top of page

医療現場の「困難」を技術で解決する。学生サークル「MeDCraft」の挑戦

  • ito397
  • 17 時間前
  • 読了時間: 5分
MeDCraft 秋池小夜子さんインタビュータイトル

将来、薬剤師として現場に立つことを目指す薬学生にとって、現在の医療現場が抱える「人手不足」や「多忙を極める業務」は決して他人事ではない。ここでは、東京大学大学院 新領域創成科学研究科修士課程1年であり、学生サークル「MeDCraft(メドクラフト)」で現場の課題解決を目指すプロダクト開発に挑む秋池小夜子さんに、活動の思いを聞いた。研究室での基礎研究と、スタートアップさながらのアプリ開発。全く異なる二つの分野を全力で駆け抜ける秋池さんの姿勢は、専門性を模索する薬学生の皆さんに大きな刺激を与えてくれるはずだ。


MeDCraft 秋池小夜子さん インタビュー


――現在、どのような研究や活動をされているのでしょうか?


大学ではすい臓がんのマーカー探索などを行う研究室に所属していますが、私個人としてはALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経変性疾患に関連するタンパク質の研究に注力しています。

その一方で、学生サークルMeDCraftのメンバーとして、医療現場の切実な課題をテクノロジーで解決し、実際に現場で使われる「社会実装」を目指してプロダクトの開発に取り組んでいます。


――MeDCraftを設立した経緯を教えてください。


きっかけは、大学で行われた「看護・医療現場の課題をものづくりで解決する」という体験型の講義でした。これは学部横断的にものづくりに挑戦する学生を集めるという主旨のもので、実際の看護現場が抱える課題に対し、グループワークでソリューションを考える機会があったのです。私たちのチームはそこで考案したアイデアを単なる演習で終わらせず、具体的なビジネスコンテストに応募しました。結果、賞をいただくことができ、「これは本気で取り組む価値がある」と確信したことが2025年9月のサークル設立へとつながりました。

MeDCraft 秋池小夜子さん

また、私の友人が「看護師の仕事があまりにハードで、志半ばで辞めてしまった」という話を聞いたことも大きな動機になっています。医療現場には、技術があれば解決できる負担がまだ数多くあります。テクノロジーで現場の苦労を軽減し、誰もが志を持って働き続けられる環境をつくりたい。そんな強い思いを持って、コンテストで出会った仲間と共に活動をスタートさせました。


――MeDCraftには、どのようなメンバーがいますか?


現在は15人ほどが在籍しており、インカレサークルとして多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。生物系や工学系、薬学部や情報系の学生はもちろん、医療現場での経験を持つメンバーもおり、専門も拠点もバラバラなところが強みです。

メンバーの拠点が多様なため、活動は月に2回ほどのオンラインミーティングが軸になっています。そこで各プロジェクトの進捗を共有し、役割ごとに作業を進めています。また、近隣に住むメンバー同士では、最近は週に2回ほど対面で集まり、リアルなものづくりを通じた交流も活発になってきています。


――具体的なプロダクト開発の内容について教えてください。


看護師の業務を圧迫している大きな要因の一つに「ナースコール」があります。現状はコールが鳴っても現場に行くまで用件が分からず、行ってみたら「お水が欲しい」といった緊急性の低い用件であることも少なくありません。この「ナースコールの空振り」を防ぐため、事前に用件をチャット形式で伝え、内容を構造化して看護師に届ける仕組みを開発しています。

このプロジェクトは、東京都のスタートアップ創出支援プログラムに採択されたほか、川崎市の「プロジェクトCHANGE」が昨年開催した若手からの研究提案ピッチイベントで、最優秀賞をいただくことができました 。現在は、そのプロジェクトから得た研究費(研究費は研究室の先生が管理)を活用し、より本格的に開発を進めています。

もう一つ、他のメンバーが進めているのが「服薬支援デバイス」です。3Dプリンターで自作したストロー型デバイスに小型カメラを搭載し、画像認識によって服薬行動をモニタリングするものです。多様なバックグラウンドを持つメンバーがそろっているからこそ、多角的な視点で実用性の高い開発を目指しています。


――現場の声を聞く中で、大切にしていることは何ですか?


現場の看護師は、雑務に追われるのではなく「本来の専門業務であるケアに集中したい」という強い思いを持っています。しかし、ベテランの方ほど「自分たちの努力や気合いでカバーできる」と無理をしてしまう面もあるようです。

一方で、新人や一度現場を離職した方からは「こういうツールがあれば続けられたかもしれない」という切実な声をいただきます。専門職がその専門性を最大限に発揮できる環境をつくるためにも、テクノロジーによる「現場の余白づくり」は不可欠だと確信しています。


――最後に、読者へメッセージをお願いします。


まずは「やりたいこと」を今すぐ追求してほしいです。もっと知識をつけてからと先延ばしにするのではなく、学生の今だからこそ始められることがたくさんあります。サークル活動を通じて、むしろ1年生の方がアグレッシブに活躍できると感じることも多いです。今目の前にあることに全力で取り組んだ経験は、必ず将来の自分を助けてくれる糧になります。

MeDCraftでは、一緒に活動するメンバーを募集しています。医療やものづくりに興味がある方は、SNSのアカウントやホームページから、ぜひお気軽にメッセージをいただけるとうれしいです。


MeDCraft Webサイト

新入生用LINEグループ

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
bottom of page