インターネット調査 ・調査対象:20歳~49歳の女性500人 ・調査委託先:株式会社ネオマーケティング 「BeliEVE Mentors」利用データ概要 ・分析期間:2026年3月5日(木)〜4月4日(土) ・総メッセージ数:4,241件 『BeliEVE Mentors』特設サイト https://www.ssp.co.jp/eve/BeliEVE/mentors/
- 【一日一笑】あなたの常識は、私の非常識!!
医薬情報研究所 株式会社 エス・アイ・シー 公園前薬局(東京都八王子市) 堀 正隆 人それぞれ。 薬局薬剤師の業務において、重要な仕事の服薬指導。 服薬指導には、店頭、訪問在宅、オンライン(テレビ電話を用いたもの)で行うものがあり、その中でも訪問在宅で行う服薬指導というのは、実際に患者宅に伺い行うものである。 どのような生活をしている?薬の管理状況は?どんな場所で寝ている?などなど、生活環境を見ることができ、患者さん自身も自宅であるためリラックスしており、普段の店頭での服薬指導と比べ、会話内容が増えることで、得られる情報量も多く、患者さんとの関係性も築きやすくなっていく。 そんな、訪問在宅を行っているとさまざまな場面が訪れることがある。実際に起こったエピソードを2個ほど紹介する。 入り口が玄関じゃない?? 初回訪問の前に電話確認で本人と少しやり取りをしてから訪問するのだが、本人から「家に着いたら裏に回って、窓をノックして?そうしたら鍵を開けるから窓から入ってきてちょうだい」との説明があった。 ん?窓から??一体どういう状況なのだろう。窓ってどんなサイズ?そんなに小柄ではないけど大丈夫?初回の時は少しドキドキするが、今回のドキドキはなんだかいつもと違う気が…。 おうちに到着し確認すると一応、テラスに出られる大きな窓ではあったので一安心。 ノックをして実際におうちに入った。中から見てびっくり。物がとても多く、玄関には積み上げられた物の山。テレビでもたまに取り上げられているようなおうち。正直、少し整理を…なんて思い。恐る恐る、本人に確認してみるとあの時あの人と食べたお菓子の箱だから…。これは初めて〇〇した思い出の物なの…。人によってはただのごみかもしれない。それでも、本人にとっては大切な宝物。外にも出ていない。生ごみがあるわけでもない。外観はとてもきれいに整備されており、近隣に迷惑をかけているわけでもない。かたくなな姿勢に他職種とも話し合ったものの、介入できるすべはなし。全員が窓からの入室在宅の開始。少しでも良好な生活環境保持のため、念のため換気を促し良しとするか。それ以降、目に映る空き箱の思い出話を聞きながら服薬指導を行った。 重度認知症の患者さんのおうち 目の前に薬があると全て飲んでしまう患者さん。ケースを用意し南京錠で鍵をかけて保管。看護師やヘルパーと連携をし、毎日の配薬を行う。少しずつ処方薬にも変化もあり、毎日同じ人が出入りできるわけではないので、配薬においては、薬剤情報提供書いわゆる薬情(写真と効能、服用量が記載された書類)がとても大切。 本人に、「これは大切だから捨てないでね?看護師やヘルパーに見えるようにここに置いておくよ?」そう伝えると、「大切だから捨てちゃ駄目。分かった」復唱してくれたことにも安心感を得て帰宅。 翌日、看護師の方から薬情が見つからず、本人に聞いても分からないと連絡が入り、慌てて再度訪問。本人に確認してもやはり分からない。ピンと来たので「昨日の大切なものどこにしまいました?」本人に確認するとスイスイと仏壇の前へ。そして、仏壇から出てくる薬情…。 「大切と言われたからしまっておいたわよ?家宝にするの」 私の伝え方が悪かったかな?大切ではあったが、そこまでではなかった…。 その場にいる本人も含めた全員で大笑い。その後、薬の保管ケースを変え、薬情と薬を同じ場所に置けるように変えたのは言うまでもない。 以上のことから、私が学んだことは、人それぞれ何を大切にしているのか、どのように言葉を受け取るのか、物事の考え方や価値観。さまざまな違いがあるということ。 それなら常識って何? わざわざ伝えなくても良いか…。 これは当たり前だし言う事でもないか…。 私たちの当たり前は、時に患者さんの当たり前ではないことがある。「坐薬は座って飲むのよね?」「食間は食事中に飲むのよね?」医療従事者からすると、衝撃を受ける回答はまれに起こる。私たちは、大学生活を経て、病院や薬局などで働く。周囲の環境から医療関係者との会話ばかりが増えている。いつの間にか知っていて当たり前とする常識の基準は上がっている。近年、インターネットやメディアから多くのことを知ってくれている患者さんも少しずつ増えてはいるものの、あくまでも少数ではある。ふとしたときに…伝えるほどのことかな?さすがに当たり前だよね?そんな内容の確認も念のために会話の中で伝えてみてね? あなたの常識は、私の非常識!!
- 【薬局四方山話】調剤報酬改定にいつまで付き合うか
地球堂薬局 田代健 読者の皆さんは、調剤報酬が全体の額として増加し続けていることはよくご存じだと思う。しかし薬局薬剤師1人が1年間に受け取る技術料に着目すると、一貫した統計としてさかのぼれる上限の2010年以降、約1100万円でほとんど増減がない(図表)。その一方で「薬剤師が1100万円の技術料を得るために必要な労力」は増加し続けている(注1)。2026年の調剤報酬改定についても読者の皆さんのところにさまざまな情報が入ってくると思うが、筆者は2年ごとの改定に薬局が振り回される慣習はナンセンスだと考えており、議論に深入りしたいとも思わないので、少し違った視点から調剤報酬改定について考えてみたい。 図表 年 薬局薬剤師数(人) 調剤医療費(億円) 技術料(億円) 薬剤師1人当たり技術料(円) 2010 145,603 60,389 15,911 10,927,868 2012 153,012 65,902 17,020 11,123,172 2014 161,198 71,515 17,682 10,969,068 2016 172,142 74,395 18,490 10,741,093 2018 180,415 74,279 19,311 10,703,493 2020 188,982 74,987 18,779 9,936,950 2022 190,735 78,332 21,264 11,148,366 2024 197,437 84,008 23,251 11,776,518 薬剤師数は厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計(旧:医師・歯科医師・薬剤師調査)」による 調剤医療費と技術料は厚生労働省「調剤医療費(電算処理分)の動向」による 日本では伝統的に「公-私」といった概念の根拠があいまいで、場合によっては「公」を「権威」と履き違えたりもして、「武士道(平たく言えば公務員の道徳)」を称揚する人も多い(注2)。この精神性は、薬剤師がOTCを軽視する一方で政府が定めた保険調剤にしがみつく傾向にも影響しているのかもしれない。しかし、筆者にとっては、日本人(私)と政府(公)との関係性は、例えば江戸時代の ・身分に関係なく、給料として支払われ(扶持米)、税金として納められもした(年貢米)米を日本酒にして飲んでしまっていた人たち ・酒の規制に何度も失敗しながら最後まで貨幣経済に移行できなかった幕府 というしたたかな緊張関係が象徴的であるように見える(注3)(法律に違反しろとか規制の隙間をかい潜れというわけではない)。公務員精神を発揮して制度を追いかけることに夢中になる薬剤師がいてもよいが、もっと自由に、ファンキーな道を患者とともに歩む薬局薬剤師のための居場所があってもよいはずだと思う。 頭打ちの保険調剤とは対照的に、セルフメディケーション分野は努力と工夫次第で伸び代がまだ残っている。筆者の薬局でも力を入れて販売しているサプリメントがいくつかあるが、ざっくりとした相場では1カ月分で2万円弱程度の価格(1日当り600円前後)で、粗利益はその4割から5割で6000円〜9000円となる。これは処方箋1枚分の技術料をだいぶ上回る。そして、アウトカムはユーザー(何らかの病気を患った「患者」とは限らない)からの声で確認できる。 問題は、 ・そのような商品を販売するスキルがあるか? ・失敗した場合のフィードバックをどう得るか? の2点で、勉強会やメーカーの話を聞いても「うまくいったケース」についての情報は豊富だが、その背景に「うまくいかなかったケース」がどの程度存在するのかを知ることはまずできない。そしてこの問題は保険調剤についても同様で、「治療薬についてのアウトカム」ではなく「薬剤師の介入についての患者のアウトカム」の検証が弱く、「薬剤師による吸入指導」のようなエビデンスを今後広範囲に蓄積していくシステムを構築することが、保険調剤とOTCに共通した課題になると思う。現状では「どのような記録を残したか?」が薬剤師のアウトプットになっている。なぜ記録を残さなければならないかというと、「そうしなければ薬剤師はサボる」と考えられているからだ。薬剤師は、仕事をきちんとしたかどうかを「提出した記録」に基づいてでなければ評価できない、という認識は、果たして健全といえるのだろうか?「薬剤師が薬学部で習得し、現場で患者のために駆使する技術」を「調剤」であると仮に定義すると、調剤の結果として得られた患者のメリットではなく手続を確認することばかりが重んじられ、それが調剤報酬として評価されることに、薬剤師はあまりにも慣れすぎてしまっている。これから薬剤師になって社会に出るという薬剤師の皆さんには、「自分たちが身につけた技術」をキャリアを通じて磨き上げていくのだ、ということを強く意識してもらいたい。端末にデータを入力して給料をもらうために6年間も勉強してきたわけではないと思うのだ。 注1 円の価値が下落していることを考えれば、大幅な減収ともいえる。単位をどのように設定して時系 列で比較するか?という点については、皆さん自身で検討してみてもらいたい。 注2 武士と公務員の道徳については、畑中章宏 (著)、若林 恵 (著)、 山下正太郎 (著)、 工藤希 (著)、 コクヨ野外学習センター (編集)、 WORKSIGHT[ワークサイト] (編集)『会社と社会の読書会』 (黒鳥社、2025)のp.54前後を参照してもらいたい。 注3 江戸時代の人々と幕府との間の酒を巡るバトルについては、飯野亮一 (著)『居酒屋の誕生: 江戸の 呑みだおれ文化』(ちくま学芸文庫、2014)が面白い。











