元准教授が語る「起業のリアル」——就実大学でのPBL実習講義レポート
- toso132
- 1月9日
- 読了時間: 3分
株式会社ウィズレイ 代表取締役 森山 圭

2025年12月10日、母校とも言える就実大学の教壇に、私は再び立っていた。かつて2023年まで薬学部の准教授として過ごしたこのキャンパスで、今回は「起業家」として、経営学部の学生たちに自身の経験を伝えるためである。
この講義は、経営学科2年生を対象とした「PBL実習4(プロジェクトマネジメント)」の一環として行われた。会場には経営学部のみならず、薬学部の学生も含め約60人が集結。起業という未知の世界に挑んだ先駆者の声を聴こうとする、熱気に満ちた空間となった。
試作1号機は「身近なもの」から始まった
講義の核心は、単なる成功談ではない。身の回りにある素材をかき集めて自力で制作した「試作1号機」から、現在の事業に至るまでの泥臭いプロセスである。
私が開発した一包化散薬鑑査装置「コナミル」は、薬局で調剤された薬が正しいかどうかを数秒で判別する。薬剤師の負担を軽減し、調剤ミスという命に関わるリスクを防ぐためのプロダクトだ。しかし、そのスタートは華々しいものではなかった。
資金調達の苦労、そして試行錯誤の日々。特筆すべきは、試作機のプログラミングにおいて、幼少期に夢中になったパソコンの知識が大きな役割を果たしたことだ。私は学生たちに、ひとつの確信を伝えた。
「幼い頃の遊びや興味を含め、これまでの人生のあらゆる経験が、いつか自分の強みになる。その点と点を組み合わせた先にこそ、起業の『タネ』やヒントが隠されているのだ」と。
迷いの中に答えはない、動いた先に道ができる

講義の終盤、私はこれからの未来を担う学生たちへ、エールを込めてメッセージを送った。
若さは選択の連続であり、それは起業の過程と酷似している。どちらに進むべきか、立ち止まって悩むこともあるだろう。しかし、その場所に答えが落ちていることはない。
「迷ったら、自身の持つ強みを生かして一歩を踏み出すこと。動き出せば、必ず光が見えてくる。そして、自分が進んだ道、選んだ道を、自らの手で『正解』にしていくのだ」
かつての同僚や教え子たちがいるこの場所で、次世代の挑戦者たちに学びを共有できたことは、私にとっても大きな財産となった。
授業の様子は、就実大学の公式Instagramやウェブサイトでも詳しく紹介されている。
株式会社ウィズレイ 代表取締役 森山 圭
大手製薬メーカー研究員を経て、就実大学薬学部准教授に就任。在任中の2019年に大学発スタートアップとして株式会社ウィズレイを創業。分光分析とデータサイエンスを融合させた薬剤識別装置「コナミル」を開発し、全国の薬局・病院へ展開中。






コメント