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- 激動の時代を生き抜く未来の薬剤師像とは? BRPhCが語る「未来の薬剤師を語る会」開催
厚生労働省の2021年薬剤師需給推計によると、日本の高齢者人口がピークを迎える2040年には、最大で約10万人強の薬剤師が供給過剰となると予測されている。この年は、薬剤師業界にとって大きな転換点となるであろう。 このような激動の時代において、薬剤師が生き残り、社会に貢献するために何を考え、どう行動すべきか。現場の課題解決と、薬剤師が社会で役立つ新たな職域開拓を目指す有志の集まりである「Be Reborn Pharmacist Council(BRPhC)」が、未来の薬剤師を議論するイベント「未来の薬剤師を語る会」をオンラインで開催する。 このイベントでは、BRPhCメンバーと薬学生が、薬剤師の未来について「ぶっちゃけトーク」で本音を語り合う。 未来の薬剤師を語る会:開催内容 第1回「薬学生と語ろう1」(2025年7月15日) 登壇者: 学生:荻原玲氏(明治薬科大学6年)、寺田恒一氏(明治薬科大学6年) その道のプロ:大道一馬氏(株式会社バシラックス) テーマ: 荻原氏は「生き残れる薬剤師はどんな薬剤師か」、寺田氏は「起業するにはどうすればよいのか」という疑問を提示し、大道氏が専門的な視点から回答する。 第2回「薬学生と語ろう2」(2025年8月15日) 登壇者: 学生:林南々子氏(金城学院大学6年) その道のプロ:前田幹広氏(聖マリマンナ医科大学病院) テーマ: 林氏の「DMATの一員になって災害医療に携わりたい」という目標に対し、病院薬剤師のプロが具体的なキャリア形成について語る。 第3回「薬学生と語ろう3」(2025年9月15日) 登壇者: 学生:柴田稜氏(東京薬科大学6年) その道のプロ:飯島伴典氏(上田市議会議員、イイジマ薬局) テーマ: 柴田氏の「秋田から日本へ―未来の薬剤師の発信」という目標を基に、地域活動や政治といった多様な視点から薬剤師の可能性が議論される。 ・BRPhC チャンネル https://www.youtube.com/watch?v=-s_qq3QExdA BRPhCチャンネルと薬学生の参加募集について BRPhCは、これらの活動内容を「BRPhCチャンネル」で随時発信していく。薬学生が抱く素朴な疑問にも、率直な意見で答えていく。 またBRPhCでは、未来の薬剤師像を描き、共に活動する薬学生を募集している。日頃感じている不満や、薬剤師になるために何をすべきかといった疑問など、どのようなことでも構わない。興味のある薬学生は、 BRPhCのウェブサイト の お問い合わせフォーム から連絡が可能である。激動の時代を共に乗り越える仲間を求めている。
- 【イベント告知】第2回薬局で働いてみてどうですか?~『薬剤師免許を取った!』の先を考える
株式会社カケハシは薬学生対象のイベント「第2回 薬局で働いてみてどうですか?~『薬剤師免許を取った!』の先を考える」を8月7日に東京都内で開催する。 昨年も開催され好評だったイベントで、薬局企業で勤務する現役の薬剤師がそれぞれのキャリアと仕事内容の説明を行い、学生は直接交流することができる。 在宅や認定・専門などの強みを持つ薬剤師の話が聞けること、これからの時代に必須な薬局のデジタル活用についての情報が得られること、ランチやデザートを楽しみながら交流できることが特徴で、昨年開催された第1回も好評だった。 主催:株式会社カケハシ 日時:2025年8月7日(木) 10:30~14:00(ランチ付き) or 15:00~17:30(デザート付き) ※開催時間は前後する可能性あり 会場:新宿国際ビルディング地下1階 グレイドパーク新宿(東京都新宿区西新宿6丁目6−2) 参加無料、事前申し込み制 申込みはイベントの特設サイトから URL https://musubi.kakehashi.life/special/event-20250807
- 第18回日本在宅薬学会学術大会が開催―薬局3.0への転換と薬剤師の新たな役割―
医療DXの加速と地域包括ケアシステムの進展に伴い、薬局の役割は大きく変化している。日本在宅薬学会は、「極めろ!薬局3.0~エビデンスの共有と発信~」をテーマに第18回学術大会を2025年7月20日・21日に開催し、薬局の新たな役割、課題、そして未来像について活発な議論が交わされた。 薬局2.0から3.0へ:転換期の課題と展望 大会冒頭、大会長の鈴木勝宏氏(日本薬科大学教授)は、薬局の現状を1.0(OTC販売中心)、2.0(調剤業務中心)、3.0(地域包括ケアシステムの一翼を担う薬局)とし、現在は薬局2.0が衰退期を迎え、薬局3.0が成長期に入っているとの認識を示した。 特に2025年問題は、薬局の役割を大きく変革させると指摘された。団塊の世代が後期高齢者となり、国民の4人に1人が後期高齢者となるこの年は、社会保障費の増大、労働力不足、経済停滞、医療・介護の逼迫といった喫緊の課題を突きつける。これに対応するため、地域包括ケアシステムや地域医療構想が推進され、すべての薬局が「かかりつけ薬局」へと移行することが求められている。 鈴木氏 近年、薬機法改正や調剤報酬改定により、薬局の機能は大きく変化している。健康サポート薬局の届出開始、対人業務への業務割合再編成、オンライン服薬指導の法制化、認定薬局制度の導入などが進められてきた。さらに2025年5月には、調剤業務の一部外部委託や、薬剤師管理下での遠隔一般用医薬品販売などが認められるなど、対物業務から対人業務への構造転換が加速していると強調した。鈴木氏は、サブタイトルを「エビデンスの共有と発信」とした理由について、薬局からのエビデンス発信がまだ少ない現状を鑑み、学術大会を通して全ての薬剤師がエビデンスを共有し、今後発信していけるような場を目指したと説明した。 薬局3.0を「極める」 続いて、大会理事長の狭間研至氏(ファルメディコ株式会社代表取締役社長)が、「極めるべき薬局3.0とは何か」をテーマに講演した。狭間氏は、自身の薬局運営経験から、従来の調剤薬局モデル(薬局2.0)が経済的に依存しやすく、将来的な成長に限界があると感じていたことを明かした。 狭間氏は、薬局が「来てもらう」受動的な姿勢から、「こちらから行く」能動的な姿勢への転換が必要だと強調。単なる医薬品のデリバリーサービスではなく、訪問服薬指導やバイタルサインチェック、さらには医師との連携を通じて、患者のアウトカムに貢献することの重要性を訴えた。 狭間氏は、「極めるべき薬局3.0」とは、単に薬を届けたり、在宅訪問でバイタルサインを測定したりするだけでは不十分であると指摘した。それらは自己満足に陥る可能性があり、医師への報告だけで終わるものではないと述べた。重要なのは、薬剤師の存在によって患者の結果や経過がどう変わったのかを示すエビデンスを出すことであるとし、これまで「薬剤師が存在しなければあり得なかった結果」を重視してきたと話した。 また、在宅だけでなく、外来やセルフメディケーションの分野においても、対物から対人への転換が不可欠であるとした。単に薬を渡すだけでなく、患者の症状の変化や薬の効果を積極的に確認し、必要に応じて適切な助言を行うことが求められると強調した。そして、これらの実務において薬剤師以外の職種との協働が極めて重要であると述べた。 狭間氏は、薬剤師の専門性の基盤である薬物動態や製剤の知識を最大限に活用することの重要性を改めて指摘した。外来診療における薬剤師のフォロー、アセスメント、フィードバックが医師の新しい治療戦略となり、タスクシェアリングを促進するとした。現状では薬剤師がそこまでを自身の業務と考えていない割合が一定数存在するため、医師は薬剤師に任せきれない状況にあると指摘。薬剤師が継続的にコミットし、患者の状態変化を的確に把握することが不可欠であると強調した。 狭間氏 さらに、高齢化の進展と要介護認定率の増加を挙げ、85歳以上の人口の57%以上が要介護認定を受けている現状において、患者は一人で病院に通うことが困難であるため、薬局側からの訪問が不可欠となると述べた。これに伴い、オンライン服薬指導の重要性も増しており、海外では医師と看護師によるオンライン診療が進む一方、日本では医師と薬剤師という形も十分にあり得るとの見方を示した。薬剤師が患者の状態を理解し、処方内容と関連付けて医師に情報提供できる役割は、生産年齢人口が減少する中で、薬物治療をメインとする医療においてますます重要になると強調した。 家庭薬(OTC医薬品)を通じた地域貢献と薬剤師の役割 今回の大会では、家庭薬(OTC医薬品)の重要性についても議論が深まった。薬剤師が健康サポート薬局として、患者のセルフメディケーションを支援するうえで、OTC医薬品の知識と適切な情報提供が不可欠であると強調された。 会場内には日本家庭薬協会が主催する「模擬薬局」が設置され、製薬企業各社が家庭薬のサンプル提供や紹介を行った。参加した薬剤師たちは、OTC医薬品に関する活発な質疑応答を交わし、知識を深める機会となった。また、一般市民向けの公開講座も開催され、セルフメディケーションの啓発活動にも力が入れられた。 特に、在宅医療において、高齢患者のポリファーマシー問題や便秘などの症状に対し、マイルドな作用の家庭薬が有効な選択肢となり得ることも提案した。薬剤師が患者の状態に合わせて、医療用医薬品だけでなく、家庭薬も含めた多様な選択肢を提案できる能力は、今後ますます重要となるだろう。 模擬薬局の様子 商品の特徴を参加者に説明 入り口に掲げられたのぼり シンポジウムでは薬学生が登壇(左3人が薬学生、右2人が薬剤師)
- 薬学の学びを社会へ還元する「おくすり教室」
おくすり教室 代表 大神徳己 薬学の魅力を社会に広く伝える学生団体「おくすり教室」を立ち上げた大神徳己さん。児童館や地域のお祭りなどでの軟膏調剤体験や薬のメカニズム解説を通じて、薬剤師の役割や社会的な意義を分かりやすく伝えている。活動の経緯や今後の展望などを聞いた。 ―― 「おくすり教室」設立の経緯と、活動に至った背景をお聞かせください。 「おくすり教室」の原点は、幼少期に「学ぶ楽しさ」や「科学のワクワク感」に触れた体験にあります。この感動を自身の専門分野である薬学で届けたいという思いから、東京薬科大学の学生団体「キッズ・ラボ」で活動を始めました。しかし、新型コロナウイルスの影響で対面イベントが制限され、活動は応募者限定配信の動画制作が中心となっていました。参加者の反応を直接得られないことに強いもどかしさを感じ、「もっと多くの子どもたちに直接楽しい体験を届けたい」という思いから、2022年4月に独立団体「Light Bulb」を立ち上げたのです。 当初はSNSを通じての実験動画の公開が中心でしたが、大学の後輩からの誘いを受け、児童館での対面イベント開催に初めて踏み出しました。この経験を通して、直接子どもたちと触れ合う喜びと感動を強く実感しました。そして、「科学の楽しさを届ける」だけでなく、「自分たちの専門性である薬学を生かして、もっとユニークで深みのある体験を提供できないか」と考えるようになり、活動の軸を「科学」から「薬学」へと移しました。こうした経緯を経て、団体名も「Light Bulb」から「おくすり教室」へと改め、薬学に特化した活動であることを明確にしたのです。 ―― 現在の活動内容と、特に力を入れているプログラムについて教えてください。 子どもから高齢者まで幅広い世代を対象とした薬学体験イベントを実施しています。主なプログラムは、白色ワセリンなどを用いてクリームを作成し、薬剤師の業務を体験できる「軟膏調剤体験(ハンドクリームづくり)」です。もう一つは、薬の作用メカニズム解説や残薬・ジェネリック医薬品について、日常生活に役立つ情報を提供する「お薬講座」です。特に高齢者向けには、かかりつけ薬局の重要性やOTC医薬品との飲み合わせといった実生活に直結するテーマが好評を得ています。 現在は児童館からの依頼による出張イベントが多く、地域に根差した活動に広がっており、今後は学校や薬局などでの開催も目指しています。 薬剤師の業務を体験できる「軟膏調剤体験」 高齢者向けの「お薬講座」 ―― 薬学生が薬剤師の役割を社会に広める意義について、どのようなお考えですか? 薬学生が自ら伝え手となることで、「薬剤師=調剤する人」という一般的なイメージを超えた、より本質的な役割を社会に届けることができると考えています。薬の仕組みや副作用、飲み合わせといった生活に直結する知識は、本来薬剤師が積極的に伝えるべきものです。 イベントを通じて、特に印象的だったのが、埼玉県所沢市で開催されている「ところティーンズフェスティバル」での体験です。子どもから保護者、地域の方々まで100人以上が来場し、調剤体験や薬剤師の仕事を身近に感じていただける機会となりました。参加者からは「薬を混ぜるのが楽しかった!」「薬剤師ってこんなことをするんだ!」といった声のほか、社会人の方から「薬局で待ち時間が長い理由が分かった」との感想も寄せられました。 また、児童館での出張イベントでは、薬袋作成や調剤体験などを通して本物に近い形で薬局の仕事を体験できる内容が高く評価され、「子どもたちの体験不足が課題とされる昨今、非常に意義のある事業」とのお声をいただきました。 さらに、高齢者向けイベントでは、かかりつけ薬局の重要性やマイナンバーカードの活用、OTC医薬品・サプリメントとの飲み合わせなど、実生活に直結するテーマが関心を集め、「とても実践的でためになった」と好評をいただいています。私たち薬学生自身にとっても、こうした「伝える経験」は自身の学びを深め、臨床や地域連携への意識を高める貴重な機会となっています。 ―― 活動資金はどのように調達されていますか? 当初は自己資金で活動していましたが、2024年度に八王子市の学生事業補助金に採択されました。獲得した約10万円の補助金で、イベントを成功させることができました。 現在、法人化を目指してクラウドファンディングを実施しています(2025年8月末で終了。 https://camp-fire.jp/projects/848000/view )。また資金調達だけでなく、東京薬科大学の薬学部の研究室と連携したマグカップなどのコラボ商品を通して、薬学の魅力を広げることにも挑戦しています。 ―― 今後の展望と、薬学を通じて目指す未来について教えてください。 薬学の魅力をより深く伝えていくための展開を計画しています。主な取り組みとして、年齢やニーズに応じた教育プログラムの体系化を進め、持続可能な教育資源を構築していきます。また、現場の薬剤師と協力した地域薬学サロンを開催し、住民が気軽に薬の悩みを相談できる場を設けることで、「予防・服薬・生活支援」を含む幅広い薬学的支援を提供します。さらに、オンラインと対面のハイブリッドイベントを構築し、多様な層への情報発信と交流を目指します。 将来的には、軟膏調剤体験を応用したハンドクリームや化粧品づくりといった体験型プログラムを展開する予定です。「薬学=病気に関するもの」という従来のイメージを超え、「健康や美容を支える学問」としての薬学の側面も伝えていきたいと考えています。地域のサイエンスイベントは「楽しさ」に重点を置くことが多いですが、私たちは「人や社会を助ける」という点に焦点を当てたサイエンスを伝えたいと考えています。 おくすり教室のメンバーとの動画作成の様子 ―― 薬学生へのメッセージをお願いします。 地域の方々が関心を持つのは、薬学の専門知識そのものよりも、「薬学生として何を学んでいるのか」「どうして薬学を選んだのか」といった、私たちの日常的な思いや関心だったりします。 もし、将来薬剤師として自分らしいオリジナリティを持って働きたいと考えているなら、地域の方々と実際に触れ合い、社会が何を求めているのかを感じ取れる場所に身を置いてみてください。臨床だけでなく、大学で学ぶ薬学の知識が、実際の生活や社会の中でどう役立つのかを肌で知ることができ、そこから新しい気づきや行動のきっかけが生まれるはずです。 私自身、決して自信のあるタイプではなく、たくさんの失敗を経験してきました。時には自分の至らなさから大切な仲間を失ってしまったこともあります。しかし、どれだけ人の話を聞いたり本を読んだりしても、結局は「自分が経験してみないと分からないこと」の方がずっと多いと今になって思います。 薬学生という時間は、「試して、学んで、間違えて、また立ち上がる」ことが許される貴重な時期です。だからこそ、自分の中にある「これ、やってみたいな」と思った気持ちを大切にして、ぜひ一歩踏み出してみてください。 大神徳己(おおがみ・あつき) 2002年生まれ、北海道札幌市出身。東京薬科大学薬学部医療衛生薬学科6年。高校時代は科学部の部長として活動し、日鉄エンジニアリング社とリバネス社が共同開催したエコロジープラントプロジェクト「Mission-E」にて総合優勝と技術賞を受賞。大学進学後、薬学の面白さを伝える学生団体「おくすり教室」を設立し、代表を務めている。「薬学って面白い!」「サイエンスって人の役に立つんだ」という気づきを届けることをスローガンに掲げ、全国でイベントを開催中。趣味は天体観測と動画編集。モットーは「やれるだけのことはやってみよう。止まらなければ、結構進む。」 おくすり教室X: https://x.com/lightbulbmirai おくすり教室Instagram: https://www.instagram.com/lightbulbmirai/
- 【東京薬科大学】獣医療における薬剤師の新たな役割を開く:研修プログラム開発に着手
東京薬科大学の櫻井浩子教授と畔蒜祐一郎助教らの研究グループは、獣医療の高度化とペットの高齢化が進む現状を受け、薬剤師がこの分野で果たすべき役割に注目。全国の保険薬局・ドラッグストアに勤務する薬剤師を対象とした「獣医療における薬学研修プログラム」の開発を開始した。この研究は東京海上ウェルデザイン株式会社との共同で行われ、薬剤師の新たな職能拡大と獣医療の質向上を目指す。 高まる獣医療への薬学的支援ニーズ 犬猫の飼育数が人の出生数を上回る中、動物医療は急速に発展している。一方で、薬剤師法第19条は「薬剤師でない者は、販売または授与の目的で調剤してはならない」と定めており、獣医療においても薬剤師の専門知識が求められる。しかし、獣医領域に関する学習機会が不足していることが課題となっていた。 2025年9月開講へ この課題を解決するため、開発される研修プログラムは、獣医薬理学、機能形態学、適正飼養学、飼い主対応、投薬技術、服薬指導、法規・倫理などを網羅するオムニバス形式のe-learning講座となる。受講者アンケートを通じて、教材による知識・意識の向上を評価し、今後の教材整備につなげる計画だ。 この取り組みは、薬剤師が獣医師や愛玩動物看護師と連携し、飼い主へより安心・安全な獣医療を提供する基盤を築くものと期待される。プログラムは2025年9月に開講し、2026年3月までにアンケート結果を集計する予定である。日本保険薬局協会およびスギホールディングスとも連携し、薬剤師の職能拡大に貢献していく。 地域の薬局リソースの活用可能性について 研修講座概要(計8コマ)
- 【千葉科学大学】制作途中のウェブサイトを公開 「未完成」を武器に、大学改革への一歩
千葉科学大学は制作途中のウェブサイトを一般公開し、ユーザーからのフィードバックを募ることで「大学とともにつくるサイト」という前例のない試みに乗り出した。これは、大学が生まれ変わるための新たなリブランディングプロジェクトの一環である。 未完成を「武器」に、大学が進化へ 千葉県銚子市にキャンパスを構える同大学は、現在進行中のウェブサイトリニューアルにおいて、制作途中の状態をあえて一般公開する異例の試みを開始した。「完成してからでは遅い。だからこそ今、声を聞きたい」という強い思いが、今回のリブランディングプロジェクトを始動させた理由だ。 制作現場も公開!リアルタイムで「進化する」サイト 特設ティザーサイトでは、リニューアル作業の様子や更新されていく情報の断片、そして試行錯誤のプロセスまでもがリアルタイムで公開されている。さらに、訪問者からの応援メッセージやフィードバックコメントも積極的に受け付けており、「未完成であることを、魅力に変える」という同大学の強い意思と覚悟がうかがえる。 海を最大限に生かしたデザインと、参加型コンテンツ リニューアル予定のデモサイトは、海がすぐそばにあるという立地を最大限に生かし、雄大な海の写真を大胆に取り入れたビジュアルデザインを展開している。まるで西海岸のような開放感あふれるトップページは、地域とつながる学びの場としての個性を際立たせている。 また、サイト上には誰でも投稿できるコメント欄が設置されており、「ここがいい!」「もっとこうしてほしい!」といった賛否両論のコメントを歓迎している。投稿されたコメントは実際にサイト内に表示され、今後のプロジェクトの参考にされる予定だ。ユーザーの声が大学を変える力となる可能性を秘めている。 同大学は、今回のウェブサイト公開に留まらず、今後も新しい広報の形を模索し、大学の魅力をより多くの人々に伝えるべく挑戦を続けていく構えだ。 ●特設ティザーサイト https://www2.cis.ac.jp/project/ ●公開リニューアルデモサイト https://www2.cis.ac.jp
- 静岡県病院薬剤師会と静岡県立大学薬学部が連携協定を締結、地域医療貢献へ
静岡県病院薬剤師会・渡邉 学会長(左)と静岡県立大学薬学部・吉成浩一学部長 2025年6月9日、静岡県病院薬剤師会と静岡県立大学薬学部は、薬剤師の養成と地域医療への貢献を目指し、連携協定を締結した。これは、静岡県が抱える薬剤師不足、特に病院薬剤師の不足という喫緊の課題に対応するものだ。 静岡県の深刻な薬剤師不足 2022年時点で、静岡県の薬剤師数は人口10万人あたり190.5人と、全国平均の202.6人を下回っている。さらに、厚生労働省が2023年6月に公表した「薬剤師偏在指標」によると、静岡県の病院薬剤師偏在指標は約0.66と全国40位に留まる一方、薬局薬剤師指標は約1.01と全国16位と比較的高水準である。このデータは、静岡県において病院薬剤師の養成と確保が最も重要な課題であることを明確に示している。 協定による連携強化と今後の展望 これまでも両機関は薬剤師養成において協力体制を築いてきたが、今回の協定締結により、その連携はさらに強化される。具体的には、薬学実務実習における相互協力や医療薬学に関する情報交換が促進され、地域医療の発展に向けたさまざまな取り組みが、より組織的かつ継続的に実施できる体制が整う。 今後、両機関が持つ専門知識とネットワークを最大限に活用し、静岡県内外で活躍できる優秀な薬剤師を育成していく方針だ。これにより、地域に根ざした医療体制の強化を目指し、静岡県の医療をより一層支えていくことが期待される。具体的な連携内容については随時協議が行われ、必要に応じて覚書を締結しながら、実践的で実効性のある取り組みが進められていく予定だ。
- 東京理科大学葛飾キャンパス 新たな歴史の幕開け
16年の歳月を経て完成したイノベーションキャンパス 東京理科大学の浜本隆之理事長は、開会の挨拶で、葛飾キャンパスが2013年に「先端分野の連携を重視し、教育と研究を推進するイノベーションキャンパス」として開設されたことに触れた。そして、2021年に着工した第2期工事の目玉である共創棟が昨年9月に竣工し、今年4月には薬学部が野田キャンパスから移転を完了したことを報告。これにより、2009年のキャンパス開設計画開始から約16年という長きにわたる整備計画と学部移転が全て完了し、新たな葛飾キャンパスが誕生したと述べた。 葛飾キャンパスは、地域との共生を理念に掲げ、産学連携の推進、公開講座の実施、公園や運動場、葛飾区未来わくわく館を通じた交流の場提供など、地域との連携を積極的に行ってきた。薬学部の移転により、葛飾キャンパスは工学部、先進工学部、そして薬学部の3学部体制となり、約7,000名と東京理科大学で最大の学生を擁するキャンパスへと成長した。浜本理事長は、これを機に学部を超えた教育研究活動や学生間の交流がより一層活発になり、キャンパス全体としてさらなる進化を遂げることに期待を寄せた。 オープニング 東京理科大学和太鼓サークル「和太鼓 樹」による演奏 「葛飾モデル」で社会に貢献する大学へ 石川正俊学長は、大学の使命が教育・研究に加え「教育と研究の成果を社会に還元すること」に変わったことに言及。東京理科大学が「日本随一の理工系総合大学」として、日本に合った産学連携を推進してきたと述べ、葛飾キャンパスにおいて「葛飾モデル」と称する新たな産学連携モデルを推進していく意向を示した。これは、キャンパス内に留まらず、周辺にベンチャー企業や大手企業のサテライトが集積し、大きなクラスターを形成することで社会のイノベーションを推進する形を目指す。 また、科学技術の広範化に対応するため、他大学との分野を超えた連携も推進する。既に東京慈恵会医科大学、日本医科大学との医学分野での連携が進められており、今後はそれ以外の分野にも広げ、「理科大の葛飾キャンパスに行けば、科学技術の全てが揃う」ようなクラスター形成を目指すという。さらに、AIの進化に対応した初等中等教育の改革にも言及し、葛飾区と連携しながら大きな絵を描いていると語った。 完成お披露目会が行われた図書館大ホール 地域に開かれたパーク型キャンパス「共創棟」 1881年に東京物理学講習所として創設された東京理科大学は、現在4つのキャンパスを擁し、2031年には創立150周年を迎える。葛飾キャンパスは、神楽坂キャンパスと野田キャンパスの中間に位置し、各キャンパスのシナジー効果を狙って設置された。「地域に開かれたパーク型キャンパス」をコンセプトとし、キャンパス内に門を設けず、誰もが自由に敷地を散策できる設計となっている。中央には約250メートルのキャンパスモールが整備され、印象的な景観を創出している。また、南北の公園とガーデンパスで繋がることで、地域の回遊性向上にも貢献。環境負荷を抑えた地球に優しいキャンパスとして、自然エネルギーの活用や省エネルギーでの管理などにも取り組んでいる。 今回完成した共創棟は、地上11階、地下2階建てで、地上45メートルと既存の第一研究棟と高さを合わせた設計となっている。共創棟は、薬学部等の研究室や実験室を配した「フォーカスゾーン」と、交流やディスカッションの場となる「コラボレーションゾーン」に分かれている。 1階のラーニングスクエアやラウンジは開放的な空間で、学生の交流を促進する。また、カフェ店とコンビニエンスストアも入居し、学生や教職員のキャンパスライフを充実させる。研究室や実験室は地下階や高層階に配置され、研究に集中できる環境を整備。教室エリアは大小29の教室があり、プロジェクターやスクリーン、電源付きの固定机などを完備している。2階には事務機能が集約されており、学生はワンストップで各種手続きを行える。 兵庫明常務理事は、共創棟がイノベーション創出、キャンパスの中心拠点、地域連携のさらなる推進の場となることに期待を述べた。 共創棟 コラボレーションゾーン 東京理科大学葛飾キャンパスは、新たな施設と理念のもと、教育・研究の発展だけでなく、地域社会との連携を強化し、未来を拓く人材育成と社会貢献を一層推進していくこととなるだろう。
- 【千葉大学】マツキヨココカラ&カンパニーへ感謝状を贈呈
2025年5月23日(金)、千葉大学学亥鼻キャンパスにて、株式会社マツキヨココカラ&カンパニーへの感謝状贈呈式が執り行われた。式典では、同大学薬学研究院院長の小椋康光氏より、同社常務取締役の小部真吾氏へ感謝状が手渡された。 同社による寄附講座は、2013年度に設置されて以来、医薬品の適正使用の普及、地域医療への貢献、医療関連サービスの充実を目的とし、薬学分野の教育・研究に多大な支援と協力を続けてきた。 今回の感謝状は、長年にわたる同社の寛大な支援と協力が、薬学研究院における教育・研究活動の発展に大きく寄与したことに対する深い感謝の意を表すものである。 同大学は、今後も産学協働の強みを生かし、同社との連携を一層強化しながら、薬学教育・研究のさらなる発展に邁進していく。
- 大学連携で「薬食同源」を実践 女子栄養大学と日本薬科大学が共同で薬膳調理実習を実施
調理に取り組む学⽣ 全国的に大学間の連携が活発化しており、それぞれの強みを活かした独自の取り組みが進んでいる。その一つが、女子栄養大学(2026年4月より「日本栄養大学」に改称)と日本薬科大学による協力関係だ。 両大学は、古くから伝わる「薬食同源」の理念を現代に生かし、食と医療の連携を通じて地域社会に貢献することを目指し、2019年9月に包括連携協定を締結した。 この連携は多岐にわたる。始まりは、箱根駅伝出場を目指す日本薬科大学陸上競技部の栄養指導だった。その後、2022年からは鴻巣市内の交流施設「にこのす」にある カフェで、両大学の学生が地元食材を使ったメニューを定期的に提供し、地域との接点を増やしている。 実践的な「薬膳調理実習」で知識と技術を習得 さらに、2023年度からは正規科目として「薬膳調理実習」を共同開講している。これは、日本薬科大学医療ビジネス薬科学科栄養薬学コースの選択必修科目である「栄養・薬粧品実習」の中で実施される。 この実習の講師は、香川調理製菓専門学校で中国料理を担当する土屋純一助教授が務める。土屋氏は、ホテルパシフィック東京や東京ベイホテル東急での勤務経験を持ち、「公益社団法人 日本中国料理協会」池袋副都心支部の理事・事務局長も務めるベテラン料理人だ。学生たちは、土屋氏から食材の効能や調理方法について実践的に学び、深い専門知識と技術を身につけている。 2025年4月25日(金)と5月16日(金)には、栄養薬学コースの3・4年生計8人が、香川調理製菓専門学校で実習に参加した。 今回の実習では、胚芽米、万能ねぎ、人参、菜の花、きくらげ、黄ズッキーニ、ホタテ、さやいんげん、大根、赤ピーマン、黄色パプリカ、筍、クレソン、ナツメ、蓮の実、クコの実といった旬の食材がふんだんに使われた。これらの食材を通じて、学生たちは薬膳の理論と実践を深く結びつけ、その奥深さを実感している。 完成メニューの⼀例
- 【東京薬科大学】薬剤師の地域偏在解消へ「地域枠選抜」を拡充
東京薬科大学は、薬剤師の地域偏在解消を目指し、2026年度入学者選抜より、新たに茨城県と長野県を対象とした「地域枠選抜」を導入する。これにより、すでに2025年度入学者選抜から実施している山梨県と合わせ、県内に薬系大学・薬学部が設置されていない3県からの薬剤師確保に貢献する方針だ。 同大学は、これまでも地域医療への貢献を掲げてきた。今回の地域枠選抜の拡充は、その取り組みを具体化するものである。対象となるのは、茨城県、長野県、山梨県に在住する高校生。これらの地域では、薬系大学・薬学部が設置されておらず、薬剤師の育成・確保が喫緊の課題となっている。 同制度は、これらの地域出身の学生が同大学で薬学を学び、卒業後に出身地域に戻り、薬剤師として地域医療に貢献することを期待するものだ。同大学は、本入試制度を通じて、対象地域における薬剤師人材の確保と定着を強力に支援する意向を示している。
- 締切迫る~京都薬科大学新校舎の名称を募集中【4/7~5/12】
京都薬科大学(京都市山科区)は、2026年2月に完成予定の新校舎について2025年4月7日(月)から5月12日(月)まで、名称の公募を行っています。 くわしくは京都薬科大学のニュースリリース参照 https://www.kyoto-phu.ac.jp/news/detail.html?itemid=1542&dispmid=910&TabModule907=0














