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【流通革命】トライアル×スギ薬局が包括提携!スーパーとドラッグストアの融合が創る「買い物新時代」


2026年1月8日、スーパーセンターを展開する株式会社トライアルホールディングスと、ドラッグストア大手のスギホールディングス株式会社が包括的な業務協業を開始することで基本合意した。

この提携は、低価格な食料品・日用品を武器とするスーパーセンターと、専門性の高い調剤・ヘルスケア機能を備えたドラッグストアが融合し、消費者の生活動線を根本から変える新たな価値創造への挑戦である。特に薬学生にとって、リテールテックの活用が薬剤師の働き方をどう変えるのか、非常に興味深い先行事例となるだろう。


薬剤師が「生活の場」へ。ワンストップで支える地域医療

今回の協業の大きな柱は、トライアル(株式会社トライアルホールディングスの中核子会社)が運営する大型店舗内に、スギ薬局(スギホールディングス株式会社の中核子会社)の調剤薬局・ドラッグストアをテナントとして出店することである。これにより、これまでは「スーパーで食料品を買い、ドラッグストアで処方薬を受け取る」という2カ所での行動が必要だったものが、1カ所で完結する。

まずは福岡県の「スーパーセンタートライアル須恵店」および「飯塚店」での実装が予定されている。スーパーという「日常的に足を運ぶ場」に専門性の高い薬剤師が常駐することで、処方箋対応だけでなく、日々の病気予防やセルフメディケーションの相談に応じる「地域住民の健康拠点」としての役割がより強固になる。


「GOシステム」による業務効率化。対人業務への全振りへ

この協業を支えるエンジンが、トライアルが自社開発した店舗運営プラットフォーム「GOシステム」だ。これはITの力で店舗運営を効率化し、顧客体験を向上させる「リテールテック」の集大成である。

スギ薬局の店舗への導入も検討されている「GOシステム」には、以下のような次世代機能が含まれている。

  • 顔認証決済・リモート年齢確認:事前に登録した顔情報での決済が可能になる。AIによる年齢確認により、店舗スタッフのレジ業務の負担を大幅に軽減する。

  • 棚モニタリングシステム「Retail EYE」:店内のAIカメラが商品の在庫状況をリアルタイムで監視する。欠品を自動検知してスタッフに通知するため、在庫管理の精度と効率が飛躍的に向上する。


薬学生として注目すべきは、こうしたテクノロジーが現場のオペレーションを最適化することで、薬剤師が本来集中すべき「対人業務(服薬指導や健康相談)」に最大限の時間を割けるようになる点だ。DX(デジタルトランスフォーメーション)が、薬剤師の職能価値を高める土壌を作っているといえる。


職人の「惣菜」とプロの「ヘルスケア」による栄養指導の可能性

商品のラインナップも大幅に強化される。トライアルからは、約40人の職人が監修した高品質な惣菜や弁当の製造ノウハウがスギ薬局へ提供される。一方で、スギ薬局はヘルス&ビューティ商品の供給に加え、棚割りや売り場づくりのノウハウをトライアルに提供する。

3月にリニューアル予定の「TRIAL GO 池尻店」を皮切りに、専門性の高い美容・健康コーナーが誕生する。薬剤師や登録販売者は、隣接する食料品売場の「惣菜」と「サプリメント・医薬品」を組み合わせた、より実践的かつ具体的な食事・栄養指導を行えるようになるかもしれない。


最強のプライベートブランド(PB)とデータ駆動型プロモーション

両社のPB商品の相互供給も本格化する。トライアルのコスパに優れた食品と、スギ薬局の高品質なヘルスケアアイテムがクロス展開される。

さらに、スギ薬局が持つアプリを通じた販促ノウハウやID-POSデータを活用し、一人ひとりの購買行動に合わせた最適なプロモーションが構築される。これは、患者のライフスタイルに合わせたフォローアップを行う「次世代の薬局体験」の雛形となるだろう。

この包括的協業は、スーパーセンターとドラッグストアという業界の垣根を越え、テクノロジーによって「安さ」と「専門性」を両立させる壮大な試みである。リテールテックが薬剤師を単純作業から解放し、よりクリエイティブなヘルスケアのプロへと進化させる姿を、この提携は示唆している。

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