薬を「毒」にしないために。シオノギヘルスケアが挑む、若年層への「オーバードーズ防止」教育の最前線
- toso132
- 1月13日
- 読了時間: 3分

シオノギヘルスケア株式会社は、中高生を対象とした「くすりの適正使用」およびオーバードーズ(薬物の過量服用)防止を目的とした企業訪問学習プログラムを実施している。
近年、SNSの普及とともに若年層の間で深刻な社会問題となっている市販薬の乱用。同社はこの課題に対し、単なる知識の伝達に留まらない、生徒主体の「自分事化」を促す教育支援を展開している。
「もし友人がオーバードーズをしていたら?」— 現場で育む対話の力
先日行われた仁川学院高等学校の生徒35人を対象とした学習では、非常に踏み込んだテーマが扱われた。それは、「身近な友人がオーバードーズをしている現場に遭遇した際、あなたはどう動くか」という問いだ。

生徒たちはグループワークを通じ、具体的な対応策や信頼できる相談先について議論をたたかわせた。教員からの一方的な講義ではなく、当事者として解決策を模索することで、薬物乱用防止に向けた自発的な行動意欲を呼び起こす狙いがある。
参加した生徒からは、「薬の怖さを実感した」「困っている友達に声をかける勇気を持ちたい」といった声が上がり、社会問題を自らの課題として捉え直す貴重な機会となったことが伺える。

半年間の「アイデア創出プログラム」で次世代の啓発を形に
同プログラムのユニークな点は、その継続性にある。単発の企業訪問で終わらせず、半年間にわたって「同世代に市販薬の適正使用を広めるためのアイデア」を練り上げるプロジェクトを併走させている。
製薬企業としての社会的役割を学びながら、若者ならではの感性で啓発活動を企画するこの取り組みは、教育とビジネスが交差する新しい形のリテラシー教育といえる。自分たちのアイデアが社会を動かす可能性を体験させることで、主体的なヘルスリテラシーの向上を目指しているのだ。
背景にある「68人に1人」という衝撃的な現実
こうした活動の背景には、看過できない統計データがある。 厚生労働省の調査によれば、15~19歳の層において約68人に1人が市販薬の乱用を経験しているという。SNSを通じて誤った使用法が拡散されやすい現代において、「薬は正しく使えば薬、誤用すれば毒」という認識の徹底は、もはや教育現場において急務となっている。
社会全体で「守る力」を育む未来へ
同社は2025年度、計7回の企業訪問学習を実施し、すでに約280人の生徒がこの学びを体験した。
同社は今後、この取り組みをさらに拡大させる方針だ。学校薬剤師との連携授業や、ドラッグストア、行政、教育機関とのネットワークを強化し、「自分で判断し、正しく行動できる力」を社会全体で育むプラットフォームの構築を目指している。
一企業の啓発活動を超え、次世代の命を守るための「知のインフラ」づくり。シオノギヘルスケアの挑戦は、ヘルスケア企業の新たな在り方を示している。






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