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空の検索で419件の結果が見つかりました。

  • 【ユースキン製薬】3期連続で過去最高益を更新──「ストレス手荒れ」と新提案「手のひらパレット」

    創業70年の歩みと3期連続過去最高益の達成 ユースキン製薬株式会社は、都内で製品発表会を開催した。 発表会の冒頭では代表取締役社長の野渡毅之氏が挨拶を行い、1955年の創業から70年の歩みや主力商品「ユースキン」の誕生背景について言及した。野渡氏は、2014年に発売した「ユースキンhana」が香りのラインナップ拡充やパッケージの見直しを経て年間出荷本数300万本を超えるブランドに成長したことや、主力商品のリブランディングを経て2025年7月期に売上50億円を達成したことを報告した。さらに、直近の2026年7月期においても前年を上回る好業績を記録し、3期連続で過去最高益を更新したことが発表された。 ユースキンhanaミッフィーデザイン 現代人を襲う「ストレス手荒れ」のメカニズムと実態 続いて登壇した済生会川口総合病院皮膚科主任部長の高山かおる氏は、精神的ストレスがアトピー性皮膚炎などのかゆみを誘発・悪化させる因子であることや、手荒れ自体が中等度から重度のQOL障害や不安を引き起こす「ストレス手荒れ」のメカニズムについて講演を行った。また、現代手荒れの要因として長期間のエアコン使用による低湿度の環境、スマートフォンの長時間の利用や金属接触、およびコロナ禍以降に定着した頻繁な手洗いが挙げられると解説された。 予防意識は高い一方で、年間を通じたケアに課題 同社より、直近1年間に自らハンドクリームを購入・使用している全国の20歳から69歳の男女1,000人を対象に、同年7月25日に実施されたハンドクリームの使用実態調査の結果が報告された。 調査の結果、ハンドクリームの使用目的の約6割が乾燥や手荒れの予防であることが示され、推奨量である「1FTU(指先から第一関節まで)」以上を塗っている人は約3人に2人(65%)に上る一方で、指の間などの細部へ十分に塗布できている割合や夏場の利用率には課題があることが明らかになった。また、現在何らかの手荒れを自覚している人は約7割(62.9%)に及んだが、年間を通じた継続的なケアの習慣化にはまだ課題があることが示された。 ケアがストレスになる理由と、基材・適量「1FTU」の重要性 こうした手荒れに悩む人が多い一方で、日々のハンドクリームを塗るケア自体が「面倒くさい」「ベタついて不快」といった負担やストレスになっているという声もある。高山氏は、そうしたケアの負担感をなくし、自らを癒すような習慣として心地よく続けることが大切であると指摘している。日中に塗るものであればベタつかない基剤のものを選ぶことや、荒れた肌にもしみない低刺激なものを選ぶことで、不快感や負担を減らして無理なく使い続けることができる。また、しっかりと保湿を行うためには皮膚に十分な量を塗ることが重要であり、「1FTU」が目安となる。患者が「塗っているのに治らない」と悩む原因の多くは塗る量が足りていないことにあるため、この十分量を守って乾燥を感じたときにこまめに塗り直すことが求められる。 新香調「ミモザの香り」と新提案「手のひらパレット」 「手のひらパレット特設サイト」より こうした課題に対応するため、日常のケアを心地よい習慣にする新しい提案が行われた。8月に新たに登場した「ユースキンhana ミモザの香り」は、春の訪れを告げる幸せの花をイメージしたすっきりとリフレッシュできてほのかな甘みも感じられる香りであり、ミニフィットデザインなども展開されている。 また、2つの異なる香りのハンドクリームを手のひらで混ぜ合わせることで新しい香りや変化を楽しむ「手のひらパレット」が紹介され、ミモザとラベンダーを混ぜてストレートティー風にするなど香料会社の調教師と検証して作成された多彩な香りレシピが特設サイトで公開されていることが紹介された。 手のひらパレット特設サイト:https://palette.yuskin.co.jp/

  • 【日本OTC医薬品協会】東京都大田区の小学校で「健康とくすり教室」を開催:児童のヘルスリテラシー向上へ

    健康を維持するための正しい知識や行動習慣を身に付けるには、幼少期からの健康教育を通じて主体的に健康を管理する力であるヘルスリテラシーを育むことが重要である。日本OTC医薬品協会は、長年にわたり子供たちへのくすり教育を推進してきた。 こうした活動をさらに充実させるため、日本OTC医薬品協会は東京都医師会および東京都薬剤師会の助言を受け、2024年12月にプロジェクトを立ち上げた。本プロジェクトでは、小学校高学年を対象としたオリジナル教材を作成し、普及のための啓発活動を展開している。 2025年12月から2026年3月にかけて、大田区立小学校8校の5年生と6年生約850人を対象に健康とくすり教室が実施された。授業では派遣された薬剤師が講師を務め、講義と実験を組み合わせたプログラムが行われた。 授業後のアンケートでは、実験や質問を多く取り入れたことが分かりやすかったという評価につながった。また、教員からは参加型の授業で児童の理解が深まったという意見が寄せられている。 2025年12月~2026年3月『健康とくすり教室』児童アンケート結果(N=592) 日本OTC医薬品協会調べ 日本OTC医薬品協会は、医療関係者や学校関係者と連携しながら、ヘルスリテラシー向上を目指した活動に継続的に取り組む方針である。

  • シミックグループが新卒採用でESを廃止、AIアバターとの対話による選考を導入

    1992年に国内初のCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、医薬品の開発から製造、販売までを総合支援するシミックホールディングス株式会社とグループ主要3社は2026年9月9日、2028年4月入社の新卒採用において、従来のエントリーシート(ES)提出を廃止すると発表した。これに代わり、AIアバターとの対話を活用した「トークエントリー選考」を導入する。 「書く」から「話す」選考への移行 従来の文字数制限があるESでは伝えきれなかった経験の背景や個人の価値観をより深くくみ取るため、選考軸を「書く」から「話す」へと転換する。 本選考には株式会社Preferred Networksが提供する採用・育成支援HRサービス「タレスカ」を活用する。学生は「学生時代に力を入れたこと」や自己PR、志望動機などをAIアバターに向けて自らの言葉で語る。対話内容は採用担当者が確認したうえで書類選考を行い、AIによる自動評価は実施しない方針である。 実施体制 今回の取り組みは、シミックホールディングス、シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社、シミックファーマサイエンス株式会社、シミックCMO株式会社のグループ4社にて導入される。 同社は学生に向け、整った文章表現にとらわれず、何を考えどのように行動したのかを自分らしい言葉で語ってほしいと呼びかけている。日々進化する医療・ヘルスケア分野において、入社後も前向きに学び続け、チームで課題解決に挑戦できる人物像を求めており、文章の巧緻さに左右されない人物本位の選考を通じ、多様な個性を持つ人材との出会いを目指していく。

  • 元厚労省事務次官の大島一博氏が日本医薬品登録販売者会の理事に就任

    2026年9月7日、一般社団法人日本医薬品登録販売者会は、元厚生労働省事務次官の大島一博氏が同日付で理事に就任したことを発表した。 行政の中枢で医療・健康政策に長年携わってきたキーパーソンの参加は、OTC医薬品市場および地域医療における登録販売者の立ち位置に大きな変化をもたらす可能性がある。 元厚労省トップの理事就任とその経歴 日本医薬品登録販売者会は、セルフメディケーションの推進体制強化を目的として、元厚生労働省事務次官の大島氏を新理事として迎えた。 同会はこれまでも、登録販売者が地域における身近な健康相談窓口として適切な情報提供を行えるよう、研修などの教育充実に努めてきた。今後は大島氏の豊富な行政経験と知見を取り入れ、人材育成や普及啓発活動の高度化、ならびに法人運営の透明性・適正性の向上を図る方針である。 新理事に就任した大島氏は東京大学法学部を卒業後、1987年に厚生省に入省した経歴を持つ。厚生労働省老健局長、大臣官房長、政策統括官(総合政策担当)などの要職を歴任したのち、2022年に厚生労働事務次官へ就任し、2024年に退職している。 セルフメディケーション推進と登録販売者の資質向上 厚生労働事務次官とは、厚生労働省における事務方(官僚)の最高峰の役職である。国家の医療・介護・社会保障政策を取り仕切ってきたトップ行政官が登録販売者団体の理事に就任したことには、重要な意義が存在する。 まず、国家的な課題である医療費適正化やセルフケアの普及に向けて、行政ノウハウや政策決定プロセスに精通した人材が参画することで、同会による政策提言や事業展開の実効性がより一層高まる。 次に、登録販売者の研修制度や教育カリキュラムの高度化が進み、店舗における医薬品適正使用の相談体制の質が引き上げられることが期待される。 さらに、生活者が主体的に健康管理を行うための「適切な相談体制」を構築するにあたり、職能団体としての組織運営の透明性や適正性が一段と強化されることになる。 薬剤師と登録販売者の役割分担・協働のゆくえ 現在、薬局やドラッグストアの現場では、薬剤師と登録販売者の適切な役割分担と協働が重要なテーマとなっている。 登録販売者が一般用医薬品(主に第2類・第3類)の販売・相談やセルフケア支援を高い専門性を持って担うことで、薬剤師は医療用医薬品の調剤・服薬指導、要指導医薬品・第1類医薬品の対応、高度な臨床判断、在宅医療、医療機関との連携にリソースを集中させることが可能になる。 実習や将来の勤務先としてドラッグストアや薬局を検討している薬学生は、薬剤師の業務範囲だけでなく、共に働く登録販売者の資質向上や業界全体の動向にも視野を広げておくとよい。

  • 私立大薬学部で270名の大幅定員減、令和9年度学則変更で判明した現実

    文部科学省が発表した令和9年度(2027年度)の私立大学等の収容定員変更予定一覧において、私立大学薬学部(薬学科)の急激な規模縮小が判明した。今回の発表で薬学部の学則変更を届け出た6大学全てが入学定員の削減または募集停止を選択しており、私立薬学部全体で合計270人(約37.5%)の募集枠が削られる結果となった。増員を行う大学は1校も存在しない。 各大学の変更内容を見ると、地域や規模を問わず縮小の波が押し寄せていることが分かる。福島県の医療創生大学は、令和8年度の定員40人から令和9年度は0人とし、令和9年4月からの学生募集停止と薬学科の廃止を決定した。東京都の昭和医科大学は、定員を200人から140人へと60人減らし、今回の発表の中で単一学科として最大の削減幅を記録した。 さらに地方の医療系・薬科大学でも削減が相次ぐ。広島国際大学は120人から70人へ50人減、九州医療科学大学は100人から60人へ40人減、鈴鹿医療科学大学は100人から90人へ10人減とする変更を行った。また、130人から90人へ40人削減する新潟薬科大学に対しては、文部科学省より「薬学部薬学科の収容定員未充足の是正に努めること」という厳しい遵守事項が明記された。 大学名 所在地 令和8年度定員 令和9年度定員 定員増減 届出内容・遵守事項 医療創生大学 福島県いわき市 40名 0名 ▲40名 薬学部薬学科廃止(令和9年4月募集停止) 昭和医科大学 東京都品川区 他 200名 140名 ▲60名 定員削減 新潟薬科大学 新潟県新潟市 130名 90名 ▲40名 定員削減(定員未充足の是正が遵守事項) 鈴鹿医療科学大学 三重県鈴鹿市 100名 90名 ▲10名 定員削減 広島国際大学 広島県呉市 120名 70名 ▲50名 定員削減 九州医療科学大学 宮崎県延岡市 100名 60名 ▲40名 定員削減

  • 問 糖尿病合併妊娠において血糖コントロールに用いられるのはどれか。【国試探検隊】

    問62 糖尿病合併妊娠において血糖コントロールに用いられるのはどれか。1つ選べ。  ❶ スルホニル尿素薬 ❷ チアゾリジン薬 ❸ ビグアナイド薬 ❹ グリニド薬 ❺ インスリン製剤           (第111回薬剤師国家試験より) *** 蔵之介です。必須問題から糖尿病合併妊娠に関する設問です。妊娠糖尿病にインスリン注射を使うことを知っていれば、簡単に解ける問題です。胎児は胎盤から酸素や栄養分を受け取りますが、母体血と胎児血は完全に隔てられています。母体と胎児の間には「血液胎盤関門」があり、薬物は受動拡散により移行します。分子量が300~600の薬は通過できますが、1,000以上の薬は通過できません。経口糖尿病薬は分子量が小さく容易に通過しますが、分子量の大きいインスリン製剤は通過できません。そのため妊婦への投与が可能です【正解は5】。代表的な薬物の分子量と妊婦への影響をまとめます。インスリン製剤(商品名:ヒューマリンR)は、分子量5,808。胎児に移行しません。スルホニル尿素薬のグリメピリド(商品名:アマリール錠)は、分子量491。新生児低血糖や巨大児のリスクがあります。スルホニル尿素薬は、膵β細胞を刺激してインスリン分泌を促し、血糖値を下げます。胎盤を通過した薬は、胎児の膵臓を刺激します。過剰に分泌されたインスリンの働きで、糖が細胞内に取り込まれて脂肪として蓄えられます。その結果、4,000gを超える巨大児になるリスクが高まります。出生後もすぐにインスリン分泌が止まらないので、新生児が低血糖に陥るおそれがあります。チアゾリジン薬のピオグリタゾン塩酸塩(商品名:アクトス錠)は分子量393で、動物実験で胎児毒性。ビグアナイド薬のメトホルミン塩酸塩(商品名:メトグルコ錠)は分子量166で、動物実験で催奇形作用。グリニド薬のレパグリニド(シュアポスト錠)は分子量704.91、動物実験で胎児通過性が報告されています。 そのほか「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」として、2023年に2度目となるレニン-アンジオテンシン系薬(ACE阻害薬、ARB等)の妊婦禁忌が発出されました。また、2024年には、β遮断薬のビソプロロールフマル酸塩とカルベジロールの妊婦禁忌が解除されました。 出題予想 妊婦に投与禁忌の外用薬:にきび治療薬のアダパレンゲルやケトプロフェンテープ(妊娠後期)など ■解説 蔵之介(アポクリート株式会社)

  • 薬学生は参加無料 第21回薬局管理栄養士研究会年次大会開催

    薬局管理栄養士研究会は毎年恒例の年次大会を、今年は11月14日にオンラインで開催を予定しており、参加者を募集している。 同研究会は、セルフメディケーションの最前線である薬局・ドラッグストアで活躍する管理栄養士が、情報交換と相互の連携を図ることを目的として発足した組織である。近年特に薬局でも管理栄養士が薬剤師をはじめとする専門職と連携して、薬物治療と併せた栄養指導や健康サポートを行う活動シーンが増えてきており、年会でも様々な現場での事例報告や情報交換が行われている。 年次大会には薬学部の学生も無料で参加することができる。 概要と申し込みは下記の通り。 第21回薬局管理栄養士研究会年次大会 日時:2026年11月14日(土)13時30分~17時30分 開催方法:オンライン(ZOOM) 【テーマ】薬局管理栄養士の価値を高めるICT活用 【プログラム】総会、事例共有(ICTの活用)、グループディスカッション、口頭発表 参加資格:薬局・ドラッグストアに勤務する管理栄養士・栄養士・薬剤師・事業管理者       管理栄養士・栄養士専攻の教員・学生等 参加定員:200名(うち学生40名)※定員に達した時点で参加申込受付終了 参加費:会員・学生 無料 非会員:3,500円 ※新たに研究会に入会される場合は、参加費無料(年会費3,000円) 参加申込:10月31日(土)締切 主催:薬局管理栄養士研究会 ※詳細と参加申込みはこちらから https://gkb.jp/visitor/seminar/677 お問い合わせ:薬局管理栄養士研究会事務局  メール: pharmacy.registered.dietitian@gmail.com

  • 10兆円市場を突破したドラッグストア業界の現在地

    塚本氏 一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、9月1日に記者会見を実施した。会見では、業界の最新推計データや現場が抱える課題、今後の出店動向や薬剤師像について幹部陣から深い言及がなされた。 10兆円市場の達成と調剤業務の急速な拡大 会見では、JACDSが取りまとめた「2025年度版業界推計 日本のドラッグストア実態調査(確定版)」が発表された。全国のドラッグストア総店舗数は2万4,536店舗(前年比813店舗増)、全国総売上高は10兆6,427億円(前年比106.1%)に達し、悲願であった10兆円産業の仲間入りを果たしたことが報告された。 部門別の売上構成比を見ると、「調剤・ヘルスケア」が3兆5,583億円(構成比33.4%)で最大となった。次いで「フーズ」が3兆487億円(28.7%)、「ホームケア」が2兆1,086億円(19.8%)、「ビューティケア」が1兆9,271億円(18.1%)と続いている。 カテゴリー名称 主な取扱商品・機能 調剤・ヘルスケア 処方箋調剤、OTC医薬品、介護用品、ベビー用品、健康食品等 フーズ 一般食品、生鮮食品、菓子、飲料、酒類、冷凍食品等 ホームケア 日用消耗品、家庭用品、ペット用品等 ビューティケア 化粧品、ビューティ小物、トイレタリー等 さらに、ドラッグストアにおける調剤高は1兆6,785億円(併設店のみの推計値)に達し、ドラッグストア売上高の15.8%、ヘルスケア調剤の47.2%を占めるなど成長が著しい。伸び率は9.1%を記録し、全国の調剤医療費総額(2024年度と同額の8兆4,008億円と仮置きした暫定値)に占めるシェアは19.7%と2割に迫る規模へ拡大した。ドラッグストア調剤の10年間の推移を見ると、2015年度は7,158億円(シェア9.1%)、2020年度は1兆0,693億円(シェア14.2%)、2025年度には1兆6,586億円(シェア19.7%)へと拡大している。 なお、このデータは併設店のみの数値であり、買収などで増えている単独店や専門店も含めると、業界加盟企業の調剤売上はさらに上積みされる。調剤報酬改定(ベースアップ評価料等の算定影響など)や在宅医療への対応が進む中、最寄りストアとしての利便性やワンストップショッピングの強みが評価され、処方箋獲得へと結びついている。 店舗数は今後も増加傾向が続く 一部で「ドラッグストア店舗は飽和している」との指摘がある点について、会長の塚本厚志氏は「ドラッグストアはフォーマットの刷新や商品構成(アソートメント)の進化を続けており、データとして店舗数が純増している事実を捉えるべきだ」と主張した。今後数年間は店舗数の増加傾向が続くという見通しを示している。 覆面調査結果の検証と現場の課題 厚生労働省の覆面調査結果に対して、塚本氏は指定乱用防止医薬品などの対応においてチェーン店が一定の成果を上げたことを評価した。一方で、OTC医薬品販売への関与や問いかけに対するスコアに落ち込みが見られた点を反省材料として挙げた。薬剤師に対して、調剤業務の忙しさがあるものの、スイッチOTCを含むOTC医薬品への造詣を深め、説明責任を果たすなど、調剤室だけに閉じこもらない専門家としての職能発揮を呼びかけた。また、質の高い登録販売者の育成支援も協会を挙げて進める方針だ。 かかりつけ薬剤師と未来の薬剤師像 関口氏 かかりつけ薬剤師制度の認知度向上に向け、JACDSでは「勤務薬剤師委員会」と「薬局機能向上委員会」を中心に資質向上に取り組んでいる。「薬局機能の向上」と「薬剤師の資質向上」の両立を図り、地域の特性や患者個々のニーズに応じたフォローアップができる人材育成を進めている。 今後の薬剤師の役割について塚本氏は、2030年の13兆円目標に向けて、従来の「処方箋に基づく調剤」にとどまらず、最寄りの相談窓口としてOTC医薬品の適正使用やセルフメディケーションを支え、地域医療・介護・予防とシームレスにつながることが期待されていると述べた。また、単に処方箋を受け取る枚数を増やすことだけを目指すのではなく、セルフメディケーションを普及させて人々の健康維持に貢献し、医療機関を受診する前の予防や健康相談に応える場としての役割を果たしていく姿勢を強調した。 続いて副会長の関口周吉氏は「患者のための薬局ビジョン」の遂行が患者からの評価につながると指摘した。生活動線上の立地という強みに加え、重複投与や相互作用防止など一元管理を求める社会ニーズに応える重要性を強調した。さらに、セルフメディケーションの先には在宅医療やACP(人生会議)が存在するとし、その過程において薬剤師が「ALP(アドバンス・ライフ・プランニング)」とも言える生活設計支援を担っていくべきだという独自の考えを示した。セルフメディケーションからACPに至る手前でALPを実践していく姿勢こそが、今後も社会からの支持を得続ける鍵となると提言した。 第26回JAPANドラッグストアショーの取り組み 薬科大学生クイズ大会の様子 会見と併せて、JAPANドラッグストアショーの成果も報告された。今回は「セルフメディケーションによるドラッグストアの未来像 〜NEXT25〜」をテーマに、過去最大の1,367小間(386社)が出展し、11万2,989人が来場した。 特に今回は、次世代を担う薬学生や研究者との連携を深める取り組みが大きな注目を集めた。 初開催となった「アカデミックフォーラム」では、大学や研究機関など16団体から全29演題のポスター展示・発表が行われた。実店舗におけるセルフメディケーション推進の取り組みや地域医療連携、ドラッグストア現場での実践的研究成果について、研究者や実務者の間で活発な議論が交わされた。 また、「薬科大学生クイズ大会」では、神戸薬科大学、城西大学、城西国際大学、帝京大学、東京薬科大学、星薬科大学の各薬学生が現場のドラッグストア薬剤師とチームを組み、OTC医薬品やセルフメディケーションに関する専門知識を競い合った。大学とドラッグストア企業の産学連携・交流を促進する体験型企画として、大きな盛り上がりを見せた。 展示会全体を通じて、セルフメディケーションの普及促進のみならず、将来の医療を担う薬学生や若手薬剤師の育成に向けた大きな実効性を上げる開催となった。

  • 生活者は薬局をどう見ているか?カケハシの意識調査に見る「健康拠点」としての可能性

    クラウド型電子薬歴「Musubi」のほか、複数プロダクトを開発・提供する株式会社カケハシが2026年9月に発表した「生活者の薬局活用実態調査」によると、生活者が薬局を訪れる主要な理由は依然として「処方薬の受け取り」である一方、健康相談やOTC医薬品の購入など、処方箋による調剤にとどまらない多角的な目的で薬局を活用する動きが広がっている。将来の地域医療を担う薬学生にとっても、薬局の果たすべき新たな役割を示唆する重要な知見が含まれている。 薬局の利用目的 薬局を利用する目的としては、「病院で出された処方箋のお薬を受け取る・説明を受けるため」が51.0%と過半数を占めて最も多い。一方で、「特に用事(処方箋の受け取りなど)がない限り、薬局に立ち寄る・利用することはない」と回答した人も26.5%存在している。 その他の利用目的としては、「市販薬(OTC医薬品)やサプリメント、健康食品、衛生用品等の購入」が12.5%、「自身の健康維持や、日常のちょっとした不調について相談するため」が11.7%と続いた。さらに「家族の看病や介護における、お薬の飲ませ方や管理について相談するため」が6.1%、「外出時の休憩や、血圧測定などのセルフチェックを行うため」が4.3%となり、処方薬の受け取り以外にも多様な目的で利用されている実態が示された。 クーリングシェルターとしての認知度と今後の利用意向 クーリングシェルターに登録されている「そうごう薬局 天神中央店」 近年、気候変動適応法に基づく「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)」として、冷房設備を備えた薬局が地域に開放されるケースが増加している。今回の調査において、薬局がクーリングシェルターや涼みどころとして利用できることを「認知している」と答えた人は利用経験の有無を合わせて32.7%にとどまり、67.3%の生活者が機能自体を「知らなかった」と回答した。 一方で、存在を知らなかった層のうち52.7%が「今後は利用してみたい」と回答しており、周知が進むことで新たな利用につながる可能性を示している。 薬学生が捉えるべき「これからの薬局像」と課題 今回の調査結果は、薬局が「身近な健康拠点」として活用され始めている兆候を示す一方で、「特に用事がなければ立ち寄らない」と回答した人が26.5%にのぼるという現実も突きつけている。依然として約4人に1人の生活者にとっては「処方箋がないと行きにくい場所」のままであるのが現状だ。 しかし、クーリングシェルターの認知調査が示すように、薬局が持つ機能や利便性を知ることで「利用したい」へと意識が変化する伸びしろは大きい。 将来薬剤師を目指す薬学生には、単に処方箋に基づいた調剤・服薬指導を行うだけでなく、こうした「立ち寄る理由がない」と感じている層に対して、いかに薬局の敷居を下げ、プライマリ・ケアやセルフメディケーションの場として認知・活用してもらうかという視点も求められる。 「生活者の薬局活用実態調査」概要 本調査(インターネットリサーチ)は、2026年6月25日~6月30日、15歳以上の男女1,056名(男性556名・52.7%、女性500名・47.3%)を対象に実施された。年代構成は15〜19歳が12.6%(133名)、20代〜40代が各17.5%(各185名)、50代および60歳以上が各17.4%(各184名)となっている。

  • 2027年度「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」募集開始と説明会開催のお知らせ

    日本学生支援機構(JASSO)による2027年度「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」の募集関連書類が公開された。海外の大学院において修士または博士の学位取得を目指す学生を対象とした制度であり、支援対象は2027年4月から2028年3月の間に留学を開始する者となる。 制度の概要およびオンライン説明会の詳細は以下の通りである。 概要および説明会日程 対象プログラム:2027年度 海外留学支援制度(大学院学位取得型) 支援対象者:2027年4月~2028年3月に支援開始を予定している者 説明会名称:JASSO奨学金セミナー第4回 2027年度「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」に申請予定の皆様 開催日時:2026年9月10日(木) 12:00~12:45 実施方法:Zoomによるオンライン開催 申請にあたっては、募集要項や提出書類の要件を事前によく確認することが不可欠である。支給条件や必要書類の詳細は公式ウェブサイトで公開されているため、申請予定者は早めに準備を進めるとよい。また、制度への理解を深め疑問点を解消する機会として、9月10日開催のオンライン説明会への参加が推奨される。 2027年度 海外留学支援制度(大学院学位取得型)

  • 福岡大学の教員・学生が「高校生のための薬剤師体験 2026」に参加――体験と交流を通じ薬学部の魅力を発信

    福岡大学薬学部の教員と学生が、高校生に向けた体験イベントで薬剤師の魅力や薬学部での学びを伝えた。 福岡大学の教員と学生が参加したのは、8月1日と8月22日に開催された「高校生のための薬剤師体験 2026」(主催:鹿児島生協病院、共催:南日本調剤センター薬局)である。このイベントは、医療に関心を持つ高校生に病院や薬局での現場体験を提供し、進路選択のきっかけとしてもらうことを目的に実施された。 2日間で合計66人の高校生が参加し、福岡大学からは薬学部准教授の小迫知弘氏と4人の薬学生(2年生1人、5年生3人)が参加した。 イベントの主な取り組み 進路相談・意見交換:薬学生が、薬学部での学びや実習内容、大学生活に関する高校生からの質問に答え、親身に相談に乗った。 模擬講義:小迫氏が講師を務め、医療を支える薬剤師の社会的役割や重要性について解説した。 参加した高校生からは、「薬剤師の仕事体験や講義を通して薬学部の魅力と学びの面白さを知ることができ、進路選択の参考になった」「教員や学生、現場の薬剤師など多様な立場の人から話を聞くことができ、幅広い学びを得られた」といった声が上がった。 今回の取り組みは、大学・病院・薬局の強力な協力体制のもと、未来の医療を担う高校生へ薬学の魅力を広く伝える貴重な機会となった。

  • 【薬局四方山話】喉の痛みと漢方

    地球堂薬局 田代健 今回は、漢方のディープな迷宮を数分だけ体験してもらおうと思う。 2024年の薬剤師国家試験に、「風邪をひいて寒気がする」患者に防風通聖散を選ぶことの可否を問う問題が出たので、ここを出発点にしよう。 防風通聖散といえば「やせ薬」の印象があるが、元来は体に蓄積した熱を排出する処方だ(だから国試のように「寒気がある」患者には使えない)。江戸時代の医師・目黒道琢は『餐英館療治雑話(さんえいかんりょうじざつわ)』で「喉の腫痛の患者は、10人に8-9人までは実熱証で、虚証のものは1-2人にすぎない。不注意な医師は咽頭痛を見ると実熱証と早とちりし、防風通聖散や清咽利膈湯(せいいんりかくとう)で患者に害をなすことが少なくない」と書いており、本来は咽頭痛を含む急性の発熱性疾患に用いる。 以下では、OTCで使える喉の漢方薬の構成生薬を整理してみる。先人達が実際にこう考えて生薬を足し引きしたということではなく、彼らの病理モデルや治療戦略の差異が構成生薬にどう反映されるかをつかんでもらいたい。 この写真は川芎、羗活、防風、人参、茯苓、藿香、荊芥、甘草、蝉退、厚朴、陳皮、白彊蚕、甘草を配合した処方だ。読者の皆さんはこれらの生薬をいくつ識別できるだろうか? (i) 『和剤局方』(宋) 『和剤局方』の医学はセルフメディケーションの先駆けでマイルドな処方が多いのだが、「積熱」の章には涼膈散という処方が載っている。一言でまとめると、「発熱し顔が真っ赤に充血し、便秘している状態」を、下剤と苦寒薬と発汗剤の組み合わせで解熱する薬だ。 涼膈散 = 大黄+朴硝(ぼくしょう)+甘草+連翹(れんぎょう)+山梔子(くちなし)+黄芩(おうごん)+薄荷 (ii) 金元(きんげん)学派(宋〜金) 『和剤局方』とは対照的に攻撃的な解熱治療に軸足を置いたのが劉河間(りゅうかかん)で、涼膈散を土台に症状別のアレンジを加え、さらにはそれを全部乗せた防風通聖散を新たに作った。具体的には (+)咽喉痛、涎嗽(えんそう)がある時は桔梗、荊芥(けいがい)を追加(桔梗は喉の痛みの薬) (+)鼻血や吐血がある時は当帰、芍薬、生地黄を追加(四物湯(しもつとう)で血を落ち着かせ乾燥し過ぎを防ぐ) (+)排尿困難や排尿痛(淋)がある時は滑石、茯苓(ぶくりょう)を追加(尿からも熱を排出する) (+)突発性の目眩がある時は川芎、石膏、防風を追加(荊芥と合わせて祛風(きょうふう)する) というトッピング全ての上に (+)麻黄と白朮(びゃくじゅつ)(胃から汗へ水分を運ぶ) を追加し (-)生地黄+茯苓(麻黄と茯苓を併用する処方はほとんど存在しない) で防風通聖散になる。 (iii) 温補学派(明) 金元医学には胃腸への負担が重いという課題があり、胃腸の保護を重視した薛立斎(せつ りつさい)は温補学派の先駆者と呼ばれた。彼が考案したのが清咽利膈湯だ。 清咽利膈湯 = 防風通聖散 -(A) + (B) (A) 取り除いた生薬:川芎+当帰+芍薬+白朮+麻黄+石膏+滑石 発汗や利尿による解熱を止めると同時に、血を補う生薬が不要になるので中止する (B) 追加した生薬:金銀花+牛蒡子+黄連+玄参 体の水分を維持しつつ熱を冷ますことのできる生薬を追加し、乾燥を防ぐ 清咽利膈湯は国内で製品化されていないが、ニキビに使う清上防風湯の構成がよく似ている。 (iv) 温病学派(清) 清の時代には猛暑や海外交易に伴う疫病が相次ぎ、温補学派や『傷寒論』のような温める医学にかわり、温病学という「冷やす医学」が発達した。この医学は、激しい熱性疾患における脱水を警戒し、初期に軽い生薬で治す点が特徴だ。代表的な処方に呉鞠通(ご きくつう)が考案した銀翹散(ぎんぎょうさん)があり、いろいろな商品名でOTC化されている。筆者の薬局でも、これを常備薬にしているお客さんはいる。 銀翹散 = 清咽利膈湯 - (C) + (D) (C) 取り除いた生薬:黄連+黄芩+山梔子→冷やして乾燥する生薬を除去 防風→温めるための生薬を除去 大黄+朴硝→大便から解熱するルートは胃腸まで熱が侵入した段階で使用する 玄参→呉鞠通の三焦弁証ではもっと後の段階で使う生薬 (D) 追加した生薬:淡竹葉+淡豆豉+蘆根→淡竹葉と蘆根は体液を増やしつつ熱を冷ます 銀翹散は「喉の痛み」に加え「熱感などの全身症状」「喉の乾燥感」「便秘がないこと」を確認するのがポイントだ。 (v) 江戸医学 京都の和田東郭は、銀翹散と似た方向性の咽喉痛治療を工夫していた。耳下腺炎の薬・駆風解毒湯に桔梗と石膏を加え、冷やしてうがいしながら飲むと効果的だとし、現在でもOTCをそう指導しながら販売する。ポイントは「喉の炎症だけを取る」点だ。 駆風解毒湯 = 清咽利膈湯 - (E) + (F) (E) 取り除いた生薬:(C)+薄荷+金銀花 薄荷→発汗の必要性はない 金銀花→潤しながら解熱という方針はとらない (F) 追加した生薬:羗活+石膏 羗活→首に薬を効かせたい 石膏→うがいで局所的に強力に解熱したい 漢方薬を使う際の「寒熱」の評価は当然として、便通を含めた「潤燥」の重要性も垣間見てもらえただろうか。完成された「中医理論」に基づき体系的に弁証論治を進める漢方に魅力を感じる人もいるだろうが、筆者は、先人達がさまざまな状況で工夫してきた治療法を目の前の患者にどう生かすかという歴史との対話にこそ醍醐味を感じている。 喉の痛みの漢方の変遷 涼膈散 防風通聖散 清咽利膈湯 銀翹散 駆風解毒湯 出典(出版年) 『和剤局方』(1107以降) 『黄帝素問宣命論方』(1172) 『外科発揮』(1528) 『温病条弁』(1798) 『蕉窓方意解』(1813) 著者 劉河間 薛立斎 呉鞠通 和田東郭 発散薬 麻黄 防風 防風 防風 荊芥 荊芥 荊芥 荊芥 薄荷 薄荷 薄荷 薄荷 牛蒡子 牛蒡子 牛蒡子 羗活 寒涼薬 黄連 黄芩 黄芩 黄芩 山梔子 山梔子 山梔子 連翹 連翹 連翹 連翹 連翹 金銀花 金銀花 石膏 (石膏) 淡竹葉 淡豆豉 蘆根 玄参 補益薬 甘草 甘草 甘草 甘草 甘草 当帰 芍薬 白朮 活血化瘀薬 川芎 瀉利薬 大黄 大黄 大黄 朴硝 芒硝 朴硝 滑石 化痰止咳平喘薬 桔梗 桔梗 桔梗 (桔梗)

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