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問◆研究における同意の境界線:「オプトイン」と「オプトアウト」【国試探検隊】

  • toso132
  • 11月11日
  • 読了時間: 2分

ある薬局で薬歴を用いた後ろ向き調査を行い、学会発表することを計画している。

問324(実務)この薬局で研究のために作成するポスターに記載する内容として必要なのはどれか。2つ選べ。

❶ 研究目的

❷ 研究協力の拒否の方法

❸ 研究に携わっている全員の連絡先

❹ 倫理審査委員会の委員の氏名 

❺ この研究に要する費用       

(第110回薬剤師国家試験より)


***


蔵之介です。薬学実践問題からの出題です。人を対象とした臨床研究には、介入研究である「臨床試験」や医薬品や医療機器の開発を行う「治験」などがあります。研究を行う際には、『個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)』や『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(医学系指針)』と『ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(ゲノム指針)』を統合した『人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針』を遵守する必要があります。「治験」では、さらに厳格な『医薬品医療機器等法(薬機法)』や『医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)』が適用されます。研究の参加者から同意を取る方法として、オプトイン(opt-in:同意を得てから参加)とオプトアウト(opt-out:参加が前提で、不同意の場合は拒否する必要がある)があります。同意(参加)か、未同意(未参加)か、デフォルト状態が異なります。要配慮個人情報は、オプトインが原則で、オプトアウトでは扱えません。設問は、リード文として、薬歴を用いた後ろ向き調査、患者名はわからないように集計、研究概要を薬局内のポスターに掲示とあります。この研究の概略は、患者への侵襲や介入がなく、人体から取得された試料を用いず、薬局で保有している既存情報を用いて、新たに仮名加工情報を作成することです。「観察研究」に該当するので、オプトアウトが適応できます。研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を通知、またはホームページなどで見やすいように公開し、可能な限り拒否の機会を保障すれば、患者からの同意は必要ありません【正解は1、2】。ただし、「治験」の場合には、研究責任者または研究分担者が、説明事項を記載した文書を用いて適切な説明を行い(GCP省令で、口頭のみの説明は不可)、患者から文書による同意(インフォームド・コンセント)を取る必要があります。  


出題予想

インフォームド・アセント、個人情報保護法における死者に関する情報の取り扱い、要配慮個人情報、個人識別符号など


■解説

蔵之介(アポクリート株式会社)

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