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29年度からの薬剤師国家試験改訂:新カリキュラム導入に伴う主な変更点と注意点

厚生労働省の「薬剤師国家試験制度改善検討部会」は、2025年12月26日に第4回会合を開催した。この会議において、2029年度(第115回試験)から適用される新たな「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針(案)」が取りまとめられた。

今回の改訂は、2024年度の入学生から適用されている「改訂モデル・コア・カリキュラム」に準拠したものである。薬剤師を取り巻く環境の変化に対応し、単なる知識の暗記ではなく、より実践的で統合的な能力を評価する試験へと進化する。


改訂のポイントと実施時期

  • 適用時期 2024年度に薬学部へ入学した学生が受験する、2029年度実施の第115回薬剤師国家試験から適用される。

  • 試験科目の再編(7科目から5科目へ) 現行の試験科目を統合し、新カリキュラムの大項目(B〜F)に対応した以下の5科目に再編される。

    社会と薬学(旧:法規・制度・倫理)

    基礎薬学(旧:物理・化学・生物)

    医療薬学(旧:薬理、薬剤、病態・薬物治療)

    衛生薬学(旧:衛生)

    臨床薬学(旧:実務)

  • 出題形式の進化 「連問」や「複合問題」において、組み合わせる科目の制限が撤廃される 。これにより、例えば「基礎薬学」と「臨床薬学」をまたぐような、科目横断的な問題解決能力が問われるようにな 。

  • 問題数の削減 統合的な理解を問う問題が増加し、1問あたりの回答時間を確保する必要があるため、複合問題が10問削減される。


試験区分と問題数の構成

試験は2日間で実施され、総問題数は現行の345問から合計335問に変更される。

  • 必須問題(合計90問) 薬剤師として不可欠な基本的資質を確認する問題。

    (内訳:社会と薬学10、基礎薬学15、医療薬学45、衛生薬学10、臨床薬学10)

  • 一般問題:薬学理論問題(合計125問) 一般的課題を解釈・解決するための資質を確認する単問形式の問 。

    (内訳:社会と薬学10、基礎薬学30、医療薬学45、衛生薬学20、臨床薬学20)

  • 一般問題:薬学実践問題(合計120問) すべて複合問題(連問を含む)として出題され、実務と関連させた実践的能力を評価する。


薬学生が特に注意すべきこと

新しい試験制度において、受験生が特に対策を講じるべき点は以下の4点である。

  1. 「医療薬学」内の足切りライン 「医療薬学」は旧3科目が統合された広範な科目だが、合格基準において「構成する一定の項目(旧薬理・薬剤・病態)」ごとに30%以上の得点が必要とされるため、苦手分野を残すことは許されない。

  2. 科目横断的な学習の徹底 複合問題の科目制限がなくなるため、基礎薬学で学んだ内容が臨床でどうつながるかといった、領域を越えた「統合的理解」が不可欠となる。

  3. 既出問題(過去問)の活用法 試験の質担保のため、既出問題が約20%活用される方針だが、設問や選択肢が工夫されるため、答えの丸暗記ではなく「問題の趣旨」を深く理解する必要がある。

  4. 実践的な技能と態度の習得 実務に即した技能を確認するため、写真や画像、イラストを用いた出題が積極的に行われる 。日頃から医療現場を意識した学習が求められる。


まとめ:今回の改訂のポイント

  • 2025年12月26日の検討部会にて、令和11年度(第115回)からの新基準が決定した。

  • 試験科目が7科目から5科目に再編され、領域横断的な「統合的問題」が強化される。

  • 総出題数は335問となり、現行より10問削減される 。

  • 合格には総得点の相対基準に加え、必須問題の各項目で30%以上の得点が必須となる。

  • 過去問題の利活用は約20%となるが、ひねった出題への対応力が求められる。

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