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  • 製薬産業の変革を通じた持続可能な医療モデルの構築を目指して

    日本製薬工業協会(製薬協)は2026年2月19日、会長の宮柱明日香氏による記者会見を開催した。就任から9カ月間の活動を総括するとともに、日本の創薬力強化と医療制度の持続可能性に向けた具体的な提言がなされた。 宮柱氏 「医療のトリレンマ」と薬価制度の抜本的課題 宮柱氏は、現在の日本が直面している困難な選択について、「医療のトリレンマ」という概念を用いて強い警鐘を鳴らした。これは「国民皆保険の維持」「高度な医療・薬剤の提供」「医療費抑制・負担軽減」という3つの要素が三つ巴の関係にあり、限られた資源の中で全てを同時に成立させることが極めて困難な状況を指している。 この課題に対し、日本がどの方向を選択するのかについての国民的な議論が不可欠であるとした。あわせて、現行の制度が薬価引き下げに偏っている現状を指摘し、特に革新的新薬の価値を正当に反映するための制度改善を訴えた。 その柱の一つとして掲げられたのが、「乖離率に依存しないシンプルな価格維持の仕組み」の構築である。現行制度では、市場での取引価格と公定薬価の差(乖離率)に基づき、たとえ特許期間中の新薬であっても改定のたびに薬価が引き下げられる。宮柱氏は、「流通段階の価格競争の結果である乖離率によって、創薬イノベーションの価値が損なわれる現状を是正すべきだ」と強く主張した。 具体的には、特許期間中の新薬については乖離率に左右されず、原則として価格を維持するルールへの転換を提唱している。これにより、市場での一時的な価格変動からイノベーションの評価を切り離し、投資回収の予見可能性を担保することで、日本市場の魅力を高め、ドラッグ・ロスの解消につなげる狙いだ。あわせて、革新的新薬の価値を正当に反映する算定ルール、および売上規模のみを基準とする合理性に乏しい再算定の見直しという計3点について、早急な制度改善が必要であると強く訴えた。 医療DXの主幹組織新設と「機運醸成」への挑戦 社会保障制度の持続可能性を高める鍵として、医療DXを通じた資源の効率化と最適配分が強調された。宮柱氏は、医療・介護、産業界、行政が縦割りを超えて連携し、全体最適の視点でDXを推進することが不可欠であるとしている。 この取り組みを加速させるため、製薬協に「医療DX推進主幹組織」を新設したことを明らかにした。本組織を中心に、各ステークホルダーと「医療・健康全体のDX価値定量化」に基づく議論と対話を深めていく方針だ。エビデンスに基づきDXがもたらす便益を可視化することで、社会全体の機運を醸成し、実装を加速させる。これにより、生み出されたリソースを最適配分し、日本型医療モデルの持続可能性を高めていく考えだ。 「博士人材の先細り」への危機感と次世代育成 日本の創薬力の源泉である「人」の基盤が、構造的な課題により深刻な危機に瀕している現状も詳述された。宮柱氏は、日本における理工系分野への進学者割合がOECD諸国に比べて低く、とりわけ女性の比率は最下位であるという報告を引用し、人材の裾野が十分に広がっていない現状を危惧した。 特に、医薬品産業は全産業の中で博士号取得者の割合が最も高く、高度な専門性が求められる。しかし、少子化に伴う将来的な「博士人材の先細り」は、創薬力の根幹を揺るがしかねない。この状況を打破するため、産業界として女子中高生のSTEM分野への進学を支援する「Girls Meet STEM」への参画や、科学技術館での実験ショー、大学での出張授業などを展開。多様な人材が科学の道を選べる土壌を整え、次世代の創薬を担う人材の裾野を広げる決意を示した。 「未来のあたりまえ」の創出 次世代への啓発活動の象徴的な取り組みとして、今年度は日本最大級のコピーライティング公募賞である「宣伝会議賞(中高生部門)」に初めて協賛した。全国の中高生から寄せられた多数の言葉の中から、製薬業界の革新性と使命を表現する言葉として「まだ見ぬ治療を、未来のあたりまえに。」を協賛企業賞に選出した。 宮柱氏は、このフレーズを未来の世代からの切実な期待として受け止め、創薬基盤の強化、国内製造力の強靱化、医療DXによる価値の再配分といった重点課題に対し、日本の成長を守る土台づくりとして全力で取り組む決意を語り、会見を締めくくった。

  • 大学生全体の約37%が奨学金を利用

    全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)は、最新の調査データに基づく『 大学進学ガイドブック』 を2026年3月1日に発行する。約2万9千人の保護者( 「2025年度保護者に聞く新入生調査」 )や学生を対象とした大規模な実態調査(「第61回学生生活実態調査」)により、物価高騰や教育のデジタル化が家計に与える影響が浮き彫りとなっている。 下宿生は平均201万円 調査によると、受験から入学、新生活準備までにかかる総額は、下宿生で平均201万1,400円、自宅生で平均147万600円であった。 特に進路や専攻による差が顕著であり、最も高額な「私立・医歯薬系・下宿生」では平均約259万7,900円に達している。また、一般受験生の約半数が、結果的に入学しなかった大学に対しても「入学金等の納付金」を支払っているという、併願戦略に伴う家計負担の重さも再確認された。 PC・教材費は20万円超 大学教育のICT化は一段と進み、約90%の学生が「パソコンやタブレットを持ち込まなければ受けられない授業がある」と回答している。これに伴い、パソコンを含む教科書・教材費は20万円を超える水準となっており、1人1台のデバイス所有が家計の必須支出として定着している。 下宿生の収支構造と生活の質 下宿生の月間の生活実態についても、厳しい現状が報告されている。 仕送り額: 約7万4,652円 支出合計: 約13万8,020円 この約6万円の差額を埋めるため、下宿生の約74%がアルバイトに従事し、不足分を奨学金で補っている。また、経済的な余裕のなさを反映してか、32.7%の学生が「朝食を欠食」しており、健康面や生活の質の維持が大きな課題となっている。 奨学金利用と支援の現状 経済的支援の必要性も高まっており、学生全体の約37%が奨学金を利用している。下宿生ではその割合は40%を超え、寮生では50%以上に達する。給付型と貸与型の併用も進んでいるが、卒業後の返済負担が社会的な議論の対象となっていることも、同ガイドブックは指摘している。 本冊子の概要 大学生協では、これらのデータをもとに「入学準備説明会」等を通じて新入生と保護者のサポートを行う。 書名: 2026大学進学ガイドブック 発行日: 2026年3月1日 配布先: 高校の進路指導室、PTA、塾・予備校など(※一般への直接注文販売はなし)

  • 薬学教育の新局面

    2026年2月16日に「第25回 新薬剤師養成問題懇談会」が開催された。同会議の資料に基づき、現在の薬学教育と薬剤師を取り巻く重要な動向について紹介する。 1.臨床実践能力の更なる向上を目指す「薬学実践実習」の導入 薬剤師としての臨床実践能力をより一層高めるため、実習制度に新たな枠組みが導入されようとしている。2023年12月に発出された「臨床における実務実習に関するガイドライン」に基づき、従来の22週間にわたる実務実習を完遂した後、学生の希望や各大学の教育資源に応じて、追加で8週間程度の「薬学実践実習」を選択で実施する仕組みの構築が進められている。 この実習は、病院や薬局といった医療現場での高度な学修だけでなく、医薬品企業や行政、あるいは海外研修など、薬剤師の多様な進路を見据えた実践的な能力を養うことを目的としている。実施にあたっては、病院薬剤師側から地域連携を学ぶ場としての期待が寄せられる一方で、実習費用の負担のあり方や、受け入れ側の体制整備、指導薬剤師を養成するためのワークショップの充実など、円滑な推進に向けた具体的な課題解決が現在進行形で議論されている。 2.薬学教育の質保証と定員抑制に向けた制度改革 社会ニーズの変化に伴い、薬学教育の「量」から「質」への転換が急務となっている。2025年度時点で国内の薬学部数は81学部に達し、薬剤師数も32.9万人を超えている。しかし、将来的な薬剤師の供給過剰予測(厚生労働省の需給推計など)を受け、今後は需給バランスを考慮して薬学部の新設や定員増を抑制する方針が、文部科学省の設置認可基準の改正等を通じてすでに制度化されている。 特に懸念されているのが、学生の学力動向である。薬学共用試験(CBT)の受験者数は2016年度をピークに減少傾向にあり、これは入学後に共用試験を受ける4年次まで到達できない学生が増えていることを示唆している。また、CBTの全国平均点はここ5年で約2点低下しており、基準点を大幅に下回る層が増えているというデータも報告された。こうした背景から、標準修業年限内での国家試験合格率や定員充足率が著しく低い大学への対応が、制度上の大きな焦点となっている。 3.成果重視へとシフトする薬学教育評価と質の向上 薬学教育の質を維持するための評価体制は、単なる知識の伝達から、教育成果(アウトカム)を重視する方向へ大きく舵を切っている。 2022年度改訂の「薬学教育モデル・コア・カリキュラム」では、臨床スキルの習得とともに「科学的探究心」の育成が強く打ち出された。これは、薬剤師が日進月歩の医療現場において、自らエビデンスを評価し、最適な薬物治療を提案できる能力を重視しているためである。教育評価の主眼も、学生が知識を暗記したかではなく、臨床現場で主体的に考え行動できる資質を備えたかという点に移っている。 また、大学評価においては、国家試験合格率という表面的な数字だけでなく、中途退学率や留年率を含めた「教育のプロセス」が厳しく問われるようになっている。定員割れが続く大学に対しては、文部科学省や関係団体から教育環境の維持に関する厳しい意見が出されており、質の伴わない教育機関への是正措置が検討されている。同時に、実務実習を支える指導薬剤師の資質向上も図られており、養成ワークショップの内容刷新を通じて、現場の教育機能を強化し、次世代を担う質の高い薬剤師の安定的な輩出を目指している。

  • 創薬イノベーション施設を舞台に高校生・大学生が多様なサイエンス研究を発表 湘南アイパークフェスタ2025

    5月24日、神奈川県藤沢市にある創薬イノベーションの開発拠点、湘南ヘルスイノベーションパーク(通称:湘南アイパーク)にて、「湘南アイパークフェスタ2025」が開催された。このイベントは一般市民に施設を開放して行われる“文化祭”と銘打たれて今年で3年目の恒例行事となっており、来場者は湘南アイパークに入居する製薬企業などの展示やワークショップ、ファミリー向けのアトラクションを楽しんだ。 高校生・大学生によるサイエンス研究発表会「集まれ未来の研究者!」 今年新たにフェスタの目玉企画として、理系の高校生・大学生による研究発表会「湘南アイパーク学生研究発表会~集まれ未来の研究者!」が開催された。創薬開発や健康づくりを研究する湘南アイパークの特性を活かし、発表テーマはライフサイエンスに限定された。公募で集まった多数の応募の中から選ばれた17組(高校生11組、大学生6組)が、会場内の特設ステージで研究成果を発表した。 発表形式は、8分間のプレゼンテーションと、それに続く4分間の質疑応答で行われる。湘南アイパーク内の企業に勤務する現役の研究者がアドバイザーとして参加し、学生たちの発表に対して専門的なコメントや質問を投げかけた。学生たちの中には将来、研究開発職を志望している方も見受けられ、「現役の研究者からの指摘で新たな気づきが得られた」といった前向きな感想が聞かれた。 現役研究者が未来の研究者にエール アドバイザーの一人は、発表会を総括して「学生相手という目線ではなく、同じ研究者としてコメントさせていただいた」と語り、研究の道へ足を踏み入れたばかりの学生たちへの期待をにじませた。 初めての試みとなった学生研究発表会は未来を担う若い研究者たちがその才能を発揮し、現役の研究者との交流を深める機会となった。 【発表タイトル 全17題】 ◎高校生 ・口腔再現モデルの考案と飴の溶け方についての実験的研究 ・薬の苦味を抑える方法 ―五感と心理的要因から― ・ローズマリー化粧水の効果について ・ワタシ、ホルモン操られてました!!~生理周期とメンタル集中力の関係を探る~ ・光が土壌細菌に与える影響とその応用 ・マウス脳由来の4因子導入 によるiN細胞作製 ・夏のアイスは危険!?アイスの細菌繁殖の差を徹底調査! ・手作りミネラルファンデーションの紫外線強度測定 ・形質転換レタスによるグリチルレチン酸大量生産の研究 ・「ホップサステナビリティサイクル」の確立 ・ニワトリES細胞の樹立を目指して ◎大学生・大学院生 ・小型双方向物質移動デバイスを用いる、微量食物アレルゲン検出法の確立 ・アルツハイマー病の克服に向けた新規アミロイドβ産生抑制薬の探索 ・食べ物の秘密を探る!塩・砂糖・油の実験から学んだ健康の大切さについて ・スフェロイド形成と分泌成分保持を両立するキトサン3D培養基材 ・鉄付加酵素Ferrochelatase共発現系を用いた P450stのコバルトイオン添加培養による金属導入の検討 ・生物時計関連タンパク質のオリゴマー構造に起因する機能解析 湘南アイパーク学生研究発表会~集まれ未来の発表者 主催:アイパークインスティチュート株式会社 湘南ヘルスイノベーションパーク (湘南アイパーク)

  • 大学生の約6割が花粉症を自覚。4割が「春の外出」を断念する実態が明らかに

    ロート製薬株式会社は、2026年の花粉シーズン本番を前に、全国の大学生500人を対象とした「花粉症に関する意識調査」を実施した。その結果、多くの大学生が症状に悩み、春の行動を制限されている実態が浮き彫りとなった(「ロート製薬調べ」)。 ■ 大学生の約6割が花粉症。その内訳は? 調査の結果、大学生の59.6%が花粉症の症状を感じていると回答した。その内訳を見ると、医師の診断を受けている学生(32.0%)に対し、「診断は受けていないが自覚している」学生が27.6%にのぼり、自覚症状がありながら受診に至っていない層が一定数存在することが分かる。 ■ 花粉症が大学生の「春の楽しみ」を阻害 春休みは、卒業旅行やテーマパークなど、大学生にとって貴重な外出機会が多い季節だ。しかし、今回の調査では花粉症がその行動に影を落としていることが判明した。 外出の断念: 38.4%の大学生が「症状を理由に春のおでかけをためらった」経験がある。 QOLの低下: 症状がある学生の83.2%が「花粉症がなければ、春のおでかけは楽しくなる」と回答。 自身の症状だけでなく、同行者の症状を気遣って外出を控えるケースも見られ、花粉症が若者のコミュニケーションや思い出作りに大きな影響を与えている。 ■ 5人に1人が「我慢」を選択 目のかゆみを自覚している大学生 (285人)を対象に対策状況を調査したところ、最も多かったのは「市販の目薬(清涼感があるタイプ)」で28.4%であった。次いで「市販の飲み薬」が25.3%、「病院で処方された飲み薬」が21.8%と続き、市販薬・処方薬を問わず薬による対処が主流となっている。 一方で注目すべきは、20.7%の学生が「対策はしていない(我慢している)」と回答している点だ。不快感を感じながらも約5人に1人が十分なケアを行わずに過ごしている実態があり、適切な対処法へのアクセスが依然として課題となっていることが浮き彫りとなった。 ■ 情報の送り手としての視点 薬学生の皆さんは、将来、患者さん一人ひとりのライフスタイルに寄り添うことが求められる。 今回の調査からは、大学生という若年層において「清涼感のある目薬」などのセルフケアが広く選ばれている一方で、依然として「我慢」を選んでしまう層がいることが浮き彫りになった。 ロート製薬では、こうした悩みに応えるべく「アルガード」ブランドを通じた製品展開や、ホームページでの情報発信を行っている。正確な知識が、いかに人々の「春の楽しみ」を守るか。この調査結果を一つのケーススタディとして、これからの学びに繋げてほしい。 【調査概要】 出典:ロート製薬調べ 調査対象:全国の大学生男女500人(2026年2月6日〜2月9日実施) 詳細情報: ロート製薬 アルガード サイト

  • 病院薬剤師の仕事が分かるキャリアアップコーナー開設@日本薬学会第146年会

    日本病院薬剤師会と日本薬科機器協会は共催で、3月27~29日に関西大学千里山キャンパスで開催される日本薬学会第146年会の会場内で、「薬学生のための病院薬剤師キャリアアップコーナー」を開設する。 キャリアアップコーナーでは全国から25の病院や団体が展示を行い、病院薬剤師の業務内容や、薬剤師の資質向上への取組み状況を説明することになっており、就活の情報収集に役立つ催しとなる。 薬学会年会において、昨年まで同様のコーナーを開設しており、薬学生からは学会参加の流れで就活対策ができる情報源として好評を博してきた。 参加費は無料で申込不要だが、入場するためには日本薬学会第146年会への参加登録が必要となる。 展示を行う病院・団体は日程により異なる。詳細は下記リンクからチラシの情報を参照のこと。 【詳細】  https://www.nyk.gr.jp/info-data/nyk-careerup.pdf 日時:2026年3月27日(金)、28日(土)、29日(日) 各日 9:30~17:30(※29日のみ9:30~15:10) 会場:関西大学千里山キャンパス(大阪府吹田市山手町3‐3‐35) 日本薬学会第146年会 併催展示会会場内 日本薬学会第146年会  https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/pharm146 【出展する病院・団体】 石川県庁/石川県病院薬剤師会 沖縄県病院薬剤師会/琉球大学病院 独立行政法人 国立病院機構(NHO) 独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) 亀田メディカルセンター 公益財団法人 日本精神科病院協会 一般社団法人三重県薬剤師会 地方独立行政法人 山形県・酒田市病院機構 日本海総合病院 茨城県/茨城県病院薬剤師会 山形大学医学部附属病院薬剤部 佐賀大学医学部附属病院 医療法人社団 成仁 大分大学医学部附属病院 公益社団法人 地域医療振興協会(JADECOM) 東京女子医科大学病院 一般社団法人大分県病院薬剤師会 日本赤十字社(日赤薬剤師会) 高知県病院薬剤師会 徳洲会グループ 岡山県庁/岡山県病院薬剤師会 社会福祉法人 恩賜財団 済生会(全国済生会病院薬剤師会) 一般社団法人千葉県病院薬剤師会 鳥取大学医学部附属病院 横浜市立大学附属病院/市民総合医療センター 独立行政法人 労働者健康安全機構(JOHAS)

  • マツキヨココカラ、デジタル調剤サービスを大幅拡充 オンライン診療から薬の受け取りまで、アプリで完結する新体制が始動

    株式会社マツキヨココカラ&カンパニーは、デジタル調剤サービス「マツキヨココカラMe」の機能を大幅に拡充した。2024年11月に開始した同サービスを第2段階へと進化させ、2026年1月下旬より、オンライン診療の予約から医薬品の配送・店舗受取までをシームレスにつなぐ新体制の運用を開始している。 今回の拡充により、公式アプリを通じて、医療機関の予約、オンライン診療、服薬指導、そして決済までをワンストップで行える環境が整った。 ■「マツキヨココカラMe」第2段階で導入された新機能 今回のアップデートでは、株式会社MG-DXが提供する「薬急便」プラットフォームと連携し、以下の3つの柱を中心とした機能が実装された。 オンライン診療連携機能 スマートフォンを通じて、提携医療機関の医師による診察を受けることが可能となった。仕事や育児で通院の時間が取れない層や、感染症対策として自宅受診を希望する受診者の利便性が向上した。 オンライン服薬指導機能 診察後、ビデオ通話機能等を用いて薬剤師から薬の説明を受けることが可能となった。自宅にいながら、プライバシーが確保された環境で専門的なアドバイスを受けられる点が特徴だ。 決済・お薬配送機能の拡充 診察から服薬指導にかかる費用の決済をアプリ内で完結できるようになった。処方された薬は、自宅など指定の場所への配送、または全国1,005店舗(2025年9月末時点)のグループ調剤薬局での受け取りを、患者のライフスタイルに合わせて選択可能となっている。 ■ 医療機関との連携と地域医療への貢献 1月末のアプリリニューアルより「調剤サービス」のアイコンが「薬局・診療」に変更 同社は、このサービスを通じて地域医療を支える医療機関との連携を強化している。症状が安定している慢性疾患患者に対し、医師の判断に基づき対面診療とオンライン診療を適切に組み合わせることで、患者の通院負担を軽減するとともに、医療機関の業務効率化にも寄与することを目指した取り組みだ。 ■ 今後の展望 同社は、デジタル技術を活用することで、患者一人ひとりの健康的な生活をサポートする「ヘルスケアパートナー」を目指している。今後も「価値を共創し分かち合う」という基本戦略のもと、より質の高いトータルヘルスケアサービスの提供に努める方針だ。

  • マツキヨラボのサプリメントバーが『Supup』へ刷新。2月26日よりオンラインで全国展開を開始

    マツキヨココカラ&カンパニーが展開する「matsukiyo LAB(マツキヨラボ)」のオーダーメイドサプリメントサービスが、2026年2月26日より新ブランド「Supup(サップアップ)」として生まれ変わる。これまで店舗限定だったこのサービスがオンラインへも拡大され、全国どこからでも自分専用のサプリメントが手に入るようになる。 ■サプリを「アップデート」する新体験 ブランド名の「Supup」は、Supplement(サプリメント)によって生活をUp(アップデート)するという思いを込めた造語だ。オレンジとグリーンを基調とした親しみやすいデザインへと刷新され、サプリメントを日常的に、かつ前向きに取り入れるライフスタイルを提案している。 ■驚異のパーソナライズ、管理栄養士監修の知見を結集 同サービスの最大の特徴は、管理栄養士の知見を詰め込んだ精密なカウンセリングにある。食生活や生活習慣に関する約10分の質問を通じて個々の健康状態を判定し、32種類の高品質なサプリメントから最適なメニューを算出する。その組み合わせは実に約400万通りにものぼり、一人ひとりの「今」に必要な栄養素をピンポイントで特定する。 さらに、1回分ずつ個包装された分包設計を採用しているため、複数のボトルを管理する手間がなく、外出先への持ち運びもスマートだ。飲み忘れを防ぎ、忙しい現代人の毎日に寄り添う形となっている。 ■「店舗」と「オンライン」のハイブリッド展開 今回のリブランディングにより、利用シーンに合わせた2つの窓口が用意された。 店舗(matsukiyo LAB)での利用は、全国33店舗に常駐する管理栄養士による対面カウンセリングが魅力だ。オリジナルのシートを用いて直接相談ができ、その場でオーダーメイドのサプリメントを受け取ることができる。店頭では最短1日分から購入可能だ。 対して、新たにスタートするオンラインでの利用は、スマートフォンやPCから全ての工程を完結できる。場所を選ばずカウンセリングを受け、注文した自分専用サプリが自宅に届く仕組みだ。オンラインストアでは最短1週間(7日分)からの注文に対応している。 店舗での利用イメージ ■1日約100円から。続けやすさを追求した価格設定 オーダーメイドでありながら、圧倒的なコストパフォーマンスを実現している点も見逃せない。 美容を意識したビタミンやプラセンタの組み合わせなら、目安として1日あたり約100円から利用できる。また、目の疲れや疲労感が気になる人向けのルテインや還元型コエンザイムQ10のセットは約200円、食生活が乱れがちな方向けのサラシアなどのセットは約150円と、ライフスタイルに合わせて無理なく継続できる価格設定となっている。 提供形態:オンライン・matsukiyo LAB店舗 実施店舗:全国33店舗のmatsukiyo LAB 【宮城県】仙台クリスロード店 【東京都】赤羽東口駅前店/蒲田駅東口店/篠崎駅前店/白河3丁目店/佃二丁目店/仲宿店 府中駅南口くるる店/町田東口店 【神奈川県】井土ヶ谷駅前店/上大岡店/相模大野ステーションスクエア店 【千葉県】市川駅南口店/柏駅西口店/新松戸駅前店/千葉富士見店/松戸西口駅前店/本八幡駅前店 妙典駅前店 【埼玉県】浦和高砂店/大宮駅前通り店/熊谷駅ビル店/ららぽーと新三郷店 【栃木県】宇都宮パセオ店 【新潟県】CoCoLo新潟店 【愛知県】アスティ一宮店/豊橋駅ビルカルミア店/名古屋金山駅前店 【大阪府】あべのキューズタウン店/ベルファ都島店 【兵庫県】つかしん店 【奈良県】パラディ学園前店 【岡山県】岡山駅B-1店 URL: https://www.matsukiyococokara-online.com/mkc/matsukiyolab/service/supplement.html

  • 一歩踏み出す勇気が、薬剤師としての未来を変える。湘南医療大学・第1期合格者が語る「がん治療薬学生エキスパート」への挑戦

    松永雅貴さん(左)と石坂芽生さん 薬剤師免許を取得する前から、専門性を磨く意義はどこにあるのか。日本臨床腫瘍薬学会が主催する「がん治療薬学生エキスパート」という新設された認定制度に、湘南医療大学薬学部の4年生、松永雅貴さんと石坂芽生(めい)さんが挑み、見事合格を果たした。「まだ学生だから」という殻を破り、未知の領域へ踏み出した二人が得た確かな手応えを紹介する。 プロの視点に触れる。大学の講義を超えた学びの価値 この制度の最大の魅力は、現場の第一線で活躍する専門薬剤師による講義を直接受けられることにある。石坂さんは「実際の現場で働く先生方の経験談を耳にできるのは、学生にとって非常に貴重な体験でした。がん領域の専門用語や薬の種類を臨床の視点から学べたことで、実習先で指導薬剤師の先生と対等に会話するための壁がぐんと低くなったと感じます」と、実習を見据えた手応えを語る。 また、松永さんも「大学の授業とは違う、現場ならではの鋭い視点を知ることで、がん治療に対する解像度が劇的に上がりました。単なる知識の暗記ではなく、治療全体の流れを具体的にイメージできるようになったことが最大の収穫です」と、教科書を超えた学びの深さを強調した。 忙しい学生生活との両立。仲間とつかんだ「自信」 CBTや定期試験、卒業研究の準備と、4年生の生活は多忙を極める。その中で14コマ以上の高度な講義を完走した経験は、それ自体が大きな財産となった。松永さんは「友達と一緒に勉強したことが、大きなアドバンテージだった」と振り返り、進捗を確認し合い、教え合う仲間がいたからこそ高いモチベーションを維持できたと話す。 この挑戦は、日々の大学の勉強にもポジティブな影響を与えている。石坂さんは「がん領域はCBTでも配点が高い。エキスパートの勉強を先に行っていたことで、大学の授業が始まったときには『あ、これはあの話だ!』と、より理解が深まる感覚がありました」と、知識が有機的に結びついた喜びを語ってくれた。 「挑戦した」という事実が、将来のキャリアを後押しする 二人はすでに、この合格をきっかけに将来のビジョンをより鮮明に描き始めている。松永さんは「がん領域に関わりたいという気持ちが確信に変わりました。就職活動においても、学生時代からこれだけ意欲的に学んできたんだという、自分だけの強いアピールポイントになります」と前を向く。 石坂さんも「どの道に進むにしても、がんの知識は不可欠。学生のうちに一歩踏み出したという成功体験が、これからの自分を支えてくれるはずです」と、挑戦によって得た精神的な成長を語った。 最初の一歩は、怖がらなくていい がん治療薬学生エキスパートについて、二人は「いきなりすべてを理解しようとせず、まずは抗がん剤の名前を覚えることから始めてみてください。名前が分かってくると、そこから治療の全体像へと知識が繋がっていきます」と、着実なステップの重要性を説く。 最後に、「自分にはまだ早い」と迷っている後輩へ向けてメッセージを送った。「4年生の今こそがベストタイミングです。難しそうに見えるかもしれませんが、挑戦して得られるのは知識だけではありません。やり抜いた後の自信、そして領域に対する恐怖心の払拭。これらは何物にも代えがたい価値があります。ぜひ、仲間と一緒に勇気を出して挑戦してみてください!」 【Column】がん治療薬学生エキスパートとは 一般社団法人 日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)が、将来のがん専門薬剤師の育成を目的に設立した認定制度。eラーニングによる高度な専門講義の受講と修了試験への合格が条件となる。 学習内容:がんの病態、各種がんの標準治療(レジメン)、抗がん剤の副作用マネジメント、緩和ケアなど、臨床に直結する専門知識を網羅的に学習する。 意義:学生のうちから高度ながん薬物療法に触れることで、臨床現場で即戦力となる基礎体力を養い、専門薬剤師を目指すキャリアパスの構築を強力に支援する制度である。

  • 生薬がつなぐ世界の輪:日本薬学生連盟、5カ国の留学生を招き漢方試飲会を開催

    2026年2月4日、新宿のフリースペースにて、日本薬学生連盟(APS-Japan)主催の交換留学プログラム「SEP(Student Exchange Program)」の一環として、漢方をテーマにした異文化交流イベントが開催された。冬の寒さを吹き飛ばすような、熱気あふれる会場の様子を報告する。 ■5カ国の留学生が集結、薬学生同士の真剣勝負 今回の企画には、オーストラリア、韓国、インドネシア、フィリピン、ベトナムの5カ国から5人の留学生が参加した。日本人学生と合わせて総勢18人の薬学生が集まり、テーブルを囲んで「生薬」という共通言語を通じた交流が行われた。 同イベントは、日本薬学生連盟で昭和薬科大学の金子園花さんが企画を担当した。彼女が所属する昭和薬科大学生薬部との合同企画として実現し、当日は生薬部による日頃の取り組みの紹介からスタートした。続いて参加者全員が自己紹介を行い、各国の飲み物文化について語り合うことで、会場の空気は一気に和やかなものとなった。 ■五感を研ぎ澄ます「漢方クイズ」の興奮 イベントの目玉は、生薬部が準備した本格的な漢方の飲み比べクイズである。参加者の前には生薬部が独自に調合した「葛根湯」と「大建中湯」の2種類が振る舞われた。留学生たちは慎重に色や香りを確かめ、何が入っているのかを当てるクイズに挑戦した。 さらに、市販されている「潤快茶」「活元茶」も用意され、手作りの漢方と市販品で香りや風味にどのような違いがあるのかを比較する貴重な体験も提供された。留学生にとって本格的な漢方の味は未知の体験であったが、薬学生らしい鋭い視点で分析を行い、活発なディスカッションが繰り広げられた。 ■「繋がり」が形作る国際交流の場 今回のイベントを成功に導いたのは、金子さんの「自身の部活動の専門性を国際交流に生かしたい」という思いと人脈である。 最初は緊張していた留学生と日本人学生も、試飲やクイズを通じて打ち解け、最後には大学や国籍の枠を越えた深い交流が生まれていた。単なる知識の習得に留まらない、薬学生ならではの専門性を軸にしたこの国際交流は、参加した学生たちにとって大きな刺激となったはずだ。

  • 熊本大学と総合メディカルグループ、医療人財育成で包括連携協定を締結 ― 地域医療モデルの全国発信へ

    左から、熊本大学学長 小川久雄氏、 総合メディカルグループ株式会社代表取締役 多田荘一郎氏 熊本大学と総合メディカルグループ株式会社は、医療人財の育成と役割の再定義を中核とした包括連携協定を締結した。大学の高度な知見と企業の現場実装力を融合させ、病院から在宅までを切れ目なくつなぐ「地域医療モデル」の構築と全国展開を目指す。 人財のアップデートが「持続可能性」の鍵 日本の医療提供体制は現在、急性期治療を担う「病院完結型」から、地域や在宅での療養を支える「地域完結型」への転換を迫られている。特に循環器疾患やがんなどの領域では、退院後の円滑な在宅療養への移行が喫緊の課題となっている。 しかし、現場では医療従事者の不足や地域偏在に加え、多職種連携を担うスキルの習得が追いついていない実情がある。両者は、制度改革やデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進以上に、それを活用する「人財のアップデート」こそが、医療の持続性を確保するための最大のボトルネックであるとの認識で一致した。 高度医療の「知」を現場へ実装 同協定では、熊本大学が持つ高度な医療教育・研究の知見と、総合メディカルグループが全国に展開する薬局や在宅医療、医師の開業支援などの現場ノウハウを統合する。 具体的な取り組みとして、まずは循環器・がん領域を軸とした新たな多職種連携教育および人財育成モデルの構築を進める。あわせて、退院後の服薬支援や在宅療養支援を含めた、切れ目のない医療・ケア体制を地域に実装していく方針だ。また、薬剤師をはじめとする医療人財の役割を再定義し、現場でのスキルアップを図るとともに、これらの施策を熊本を実証フィールドとして検証・改善し、全国展開可能な「実装型モデル」として確立することを目指す。 今後の展望 締結にあたり、熊本大学学長の小川久雄氏は、高度医療を担う大学の研究成果を現場に還元し、教育・研究と実装を結びつけることで、熊本から全国に発信できる新しい医療人財モデルを創出したいとの意向を示した。 また、総合メディカルグループ代表取締役社長の多田荘一郎氏は、医療の未来を左右するのは現場で患者を支える「人」であると強調した。人財の役割と育成を実装できる形でアップデートすることで、地域医療の課題に対する答えを熊本から全国へ広げていくと、現場視点での改革に意欲を見せた。

  • 花粉症による「パフォーマンス低下」は8割以上、早期治療が快適な春の鍵に

    参天製薬株式会社が実施した「花粉症による新生活への影響に関する意識調査」(2025年春に花粉症の症状(目のかゆみ・充血、目のはれの症状)があった20代〜50代の男女484人)により、花粉症が現代人のQOL(生活の質)や社会活動にいかに深刻な影を落としているかが明らかになった。2026年2月5日に発表された調査結果によると、2025年春に症状があった全国の20代から50代の男女のうち、8割以上が仕事や学業、家事などのパフォーマンスが普段より低下したと回答している。 春は受験や進学、就職、異動といった人生の岐路となる重要なライフイベントが集中する季節である。しかし、多くの人がこの勝負の時期に、集中力の低下や作業効率の悪化という大きなハンデを背負いながら過ごしている実態が浮き彫りとなった。特に「パフォーマンスが半分くらいになる」「ほとんど手につかない」と回答した層は3割を超えており、花粉症はもはや個人の不快感にとどまらず、社会的な生産性を阻害する要因となっている。 対策の現状に目を向けると、鼻や目の症状に対して何らかのケアを行っている人は8割を超える一方で、医療機関を受診した人は4割にとどまっている。特筆すべきは、花粉飛散の約2週間前や症状の出始めから治療を開始する「初期療法(早期治療)」の有効性だ。この療法を正しく理解している層に限れば、その半数以上が毎年必ず実施しており、事前の備えが快適な春を過ごすための確かな手段として定着していることがうかがえる。 抗アレルギー薬による治療を開始する「初期療法(早期治療)」について、「言葉も効果もよく知っている」と回答した人は3割。一方で、「言葉も効果もよく知っている」と回答した層に限って見ると、実際に「毎年必ず行っている」人は5割以上であった。 社会医療法人三栄会ツカザキ病院の福島敦樹氏は「眼症状が日常生活に及ぼす影響について警鐘を鳴らす。目の不快感は集中力の低下を招くだけでなく、かゆみに任せて目をこすることで角膜を傷つけ、さらなる炎症の悪化を招く恐れがある」とし、続けて「医学的な観点からも『初期療法』によってピーク時の症状軽減が見込まれる」と説き、適切なタイミングで医療機関を受診することがパフォーマンスの維持に直結すると強調している。 また、今後の見通しについて気象予報士の河津真人氏は、2026年春の飛散状況に注意を促している。「今年のスギ花粉は2月上旬から九州から関東で飛散が始まり、特に東北北部では過去10年で最多級となるおそれがある。3月に気温が平年より高くなれば、短期集中型の猛烈な飛散となる可能性も高い」。また、最新の花粉情報を活用して早めに備えることが、日常のパフォーマンスを守る最大のポイントであると指摘する。 重要なライフイベントを控える人々にとって、花粉症対策は単なる体調管理ではなく、新生活を円滑にスタートさせるための戦略的な準備といえる。医療機関への早期受診と継続的なケアこそが、この過酷な飛散予測を乗り越え、春を快適に過ごすための鍵となるだろう。

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