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- 神戸薬科大学と堺市立病院機構が連携協定を締結
左から神戸薬科大学学長の北川 裕之氏、堺市立病院機構理事長の木村 正氏 学校法人神戸薬科大学と地方独立行政法人堺市立病院機構は2026年2月2日、教育・研究および人材育成の推進、地域社会への貢献を目的とした連携協定を締結した。 同協定に基づき、神戸薬科大学大学院薬学研究科博士課程において「連携講座」を設置し、病院現場の知見を教育に反映させることで、薬剤師および研究者の専門的な能力と識見の向上を図る。 また、大学が保有する研究能力と、病院機構が担う疾患の予防、診断、治療法の開発、および成因・病態の解明といった臨床分野を相互に連携させる。これにより、教育・研究および医療のさらなる発展を目指すとともに、その成果を地域医療へと還元し、社会課題の解決に寄与する方針を掲げている。 両者は今後、教育研究機関と医療機関としてのそれぞれの特性を生かし、高度な専門技術者の養成と、地域社会への貢献に向けた協力体制を構築していく。
- 【クオール】日本ブラインドサッカー協会とパートナー契約を締結――薬剤師・管理栄養士が専門性を発揮、障がい者アスリートを多角的に支援
左からJBFA理事長の金子久子氏、クオール株式会社代表取締役社長の柄澤忍氏 クオールホールディングス株式会社の中核子会社であるクオール株式会社は、NPO法人日本ブラインドサッカー協会(JBFA)と「競技力向上パートナー」契約を締結した。契約期間は2026年2月1日から1年間。調剤薬局大手の専門知見をスポーツ現場に注入し、医療とスポーツの融合による共生社会の実現を加速させる狙いだ。 専門職による「メディカル&栄養支援」の展開 今回の提携により、同社はブラインドサッカーの男女日本代表やロービジョンフットサル日本代表、さらには各クラブチームを対象として、高度な専門知識を持つスタッフによる包括的なサポートを展開する。 ©haruo.wanibe/JBFA 具体的な支援内容として、まずスポーツファーマシストがアンチ・ドーピングへの対応や服用薬に関する専門的なアドバイスを行い、選手のメディカルケアを徹底する。並行して、管理栄養士がパフォーマンス向上とコンディショニングを目的とした食生活支援を実施し、栄養面からも競技力を下支えする体制を整える。 「混ざり合う社会」の実現へ 同社はこれまでも、業界初の特例子会社「クオールアシスト株式会社」を設立するなど、障がい者雇用に積極的に取り組んできた。今回のパートナーシップは、JBFAが掲げる「視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会」というビジョンに、同社が強く共鳴したことで実現に至った。 同社は、障がいの有無にかかわらず誰もが質の高い医療サービスを享受できる環境整備を急いでいる。今回の取り組みを通じて、スポーツ現場で得た知見を現場の薬局機能へフィードバックすることで、全ての人が安心して相談できる共生社会の実現を目指していく方針だ。 持続可能な社会への貢献 今回の契約締結は、単なるスポンサーシップに留まらない。医療の専門家が障がい者スポーツの最前線に伴走することで、アスリートの健康維持と競技力向上を支えるとともに、社会全体のダイバーシティ&インクルージョンを推進する重要な一歩となる。 クオールとJBFAの連携が、今後の障がい者スポーツ支援における新たなロールモデルとなるか、その動向に注目が集まる。
- 【オーガホールディングス】ヒーローマーケティングが切り開く新時代
ドラッグストア業界の活性化と製・配・販の緊密な連携を目的とするドラッグストアMD研究会(DMS)。発足から30年以上の歴史を誇り、ウエルシアホールディングス株式会社の石田岳彦氏が会長を務める同研究会は、加盟企業が共に学び、情報を共有することで業界全体の進化を牽引してきた。 2026年1月30日に開催された第201回DMS定例会「新春政策セミナー」では、激変する世界情勢や加速する業界再編を背景に、次世代の経営戦略が語られた。その中でも、株式会社オーガホールディングス代表取締役社長の大賀崇浩氏による講演は、既存の薬局・ドラッグストアの概念を覆す革新的な内容であった。 逆境からの出発と「変身」への情熱 2008年、異業種の商社から家業に入社した大賀氏は、大手チェーンの九州進出による売上低迷と、年間50人規模にのぼる薬剤師の大量離脱という深刻な経営危機に直面した。2017年に社長に就任した同氏が導き出した打開策は、自らがヒーローとなり「エンターテインメントと医療を掛け合わせる」という前代未聞の挑戦であった。 「薬剤戦師オーガマン」の誕生とバズの連鎖 2019年、飲み残しの薬を減らす「残薬問題の解消」を大義に掲げたヒーロー「薬剤戦師オーガマン」が登場した。SNSで拡散された「薬飲んで、寝ろ。」というあまりにストレートなメッセージは、従来の薬局の堅苦しいイメージを劇的に塗り替えることとなった。オーガマンの公式X(旧Twitter)フォロワー数は、現在4.9万人にまで達している。 また、九州のローカルヒーローを集結させた特撮番組『ドゲンジャーズ』を自社主導で制作し、SNSで全国トレンド1位を獲得した。現在は第7シーズンの撮影を控えるほどの長寿コンテンツに成長している。さらにオーガマンによる「やくいくプロジェクト」を通じて、2022年から2025年の3年間で351園、延べ3万7,934人の園児に手洗いや服薬の大切さを伝え、子供から親へ健康を促す独自の行動変容モデルを構築した。 社会的価値と収益を両立する「CSV経営」への転換 オーガホールディングスが実践しているのは、CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)経営である。これは、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)とは異なり、本業のビジネスを通じて社会課題を解決することで、「社会的価値」と「経済的価値」を同時に実現する経営モデルを指す。 この戦略は、単なる話題作りを超えた実利をもたらしている。採用面では九州の薬学生の約6割がエントリーするようになり、志望動機が「面白そうな会社」へと激変した。ビジネスモデルとしても、広告代理店の事業会社を設立し、120社以上のパートナー企業を獲得することで収益化に成功している。現在はホールディングス化を推進し、動物病院と連携する動物専門調剤「ANIMAL PHARMACY」の開設など、人の健康だけでなく動物や環境の健全性までを一体として捉える「One Health」の視点から、ヘルスケアの枠を広げた新領域への進出も加速させている。 ストーリーが行動変容を起こす 大賀氏は、論理的な説明よりも物語(ストーリー)として伝える方が「22倍記憶に残る」という脳科学の知見を引用し、「人はエンタメでしか行動変容を起こせない」と断言した。今後は健診施設との連携モデルなどを通じ、「数値」を実際の「行動」へ移す取り組みを強化していく方針である。 AIが台頭する時代だからこそ、ワクワクする体験を通じて人々の感情を揺さぶり、子供たちに誇れる企業文化を作ること。オーガホールディングスの挑戦は、ドラッグストアが地域社会において「健康を守るヒーロー」へと進化するための重要な示唆であった。
- 富山大学が挑むチューリップ活用:未利用資源から革新的な化粧品開発へ
伊藤菜々羽氏 2026年1月14日(水)~16日(金)に東京ビッグサイトで開催された「第16回 化粧品開発展【東京】」。そのアカデミックフォーラムにおいて、富山大学学術研究部薬学・和漢系 臨床薬剤学研究室の加藤敦氏と伊藤菜々羽氏によるチューリップを活用した化粧品素材の研究発表が、多くの来場者の関心を引いた。富山県の伝統産業と薬学的なアプローチを組み合わせた、地域密着型のイノベーションだ。 廃棄されるチューリップに新たな価値を 富山県は大正時代から続く日本有数のチューリップ産地だが、球根を育成する過程で咲いた花は切り取られ、その多くが廃棄されるという課題があった。加藤氏らは、この未利用資源を化粧品成分として有効活用することで、SDGsの達成と地域産業の活性化を目指している。研究チームは、品種ごとに異なる「香り」に着目した。富山県で最も多く生産される「黄小町」を中心に、品種ごとの香気成分や抽出エキスの効能を、薬学的観点から検証している。 科学的エビデンスに基づいた美肌作用 植物エキスを含む化粧品は科学的根拠が乏しいものも多い中、本研究では詳細な効能評価が行われている。まず保湿・バリア機能維持については、肌の潤いに欠かせないセラミドを分解する酵素「セラミダーゼ」を阻害する活性を確認した。また、ハリ・弾力維持に関しては、真皮構造を破壊する「コラゲナーゼ」の働きを抑える阻害活性が認められている。さらに、品種による差異を検証した結果、香り成分の含有量や種類が品種ごとに異なるため、肌に対する効果も品種によって違いがあることが明らかになった。 大学の研究を「社会実装」へ 「大学内での研究にとどまらず、企業と連携して社会実装を目指したい」と伊藤氏は意気込む。研究開始から約3年、現在は抽出エキスの効果評価の段階にあり、実際の製品化に向けたパートナー企業を募っている。 伊藤氏は、自身の研究の歩みを振り返り、「天然物を扱うため、エキスを入手できるのは花が咲く春先に限られます。時期が限られる苦労はありますが、品種ごとに異なる香りの評価を並行して行えたことは大きな強みになりました」と語る。また、薬学部としてのこだわりについて、「医療現場で使われるマイクロニードル技術(皮膚から効率的に有効成分を吸収させるドラッグデリバリーシステム)が美容に応用されているように、医薬品と化粧品は決して遠い分野ではありません。自分たちの研究が社会でどう評価され、何が足りないのかをこうした展示会の場で直接伺うことで、独りよがりではない『社会の欲しいもの』との距離を埋め、一緒に形にしていける繋がりを築きたい」と、実用化への強い意欲を示した。 伝統ある富山のチューリップが、科学の力で新しい美の形へと生まれ変わろうとしている。 アカデミックフォーラムの様子
- 問◆コミュニケーションを円滑にするための技能や態度【国試探検隊】
問80 コミュニケーションを円滑にするため取り入れる傾聴の技能や態度として、適切なのはどれか。1つ選べ。 ❶ ブロッキング ❷ ミラーリング ❸ エンコーディング ❹ パターナリズム ❺ デコーディング (第110回薬剤師国家試験より) *** 蔵之介です。必須問題からコミュニケーションに関する設問です。コミュニケーション能力は、医療者の基本的なスキル。ブロッキングは、思い込みや説得したい気持ちが邪魔して、患者さんの話をそのまま傾聴できない状態。『禁煙し ましょう ! 』『運動し ましょう ! 』を連呼する「 魔性の女 」が有名です。ミラーリングは、相手の言葉や仕草などを鏡のように真似ること。相手と同じタイミングで笑う「身体的共感」は、相手に親近感や好意を抱かせる心理的効果があります【正解は2】。エンコーディング(データを他の形式へ変換する:符号化)とデコーディング(データを元の形式へ戻す:復号)は、情報の送り手と受け手のプロセスです。例えば、会話中に患者さんが視線をそらせる(エンコーディング)、それを医療者は拒否の感情があるのではと読み解く(デコーディング)などがあります。医療におけるパターナリズム(父権主義)は、医師が患者さんの意志を無視して、患者の利益を考慮した行動を取ることを指します。ラテン語のパテル(父)から来た言葉で、対比語はインフォームド・コンセント〔説明と同意:拒否も含む〕になります。 映画『ブレードランナー』は、放射能で汚染された酸性雨が降りしきる、陰鬱で猥雑なディストピアが舞台。レプリカントと呼ばれる人造人間と地球へ脱走した彼らを処分する専任捜査官(ブレードランナー)が登場します。人間とレプリカントの識別は、質問に対する感情の変化(虹彩の僅かな動き)で判断します。ならば「感情」とは何か?1990年代、イタリア・パルマ大学のジャコモ・リゾラッティらは、サルを使った実験で偶然「ミラーニューロン」を発見しました。他人がしていることを見て、自分が行動しているかのような反応を示す脳神経細胞の存在は、DNAの発見に匹敵する大発見といわれます。無表情に見える「能面」で奥深い感情を表現する日本の古典芸能『能』には、心という字がありません。世阿弥は、『心より出でて、形に入り、形より出でて、心に入る』という言葉を残しました。形に魂が宿るという意味ですが、ミラーニューロンに通じるのかもしれません。 出題予想 オープンクエスチョン、ラポール、アサーション、コーチングなど ■解説 蔵之介(アポクリート株式会社)
- 岡山大発ベンチャー「健康科学評価アカデミー」が松本ヘルス・ラボと連携 地域密着型の臨床研究体制を構築
左から、濱野裕章氏、臥雲義尚氏 岡山大学発ベンチャーの株式会社健康科学評価アカデミーは2026年1月8日、一般財団法人松本ヘルス・ラボと「食品等の臨床研究実施支援に関する連携協定」を締結した。健康科学評価アカデミーは、松本地域の実証フィールドを活用し、科学的根拠(エビデンス)に基づいたヘルスケア開発と地域の健康増進を両立させる新たなモデルの構築を目指す。 薬剤師が代表を務めるベンチャー 健康科学評価アカデミーは、2026年1月5日に設立されたばかりの岡山大学発ベンチャーである。代表取締役には、岡山大学学術研究院 医療開発領域 薬剤部の講師・副部長を務める濱野裕章氏が就任した。 同社は、研究力やデータ解析力、および薬学部のネットワークを背景として、健康食品やサプリメントの臨床試験受託事業を展開。同連携においては、研究計画の策定から倫理審査への対応、統計解析、モニタリングといった臨床研究の全体統括を担う。 地域住民の参加によるエビデンス構築 今回の連携では、松本ヘルス・ラボが有する地域の実証フィールドと、健康科学評価アカデミーの専門性を組み合わせる。 松本ヘルス・ラボが被験者の募集や会場運営、検体の取り扱いといったフィールド業務を担当し、健康科学評価アカデミーがそれらを科学的に管理・解析する体制を敷く。単なる研究の委託・受託の関係ではなく、住民が研究に参加することで自身の健康状態を知り、行動変容につなげる「地域密着型」の取り組みであることが大きな特徴だ。 他地域への展開を見据えたモデルケースへ 1月8日に松本市役所で行われた締結式で、濱野氏は「大学発ベンチャーとして、本協定を基に地域の未病・予防医療の確立に貢献し、本事業をモデルケースとして他地域にも展開していきたい」と述べた。 また、松本ヘルス・ラボの臥雲義尚理事長(現・松本市長)は、同ラボの10年間の取り組みが大学発ベンチャーとの連携に繋がったことを歓迎し、さらなる健康増進への寄与に期待を寄せた。
- 【学生対象】将来の選択肢に「滋賀の製薬」を! 2月16日に企業紹介フェアを開催
滋賀県製薬工業協同組合と一般社団法人滋賀県薬業協会は、2026年2月16日(月)に草津市のクサツエストピアホテルにて、学生を対象とした「『滋賀のくすり』製薬企業紹介フェア」を開催する。 全国8位の「薬業県・滋賀」で働く魅力を発信 滋賀県は古くから医薬品産業が盛んな地域である 。令和5年の医薬品生産金額は約5,691億円に達し、全国シェアの5.7%を占め、都道府県別順位で全国8位を誇る地場産業だ。同イベントは、滋賀の製薬業に興味を持つ学生に、将来の選択肢の一つとしてその魅力を直接伝えることを目的としている。 企業の「生の声」と充実の参加特典 当日は、県内の製薬企業の担当者から直接、企業の概要や仕事の内容を聞くことができる個別相談ブースが設けられる。主な特徴と特典は以下の通りである。 学部・学年不問 :滋賀の製薬業に関心があれば、専門を問わず誰でも参加できる。 実利的な情報提供 :企業の紹介だけでなく、自治体による奨学金支援や就業に係る助成制度の情報も提供される予定だ。 ティータイムでの交流 :会場ではホテル特製のスイーツとドリンクが用意され、14時30分からは「コーヒーブレイク」の時間も設定されている。 参加特典 :参加費は無料で、来場者には「滋賀のくすり」特製グッズがプレゼントされる。 開催概要と申し込み方法 同イベントは先着50名の事前登録制となっている。 日時 :2026年2月16日(月)13:00~17:00(最終受付16:30) 会場 :クサツエストピアホテル 瑞祥の間(草津駅から徒歩3分) 服装 : 普段着での参加が推奨されている 申込締切 :2026年2月12日(水) 申し込み方法 オンライン申込 : 参加申込フォーム(Google フォーム)
- 薬局の倒産が過去最多の38件、小規模店の淘汰加速 東京商工リサーチが2025年動向を発表
2026年1月11日、東京商工リサーチは2025年(1月〜12月)の「調剤薬局」倒産動向に関する調査結果を公表した。これによると、同年の倒産件数は前年比35.7%増の38件に達し、2年連続で過去最多を更新した。 負債1億円未満の「小規模倒産」が全体の約8割 同社の分析によれば、倒産件数が最多となった一方で、負債総額は44億8,400万円(前年比68.3%減)と大幅に減少した。これは、負債10億円以上の大型倒産が前年の3件から1件にとどまった一方で、負債1億円未満の小規模な倒産が29件(構成比76.3%)と大幅に増加したためである。 原因別では「販売不振」が25件(前年比127.2%増)と最多で、前年の11件から2倍以上に急増した。資本金別でも「500万円未満」の企業が半数以上を占めており、経営基盤の脆弱な小規模店が市場環境の変化に耐えきれず、約9割が「破産」を選択する事態となっている。 大手の再編攻勢と深刻な薬剤師不足 業界の背景について同社は、大手を中心とした再編の動きを主な要因に挙げる。2025年8月にアインホールディングスが「さくら薬局」の経営会社を買収したほか、ドラッグストアチェーンも調剤併設店舗を強化。資金力とスケールメリットで優位に立つ大手と、独立系の小規模企業との格差が拡大している。 また、同社は深刻な薬剤師不足の影響についても言及している。大手が賃金引き上げなどの待遇改善で薬剤師の囲い込みを進める一方、そのしわ寄せが中小・独立系薬局を直撃。人手確保が困難な事業環境が、経営破綻の大きな要因となっていると分析する。 2026年度調剤報酬改定が「転換点」に 今後の見通しについて同社は、2026年度の調剤報酬改定がさらなる淘汰の波を呼ぶと予測している。改定では「門前薬局」のあり方や地域偏在の解消が焦点となっており、今後は小規模薬局の乱立が抑制される可能性があるという。 同社は、大手が再編で攻勢を強めるなか、地理的・歴史的な好条件に依存してきた独立系の小規模店舗ほど、ビジネスモデルの変化を迫られる局面を迎えていると結論付けている。
- キャリアの正念場で訪れる「サイレント退職」の衝撃―ユニ・チャーム、「女性の多様な働き方に関する調査」から
働く女性がキャリア形成の「上り坂」に差し掛かる時期、誰にも相談できぬまま職場を去る。そんな深刻な実態が明らかになった。 ユニ・チャーム株式会社は、2026年1月21日、働く女性のライフイベントとキャリアに関する調査結果を発表した。そこで浮き彫りになったのは、妊活や出産・育児への不安を抱えながら、組織にSOSを出せずに離職する「サイレント退職」という現代特有の課題だ。 退職検討の平均は「29.6歳」―キャリア形成期と重なる実態 今回の調査で最も注目すべきは、女性たちが退職を意識する「年齢」である。 調査の結果、退職または退職を検討した平均年齢は29.6歳であった。年齢層別で見ると、25歳〜29歳が37.5%と最も多く、次いで30歳〜34歳が30.8%と続く。 この時期は、入社数年を経て責任ある業務を任され始めたり、専門スキルの習得が加速したりする、いわばキャリア形成の黄金期だ。その一方で、結婚や妊活といったライフイベントが現実味を帯びる時期でもある。この二つが衝突した際、多くの女性が将来への不安を解消できず、組織から離れる決断を下している。 Q.退職・転職をした、または検討した際の年齢(n=324) 4人に3人が「誰にも言わずに」去っていく現実 調査によれば、ライフイベントとキャリアの両立に悩み退職・転職した女性のうち、実に72.1%が上司や人事に十分な相談をしていなかった。 Q.退職・転職をした際、ライフイベントとキャリアプランの悩みを上司や人事に相談できましたか?(n=251) なぜ、彼女たちは口を閉ざすのか。相談できなかった理由の第1位は「上司には言いづらいと感じた(50.3%)」。次いで「キャリアに悪影響があると思った(27.1%)」と続く。職場の空気や、制度以前の「心理的安全性の欠如」が、優秀な人材を流出させる防波堤を崩している形だ。 さらに見過ごせないのは、退職を検討した平均年齢が29.6歳という点である。30歳前後という、現場で中核を担い始める時期の層が、将来への不安からキャリアを断念している現状は、社会全体にとっても大きな損失といえる。 Q.社内の人に相談できなかった理由を教えてください。(複数回答・n=181) 「無知」が招くキャリアの分断 離職の根本的な要因として挙げられたのは、具体的な「知識」と「モデル」の欠如だ。 キャリア設計の考え方や事例を知らなかった(42.0%) 両立する方法を知らなかった(41.4%) 身近にロールモデルがいなかった(34.3%) Q.退職・転職をした主な理由を教えてください(複数回答・n=181) こうした「知らない」という不安が、離職という決断を後押ししている。しかし、退職・転職を検討した女性の71.5%が「研修などがあれば判断は変わっていた」と回答しており、組織が正しい情報を提供し、対話の土壌を整えることの重要性が示唆された。 Q.退職、または退職を検討した際の具体的なエピソードとは 組織全体でアップデートする「みんなの妊活研修」 この課題に対し、同社が展開するのが「ソフィ 知ることから、はじめる。みんなの妊活研修」だ。 同研修の特徴は、当事者だけでなく、性別や年齢を問わず組織全体で学ぶ点にある。妊活に関する正しい知識を共有することで、個人の抱える悩みを「組織の課題」として昇華させ、互いに理解し合える文化を醸成する。 薬学生へのアドバイス―専門知識を「自分の人生」の守り神に これから医療の担い手として社会に出る薬学生にとって、この調査結果は決して他人事ではない。国家試験に向けた膨大な知識の習得に追われる日々かもしれないが、以下の3点を意識してみてほしい。 「知識」は自分を守る武器になる 薬学のプロとして薬理や疾患を学ぶのと同時に、自分自身の「リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)」についても主体的に学んでほしい。正しい知識があれば、不必要な不安に振り回されず、キャリアの選択肢を広げることができる。 就職先選びの「新基準」を持つ 給与や立地だけでなく「その職場にロールモデルはいるか」「ライフイベントに対する相互理解の文化(研修の有無など)があるか」をチェックしてほしい。29.6歳というキャリアの分岐点は、薬剤師としても認定取得や管理職への昇進が重なる時期だ。 「相談」という技術を磨く 「サイレント退職」を防ぐには、組織の改善も必要だが、個人が早い段階で周囲に相談する勇気とスキルも重要だ。実習などを通じ、指導薬剤師や多職種と「言いづらいこと」をどう対話するか、そのコミュニケーション能力も今のうちに養ってほしい。 専門職である薬剤師だからこそ、知識を患者のためだけでなく、自分自身の豊かな人生とキャリアを両立させるために活用してほしい。
- 「相談してよかった」のために、ドラッグストアが挑むフェムケア
初鹿妙子氏 女性の月経や更年期など生涯にわたる健康課題に取り組む「フェムケア」への社会的な関心が高まる一方で、その認知度は依然低く、相談がタブー視される現状がある。マツキヨココカラ&カンパニーは、この課題解決に貢献すべく、ドラッグストアを「最も身近な相談窓口」へと進化させる取り組みを推進中である。その実現に向け、同社は店頭での購買ハードルを下げるPB商品の開発と並行し、「フェムケアスペシャリスト」の育成に注力している。これらの取り組みの現状と、薬剤師に求められる役割について、マツキヨココカラ&カンパニーグループ・株式会社MCCマネジメント管理本部人材開発部長の初鹿妙子氏(薬剤師)に話を聞いた。 ●相談タブーを打ち破る 「フェムケア」とは、女性(Female)とケア(Care)を組み合わせた造語であり、女性の月経、更年期、妊娠・出産、デリケートゾーン、妊活の悩みなど、生涯にわたる多様な健康課題への取り組み全体を指す。これは単なる個人の問題ではなく、女性が自分らしく活躍するためのサポートとして、近年社会的な注目を集めている。特に、国が女性の社会進出に伴う労働損失の問題を提言し始めた2010年代後半以降、テクノロジーを活用したフェムテック(FemTech)と並行して認知が広がった。決定的な動きとなったのは、経済産業省が女性の健康課題による労働損失を公式に数値として発表した2021年である。この試算が公になったことで、フェムケアが個人の問題ではなく、社会全体で取り組むべき経済課題として認識されるようになった。 しかし、同社の調査では「フェムケア」の認知者は約2割にとどまっており、また、女性が健康の悩みを抱え込む「相談タブー視される風潮」が根強い。初鹿氏は、「体調的な不安がない日が月に約10日しかない」という女性が一定数いる現状を指摘。症状を「マイナスからゼロに戻す」従来のアイテムではなく、「使用することで笑顔になれるプラスの体験を提供する」商品と、誰もが当たり前に相談できる社会風土の醸成が、事業注力の強い動機となったと語る。 ●「恥ずかしさ」を消すPB開発とスペシャリスト育成 同社は、フェムケアの取り組みとして、プライベートブランド商品「matsukiyo FEMRISA(以下、フェムリサ)」の開発と、専門人材である「フェムケアスペシャリスト」の育成を同時に推進している。 2024年10月に発売されたフェムリサは、この取り組みを象徴する存在だ。初鹿氏は、「デリケートゾーンケア用品は、インターネットでは買うものの、店頭で買うのが恥ずかしいと感じる女性が多い」と分析する。そのため、「普通にカゴに入れても、まるで洗顔フォームや化粧水を買っているかのように特別なものに見えないシンプルでナチュラルなデザイン」を意図的に採用したという。 このプライバシーへの配慮が、顧客からの大きな支持と、予想を上回る店頭での購買につながっている。初鹿氏は、日本チェーンドラッグストア協会主催のJAPANドラッグストアショーでのエピソードとして、「お客様が『マツキヨでもこういう商品出してるんだ、マツキヨってだけで安心感あるよね』と多くの声をいただいた」と紹介。「身近なお店で商品が並んでいる安心感は大きい」とし、マツキヨココカラのブランド力が購買行動を後押ししていることを語った。フェムリサは、「誰にも気づかれずに買える」という安心感を提供することで、店頭での購買というハードルを下げたのだ。 フェムリサは、女性特有の悩みに寄り添うフェムケア特化のブランドで、「FEM(女性)」と「RISA(笑う)」を掛け合わせた「女性の気持ちを高め笑顔にする」という意味合いが込められている。 商品と共に重要視しているのが、顧客の相談に寄り添う「人」、すなわち専門人材の育成だ。同社は、この専門家として「フェムケアスペシャリスト」を社内認定している。このスペシャリストは、薬剤師、医薬品登録販売者、管理栄養士など、社内の全資格者から選抜されたメンバーで構成され、女性のライフステージ全般にわたる健康課題への適切な対応を目指す。現状(2025年10月時点)の認定者数は約40人であり、そのうち男性は1人である。初鹿氏は、「フェムケアスペシャリストは、男性だからとか女性だからとか関係なく、みんなが持つべき知識として育成している」と、性差なく専門家として向き合う姿勢の重要性を強調する。今後も毎年一定数の認定者を輩出する予定だ。 育成においては、日本フェムテック協会の「フェムテックエキスパート(2級)」認定試験合格を必須とし、妊娠、出産、月経、更年期といった女性の健康課題全般を網羅的に学ばせることとしている。初鹿氏もこの研修と試験を実際に受けたが、「薬学的知識がある薬剤師でも、理学療法や医学分野の話もあり、かなり本格的で難しい内容だった」と振り返る。 知識習得に加え、社内ではフェムケアの相談応対ワークショップが実施され、ケーススタディーを通じて実践的なスキルを習得させている。知識を得ただけではなく、相談応需のワークショップまで受け終わったメンバーを社内認定しているのだ。 このスペシャリストは、顧客からの相談を受けるだけでなく、「スペシャリストに活動を限定するのではなく、全社の協力体制を築き、対応力の底上げを図る必要がある」という考えのもと、その知識を生かして従業員への教育や、社外の健康セミナーでの情報発信も担うことで、社内全体のレベルアップを目指す中心的な役割を担っているのである。 フェムリサの発売に合わせて、フェムケアに関する専門的な知識を持つ人材「フェムケアスペシャリスト」を育成している(JAPANドラッグストアショーにて)。 ●痛みは「見える」か?:経験と知識で寄り添うアドバイスの基準 薬剤師、医薬品登録販売者は、顧客の具体的な相談内容に応じて、商品の提案だけでなく、受診勧奨までを行う。初鹿氏は、相談応対の難しさについて、「例えばデリケートゾーンの痒みであっても、OTC医薬品で対処できる単純な炎症なのか、カンジダ菌などによる感染症が原因なのか、詳しく話を聞かなければ原因は推定できない」と指摘する。カンジダ症が原因の場合、OTC医薬品を塗っても症状は改善せず、病院での専門的な治療が必要となるため、詳細な聞き取りが必須となる。 また、更年期症状においても同様である。顧客が「ホルモンバランスの乱れを整える薬」を求めて来店した場合でも、そのOTC医薬品が本当に症状に合致しているとは限らない。そのため、「今最もつらい症状」が何であるかを詳しく聞き取ることが重要となる。聞き取りの結果、OTC医薬品ではなく、更年期障害のガイドラインなどで選択肢として示されることもあるサプリメントによる対応が適切であったり、あるいは専門医によるホルモン補充療法(HRT)といった治療の方が、症状をより早く、圧倒的に楽に改善できるケースも存在する。 初鹿氏は、「生活習慣病のように、この基準値を超えたらという明確な線引きができないこの分野では、聞き取りによる事例の積み上げと判断が重要になる」と強調する。そのため、研修では、声のかけ方や、どういった場合に受診勧奨を行うべきかの事例をしっかり伝えているという。 ●性差・経験を超えた「寄り添い」の必要性 初鹿氏は、JAPANドラッグストアショーで実施した「生理痛の痛み体験」のエピソードを披露した。おなかに電極を貼って生理痛の痛みを再現するこの体験において、男性スタッフが「強」レベルの痛みを体験したところ、「もう無理!」と即座に中止するほどの激痛であったという。この体験から得られた教訓として、生理痛が男性には耐えがたいほどの痛みであること、そして痛みには極めて個人差が大きいため、女性であっても自分が経験していない他者のつらさは「机上の知識」でしかないことを挙げた。初鹿氏は、この事実を踏まえ、性差や個人の経験に関係なく、専門家として全ての患者に向き合い、そのつらさに寄り添うべきだと強調した。 さらに、自身の更年期症状の経験についても言及し、ホットフラッシュのつらさを初めて体験した際、「あの時、患者様にこの状態まで踏み込んでお話ができていたかと思うと、全然できていなかった」と反省したことを明かした。「経験していないことでも、しっかりと寄り添い、話を聞いて差し上げることが、薬剤師にはできなければならない」と、傾聴の重要性をあらためて強調した。 ●「知識・傾聴力・人間力」:フェムケア時代の薬剤師に求められる三要素 現時点では、生理用品の売り場など人目のあるオープンな場所でフェムケアの相談に乗るには、顧客の「心のハードルが高すぎる」という課題がある。「商品が並んでいたら、ちょっと行きづらい。そこにいることを他の人に見られるのが嫌だというお客様が多いのが現状だ」という。このため、同社は、鎮痛薬を買いに来た顧客に対し、薬剤師から「このお薬で効果は出ていますか?」など、一歩踏み込んだ声かけを行うことで、相談に繋がる機会を増やそうと努めているという。初鹿氏は、「『何に使われますか?』という確認だけで済ませるのではなく、正しい知識でもう一歩踏み込んで声をかけられるかどうか。そこは、配慮も含めてやっていかなければならない」と、店舗での工夫の必要性を説いた。 フェムケアにおいて、薬剤師は以下の3つの要素を磨くことが求められると初鹿氏は訴える。 知識:女性のライフステージにおける変化や未病対策について、男女問わず正しく理解し、治療から予防まで幅広く対応できる知識を持つこと。 傾聴力:相談しにくい悩みをしっかりと寄り添って聞く力。 人間力:初対面で「この人になら話せるかも」と安心感を持ってもらえるような人間性を磨くこと。 また、男性スタッフにおいても「自分事ではない」と避けず、医療人として積極的に知識を習得し、患者や顧客と向き合えるよう育成を続けているとあらためて強調した。 ●「相談してよかった」のために 初鹿氏は、未来の薬剤師である薬学生たちに強いメッセージを送る。「薬剤師は『一番身近な医療人』。お客様や患者様に、『相談してよかった』と思ってもらえるだけの知識とスキルをぜひ身につけてほしい」と、身近な医療人としての自覚を促す。 また、「学生の段階から、家族や友人など身近な人に対し、健康に関する正しい知識や考え方を積極的に共有し、リテラシー向上に貢献してほしい。それが将来の社会的役割につながる」と、若いうちからの啓発活動の重要性を訴えた。 フェムケア推進の最大の課題は、顧客の「心のハードル」である。「これを相談していいのかな?」という不安から、なかなか相談に踏み切れないのが現状だ。初鹿氏は、「このハードルを下げ、誰かの笑顔のために寄り添える社会を実現するためにも、スペシャリストによる啓発活動や、商品開発を通じた情報発信を、今後も粘り強く続けていきたい」と、強い決意を述べた。 同社の取り組みは、ドラッグストアの機能が、単なる商品販売の場から、「最も身近な健康の相談窓口」へと進化を遂げる、その転換期を象徴していると言えるだろう。
- 日本の創薬に「エンジン」を。産官連携の新機軸「AND-E(あんでぃ)」が導く革新的新薬への道
左から、上野裕明氏(AMED理事長特任補佐・参事役)、中釜斉氏(AMED理事長)、宮柱明日香氏(日本製薬工業協会会長)、木下賢志氏(日本製薬工業協会理事長) 2026年1月19日、日本の創薬の未来を左右する大きな一歩が記された。日本医療研究開発機構(AMED)本部で開催された、日本製薬工業協会(製薬協)との共同記者説明会だ。 そこで発表されたのは、産官の知見を融合させ、アカデミアの「原石」を革新的新薬へと磨き上げる新プロジェクト、その名も「AND-E(あんでぃ)」である。 克服すべき「魔の川」:分断されたバリューチェーン 日本の創薬シーンにおいて、長年の課題となっているのが「魔の川」だ。これは、大学などのアカデミアが生み出した優れた基礎研究(発見・発明)が、実際の薬の開発へと繋がらない深い溝を指す。 AMED理事長の中釜斉氏は、この現状に対し「AMEDの研究開発支援において、各省庁に紐づく施策・事業の間に壁が存在するという指摘を真摯に受け止める必要がある」と断言した。これまでは各省庁の「縦割り」により、基礎研究から臨床試験へと至る「バリューチェーン」が寸断されていたのである。 従来、AMEDは主に「基礎研究」に予算を出し、企業は「臨床試験」以降を担うという役割分担が一般的だった。この間を繋ぐ「目利き」や「磨き上げ」の機能が不在だったことが、多くの優れた研究を「魔の川」に沈ませる要因となっていた。 「外部サポート」から「真の共創」へ:質を変える連携 これまでも、製薬協はAMEDの活動に対して人的・知的なサポートを行ってきた。具体的には、研究課題の採択審査や評価への企業の専門家派遣、アカデミアのシーズ(種)に対する実用化観点からのアドバイザー派遣、あるいは特定の研究テーマにおける官民共同コンソーシアムへの参画といった関わりが主軸であり、これらの連携はあくまで「外部からの限定的な支援」に留まっていた。 対して「AND-E」では、製薬企業のプロフェッショナルがAMEDに「出向」という形で深く入り込む。製薬協会長の宮柱明日香氏は、これを従来の協力レベルを超えた「真の共創(Co-creation)」と表現する。産業界の「出口(実用化)」のノウハウを、AMEDが支援する「原石」に掛け合わせ、実用化を劇的に加速させる狙いだ。 新型コロナワクチンの教訓:複眼的な「出口目線」 AMED理事長特任補佐に就任した上野裕明氏は、「単独の発明、発見だけでは、本当に革新的な新薬につなぐことがますます難しくなっている」と警鐘を鳴らす。 上野氏は新型コロナのmRNAワクチンを例に挙げ、「不安定なmRNAをいかに持続させ、標的細胞に届けるか。複数の発明が組み合わさって初めて、世界的な実用化に至った」と指摘した。一つの優れた発見を薬にするには、標的、モダリティ、適応症を「出口」から逆算して組み合わせる企業的な視点が不可欠だ。これまでの「点」のサポートでは届かなかったこの「出口目線」を、企業人が内部から直接注入することで、日本の創薬を抜本的に変えていく。 司令塔・上野裕明氏への期待 プロジェクトの舵取りを担う上野氏は、田辺三菱製薬の代表や製薬協の会長を歴任した、経営と現場の両方を知る人物だ。上野氏の抜擢は、日本を「創薬の地」へと再生させるための切り札といえる。宮柱会長は、「2025年度は日本の創薬エコシステム元年。今こそ真の共創により、実用化を加速させる好機だ」と、強い決意を語った。 二段階で進む活動計画 今後の活動は以下のに段階で進められる。第一段階として、企業経験人材が企業的視点でAMEDの膨大な課題を見渡し、「創薬につながりそうな課題」を選定してバリューチェーンの基盤を作る。続く第二段階では、選出した課題を起点に具体的な創薬研究計画を立案・実行し、企業的なスピード感で「薬」の形へと近づけていく。 今回の取り組みが「魔の川」を飛び越え、革新的な新薬を一日も早く患者のもとへ届ける原動力となることに期待したい。
- アスリートの不安を安心へ。花王「学校のロリエ」と大学スポーツ協会が開く大学スポーツの新時代
日本の大学スポーツ界に、新たな「安心」のインフラが加わる。花王株式会社の生理用品ブランド「ロリエ」が推進するナプキン備品化プロジェクト『学校のロリエ』は、一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)とパートナーシップ契約を締結した。2025年12月のプレ運用を経て、2026年より本格的なサポートを開始する。 今回の提携は、単なる企業のスポンサーシップに留まらない。競技現場における「生理」という切実な課題に対し、具体的なソリューションを提示する画期的な試みである。 競技に集中できる環境を。「トイレにナプキン」が常識に アスリートにとって、突然の生理はパフォーマンスを左右する大きな不安要素だ。「交換する時間がない」「予備を持っていない」といった状況は、集中力を削ぐだけでなく、心理的なストレスにも直結する。 今回の提携により、大学スポーツの大会会場内のトイレに『学校のロリエ』が設置される。トイレットペーパーと同じように、必要な時にすぐナプキンを手に取れる環境を整備することで、選手たちが競技そのものに100パーセント打ち込める一助となることを目指している。 2026年、大学スポーツから全国のキャンパスへ プロジェクトの展望は、試合会場だけに留まらない。UNIVASとの連携を通じて、以下の取り組みを加速させる。 大会会場への設置: アスリートがベストパフォーマンスを発揮できる環境づくりを直接支援。 加盟大学への展開: UNIVASに加盟する全国の大学に対し、『学校のロリエ』の導入を提案。 学生生活の質(QOL)向上: 運動部に所属する学生だけでなく、大学に関わる全ての学生の「生理にまつわる困りごと」の解決を図る。 すでに2025年12月に開催されたバレーボール大会では試験運用が実施されており、本格始動に向けた準備は整っている。 社会を変える「備品化」の潮流 同社が2022年に日本で初めて開始したこの「ナプキンの備品化プロジェクト」は、今や社会全体に大きなうねりを起こしている。 オフィスや工場、建設現場などを対象とした『職場のロリエ』は、2025年11月末時点で導入企業数550社を突破。今回のUNIVASとの提携により、その輪が「教育・スポーツ」の現場へと力強く拡大した。生理用品を「個人の持ち物」から「施設の備品」へと変えるこの取り組みは、日本の学校環境をより健やかで安心できる場所へとアップデートしていく。 ◆『職場のロリエ』・『学校のロリエ』ページWebサイト https://www.kao.co.jp/laurier/project/shokuba/?cid=laurier_prtimes260120











