失敗を恐れず、学校の外へ一歩を――学生主体のプラットフォームで届ける「新たな価値」とは【日本薬学生連盟 2026年度会長・田代莉咲子さんインタビュー】
- toso132
- 1 日前
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日本薬学生連盟(APS-Japan)の2026年度会長に、昭和医科大学薬学部4年の田代莉咲子さんが就任した。これまでに2年間、同連盟の本部役員(副会長など)を経験してきた田代さんに、新体制への思いや今後の展望、そして全国の薬学生へのメッセージを聞いた。 現在、日本薬学生連盟には52大学、223人(2026年5月時点)の会員が所属しており、4年生や5年生を中心に日々活発な活動が展開されている。
変化と失敗を恐れずに挑戦する組織へ
これまで生徒会や実行委員会などで「サポートする立場」を多く経験してきた田代さんにとって、組織の先頭に立って引っ張る会長職への就任は大きな挑戦であり、今も不安はあるという。しかし、それ以上に「自身の成長の機会にしたい」という強い思いが原動力となっている。同連盟が掲げる「薬学生にプラットフォームとして新たな価値を提供する」というビジョンに対し、田代さんは「学校では経験できないこと」を新たな価値として定義する。
「弊団体は、学生のみで運営を行っている点が大きな特徴です。OB・OGからの助言はあるものの、方針決定からイベント運営まで、すべて自分たちで調べて動かなければいけません。この主体的な経験こそが、学校や他の組織では得られない独自の価値です」
田代さんが1年間の任期中に掲げる目標は、「変化や失敗を恐れずに挑戦する団体になること」だ。今年度の本部メンバー(副会長、財務統括、広報統括、プロモーション統括、国際渉外統括など)は連盟での活動歴が浅いからこそ、従来の枠にとらわれない新鮮なアイデアや高い推進力を持っている。
「今までのやり方に固執して変化をためらうのではなく、リスクを検討したうえでまずはやってみる。失敗してもそこからのリカバリーを全員で考える、そのような姿勢を大切にしたいです」と語り、自身の殻を破るとともに、過去2年間見てきたものとは異なる新しい連盟の形を目指している。

低学年のうちに「興味のある分野」を見つける
試験や実習を控える薬学生に対し、田代さんは低学年のうちに「自分の得意分野や興味のある分野を見つけ、可能であれば極めること」を勧める。自身に目標や理想の薬剤師像というモチベーションがあれば、大きな物事も乗り越える原動力になるからだ。自身は小児医療への興味をきっかけに、2年生の時に先輩との縁で同連盟に入会した。学外のコミュニティーに早い段階から触れる意義について、田代さんは自身の視界が大きく広がった経験を挙げる。
同じ大学の仲間だけでは進路や思考が似通いがちになるが、同学年であっても、研究に注力している学校、漢方に強みを持つ学校、あるいは薬局や地域医療に力を入れている学校など、大学ごとに異なる特色や強みを持つ薬学生、そして多様な進路を見据える仲間と出会うことができる。田代さんも多様な視点に触れたことで、「病院一択だった視野から、他の世界も知りたいと思えるようになった」と振り返る。
独自のメリットと学業との両立
学生主体で運営される同連盟では、企画、プレゼンテーション資料の作成、広報のデザインといったパソコンスキルや社会人マナーが、活動を通じて自然と身につくというメリットがある。これらは大学の講義だけでは得がたいスキルであり、学内のグループワークやレポート作成の際にも大いに生きている。
また、「勉強が忙しくて両立できるか不安」という声に対しては、連盟内で徹底した配慮がなされている。定期試験期間にあたる7月と1月は、団体としてのイベント開催を行わず、試験勉強に集中できる体制を整えている。同連盟には、学生の状況に合わせて活動できるよう、以下の2種類の会員制度が用意されている。
レギュラー会員:団体のイベント活動に積極的に参加することができるほか、複数の会員特典や限定イベントへの参加が可能。※新しく会員登録された人は、まずはレギュラー会員として登録される。
スタッフ会員:スタッフ登録をしたレギュラー会員。レギュラー会員の特典に加え、部門・委員会の各部署に所属しながら、「日本薬学生連盟を運営する側」として活動することができる。
スタッフ会員は、自身の忙しさや興味に合わせてプロジェクトごとに活動量を調整できるため、それぞれのライフスタイルに合わせた無理のない両立が可能である。
地域展開と「イチオシ」の交換留学プログラム

今年度は、対面とオンラインを合わせて年間約20のイベント開催を目標に掲げている。これまでは関東中心、あるいは東京・名古屋・大阪での開催が主であったが、今年度は春の新入生歓迎会を北陸でも開催するなど、地方支部の復活を見据えた地域的な広がりを見せている。今後は、病院や薬局、製薬企業に留まらない「薬剤師の資格を生かせる多様なキャリア」を伝えるイベントの構想や、英語のハードルを下げて海外へ飛び出すアウトバウンド(海外派遣)企画の拡充を目指している。
その中でも、田代さんが最も一押しする企画が「交換留学プログラム(SEP)」である。今年の夏に開催される交換留学プログラムは、東京と名古屋の2地域で実施が予定されている。

「長期休暇中に、海外からの学生を日本に招き、共に対面で過ごすプログラムです。最初の1週間は東京で病院・薬局見学やワークショップ、観光を行い、その後の1週間は名古屋へ移動してプログラムを展開します。海外の薬学・医療事情についての意見交換はもちろん、プログラム後も密に連絡を取り合うような、密度の濃い国際的な友情が生まれます」
実は田代さん自身、2年生の時にこのプログラムに参加した際、ある海外の学生から「一緒に遊びに行こう」と声をかけられたことがきっかけで、非常に親しくなった経験を持つ。プログラムが終了した現在もその学生とは密に連絡を取り合っており、国境を越えた深い絆が続いているという。「英語に苦手意識があっても、互いに歩み寄る姿勢があれば深く打ち解けることができる、非常に魅力的な企画です」と、実体験を交えてその魅力を語る。
最初の一歩を踏み出す薬学生へのメッセージ
「いきなり大規模なプログラムに参加するのはハードルが高い」と感じる学生に対しては、交流がメインのイベントへの参加を推奨している。9〜10月頃には、同連盟の主要イベントである「秋の新入生歓迎会(薬学生ジャンボリー)」の開催が予定されている。これらは堅苦しいワークショップではなく、他大学の初対面の学生同士が気軽に話せる交流中心の企画である。最初にしっかりとアイスブレイクの時間が用意されているため、一人での参加や初参加の学生でもなじみやすい工夫が施されている。
最後に、田代さんは全国の薬学生へ向けてエールを送った。
「日本薬学生連盟には、それぞれ異なる目標や理由を持って集まった仲間がいます。だからこそ、団体に所属して感じる魅力も、人の数だけ存在します。私自身、外の世界へ一歩踏み出したことで、それまで知らなかった世界を知ることができ、最高の仲間に出会うことができました。最初の一歩には勇気がいるかもしれませんが、ぜひ恐れずに挑戦してください」
プロフィール
田代 莉咲子(たしろ・りさこ)
昭和医科大学薬学部4年。日本薬学生連盟(APS-Japan)2026年度会長。同連盟にて副会長を含む本部役員を2年間経験後、現職に就任。高校時代まで習い事としてクラシックバレエに打ち込み、現在は趣味の舞台鑑賞や音楽、ドライブを楽しむアクティブな薬学生。普段はアルバイトや友人との食事など、等身大のキャンパスライフも大切にしている。
■ 日本薬学生連盟案内・入会について
日本薬学生連盟では、共に活動する仲間を随時募集しています。入会費以外の会費(年会費・更新費など)は一切必要なく、一度の登録で卒業予定年度まで継続して在籍可能です。
入会費
一般:2,000円
協力団体よりお申し込みの方:1,500円
諸会費:年会費・更新費等は一切不要(卒業予定年度まで自動継続)
▼詳細・お問い合わせは公式ウェブサイト等をご覧ください。
日本薬学生連盟(APS-Japan)
公式ホームページ:https://apsjapan.org/
Instagram:https://www.instagram.com/apsjapan



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