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  • 金城学院大学が2029年度から共学化へ 名古屋学院大への設置者変更を前提に理事長が発表

    学校法人金城学院の理事長である小室尚子氏は2026年7月3日、金城学院大学について、学校法人名古屋学院大学への設置者変更を前提として2029年度(2029年4月)から共学化を実施することを決定したと発表した。同年7月1日に開催された理事会において決定されたものである。 2026年10月に正式決定の見通し 小室氏によると、設置者変更の正式決定は2026年10月を予定している。学校法人名古屋学院大学との最終契約書に2029年度の共学化実施を明記したうえで、両法人における理事会や評議員会などの手続きを経て、最終的な取扱いが正式に決定される見通しだ。 今回は正式決定前の段階ではあるが、受験生の進路選択や在学生の学修継続の見通し、保護者や卒業生ら関係者への説明に関わる重要な事項であるため、現時点で開示できる内容を早期に公表することとした。 共学化への基本的な考え方 金城学院は1889年の創立以来、「福音主義キリスト教に基づく、女性への全人教育」を建学の精神に掲げ、女子大学としての教育特色や学生支援の経験を重要な教育資産として蓄積してきた。 小室氏は、今回の共学化について「これまでの女子教育の蓄積を否定するものではない」と言明している。18歳人口の減少や大学間競争の激化といった環境の変化に対応し、同大学の教育を将来にわたり維持・発展させるための決断であり、培ってきた教育資産を基盤にしながら、性別に関わらず多様な学生がともに学び合い、ジェンダーギャップの解消に貢献できる人材の育成を目指すとしている。 在学生への対応と今後の準備 2029年度の共学化に向けて、今後は教育内容や施設・設備、入試広報などの準備期間に入る。 現在籍を置く学生に対しては、学修の継続や卒業、学位取得に不利益が生じないようにすることを基本とし、教育課程や学生生活、キャリア支援などの必要な対応を検討する。学修環境の変化に対しても、在学生が安心して学びを継続できるよう、必要な経過措置や相談体制などを設ける方針である。また、受験生や保護者、高校関係者に対しても、情報が具体化し次第、順次公表していくとしている。

  • 市販薬オーバードーズ問題に学校薬剤師の力を――シオノギヘルスケアが研修会で教育・支援の重要性を提言

    シオノギヘルスケア株式会社は2026年7月14日、同年6月13日に開催された東京都学校薬剤師会主催の「第45回学校薬剤師基礎研修会」において、同社社員が講師として登壇したことを発表した。「市販薬によるオーバードーズの現状と学校薬剤師の役割」をテーマに講演を行い、若年層を中心に深刻化する市販薬の過量服用(オーバードーズ)問題に対する教育や支援の重要性を提言した。 定員を上回る事前申し込みがあり、当日は前年度平均の1.3倍となる66人が参加した。 若年層に広がる市販薬オーバードーズの深刻化 近年、せき止め薬やかぜ薬といった市販薬のオーバードーズが、若年層を中心に急速に拡大しており、重大な社会課題となっている。特にSNSなどを通じた情報拡散が影響しており、医療と教育の両面からの迅速な対応が求められている状況だ。 また、過量服用の背景には、孤独や孤立、心理的ストレス、さらには家庭や学校の環境要因など、複合的な要素が絡み合っていると指摘されている。 学校薬剤師に求められる3つの役割 講演では、こうした現状を踏まえ、学校薬剤師に求められる具体的な役割として3つの視点が提言された。 まず1つ目は、オーバードーズに関する正しい理解の促進である。若年層における増加傾向や、急性中毒・依存症といった深刻な健康リスクについて解説がなされたほか、指定濫用防止医薬品の制度などの現状についても共有された。 2つ目は、販売現場における段階的な関わりである。「気づき」「傾聴」「つなぎ」「見守り」の4つの観点に基づいた段階的なアプローチは、早期介入と支援において極めて重要な役割を果たすため、ゲートキーパーとしての関わりを強化することが求められている。 3つ目は、市販薬の適正使用教育の強化である。違法薬物の乱用防止教育に比べて市販薬の適正使用やオーバードーズに関する教育は不十分である現状が示され、小学生を含む子供に対し、用法・用量を守らないリスクをしっかりと教育する重要性と、学校薬剤師によるさらなる関与の必要性が提起された。 今後の取り組み 同社は、市販薬の適正使用とオーバードーズ対策を推進するため、多角的な取り組みを展開している。 教育支援の面では、学校や薬剤師会と連携した研修や講演の実施、啓発資材の提供を行っている。また、適正な医薬品アクセスを確保するための施策として、店舗での空箱設置などによる販売時の確認機会の創出にも取り組んでいる。さらに、相談窓口へのアクセスを円滑にするため、「ツナグカード」を活用した支援導線の構築も進めている。 同社は今後も、学校薬剤師や教育機関、薬局・ドラッグストア、支援団体との連携をさらに強化し、市販薬の適正使用推進と、必要な支援につながる環境づくりに注力していく方針である。 ツナグカードは、HPからダウンロードできる。

  • 医療体験の変革へ、カケハシが提示する未来の薬局像

    株式会社カケハシは創業10年目の節目を迎え、医療・薬局業界のリーダーたちが一堂に会する「Pharmacy Leaders Day 2026」を開催した。今回のテーマは「突き抜ける、変革期のその先へ」である。労働人口の減少や社会保障の構造的課題、そして急速に進化するAIテクノロジーを前に、これからの薬局や薬剤師がどうあるべきかについて、多角的な視点から深い議論が交わされた。 ●社会保障の危機感とテクノロジーの必然性 開会の挨拶に立ったカケハシ代表取締役社長の中尾豊氏は、創業時から掲げている「日本の医療体験をしなやかにしていきたい」というミッションへの思いを語った。患者の体験向上だけでなく、働く医療従事者の環境改善や持続可能性の追求がその根底にある。中尾氏は中尾氏は28歳の当時、社会保障の構造的課題に対して破綻への強い危機感を抱いており、現在の日本はまさにその瀬戸際に立たされている状況にあると指摘した。 このような状況下で台頭してきたAIは、まさに産業革命とも言えるほどのインパクトを持つテクノロジーである。中尾氏は、社会保障に関わるこの業界がテクノロジーをどう活用し、オペレーションや患者への提供価値を改善していくのか、今まさに正面から向き合うべき変革期に達しているとした。 一方で、事業を通じて「テクノロジー単体では世の中を変えられない」という事実にも気づいたという。特に社会保障領域においては、政治や行政、現場の付加価値のエコシステムが重要であり、国や財政の現状、アカデミアとの連携を踏まえたうえで、薬剤師業界の方向性を常にアップデートしていく必要があると強調した。 中尾氏 ●AI時代における人間の役割とマインドセット スペシャルセッションとして株式会社圓窓代表取締役であり武蔵野大学アントレプレナーシップ学部専任教員でもある澤円氏が登壇し、「AI時代に人は何をすればいいのか」と題し、これから必要となるマインドセットを独自の切り口で提示した。 コロナ禍がもたらした「不可逆」な変化と価値の変容 澤氏は、新型コロナウイルス感染症がもたらした最大のインパクトとして、データ通信の活用により「会社にいること」と「仕事をすること」が切り離された点を挙げた。コロナ禍が明けて出社する人が増えたとしても、「リモートワークという選択肢がある」と知った状態は元には戻らない。この手の変化を「不可逆」と呼び、過去の常識に縛られない重要性を説いた。 また「AIは人間の仕事を奪うのか」という不安に対し、澤氏は1839年の実用写真技術(ダゲレオタイプ)の登場を例に引いた。当時は画家たちが「絵画は死んだ」と絶望したが、結果として画家は絶滅しなかった。写実的に記録する価値がカメラに移ったことで、絵画の価値は「礼拝や記録」から「展示して愛でる芸術」へと変容したのである。 澤氏はテクノロジーの本質を整理し、かつて馬車から自動車へと進化した移動手段のテクノロジーが「歩行の外部化(歩く行為を車に任せること)」であったのに対し、AIの登場は「思考の外部化」にほかならないと解説した。これは、これまで人間が頭を悩ませて行っていたアイデア出しや文章作成といった「頭の中の作業」を、これからはAIに肩代わりさせられるようになるという意味である。そしてテクノロジーは一貫して「繰り返し(反復作業)」を解決することを得意としてきた。そのため、管理や反復作業はすべて機械に置き換わり、今後は「経営と現場」だけが残る時代になるため、これまでの「管理職」という概念はナンセンスになると持論を展開した。 人間にしかできない仕事への集中とAIの活用デモ AIが発展した世界において、人間に求められるのは「良好な人間関係を築くこと」であると澤氏は語る。データ処理や定型業務などの面倒な作業はすべてAIが肩代わりしてくれるため、人間は社内外の人に対して信頼関係や共感を育むといった「感情的なアプローチ」に注力すべきだという。組織運営においても、部下の欠点を無理に正すのではなく長所を伸ばすことや、状況に応じて柔軟に協力し合える関係性を築くことが大切であると説明した。 実務における変化の具体的な例として、澤氏はChatGPTやGeminiを用いた実演デモを披露した。「薬局の経営企画として新規事業のアイデアを100個出す」という指示を投入すると、わずか30秒ほどで綺麗に整理された膨大なアイデアが出力され、これまでの付箋を使った長時間の会議(ブレインストーミング)を大幅に短縮できることを示した。このように「業務の土台となる9割の作業はAIに瞬時にやらせ、人間は最後の仕上げや意思決定という最も重要な1割に集中する」というアプローチこそが、これからの効率的なAIとの付き合い方であるとまとめた。 ●次世代医療インフラ「トータルケアステーション」への挑戦 後半は、保険調剤という枠に留まらないビジネスの可能性や、薬局が持つ患者接点という強みをどう地域医療に生かしていくかをテーマに、総合メディカルグループ株式会社代表取締役社長の多田荘一郎氏、株式会社地域ヘルスケア連携基盤(CHCP)代表取締役社長の国沢勉氏を交え、株式会社カケハシ代表取締役CEOの中川貴史氏がファシリテーターとなってパネルディスカッションが行われた。 効率性と品質の両立 国沢氏は、投資家としての視点からマクロな環境変化を語った。現在、海外の投資家が日本市場に注目している最大の理由は、成長性ではなく「労働生産性の改善余地」であるという。日本のヘルスケア業界は極めて質の高い医療を安価に提供しているが、今後は命に関わる品質を決して落とすことなく、いかに効率性を高めるかが国内外から強く求められている。 薬局業界は小規模な事業主が分散している特徴があるが、小規模であるがゆえに高額なシステム投資や長期的な人材投資へのハードルが高い。国沢氏は、これからの調剤報酬改定や物価高騰、人件費上昇の波を乗り越えるため、規模を拡大して手を取り合い、投資や固定費を分担し合うことの重要性を説いた。さらに、医師と薬局の関係が従来の「二人三脚」から、時代の交代とともにドライで事業ライクな関係へと変化している点を指摘し、地域で戦略的に事業を立ち上げる発想が必要だと述べた。 また、CHCPが薬局、訪問看護、歯科、病院へと領域を広げている理由について、国沢氏は社会保障費が患者に必要なサービスごとに分配されている以上、受け手側もその配分を意識し、フルラインでサービスを持って初めて正しい医療介護のあり方が見えてくるという独自のストラテジーを明かした。 薬局の「上手な自己否定」と再定義の必要性 多田氏は、従来の社会保障分野が「足りないものがあれば人やモノを足す」という歴史を歩んできたが、労働人口減少とインフレが進む現在はその意識を抜本的に変えなければならないと主張した。 多田氏は一ユーザーとしての視点から、薬局はただ薬を受け取るだけの場所であり、その割には待たされ、欠品もあるというイメージが混在していたと率直に振り返った。環境変化が激しい今だからこそ、現状を上手に自己否定し、薬局という事業を再定義する絶好の機会としてポジティブに捉えるべきだとした。 患者の視点に立てば、医療は病院や診療所、薬局、在宅といった縦割りではなく、彼らの人生の合間に存在する一本の線である。多田氏は、退院時などに患者との関係性が途切れてしまう現状や、画一的なサービスに終始している点を課題として挙げた。今後は病院内での患者接点や開業支援、アメニティサービスなどの多様なポートフォリオを繋ぎ、患者一人ひとりの「ペルソナ(具体的な生活背景や人物像)」に寄り添うことが成長の領域になると語った。さらに、在宅医療が進み薬局に来られなくなる患者が増える未来において、薬局が店舗で待っているだけで良いのかという問いを投げかけ、一気通貫したサービス提供の必要性を訴えた。 ●AI前提のワークフロー再構築と4つの未来 クロージングでは中川氏が、カケハシが描く生成AI時代の医療インフラの未来像を語った。中川氏は、PayPayによるQR決済の普及や、LINEによるコミュニケーションの変化、相談相手としてAIが日常に溶け込みつつある現状を引き合いに出し、かつての常識や当たり前がハイスピードで変化している現実を示した。一消費者としてこの変化を体験している患者は、当然のように医療や薬局の現場にもデジタルを前提とした利便性を求めてくる。 AI活用における本質は、一部の業務を部分的に効率化することではなく、AIというコンテキストを前提にワークフローや薬局のオペレーションモデル(OS)そのものを書き換えていくことにある。このシフトに向けて中川氏は4つの未来像を提示した。 まず第一に、作業を手放し、人にしかできない価値に集中する未来が挙げられる。事務職による処方箋入力のような反復作業は完全に自動化され、高度な需要予測に基づく在庫発注やサプライチェーンの一気通貫化によって欠品リスクをゼロに近づけることができる。カケハシがすでに展開している「AI薬歴」や各種報告書の自動生成機能は、薬剤師の業務負荷を劇的に削減し、圧倒的な質の向上と効率化を両立させている。 第二の未来は専門性の強化である。患者を疾患名だけで捉えるのではなく、一人の人間としてパーソナルなニーズを把握し、コミュニケーションをパーソナライズ化していく。手のかかるフォローアップをAIが支えることで、特に外来とは異なるオペレーションが求められる在宅領域において、薬剤師の専門的価値を最大化させることが可能となる。 第三に、店舗の枠を広げる未来が提示された。これまで店舗内で完結していたピッキングや一包化調剤、監査といった作業を自動化・外部センター化し、服薬指導や処方入力も1カ所に縛られずに遠隔で行えるようにする。全てのシステムがクラウド上に上がることで、薬剤師や事務職が場所にとらわれずに医療を提供できるITインフラが整う。 第四の未来は患者体験の向上である。患者が事前に処方箋を送信することで、薬局に行く前からリアルタイムにマッチングが行われ、待たない薬局や選ばれる薬局が実現する。さらに、専門性の高い薬剤師と患者を適切にマッチングさせることで、特定の疾患に真に寄り添える服薬指導の環境を構築できる。 中川氏 ●国家戦略としてのAI駆動型社会への変革 カンファレンスの締めくくりとして再び登壇した中尾氏は、自身が内閣官房や自民党本部に呼ばれる機会が増えている背景を共有した。現在、国が掲げている高市政権の成長方針の本丸は、日本をAI駆動型の社会へと変革させることであるという。 労働人口が急激に減少するこれからの日本において、AIを少し活用するといったレベルではなく、あらゆる社会インフラのオペレーションをAI前提に書き換えることが国家戦略として位置づけされようとしている。その中でも特にロボティクスAIと、領域特化型のバーティカルAIの2つが重視されており、医療や薬局流通の分野は、まさに少ない人数でより多くの患者を救うための重要な投資対象として高い関心を集めている。 全国一律の公定価格(薬価・調剤報酬)という特有の構造を持つ薬局業界だからこそ、テクノロジーを駆使して時代を先取りし、新しい事例をいち早く創出していく必要がある。中尾氏は、集まった業界のリーダーたちに対し、行政やアカデミアと手を取り合って新たなエコシステムを構築し、共に医療の未来を切り開いていこうと熱く呼びかけ、長丁場のイベントを締めくくった。

  • 「善意と医療のかけ橋」へ、日本血液製剤機構が千歳市に新工場建設。総額2,000億円を投じ生産能力を2倍に拡大、急増する国内の医療ニーズに応える

    一般社団法人日本血液製剤機構(以下、JB)は、今後の血漿分画製剤の安定供給と国内自給の達成に向けた新たな事業構想発表会を開催した。発表会には、理事長の中西英夫氏をはじめとする経営幹部が出席し、報道関係者に向けて新工場の建設を柱とする大規模な生産基盤強化戦略を明らかにした。 医療ニーズの急増と低下する国内自給率 中西氏 JBが製造・供給する「血漿分画製剤」は、現代医療において欠くことのできない医薬品である。近年、感染症や川崎病、神経疾患などの治療に用いられる「免疫グロブリン製剤」の需要が急増している。しかし、国内製造各社の生産能力が限界に達していることから国内製造量は頭打ちとなっており、不足分を海外からの輸入に頼らざるを得ない状況が続いている。これにより、2015年度に95.6%だった国内自給率は、2025年度には59.4%にまで低下しており、健康医療安全保障上の大きなリスクとなっている。さらに、JBが長年フル稼働を続けてきた製造設備の老朽化への対応も急務となっていた。 このような背景のもと、JBが今回の事業構想の発表に至ったのには主に3つの要因がある。1点目は社内での生産効率化が進み、効率よく製品を抽出する製法改良(収率向上)の開発に一定のめどが立ったことである。2点目は国が日本成長戦略会議等で検討を進める「官民投資ロードマップ案」に「免疫グロブリン製剤の100%国内自給」が明確に盛り込まれ、国の成長戦略として位置づけられたことで、政府からの支援へ大きな期待が高まったことである。そして3点目は、医療関係者や患者からJBの供給拡大を望む強い声が寄せられていることである。 JBは「血液は商業ベースで取り扱われるべきではない」という基本理念のもと、2012年に非営利の一般社団法人として設立された国内最大手の専業メーカーである。中西氏は「国内の献血によって国内の医療ニーズを賄う『国内自給』はJBの事業基盤の大きな柱である。善意の献血血液から血漿分画製剤を製造・供給することで『善意と医療のかけ橋』となり、人々の健康に貢献していく」と述べ、本構想の実現を通じ、国内自給率の向上と安定供給に向けて大きく貢献していく決意を示した。 血漿分画製剤の種類と製造方法 福田氏 執行役員経営戦略本部長の福田洋一氏は、血漿分画製剤とその市場環境について説明した。福田氏によると、血漿分画製剤には主に免疫グロブリン製剤、血液凝固第VIII因子製剤、フィブリノゲン製剤などの種類がある。これらは、献血者から提供され分離された血漿を原料としている。その製造方法は、原料となる血漿から各成分を「分離・抽出」し、その後不純物を取り除く「精製」を行い、最終的に医薬品として仕上げる「製剤化」という工程を経る。 特に重要性が高まっている免疫グロブリン製剤は、川崎病をはじめとする疾患において、早期に適切な治療を行わなければ後遺症を遺すリスクに関わるため、医療現場での安定供給の確保が極めて重要視されている。福田氏は「貴重な原料である献血血液由来の血液製剤は国内自給が原則。輸入依存の拡大は健康医療安全保障上のリスクとなるため、2040年までに需要が約30%増加すると予測される免疫グロブリン製剤を含め、需要の半分以上を供給することで海外依存からの脱却を目指す」とコメントした。 総額2,000億円の投資と生産能力2倍への拡大 執行役員生産体制革新本部長の津田昌重氏の説明によると、本構想の中核は北海道千歳市への新工場建設と国内製造拠点の再整備である。総投資額は約2,000億円を見込んでおり、原料血漿の処理能力を現在の2倍(年間130万リットル)へと大幅に拡大する。 具体的なロードマップとして、まず2032年度の第1段階では新工場の「精製工程」を稼働させる。ここに収率向上の新製法を導入することで、生産能力を現在の1.2倍へと引き上げる計画である。その後、2035年度の第2段階に向けて既存千歳工場の「分離・抽出工程」の拡充や、新工場への「製剤化工程」の新棟建設を完了させ、全体の製造能力を現在の2倍にする。 5つのコンセプトと最先端テクノロジーによるDX・自動化 津田氏 新工場の建設にあたっては、国際水準のGMPへの対応、災害に強いBCP対応、需要変動への柔軟な対応、生産技術改良による効率化、そしてDX・自動化による働きやすい職場環境の実現という5つのコンセプトが掲げられた。 特に自動化の面では、これまで技術的に自動化が困難とされ、現場の大きな負担や熟練者の経験に頼っていた工程に対して、最先端のロボットやAI技術を積極的に導入する。 原料となる凍結血漿バッグは、種類が多く冷凍された形もいびつであるため、これまではロボットでつかむことができず、カッター等を用いた人間の手作業による切り開きと取り出しに頼らざるを得なかった。新工場ではこの極めて冷たく重労働な作業をロボット化し、安全性の向上と労働環境の劇的な改善を図る。 また、血液製剤は製品の特性上、機械で異物検査等を行おうとすると「泡立ち」が発生しやすく、機械による正確な判定が極めて困難であった。そのため、これまでは高い技能を持つ熟練の検査員による目視検査に頼らざるを得なかったが、ここにAIや最新の検査技術を導入することで、検査工程の自動化と品質管理の高度化を同時に達成する。これらに加え、資材や製剤の移動における運搬作業を無人化し、工場全体のオペレーション効率を徹底的に高める「工場内搬送の無人化」などを進めることで、生産効率化と働きやすい職場環境の両立を目指す。 西日本偏在リスクへの対策(BCP) 日本の血漿分画製剤の製造工場が現在、九州などの西日本に偏っている地理的リスクを最重要課題と位置づけた。南海トラフ巨大地震などの災害リスクに対応するため、あえて北海道千歳市を新工場の立地に選定している。これにより、既存の千歳工場、新千歳工場、そして京都福知山工場の3拠点による強靭なバックアップ供給体制が整備される。 中西氏は「他社の工場で万が一トラブルが発生し、国内の供給が滞った際にも、当法人が製造能力に余力(供給能力の過剰分)を持っておくことで助け合うことができる。これこそが日本全体のBCP、健康医療安全保障への貢献につながる」と語り、国内最大手としての社会的責任を果たしていく姿勢を強調した。

  • 大学のジェンダーダイバーシティ推進へ、山田進太郎D&I財団が7月29日にウェビナーを開催

    女性の大学進学率が上昇を続ける一方で、理工系分野や大学院への進学、そして教員・研究者への登用におけるジェンダーギャップは依然として根深い。こうした「ダイバーシティ施策が成果につながらない」「何から手をつければよいか分からない」という大学共通の課題に対し、データと現場の視点から具体的な打ち手を考えるウェビナーが開催される。 公益財団法人山田進太郎D&I財団は、2026年7月29日(水)に「大学のジェンダーダイバーシティを、どう前進させるのか? 研究者と実務者が、なぜ変わらないのか・何が有効かをデータと現場視点から語るウェビナー」をオンライン(Zoom)で開催する。参加費は無料である。 イベント概要 本ウェビナーでは、著書『「育休世代」のジレンマ』や編著『日本で女性研究者が増えない理由』などで知られる中野円佳氏(東京大学多様性包摂共創センター 准教授)が登壇。さらに、同財団で中高生女子へのSTEM体験を提供する「Girls Meet STEM」事業を立ち上げた榊原華帆氏(インパクト統括)を交え、研究と実務の両面から課題の構造を紐解く。 当日のプログラムは以下の通りである。 トークセッション 「大学のジェンダーダイバーシティ:現状と構造的課題」 (登壇:東京大学多様性包摂共創センター 准教授 中野 円佳 氏) ディスカッション (登壇:山田進太郎D&I財団 インパクト統括 榊原 華帆 氏 × 中野 円佳 氏) 質疑応答 大学や研究機関の教職員にとっては次の一手を考えるヒントになり、大学生・大学院生にとっては自身の進路や環境を捉え直す契機となる内容を目指す。 開催要項 日時: 2026年7月29日(水)15:00〜16:30 会場: オンライン開催(Zoomウェビナー) 対象: 大学・研究機関の教職員、大学生・大学院生、一般 参加費: 無料 主催: 公益財団法人山田進太郎D&I財団 申込方法: 以下の専用フォームより受付 参加申し込みフォーム

  • 【神戸薬科大学】宮田興子理事長の再任を決定

    学校法人神戸薬科大学は、宮田興子(みやた おきこ)理事長の任期満了に伴い、同氏を理事長に再任した。2026年6月29日に開催された理事会において承認され、同日付で就任している。任期は2026年6月29日から、2030年開催の定時評議員会終結の時までとなる。 宮田氏は現在75歳で、1973年3月に神戸女子薬科大学(現・神戸薬科大学)の薬学部を卒業した。1975年3月に同大学大学院の薬学研究科修士課程を修了し、1979年1月には大阪大学より薬学博士の学位を取得している。 同大学の薬品化学研究室において、講師、助教授、准教授を経て、2008年4月に教授に就任した。その後、2016年4月には特別教授、2019年4月には学長(2022年3月まで)を歴任している。2022年4月に名誉教授となり、同年6月から学校法人神戸薬科大学の理事長を務めている。また、同大学の評議員や理事、同窓会長などの要職も歴任してきた経歴を持つ。

  • 薬剤師から他職種・機械へのタスク・シフト/シェア、日病薬が取り組み事例を公開

    日本病院薬剤師会(日病薬)は2026年6月25日、会員から寄せられた「薬剤師から薬剤師以外へのタスク・シフト/シェア」に関する取り組み事例を公開した。 厚生労働省が2019年に発出した「調剤業務のあり方について(薬生総発0402第1号)」に基づき、薬剤師以外の者が実施可能な業務の基本的考え方に沿った事例がまとめられている。さらに、業務効率化に直結する機械化やICT化を活用した取り組みも併せて掲載された。 各事例には、単なる実施内容だけでなく、以下の具体的なデータや指標が盛り込まれているのが特徴である。 具体的な実施内容 導入にあたっての研修時間 取り組み前後における業務の変化や定量的・定性的効果 これにより、これからタスク・シフト/シェアの導入を検討している施設や、すでに運用の改善を模索している施設にとって、実務に直結する参考資料となっている。 さらなる事例収集へ協力呼びかけ「まだ不足している」 日病薬は2020年度からタスク・シフト/シェアに関する事例収集を開始し、2025年度からは「薬剤師から薬剤師以外へのシフト」に焦点を絞った募集を行ってきた。 しかし、日病薬が目指す「多様な事例の共有」に向けては、現状の事例数はまだ不足しているという。自施設での成功・失敗事例や、他施設へのアドバイスなどの情報がさらに必要な状況である。 日病薬は「今回の公開を機に、自施設での取り組みをぜひ積極的に登録してほしい。病院薬剤師のさらなる質の向上と業務効率化のため、会員の協力をお願いしたい」と呼びかけている。 変革の時代に、新しい薬剤師像を切り開く 現在、病院薬剤師の世界は大きな変革期を迎えている。 今回紹介した「タスク・シフト/シェア」や「機械化・ICT化」は、薬剤師の仕事を奪うものではない。調剤などの対物業務を効率化し、「薬剤師にしかできない高度な対人業務」に集中するためのポジティブな改革である。 薬学生が臨床に立つ頃には、チーム医療の一員として、病棟でより一層頼りにされる存在になっているはずだ。薬学の知識を駆使した処方提案や副作用の未然防止、患者に寄り添う時間は、今後さらに拡大していく。 変化を恐れる必要はない。これからの医療現場をより専門性の高い場所へと進化させるのは、最先端を学ぶ薬学生の若い力と新しい視点である。現場の先輩薬剤師も皆さんの挑戦に大きな期待を寄せており、その先にある「次世代の薬剤師像」を目指して歩みを進めてほしい。

  • 第26回JAPANドラッグストアショー、7月31日から東京ビッグサイトで開催へ――「マタニティ&ベビー」を新設、尾池実行委員長が「Next25」への展望を語る

    JAPANドラッグストアショー実行委員長の尾池勇紀氏 一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会は、2026年7月31日(金)から8月2日(日)までの3日間、東京ビッグサイト(東展示棟1・2・3・7・8ホール)にて「第26回JAPANドラッグストアショー」を開催する。開催に先立ち、7月2日には記者会見が行われ、今回実行委員長を務める光株式会社代表取締役社長の尾池勇紀氏が開催概要や新たな取り組みについて説明した。 今回のテーマは「セルフメディケーションによるドラッグストアの未来像~NEXT25~」である。ドラッグストア業界はこれまでの25年間で10兆円産業へと大きな成長を遂げた。尾池氏は「医療費が増大しているという国の課題に対し、ドラッグストアにおけるセルフメディケーション、未病予防という役割が非常に大事になる。次の25年を考える場にしたい」と、テーマに込めた思いを語った。 過去最大規模の5ホール展開、来場者10万人超を目指す 今回の大きな変更点として、使用会場が従来の4ホールから5ホールへと拡大され、スペースとしては過去最大規模での開催となる。前回の出展規模(398社、1,302小間)と同等以上を見込んでおり、拡大傾向で推移している。会期中の来場者数について、尾池氏は「SNSの活用などを工夫し、なんとか今年は10万人を超える来場者を目指していきたい」と意気込みを示した。 新設「マタニティ&ベビーケアゾーン」と安全面での新ルール 今回、新たな特別企画ゾーンとして「マタニティ&ベビーケアゾーン」が新設される。妊活からプレマタニティ、産後ケア、ベビーグッズまでを網羅し、ドラッグストアが子育て家庭の身近なインフラとして機能していることを示す狙いがある。尾池氏は「ベビー商品はドラッグストアへの顧客定着の契機として非常に大事なカテゴリー。まだ一般に知られていない商品やテクノロジーを知ってもらう、啓発の場にしたい」と新設の意図を説明した。 会場内では、赤ちゃん連れの来場者が安心して行動できるよう、ベビーカーの置き場やオムツ替えコーナーを充実させるほか、「ハイハイレース」などの体験型イベントやフォトスポットを用意する。さらに、小さな子供連れの安全確保や、混雑緩和の観点から、今回より会場内へのキャスターバッグの持ち込みが禁止される。これに伴い、手荷物預かり所などの代替サービスが新設される予定だ。 一般来場者を広く招く意義について、尾池氏は「自分たちの健康や新しい製品について、みんなで考えることは大きな意味がある。楽しみながら考えていただくことが大事」と、セルフメディケーションの啓発における重要性を強調した。 進化するトレンドを反映「食と健康アワード2026」 毎年恒例の「食と健康アワード」は、今回からは食品部門とサプリメント部門に分けて優れた商品を表彰する。選考で見られた商品の傾向について、尾池氏は「プラスアルファの価値」という独自の視点から解説した。従来のプロテイン商品のように「タンパク質が何グラム入っているか」という点にとどまらず、さらに乳酸菌やケールをプラスした商品など、今の時代に合わせた変化が見られるという。また、米国で市場が厚く、日本国内でも近年市場が膨らんできている「グミサプリメント」のエントリーが増加している点についても言及した。 多彩なステージイベントと社会課題への取り組み 会期中はビジネスから一般向けまで幅広いイベントが企画されている。 イベントステージ:初日の7月31日には、尾池氏が進行を務めるパネルディスカッションが開催され、調剤や食品を軸に、13兆円産業を目指す今後のドラッグストアの可能性について議論が交わされる予定である。同日12時45分からは、尾池氏とインフルエンサーの三津家貴也氏、星南氏が登壇し、運動とセルフメディケーションの大切さを語る対談が行われる。そのほか、「Men's Beautyアワード」や土屋アンナ氏によるトークショーなどが予定されている。 セミナー・展示企画:子供たちに人気の「こどもやくざいし体験薬局」や、武田修宏氏によるサッカー体験教室が開催される。また、社会的課題への対応として、市販薬の過剰摂取問題に焦点を当てた「オーバドーズに隠されたSOS~ゲートキーパーとしての薬剤師・登録販売者~」といった業界向けビジネスセミナーも実施される。 さらに、尾池氏が京都を中心に店舗展開を行っていることから、今回は京都をキーワードとした地域訴求イベントや物販など、関西圏の魅力を伝える新たな試みも多数盛り込まれる。 開催概要 会期:2026年7月31日(金)~8月2日(日) 10:00~17:00 ※一般公開日は8月1日(土)・2日(日)(7月31日および8月1日はBtoB向けの商談日を兼ねる) 会場:東京ビッグサイト 東展示棟1・2・3・7・8ホール 入場料:無料(来場方法は公式HPを確認) 主催:一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)

  • ネットで薬を調べる時代へ、副作用への意識も高まる〜くすりの適正使用協議会が「医薬品情報に関する意識調査」を発表〜

    一般社団法人くすりの適正使用協議会は、一般生活者および医療従事者を対象に実施した「医薬品情報に関する意識調査」の結果を公表した。高齢者のスマートフォン利用率増加などを背景に、処方薬の調べ方としてインターネットの活用が最多となるなど、一般生活者の情報入手行動に大きな変化が見られることが明らかになった。 医療用医薬品の情報入手は「インターネット」が最多 処方された医療用医薬品の調べ方について調査したところ、一般生活者におけるインターネット(アプリ含む)の利用率は62.6%に達し、最多の調べ方となった。インターネットと医療者(医師・薬剤師)への相談が同程度であった2020年の調査と比較すると、今回の調査では医療者との差が約20〜30ポイントに広がっている。一般生活者が情報を調べる相手や手段としては、「薬剤師に聞く」が42.7%、「医師に聞く」が33.9%という結果であった。また、情報を調べる目的の91.0%は「自分自身」のためであるが、「家族」のために調べるという人も35.7%にのぼっている。調べるタイミングとしては、「初めての種類の医療用医薬品をもらった時」が62.8%で最も多い結果となった。 あなたは、処方された医療用医薬品について調べるとしたら、どのように調べますか(複数回答) 副作用への関心、10年前から7ポイント増加 医師が処方した薬を使う際の副作用に対する意識についても、一般生活者の関心が高まっていることが示された。副作用を「非常に気にしている」または「まぁ気にしている」と回答した人の合計は46.9%となり、2015年調査の39.9%から7ポイント増加している。一方で「どちらともいえない」とする回答は減少傾向にあり、副作用に対する生活者の問題意識がより明確になっていることがうかがえる。 医薬品の基本的な情報の中で「特に知りたい情報(一般)」および「優先度を高く説明したい内容(医療者)」の1位は、ともに「薬の効能・効果」であった。なお、薬の「飲み合わせ(他の薬や食品との相互作用)」に関しては、医療者の優先度が18.8%であるのに対し、一般生活者の関心は28.9%と特に高い傾向にあり、両者の意識にギャップも確認された。 あなたは、医師が処方した薬を使うとき、副作用をどの程度気にしていますか(単一回答) <一般>医療用医薬品についての以下の基本的な情報のうち、特に知りたい情報をお答えください。(5つまで複数回答)<医療者>あなたが医療用医薬品について患者さんに説明する際に、優先度の高い内容をお答えください。(5つまで複数回答) オンライン服薬指導において薬剤師の約6割が資材活用を希望 今後の普及が見込まれるオンライン診療やオンライン服薬指導、あるいはチャットでの服薬フォローアップに関する調査も行われた。これらのオンライン対応を行う際に、製薬企業が作成した患者向け資材を「使いたい」と回答した割合は、病院勤務の薬剤師で65.0%、調剤薬局勤務の薬剤師で61.0%に達した。一方で医師は28.0%、看護師は36.0%にとどまっており、薬剤師の間で患者向け資材の活用意向が特に高いことが示された。 あなたは、今後オンライン診療・オンライン服薬指導、オンラインやチャットでの服薬フォローアップなどを行う際に、製薬企業が作成した資材を使いたいですか(単一回答) 信頼できる情報源の提供を目指して 同協議会は、インターネットや生成AIの普及により多様な情報があふれる現代だからこそ、情報の信頼性を見極めることがこれまで以上に重要になっていると指摘している。今後も製薬企業が作成した信頼性の高い患者向け情報「くすりのしおり®」を電子的に提供するプラットフォームとしての価値を高め、患者と医療者の双方に活用される環境づくりを推進していく方針である。

  • 緊急避妊薬の「仕組み理解」はわずか6.8%、アリナミン製薬が正しい知識の普及を目指し『レソエルⓇ72』公式TikTokを開設

    オリジナルキャラクター「ナーナ」(左)と「ニーニ」 アリナミン製薬株式会社は2026年7月2日、要指導医薬品である緊急避妊薬『レソエルⓇ72』の公式TikTokアカウント(アカウント名:『レソエルペンギン隊』)を開設した。同アカウントでは、緊急避妊薬に関する正しい知識をわかりやすく伝えるための啓発コンテンツを展開していく。 不十分な理解と情報提供の必要性 同社が『レソエルⓇ72』の市販化から3か月が経過したタイミングで、全国の20代〜40代の女性1,000人を対象に調査を実施したところ、緊急避妊薬について「仕組みまで理解している」と回答した人はわずか6.8%にとどまることが判明した。また、約4割の人が「性交後72時間以内の服用が必要」であることを正しく認識しておいらず、約7割がこれまでに十分な知識を得る機会がなかったと回答している。 緊急避妊薬は、必要が生じた際に初めて検索や情報収集が行われることが多い。しかし、緊急時には時間的・心理的な余裕がなく、適切な情報にたどり着けないまま不安を抱えてしまうケースが少なくない。そこで同社は、若年層が日常的に利用するTikTokを活用し、必要になる前から正しい知識に触れられる機会の創出を目指す。 公式TikTokアカウントの特徴 公式TikTokでは、専門知識がない人でも身構えることなく視聴できるよう、心理的安全性に配慮したコンテンツ設計を行う。 ① ユーザーフレンドリーな情報発信 ショート動画を用いて、緊急避妊薬や妊娠・避妊に関する正しい知識、購入方法、薬剤師への相談方法などを発信する。啓発色を前面に出さない自然なトーン&マナーを採用しており、各動画の最後には「本日のメモ」として重要ポイントをまとめることで、見返しや保存がしやすい設計としている。 ② オリジナルキャラクターによるコミュニケーション 動画には、不安を抱える女性に寄り添うオリジナルキャラクターの「ナーナ」と「ニーニ」が登場する。レソエルペンギン隊の隊長である「ナーナ」は、冷静で親切、知識が豊富な頼れる存在であり、不安を抱える相手をやさしく包み込みながら解説を行う。一方、見習い隊員の「ニーニ」は、慌てん坊ながらも一生懸命な性格で、視聴者の疑問や不安を代弁してナーナに質問する役割を担う。 ③ リアルな疑問を反映したコンテンツ 動画の企画は、発売時にSNSやWeb上で多く見られたリアルな疑問や不安の声をもとに構成されている。具体的には、避妊成功率や副作用の有無、将来の妊娠への影響といった身体的な不安から、誰がどこで購入できるのかといった具体的な手順にいたるまで、幅広く応えていく。 今後の展望 アリナミン製薬は、女性のWell-beingに寄り添う企業として、適切な情報とともに『レソエルⓇ72』を届ける方針である。学生世代を含む若年層への情報発信をはじめとした多様な取り組みを通じ、誰もが必要な時に必要な医薬品にアクセスでき、正しい理解が社会全体に広がる環境づくりを推進していく。 なお、公式アカウントである『レソエルペンギン隊』は2026年7月2日より投稿を開始し、専用のURL(https://www.tiktok.com/@lesoeru_penguin)から視聴することができる。

  • 【クオール】グループ全薬局で「健康ハートの日2026」キャンペーンに参画。地域住民の血圧管理と予防医療を推進

    クオールホールディングス株式会社は、2026年7月1日、同社グループが運営する全国の保険薬局全店舗において、健康ハートの日2026「血圧測ろうぜ!」キャンペーンへ参画することを発表した。 同キャンペーンは、日本心臓財団、日本循環器学会、日本循環器協会、日本AED財団の4団体が共催で実施するものだ。「健康ハートの日」は、8月10日が「810(ハート)」と読めることから、1985年に日本心臓財団が提唱したことに由来する。毎年この時期には、心臓病や脳卒中といった循環器疾患を予防するためのさまざまな取り組みが展開されている。 今回の参画により、全国のクオール薬局グループ(売店を除く)では、7月1日から8月31日までの期間中、健康啓発活動が一斉に実施される。店頭では啓発ポスターが掲示されるほか、薬剤師によるリーフレットを用いた血圧に関する情報提供、健康相談、さらには必要に応じた受診勧奨などが行われる。 同社は、今回のキャンペーンを単なる血圧測定の機会提供にとどまらず、人々が自らの健康と向き合うきっかけを創出するものと位置づけている。全店舗が持つ地域との接点を最大限に活用することで、地域住民や働く世代の健康意識向上を図り、予防医療の推進に大きく貢献していく方針だ。 同社は、こうした活動をグループ全体で継続的に展開することにより、健康寿命の延伸という社会的課題の解決に向けた一翼を担い、地域医療を支える企業としての社会的役割をさらに果たしていくとしている。

  • KDDIと三菱商事の合弁会社、オンライン薬局「Ponta薬局」を7月1日に開局〜スマホ完結の服薬指導に加え、全国のローソン店舗での処方薬受け取りを実現〜

    パームヘルスケア株式会社は、2026年7月1日、スマートフォンからオンライン服薬指導や処方薬の受け取り手続き、薬の相談までを一気通貫で提供する「Ponta薬局」を開局した。 同社は、KDDI株式会社と三菱商事株式会社がそれぞれ50%ずつ出資する合弁会社(2026年2月設立)。通信と流通のインフラを持つ大手2社の強みを融合させ、デジタルトランスフォーメーション(DX)による医療アクセスの課題解決を目指す。 サービス概要とビジネスパーソンにおけるメリット Ponta薬局は、LINE公式アカウントおよび公式ウェブサイトをプラットフォームとし、時間や場所の制約を受けない柔軟な調剤サービスを提供する。 最大の特長は、処方薬の受け取り場所に「自宅配送」だけでなく、「全国の対象ローソン店舗」を選択できる点にある。これにより、従来の薬局における「待ち時間」や「移動コスト」が大幅に削減される。 ■主な特徴とビジネス価値 シームレスな顧客体験:LINEやWebを通じたオンライン服薬指導により、来局負担を解消。 タッチポイント(顧客接点)の拡大と利便性向上:全国の対象ローソン店舗を受取拠点とすることで、出勤・通学時や外出先における処方薬の受け取りを容易に。 医療アクセス課題の解決:近隣に薬局が少ない医療過疎地域や、薬局の営業時間内に訪問が困難なビジネスパーソン・子育て世代の不便を解消する。 利用概要 項目 詳細 開局日 2026年7月1日 営業時間 9:00 - 18:00(年中無休 ※年末年始等を除く) 利用料金 【処方薬の受け取り】調剤費用 + 配送料 【お薬の相談】無料 プラットフォーム LINE公式アカウント「Ponta薬局」、公式ウェブサイト 医療DXの更なる推進 パームヘルスケアは「健康を、もっと自由に、もっと身近に。」という理念を掲げ、デジタルとリアルを融合したヘルスケアサービスの創出を推進している。 今後は、医療機関やオンライン診療システム提供者との外部連携をさらに強化する方針だ。これにより、「スマートフォン上でのオンライン診療」から「服薬指導」「処方薬の受け取り」までをシームレスに完結させる次世代型医療プラットフォームの構築を目指す。大手キャリアの顧客基盤と、国内有数のコンビニエンスストア網というリアルな店舗ネットワークが融合した同サービスは、今後の医療DX市場において重要なポジションを占めるものと注目される。

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