【城西大学薬学部】ウェルネスフードジャパン2025への初出展で、企業への科学的エビデンス提供を強化
- toso132
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城西大学薬学部は、2025年11月26日(水)から28日(金)まで東京ビッグサイトで開催された日本最大級の健康関連展示会「ウェルネスフードジャパン2025」に出展した。この出展は、大学が保有する高度な研究知見と分析機器を社会に開放し、企業との共同研究や製品開発を促進するという、新たな産学連携強化の取り組みである。
薬学の「科学的エビデンス」で機能性食品開発を支援
会場では、薬学部の3学科(薬学科・薬科学科・医療栄養学科)が連携し、創薬支援から機能性食品の研究、品質評価に至るまで、大学の強みである「科学的エビデンス」に基づく研究事例が紹介された。
今回インタビューを実施したのは、肥満予防や生活習慣病対策に焦点を当てた機能性食品開発の研究である。薬学部薬科学科助教の矢島克彦氏(栄養生理学研究室)は、自身の研究テーマについて、「生活習慣病の起点とされる肥満を防ぐため、睡眠中の脂質代謝を高め、寝ている間に脂肪燃焼量を増やす機能性食品や栄養素の探索研究をメーンに進めている」と説明した。
「寝ている間に健康に」現代のニーズに応える研究
矢島氏の研究チームでは、含まれる脂質の脂肪酸比率を調整することで、食後の脂肪燃焼量が増大する効果を有する「太りにくいマフィン」などの菓子類を開発し、食べた後の脂肪燃焼量が高まる効果を実証している。これは、日常生活から離れたサプリメントではなく、マフィンやパン、アイスといった普段の食生活に溶け込む形態での食品介入を重視しており、商品化に直結しやすいアプローチである。
「現代の消費者は、忙しさから『寝ている間を有効活用したい』という意識が高く、寝ている間の脂肪燃焼を増やすといったコンセプトが市場で求められている」とのことであり、こうした企業のニーズに応えるため、食品大手企業との共同研究も積極的に展開しているという。
学生が研究の最前線で学ぶ「社会とつながる学び」

同展示会は、研究成果を社会に発信するだけでなく、学生にとっての「社会とつながる学び」の場としても機能した。白衣を着た学生らが来場者に対し、自身の研究内容を直接説明する姿が見られ、鈴木龍一郎氏(城西大学薬学部薬科学科主任教授)はこれを「アクティブラーニング」の実践であると語った。研究成果を外部に伝えることで、学生自身の理解度と社会性を深める教育的な狙いがある。
産学連携の強化が大学資源の有効活用に
城西大学薬学部がこのような産業展示会に出展するのは今回が初めてだが、今後は恒例化していく意向である。出展の目的は、機能性評価のフィールドや動物実験のノウハウを持たない企業に対し、大学の充実した分析機器や専門知識といった研究資源を開放し、共同研究や受託研究の窓口となることである。
この出展は、大学が持つリソースを社会貢献へと結びつけ、健康食品産業のさらなる発展に寄与する姿勢を示すものであった。企業側からも、機能性評価の依頼や素材提供に関する問い合わせが複数寄せられるなど、早くも産学マッチングの手応えを感じているという。






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