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33万人に迫る薬剤師の今



厚生労働省が発表した最新の「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計」の結果から、現代の日本における薬剤師の役割と現状が見えてくる。今回の調査では、薬剤師数が過去最多を記録しただけでなく、活躍のフィールドが従来のイメージを超えて大きく広がっている実態が明らかとなった。


右肩上がりの推移と構成

2024年12月末時点の全国の届出薬剤師数は329,045人を数え、前回調査から5,355人(1.7%)の増加を見せた。人口10万対薬剤師数も265.8人と着実に増えており、社会における薬剤師の供給体制は一段と強固になっている。

男女比については、男性が125,066人(38.0%)、女性が203,979人(62.0%)であり、依然として女性が中心となって支える職種であることに変わりはない。


地域医療の核となる薬局と多様化する従事場所

薬剤師の活動拠点は、今や調剤室の中だけにとどまらない。その従事場所は多岐にわたり、各分野で専門性を発揮している。

最も多くの薬剤師が活躍しているのは薬局であり、全体の6割に相当する197,437人が従事している。前回比で3.5%増という高い伸び率は、医薬分業の深化とともに、薬局が「地域の健康相談窓口」としての機能を強めている証左と言える。

病院や診療所といった医療施設に従事する薬剤師は63,290人で、全体の約2割を占める。特に病院勤務者は57,595人にのぼり、チーム医療のキーマンとして薬物療法の安全性向上に寄与している。

特筆すべきは、超高齢社会を反映した職域の変化である。介護保険施設で働く薬剤師は、前回比で11.5%増の1,217人と急増しており、在宅医療や施設ケアにおける薬学的管理の重要性が増している。また、大学での教育・研究に携わる者が5,011人、保健所などの行政機関で公衆衛生を担う者が6,906人存在し、医薬品関係企業(34,184人)を含め、社会のあらゆる階層に薬剤師の知見が浸透している。


年齢層から紐解く現場の「世代間バランス」

薬剤師の年齢構成には、施設ごとに明確な特色が現れている。

全体では30代(25.4%)が最多で、次いで40代(22.5%)と、働き盛りの世代が中心である。施設別に見ると、病院や薬局、行政機関では30代の若手が主戦力として活躍している。一方で、診療所や介護保険施設では60代の割合が最も高く、ベテラン層が長年の経験を生かして地域や高齢者医療を支えている。

平均年齢を比較すると、病院が42.5歳と最も若く、対照的に介護保険施設は59.7歳、診療所は58.4歳と高く、それぞれの現場で求められる経験値や役割の違いを反映した結果となった。


地域にみる充足度の格差

薬剤師の配置状況には、依然として地域による開きが見られる。人口10万対薬剤師数(薬局・医療施設従事者)を都道府県別に見ると、全国トップの徳島県(256.6人)に対し、最少の沖縄県(155.3人)との間には約1.6倍の差がある。兵庫県や東京都も高い充足度を示す一方で、福井県や青森県などは少ない傾向にあり、地域医療の均質化に向けた課題も浮き彫りとなった。


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