「健康ハートの日 2026」合同記者発表会を開催――医療・薬学・学会の7代表が結束、全国3万拠点で「血圧測ろうぜ!」
- toso132
- 23 時間前
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2026年5月26日、健康ハートの日実行委員会は、心臓病・脳卒中の予防キャンペーン「健康ハートの日 2026」の一環として実施される、薬局・ドラッグストア・病院企画「血圧測ろうぜ!」の合同記者発表会を開催した。
今年は、従来の薬局・ドラッグストアの枠組みに新たに「病院」が加わった薬剤師関連4団体がパートナーとして一堂に会し、さらに専門家組織である日本高血圧学会および日本高血圧協会が強力にバックアップする新体制が発足。発表会には日本の循環器医療、地域医療、薬学、および血圧研究を牽引する7名の代表者が登壇し、それぞれの立場から本企画にかける強い決意と、生活者の行動変容を促すための展望を語った。
全国3万拠点で挑む「攻めの予防医療」と循環器疾患の課題
会見の冒頭、日本循環器協会代表理事であり健康ハートの日実行委員会委員長を務める小室一成氏は、「高齢化社会を迎えたわが国において、循環器病は高齢者の死因や介護が必要となる原因の上位を占め、特に女性の死因では第1位となっています。しかし、循環器病は予防ができる病気です」と、循環器疾患を取り巻く重要な課題を指摘した。
高血圧の患者は日本国内に約4,300万人いるとされるが、自身が高血圧であると認識していない未病者が44%にものぼり、さらにその4分の3は血圧が高いことすら知らないという実態がある。診断されても治療を受けていない人や、治療中であっても十分に血圧がコントロールされていない人が多いことも大きな課題だ。また、循環器病は弁膜症、心筋梗塞、不整脈など病気の種類が多く、がんなどと比べて一般市民にとってその複雑さや予防の大切さが伝わりにくいという側面もある。
小室氏は、こうした課題を解決するために一昨年からスタートした「循環器病アドバイザー制度」の成果に言及。10のeラーニングと厳格なテストをクリアした約1万7,000人のアドバイザーが誕生しており、草の根の啓発活動が広がっていることを紹介した。さらに同制度には、専門性を高めた上位資格として「循環器病エキスパートアドバイザー」も設けられており、多くの薬剤師がこの資格を取得して、患者一人ひとりの状況に合わせた個別最適な治療アドバイスや生活習慣指導など、より高度な健康サポートに役立てている。
今回のキャンペーン全体における参加目標数は「3万拠点」に設定され、小室氏は薬剤師関連4団体が協力体制を敷くことへ大きな期待を寄せ、「大変心強く思っています。全体として全国3万拠点の健康拠点を通じて、この一大予防イベントを成功に導きたいと考えています」と、今年の全体の目標を力強く宣言した。
「上の血圧130」をアラートの基準に――専門学会からの提言
この呼びかけに対し、専門学会の立場から日本高血圧学会理事長の苅尾七臣氏が登壇。血圧管理の重要性を、「血圧は、社会生活のストレスや周囲の環境変化を敏感に反映し、心臓や血管へのリスクをダイレクトに伝える最大の指標です」と表現した。
脳卒中や心筋梗塞のリスク因子でありながら、十分にコントロールされている人が4分の1に過ぎない現状を危惧する苅尾氏は、今回のキャンペーンにおいて、上の血圧(収縮期血圧)「130」以上を、注意を促すアラートの基準とすることを明確に示した。「今回の『血圧測ろうぜ!』を通じて、これまで血圧を測ったことのない方を検出し、アラートを出す(気づきを与える)仕組みを社会全体に敷くため、学会としても全力で協力いたします」と述べ、基準値を超えた生活者に対して早期の気づきを与える重要性と、全面的なバックアップを約束した。
また、日本高血圧協会理事長の樂木宏美氏は、高血圧が「痛くもかゆくもない」ために市民への啓発が難しいという課題に触れつつ、日常的な測定で数値が高かった際の次の一手の重要性を強調。「確かな知識を持つ薬剤師の皆様が適切に医師や医療機関へつないでいく、その連携の方向性を共につくっていきたいと考え参画しました」と、医療連携のハブとしての薬局・病院への期待を語った。
身近な生活動線から医療現場までをつなぐ薬剤師関連4団体の決意
これを受け、地域住民を日々の生活のなかで支える各団体の代表からも、それぞれの職能を生かしたアプローチが示された。
日本薬剤師会会長の岩月進氏は、「セルフケアの重要性が叫ばれる中、血圧は体に傷をつけることなく数字として目の前に現れる、極めて健康管理に取り入れやすい指標です」とし、全国の薬局が最も身近な場所として「目に見える形での健康啓発と確実な健康増進を強力に推進してまいります」と意気込みを語った。
さらに、日本チェーンドラッグストア協会会長の塚本厚志氏は、昨年のキャンペーン参画実績(3団体で1万4,000拠点超)に触れつつ、ドラッグストア単体としての高い目標を掲げた。「昨年は3団体での参画でしたが、今年は4団体となりました。チェーンドラッグストア協会としては、協会として単独で1万店の参加を目指して盛り上げていきたいです」と意気込みを表明。「『攻めの予防医療』の旗印のもと、ドラッグストアのネットワークをフルに活用して血圧測定を習慣化させ、行動変容へと結びつけます」と述べ、生活者の普段の生活動線の中に血圧に触れる機会、あるいは自分の心臓をいたわる機会を創出していく重要性を訴えた。
先週、女性初の会長に就任したばかりの日本保険薬局協会会長の藤井江美氏も、「循環器疾患は日々の生活習慣の積み重ねによって予防が可能であり、まさに日常の中での気づきと継続した行動が鍵になります」と指摘。その上で、「私ども保険薬局は、単に薬を渡すだけの場所ではなく、地域の皆様に最も身近な医療機関の1つです。住民の皆様が健康への一歩を踏み出す大切な契機となる本企画に参画し、合同会見の場に臨めることを大変うれしく思います」と、薬局の相談機能をフルに活用していく姿勢を示した。
そして、今年から新たにこの輪に加わった日本病院薬剤師会からは、専務理事の和泉啓司郎氏が登壇し、公務のため欠席となった武田泰生会長の思いを代読する形でコメントした。「わが国の健康寿命延伸を考える上でも、日常的な血圧測定と適切な管理は極めて重要な課題です」とした上で、病院という立場から、血圧測定の啓発を通じて「心不全などの再入院を防止すること」も視野に入れた具体的なアプローチに言及。
「外来での主治医との共同薬物治療管理や化学療法に関わる中での指導に加え、特に入院患者が退院される際、家庭内血圧をきちんと測定・管理していただくためのアプローチや丁寧な説明を通じて、地域医療現場から本企画を支えてまいります」と、退院後の在宅管理へつなぐシームレスな医療貢献への決意を語った。
さらに会見では、「血圧測ろうぜ!」キャンペーンから生まれたスピンオフ企画として、全国で最も優れた血圧啓発活動を実施した薬局・ドラッグストア・病院を表彰するコンテスト「P-1グランプリ(全国薬局・ドラッグストア・病院啓発選手権)」についても触れられた。真夏の心臓病啓発プロジェクト「8月10日は健康ハートの日」の一環として行われるこのコンテストは、日頃の職能を生かした優れた啓発活動のアイデアや実績を称え合う場であり、今年は第91回日本循環器学会学術集会において、その輝かしい取り組みの成果が発表される予定だ。こうした多角的なアプローチで国民の健康増進を後押ししていく姿勢が示された。

■ 開催概要
健康ハートの日 2026 薬局・ドラッグストア・病院企画「血圧測ろうぜ!」
実施期間:2026年7月1日(火)~8月31日(日)(8月10日は「健康ハートの日」)
主な取り組み内容:
全国の薬局、ドラッグストア、病院における啓発ポスターの掲示
リーフレットを用いた血圧管理啓発および健康相談の実施
特設血圧測定コーナーの設置による、地域住民への積極的な測定呼びかけ
医療現場、薬局、ドラッグストア、そして専門学会・協会がこれまでにない規模でスクラムを組む「健康ハートの日 2026」。全体で「全国3万拠点」の巻き込みを目指すこの夏の一大予防キャンペーンは、国民一人ひとりが自らの血圧と向き合い、健康への一歩を踏み出す大きな転換点となることが期待される。



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