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- 薬局・薬剤師の可能性示す研究発表で昭和医科大学・赤川圭子氏、城西国際大学の学生が表彰 第12回コミュニティファーマシーフォーラム
一般社団法人日本コミュニティファーマシー協会(略称:JACP)は7月27日に今年で12回目を数える毎年恒例のコミュニティファーマシーフォーラムを東京都内で開催した。 今回は「2030年、薬剤師の未来予想図」をメーンテーマに掲げられており、薬剤師の将来に関わる多彩な演題の講演が繰り広げられた。 > 第12回コミュニティファーマシーフォーラム プログラム フォーラムでは会員内外から全10題のポスター発表も行われた。この中から優れた研究発表を表彰する「コミュニティファーマシーアワード」には、昭和医科大学薬学部(社会健康薬学講座社会薬学部門)講師の赤川圭子氏が選ばれた。同じく若手の今後に活躍に期待する奨励賞には城西国際大学薬学部生の土屋桃子さんの発表が選ばれた。それぞれの演題は下記の通り。 【コミュニティファーマシーアワード】 「超高齢社会における抗コリン薬の適正使用に向けた処方介入の取組み」 筆頭発表者:赤川圭子(昭和医科大学薬学部講師) ポリファーマシー対策として、特に高齢者の副作用が多い抗コリン薬の適正使用に向けた取り組みを行った。病院の外来処方データから抗コリン薬の禁忌疾患等を持つ患者を抽出し、処方医に減薬提案書を配布した結果、実際に減薬や中止、変更につながった。減薬不可の理由の多くは患者の希望にある。医師が減薬可としながら実際に減薬できていない理由などを今後さらに調査を続ける。 【奨励賞】 「薬剤師による緊急避妊薬提供に必要な知識とスキル習得のためのケースシナリオを用いたワークショップ」 発表者:土屋桃子(城西国際大学薬学部4年)、山村繁雄(JACP) 今年3月にJACP主催で開催された緊急避妊薬提供に必要な知識とスキルを習得するための薬剤師対象ワークショップに関する報告。ケースシナリオを用いた研修後、参加者は緊急避妊薬提供に関する自信が大幅に向上し、実践的な能力向上に有効であることが示された。一方、薬剤師による地域住民への性と生殖に関するサービス全般に関する情報提供の必要性がある。
- 「自然体で輝く未来」へ ドラッグストアショーが提案するフェムケアの新しい形
2025年8月8日から10日にかけて開催された第25回ジャパンドラッグストアショーでは、女性の健康を支援する「フェムケア」ブースが3回目の出展を迎えた。主催者である実行委員長の米原まき氏によると、年々フェムケアの認知度は向上しており、来場者からの関心も高まっているという。 今年のフェムケアブースは「自然体で輝く未来へ、フェムケアで出会う笑顔、繋げよう」をテーマに掲げ、5つの企画を展開。なかでも注目を集めたのが、セルフチェック体験コーナーだ。ここでは生理痛の疑似体験や女性ホルモンの測定などができ、来場者が自身の体の状態を客観的に把握する機会を提供した。 専門家と商品、そして人との繋がりを マツキヨココカラ&カンパニーではフェムケアブランド「FEMRISA」を展開している。 マツキヨココカラ&カンパニー管理本部人材開発部長(薬剤師)の初鹿妙子氏は、ドラッグストアが薬剤師や登録販売者、管理栄養士といった専門家を多く配置している点を強調。フェムケア商品を単に販売するだけでなく、専門家による相談やアドバイスを通じて、顧客の悩みに寄り添う場所としての役割を果たすことを目指すと述べた。 ユニ・チャーム株式会社の田辺氏は、フェムケアという考え方が浸透しつつある一方で、自身のライフスタイルで不調を我慢している女性がまだ多くいると指摘。誰もが自分らしい生活を送れるよう、新商品との出会いを通じて、女性のウェルビーイング向上に貢献したいと語った。 セクシャルウェルネスを語る意義 米原氏は、セクシャルウェルネスは日本ではタブー視されがちであると認めつつも、あえてオープンにすることで、ネガティブなイメージを払拭し、当たり前のこととして捉えてもらえるようにしたいと説明。さらに、性教育や若年層への啓発活動にも繋げていきたいという考えを示した。 また、地域に密着したドラッグストアとして、今後さらにクリニックなどとの連携を深め、多岐にわたる悩みを抱える顧客へのサポート体制を強化していきたいと話した。 イベントステージでは、フェムケアとドラッグストアについて、モデルの土屋アンナさんと薬剤師の堀美智子氏による対談が行われた。
- 若手経営者が25年後のドラッグストアについて議論
第25回JAPANドラッグストアショーのイベントステージでは、「これからのドラッグストアの話をしよう。セルフケア、セルフメディケーション推進とネクスト25」をテーマにパネルディスカッションが開催された。進行役の『ダイヤモンドドラッグストア』編集長の小木田泰弘氏は、今年のドラッグストアショーのメーンイベントとして、若手経営者と協会会長が一堂に会するこのパネルディスカッションに大きな期待を寄せた。 ドラッグストア業界の成長 2024年度のドラッグストアの売上高は10兆307億円に達し、ドラッグストア業界の長年のスローガンであった「2025年10兆円産業」を前倒しで達成した。日本チェーンドラッグストア協会会長の塚本厚志氏は、この成長は消費者の支持と、熱心な経営者たちのたゆまぬ努力の賜物だと述べ、2030年には13兆円の達成を目指すとした。 ゴダイ株式会社代表取締役社長の浦上卓也氏は、ドラッグストアが高い成長率を誇る理由として、出店ペースの速さと、ベビー用品から介護用品まで、あらゆるライフステージに対応できる品揃えを挙げた。さらに、各企業が独自のビジネスモデルを追求していることも成長のカギだと指摘した。 株式会社大賀薬局代表取締役社長の大賀崇浩氏は、日本の社会が成熟し、アンチエージングやセルフメディケーションへの意識が高まったことが成長の背景にあると分析。SNSなどを通じた情報拡散により、海外からのインバウンド需要も成長を後押ししていると述べた。 伸びる食品と調剤 2024年度は特に食品と調剤の売上が顕著に伸びており、食品は前年比13.2%増、調剤は8.4%増となった。 株式会社丸大サクラヰ薬局常務取締役営業本部長の櫻井寛氏は、食品の売り上が伸びた理由を3つ挙げた。1つ目は、薬や化粧品と合わせて生活必需品が買えるワンストップショッピングの利便性が消費者に支持されたこと。2つ目は、レトルト食品や冷凍食品などの商品が増加し、常温で長期保存可能な商品が増えたことによる食品加工技術の進化。3つ目は、健康志向の高まりや物価高により、手頃な価格で健康的な商品を提供するドラッグストアへのニーズが高まったという消費者ニーズの変化を挙げた。 スギホールディングス株式会社代表取締役副社長の杉浦伸哉氏は、調剤の伸びについて3つの要因を説明した。1つ目は、ドラッグストアでも調剤ができるという認知が広まったこと。2つ目は、買い物のついでに処方箋を受け取れるという利便性。3つ目は、電子お薬手帳や電子処方箋など、デジタル化への先行投資が患者獲得につながっていることだという。 NEXT25に向けたドラッグストアの未来 エバグリーン廣甚株式会社代表取締役社長の米原まき氏は、ドラッグストアが今後の高齢化社会において、健康寿命の延伸に貢献することが使命であると語った。ドラッグストアから健康診断の受診を促したり、気軽に健康相談ができる場を提供することで、国民の健康管理をサポートしていく必要があると述べた。 株式会社アカカベ代表取締役社長の皆川友範氏は、日本のドラッグストアが国内の人口減少に直面する中で、グローバル展開の可能性に言及した。日本の人口は1億2,000万人だが、世界の人口は84億人であり、海外市場には大きな可能性があると指摘。すでに東アジアで店舗を展開している企業の例を挙げつつ、日本が培ってきた健康や美容に関する知見を生かし、さらなる海外展開を進めるべきだと述べた。 セルフケア・セルフメディケーションとDX ドラッグストアではさまざまな―ビスを提供している。 改正薬機法により、OTC医薬品の販売や調剤業務に変化が訪れる中、セルフケア・セルフメディケーションの重要性が高まっている。 皆川氏は、調剤業務の外部委託拡大を予測し、DXへの対応とともに、患者とのリアルな接点を強化する必要性を説いた。 杉浦氏は、認定薬局制度の改定により、ドラッグストアは「健康増進支援薬局」の認定を積極的に受けるべきだと強調し、OTC販売から受診勧奨、調剤までをシームレスに提供し、医療における価値を高めていくべきだと語った。 浦上氏は、DXの進展により、スマホアプリなどを通じて個人の健康状態に合わせた商品やサービスが提供できるようになると述べた。 一方、大賀氏は、セルフケアにはデジタルの可視化だけでは不十分であり、行動変容を促す「エンタメ」といったアナログな要素、すなわち人とのコミュニケーションが不可欠だと主張した。 フェムケアとオムケア フェムケアゾーンに設置された「生理痛VR体験装置」 ドラッグストアショーでは、女性の悩みに寄り添う「フェムケア」ゾーンが設けられ、関心を集めた。 米原氏は、生理痛や更年期障害といった女性特有の悩みを解消するフェムケア市場は、今後も成長が見込まれると述べた。また、男性にも生理痛の体験ができるブースが設置されており、性別に関係なく健康への理解を深めることの重要性を強調した。 櫻井氏は、社内でフェムケアの認定講座を実施し、従業員が女性の身体的機能や悩みを学ぶ機会を設けていることを紹介した。 今後のドラッグストアの成長は「人材」を高めていくことがカギ 若手経営者たちの話を聞いた塚本氏は、NEXT25が非常に楽しみになったと語った。今後のドラッグストア業界の成長には、売り上や利益といった数字だけでなく、業界に関わる人々の資産である「人材」を高めていくことが重要だと述べた。 地域密着とグローバル展開は相反するものではなく、地域のお客様の幸福度を高めることができれば、それを求める世界中の人々に届けることができると指摘した。一過性の満足ではなく、生涯にわたる顧客との関係性を築くことが、今後の成長を加速させる鍵であると締めくくった。 イベントステージでは、米原氏は、俳優のとよた真帆さんとともに登壇し、これからのドラッグストアについて語り合った。
- 【アリナミン製薬】市販薬初!医療用成分「ランソプラゾール」配合の胃腸薬「タケプロンs」が新発売
ブランドアンバサダーには俳優の玉木宏さんを起用 7層構造の腸溶性細粒を直径約0.3mm まで小さくすることで、有効成分ランソプラゾールが胃酸の影響を受けることなく速やかに届く※1 とともに、飲んだ時の苦みやざらつき感を抑えている。 タケプロンsが、ついに新登場する 。アリナミン製薬株式会社から発売されるこの胃腸薬は、市販薬として初めて医療用と同じ成分「ランソプラゾール」を配合したプロトンポンプ阻害薬(PPI)である 。近年、胃の不調に悩む人々が増加傾向にあるなか、タケプロンsは出すぎた胃酸に直接働きかけ、つらい胸やけ・もたれ・胃痛に優れた効果を発揮する 。 その魅力は効き目だけではない 。1日1回1錠の服用で、24時間効果が続く 。さらに、水なしで飲める口腔内崩壊錠なので、水がない場所でも手軽に服用できる 。口に含むと素早く崩壊し、苦みが少なく飲みやすいイチゴ風味で、ざらつき感も抑えられている 。また食事の影響を受けにくいため、服用タイミングを問わないのもうれしい特徴だ 。 この画期的な新製品のブランドアンバサダーには、映画やドラマで幅広く活躍する俳優の玉木宏さんが起用された 。2025年8月より、玉木宏さんが出演するTVCMや屋外広告などが全国で展開される予定だ 。 タケプロンsは、薬剤師による説明が必要な「要指導医薬品」として、全国のドラッグストアや薬局で販売される 。希望小売価格は14錠入り(14日分)で2,508円(税抜価格2,280円)である 。 つらい胃の不調を抱えている方々へ。タケプロンsは、これまでの胃腸薬とは一線を画す、新しい選択肢となるだろう 。 ※1 胃から速やかに有効成分の吸収部位である腸へ届く
- マルホ創業110周年企画『昭和万葉俳句集』にみる戦後の記憶
2025年は、終戦から80年、マルホ株式会社にとっては創業110周年を迎える記念すべき年である。この節目の年に、マルホは1985年に発行された『昭和万葉俳句集』および『昭和万葉俳句前書集』をあらためて紹介している。 これらの俳句集は、終戦の日である昭和20年8月15日に対する個々人の想いや記憶を表現したもので、全国から集められた1万句以上の俳句と、それに込められた背景を記した4,000件以上の前書きで構成されている。 戦争の記憶を後世に伝える俳句集 『昭和万葉俳句集』は、生命(いのち)を大切にするというマルホの価値観を象徴するものだ。これらの俳句集は、過去に全国の主要な図書館に寄贈されており、現在でも閲覧できる施設がある。 またマルホは今回、大阪城公園内にある資料館「ピースおおさか」にもこれらの俳句集を寄贈した。「ピースおおさか」は、大阪空襲の犠牲者を追悼し、戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えることを目的とした施設である。同館の図書室では、マルホが寄贈した俳句集をはじめ、戦争や平和に関する多くの書籍を閲覧することが可能となっている。 俳句に込められた一人ひとりの記憶 俳句集には、当時の状況を克明に伝える前書きとともに、人々の感情が五・七・五の短い言葉に凝縮されている。以下に、その一部を抜粋して紹介する。 ・夏雲か 北山か視る 片方の眼 広島の原爆後、続々と京都医大病院に青ぶくれの患者が来て、原子爆弾とは知らされず、栄養失調の浮腫とは違う溺死者の如き全身浮腫に、地獄の使者かとばかりいぶかり、手当てをしました。暑く長い八月のむっとする病室内で、不思議なほど人達は沈黙しておりました。 ・少年の笑顔が泪 夏終わる 徴兵検査前の私は、農業に従事中。郷土防衛隊結成の召集を受け、その朝生家を出発、交通途絶、敵機飛来の中を四街道駅より佐倉市に馳せつけたが、正午の玉音放送によって防衛隊は瓦解離散した。私はその渦中にいた。 ・炎天に 還らぬいのち 飛び立てる 昭和20年8月15日の夜、沖縄の空襲警報が発せられ傍受。大分航空基地からあえて飛び立った数基の「彗星」艦爆、最後の特攻隊である。私は、基地内にある防空壕内の通信所で、茫然たる思いでこれを聞いた。失意の中の決別であった。 ・美しきかりき 原爆雲の映え 私は広島県の山合いの傷疲軍人療養所(現、国立療養所広島病院)で終戦を迎えた。病棟をよぎった閃光のあと、しばらくして西の空に上がったきのこ雲が原爆雲であった。その療養所には今も友人が療養を続けている。入院費用は未帰還者...援護法を適用されて。 ・軍規説く 隊長吃る 終戦日 広東省北方警備中、転進下命南昌に向け夜行軍。南昌北方約五里の部落で終戦を知る。作戦中各人には常時自決用として手榴弾1個が渡されていた。終戦時何人かの将校が自決した。自分は一人息子(3歳)の写真だけは肌身離さず持っていた。 これらの俳句と前書きは、戦争という時代を生きた一人ひとりの「いのち」の重みと、平和への願いを現代に伝えている。マルホのウェブサイト( 持続的な成長の基盤 > 社会 > 社会貢献 )では、デジタルブックとして80句を抜粋して紹介しており、当時の人々の記憶に触れることができる。
- 日本家庭薬協会が日本在宅薬学会学術大会に共同出展―家庭薬を在宅医療の新たな選択肢へ
日本家庭薬協会は、2025年7月20日から21日にかけて東京ビッグサイトで開催された第18回日本在宅薬学会学術大会に共同企画として出展した。在宅医療に携わる薬剤師に家庭薬(OTC医薬品)の知識を深めてもらい、患者のセルフメディケーションを支援するのが目的だ。 「模擬薬局」で家庭薬をアピール 会場入り口付近に立てられたのぼり 参加者に手渡された医薬品のサンプル 今回の企画の目玉は、学会会場内に開設された「模擬薬局」だった。会場入り口付近にはのぼりを立てて存在を周知し、来場した薬剤師は家庭薬について深く学んだ。日本家庭薬協会のメーカー各社がブースを構え、製品に関する詳細な情報を提供。メーカー担当者と薬剤師が直接意見交換できる貴重な場となった。また模擬薬局では、来場者に医薬品のサンプルも提供され、家庭薬を身近に感じる機会となった。この取り組みは、日頃から在宅医療の現場で活躍する薬剤師にとって、新たな治療選択肢として家庭薬を検討するきっかけとなったようだ。 今回の企画を担当した株式会社山崎帝国堂の嶋津正治氏は「在宅医療を担う薬剤師の先生方は、患者さんやご家族と密に接する機会が多く、家庭薬の正しい知識があれば、よりきめ細やかなサポートが可能になります。今回の企画が、新たな視点を持つきっかけになれば幸いです」と話す。 在宅医療における家庭薬の重要性 この企画の背景には、在宅医療の現場におけるポリファーマシー(多剤服用)の問題がある。複数の処方薬を服用する患者に対し、便秘などの軽微な症状には、作用が穏やかな家庭薬で対応できるケースも少なくない。各社のブースでは、そうした家庭薬の適切な活用法についても情報提供を行い、薬剤師の視点から患者のQOL向上に貢献できる可能性を示した。 市民公開講座でセルフケアを啓発 21日には、一般市民向けの市民公開講座「知っていますか?病院に行く前にやるべきこと〜がん予防とセルフケアの新常識〜」も開催された。この講座には、在宅医療に携わる薬剤師も多数参加。東京都医師会会長の尾﨑治夫氏や医療法人社団ナグモ会理事長の南雲吉則氏が登壇し、セルフケアの重要性を訴えた。 今回の企画は、在宅医療の専門家である薬剤師と家庭薬メーカー、そして患者をつなぐ重要な一歩となった。来年は大阪での開催も予定されており、今後も継続的な啓発活動を通じて、家庭薬の正しい知識とセルフメディケーションの普及に努めていくとのことだ。 模擬薬局で医薬品のサンプルを提供
- 「健康ハートの日2025」共同声明発表:薬局・ドラッグストアが連携し血圧管理啓発を強化
左から、岩月氏、小室氏、三木田氏、塚本氏 2025年7月29日、日本循環器協会、日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会の4団体が共同で、「健康ハートの日2025」に関する共同声明発表会を開催した。日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会は、心臓病・脳卒中予防キャンペーンの趣旨に賛同し、薬剤師や登録販売者などの専門性を結集。血圧管理啓発を通じた健康増進活動「血圧は測ろうぜ!」において、3団体が協力・連携していくことを発表した。8月10日の「ハートの日」に合わせ、循環器病予防のための啓発活動が強化される。 日本循環器協会が牽引する「健康ハートの日」の歴史と展望 日本循環器協会代表理事の小室一成氏は、まず「健康ハートの日」の概要について説明した。同活動は、「はーと」の語呂合わせから、1985年8月10日に日本心臓財団が開始した心臓病の啓発活動で、今年で40周年を迎える。これまでは医師による健康相談や血圧測定が中心であったが、日本循環器協会が2021年から加わったことで、患者や企業、Jリーグ、薬局、自治体などとの連携を深め、活動の幅を広げてきた。 特に、サッカー選手の心臓病問題に着目し、Jリーグや人気漫画『キャプテン翼』の作者・高橋陽一氏の協力を得て、心臓病を抱えるキャラクター「三杉淳」を啓発アンバサダーに起用し、ポスター制作などを行っていることが紹介された。 小室氏は、日本循環器協会が約60ものプロジェクトを動かしていることに触れ、Jリーグと連携したサッカー試合会場での啓発活動、市民公開講座、小中学生への生活習慣啓発、8月10日の都道府県のランドマークライトアップなどを紹介。特に小中学生への啓発は、子供から親へ健康意識が波及する効果を期待しているという。 また、薬局との連携を強調し、昨年は約1万店舗の薬局が血圧測定キャンペーンに協力したと報告。1店舗あたり100人が測定すれば100万人の血圧測定に繋がり、高血圧患者4300万人のうち治療されているのが3分の1に過ぎない現状において、薬局が果たす役割の大きさを訴えた。 薬剤師会・保険薬局協会が語る薬局の役割 日本薬剤師会会長の岩月進氏は、自身の高血圧家系という個人的な体験を交えながら、自宅での継続的な血圧測定の重要性を強調。患者自身が記録を持つことで、受診勧奨の精度が向上すると述べた。また、薬局の役割として、薬剤師や登録販売者が気軽に相談できる存在となること、そして全国6万軒以上の薬局が「かかりつけ薬局」として血圧測定を含む健康相談に対応できるよう、今後も連携して取り組む意向を示した。 日本保険薬局協会会長の三木田慎也氏は、薬局が日頃から地域の住民に対して予防啓発に取り組む重要性を述べ、今回のキャンペーンに全面的に賛同すると表明。処方箋がなくても、物を買わなくても、いつでも健康相談ができる薬局の存在を国民に広く知ってもらうことが大切だと語った。日本保険薬局協会の会員薬局約2万店全てで、ポスター掲示や血圧計の準備を進め、キャンペーンに対応していく方針を示した。 チェーンドラッグストア協会の取り組みとAED普及 日本チェーンドラッグストア協会会長の塚本厚志氏は、ドラッグストアがこれまで「物を販売する場」という側面が強かったとし、今回のキャンペーンを通じて、血圧に関する相談体制を強化していく考えを述べた。薬剤師や登録販売者だけでなく、資格を持たない従業員も適切なアドバイスができるよう、内部体制を整備する方針だ。 今回のキャンペーンには、ドラッグストア単独で約3000店舗が積極的に参加するとし、将来的には全国2万3000店舗の半分以上で血圧相談ができる体制を目指すと語った。塚本氏は、ドラッグストアが身近な存在として、高血圧に気づいていない生活者への啓発や、家庭に血圧計がない人が気軽に測定できる場所となることを期待した。また、ドラッグストアが7000〜8000カ所でAEDを設置していることにも触れ、地域における予防と緊急対応の拠点としての役割を強調した。 予防啓発の重要性と今後の展望 小室氏は循環器病が日本の死因の上位を占め、特に高齢化社会において患者数が増加している現状を指摘。病院での治療だけでは追いつかないため、予防啓発が極めて重要であると強調した。国が定める「脳卒中・循環器病対策基本法」においても、予防啓発が3つの柱の第一に掲げられていることを挙げ、医師だけでなく、看護師、薬剤師、理学療法士など多様な職種が連携し、病気になる前の段階での予防に取り組む必要性を訴えた。 さらに、多くの国民に正しい知識を伝えるための取り組みとして、eラーニングで循環器疾患について学習し、認定試験に合格した「アドバイザー」制度を紹介。昨年から1万7000人がアドバイザーとなり、その知識を家族や友人に伝えることで、広範な啓発効果を狙っていると述べた。 循環器病はがんとともに二大疾患であり、特に女性の死因トップは循環器疾患であることを強調。生活習慣の改善によって予防や再発防止が可能であるため、一人でも多くの人に病気と予防法を伝える活動を続けていくと締めくくった。 ■3団体共同の取り組み概要 健康ハートの日2025 薬局・ドラッグストア活動企画「血圧を測ろうぜ!」 実施期間:2025年7月1日~8月31日 内容:啓発ポスター掲示、血圧測定コーナー設置、各種イベント開催、リーフレットを活用した健康相談等 活動地域:全国
- 未来のドラッグストアが見える3日間!「第25回ジャパンドラッグストアショー」開催へ
2025年8月8日から10日までの3日間、東京ビッグサイトで「第25回ジャパンドラッグストアショー」(日本チェーンドラッグストア協会主催)が開催される。今年のテーマは「地域の皆様に最高の未来をお届けする~ドラッグストアでセルフメディケーションネクスト25~」。実行委員長の米原まき氏は、次世代のドラッグストアの在り方を展望するイベントとなることを強調した。 米原氏 「ネクスト25」で描く、ドラッグストアの未来像 今回のドラッグストアショーでは、「ネクスト25」というキーワードが随所にちりばめられる。これは、今後25年間のドラッグストアの未来像を予測し、その可能性を探ることを目的としている。単なる商品展示に留まらず、業界全体の将来を見据えた議論が展開される予定だ。 新たな試み満載!注目の会場とゾーン 食と健康アワード 会場は東京ビッグサイトの東4ホール、5ホール、6ホール、7ホールを使用。主要な出店ゾーンは、例年通りヘルスケアゾーンとビューティーケアゾーンが中心となる。 特に注目は、特別企画ゾーンのフェムケアゾーンと食と健康ゾーンだ。食と健康ゾーンは、従来のフード&ドリンクゾーンを統合・刷新。市場が拡大している冷凍食品の試食コーナーを初設置するなど、新たな食の提案に力を入れている。これにより、ドラッグストアが提供する「健康」の範囲を広げ、顧客の多様なニーズに対応する姿勢が示される。 業界のキーパーソンが語る未来、体験型コンテンツも充実 東5ホールに設けられる同協会のテーマブースでは、今後のドラッグストアの将来像がパネル展示で紹介される。また、同ホールのイベントステージでは、開会式やパネルディスカッション、表彰式などが開催される。8月8日には同協会会長の塚本厚志氏と次世代の経営者が登壇し、「これからのドラッグストアの話をしよう」をテーマに未来像を議論。タレントのとよた真帆氏を招いたセルフメディケーションに関するトークショーや、SNSインフルエンサーによるトークセッションも予定されている。 9日には恒例のMen’s Beautyアワードが開催され、毎年大きな注目を集めている。10日には芸能人の土屋アンナさんを招いたフェムケアに関するトークや、AED普及活動を行う蝶野正洋さんの登壇が予定されており、「ハートの日」(8月10日)に合わせた取り組みが展開される。 フェムケアゾーン 健康を「体験」する!充実の特別企画 毎年人気の新商品コレクションに加え、フェムケアゾーンでは、エクオール測定ができる体験コーナーを初めて設置。骨密度や糖化測定も可能となり、来場者の健康意識向上に貢献する。 食と健康アワードでは、当日グランプリなどが選出される予定だ。 子供も大人も楽しめる!パワーアップした「チャレンジパーク」 体験型コンテンツのチャレンジパークでは、薬剤師の仕事体験に加え、自衛官、消防士、科学博士といった多様な職業体験コーナーが設けられる。特に消防庁の協力による防災体験コーナーでは、消防車の出張展示も行われ、よりリアルな体験が可能となる。 業界の未来を共に考える3日間 昨年は10万人近い来場者と385社を超えるメーカーの協力を得て大成功を収めたドラッグストアショー。米原氏は、今年の開催に向けて「委員一同、年に1回のこのドラッグストアショーを盛り上げていきたい」と意気込みを語った。来場者には「未来におけるドラッグストアがどうなっていくのか、どんな社会情勢になっていくのか」を共に考え、その内容を発信してほしいと呼びかけた。 第25回ジャパンドラッグストアショーは、ドラッグストア業界の現在と未来を肌で感じられる貴重な機会となるだろう。 ※ドラッグストアショーの写真は昨年のもの
- AI時代における薬剤師の価値とは カケハシ「Pharmacy Leaders Day2025」開催レポート
電子薬歴システム「Musubi」をはじめとする薬局向けソリューションを展開するヘルステックスタートアップの株式会社カケハシは、7月24日に薬局DXをテーマにしたカンファレンス「Pharmacy Leaders Day2025」を東京都内で開催した。 開会にあたり挨拶に立ったカケハシの中尾豊社長は、このイベントを2021年に初めて開催した当初は5年後10年後の薬局経営や業界がどうなっていくのかを情報提供する趣旨だったが、近年AIの普及技術的な変化が激しいため、今年来年の変化を把握してどう生かしていくかが喫緊の課題になっていると述べた。 周知のとおり、近年劇的な勢いでAIが普及してきており、あらゆる産業分野から私たちの身近なライフスタイルに至るまで大きな変革が起こりつつある。そのような状況を背景に薬局・薬剤師の業務や働き方にどのように影響が起こってくるのか。「進化する薬局DX ― AI×データ時代における「患者のための薬局」とは」と掲げられたテーマに沿って、医療DX、AI分野の専門家から薬局のDXに実践する薬剤師による講演やシンポジウムが行われた。 地域医療における薬剤師の活躍への期待 ~患者モニタリングの価値~ 厚生労働省 松下俊介氏 厚生労働省の松下氏は少子高齢化が急速に進むうえで、生産人口が劇的に減少する段階に入っている現状に触れ、コンビニよりも多い薬局店舗数と30万人いる薬剤師人口について「多いからこそできることがある」として、調剤にとらわれず、医薬品周辺に関わる多彩な活躍をすることに期待を込めた。半面、外来調剤は2025年がピークで、外来調剤はこの先シュリンクしていく市場である。第6次医療計画に沿って在宅医療への参画が求められる中、居宅訪問管理指導が増えている統計があるものの、しかし現状では登録だけしかされておらず在宅医療の本質的な役割が果たされていないという見方も示した。 “薬局・薬剤師の存在価値”の再定義 − PHR・EHR時代の薬剤師の介入と地域包括ケアへの参画 − 秋田大学医学部附属病院 岡崎光洋氏 岡崎光洋氏はPHR・HER(※)時代の薬剤師として講演をおこなった。いまから15年後の2040年頃の人口構成を考えた場合、日本国内でも地方によって患者数や医療資源が異なるため課題も異なることを指摘。医療資源の少ない地方での医療DXによるサポートの一例として、医療MaaSという移動式診療カーとオンラインシステムを組み合わせた事例を紹介。またこれから求められるものとして、PHR・EHRを活用して患者ごとのデータを解析するなど、画一化された医療ではなく個別化した医療の実現が必要であると述べた。また地域包括ケアシステムにおける地域のことを「感情共同体」であると定義。薬剤師は地域の多職種連携の中でハブ的な存在になることに期待を込めた。 ※Personal Health Record … 個人の健康や身体の情報を記録した健康・医療・介護関連のデータ。 Electric Health Record …医療機関などで取得される診療情報や検査データ、既往歴やアレルギー情報などを共有する仕組み。 AIの進化が変える患者体験 医療・ヘルスケア分野におけるデータ駆動型アプローチの展望 千葉大学大学院医学研究院/数理創造研究センター・生命医科学研究センター 川上英良氏 川上英良氏はもともと人工知能を学びたくて医学部を志したという経歴の持ち主(しかし入学当時の2000年初頭のAI研究は下火で苦節の時期を過ごしたという)。AIの普及によって従来の標準治療から個別化医療の時代に変わっていくと説明。また実はAIは共感的コミュニケーションにも強く、医療相談でも医師よりもChatGPTのほうが患者の評価が高かったという調査結果があることを報告した。このほか医療の世界で起こっているAIによるパラダイムシフトの例として、画像診断の解析精度の向上や、蓄積した患者データからシュミレーションすることで起こりうる症状の予測や早期発見ができるようになったこと、精度の高い薬材投与量の設定ができるようになったことなどを紹介した。AI時代の薬局においては医師が着手できていないような患者のウェアラブル端末などのデータ活用などで期待できると述べた。 ビッグデータの活用で明かす「薬剤師の価値と貢献」 岡山大学学術研究院/九州大学システム情報科学研究院 濱野裕章氏 濱野裕章氏はビッグデータ時代の薬剤師の価値について講演。ビッグデータを使いこなしていくためにも薬学生から教育していく必要があると述べた。薬剤師の価値は、従来は調剤などの技術を競ってスピーディーに作業ができることが評価されていた時代から、AIを駆使して情報を組み合わせて活用することができるかどうかに価値が問われる時代になると説明。薬剤師が医療情報データベースと生命科学データベースを活用することで治療の質の向上や副作用の低減、また地域医療でもセルフメディケーションへの貢献ができる取り組みを紹介した。薬局でカケハシの「Musubi」が活用されることで、医療データベースが作り上げられていることも触れ、薬剤師の介入による医療の質向上を経済効果として可視化することにもつながると述べた。 パネルディスカッション:情報技術は「患者のための薬局」をどう変えるのか 千葉大学大学院医学研究院 川上英良氏 岡山大学学術研究院 濱野裕章氏 株式会社グリーンメディック 多田耕三氏 ファシリテーター:株式会社カケハシ 鳥越大輔氏 パネルディスカッションでは川上氏、濱野氏に加え、大阪府豊中市を中心に開局する株式会社グリーンメディックの多田耕三代表が加わり、カケハシのエンジニアリング事業部でデータ&AI部門長を務める鳥越大輔氏がファシリテーターを務め、改めて今回の主題である「情報技術は薬局をどう変えるのか」についてそれぞれの意見を展開した。 多田氏は“ITオタク”を自称して薬局経営においても開局当時からシステム化に力を注いできた。在宅医療業務の社内情報共有の効率化を目的に、スケジューラーを基軸にMusubiと、画像でマニュアルをAI生成するアプリを組み合わせてスタッフとの分担を情報連携を確立し、採算性を高めている実績を紹介。AIについては「破壊的イノベーション」との認識を示し、業務効率化などに貢献することは認めつつも、しかしさらに地域医療において薬剤師として新しい市場の創造に繋げられなければ(将来性は)難しいことになる、と述べた。 AI時代の人間のやるべき仕事、専門家としての薬剤師の可能性については、三氏がそれぞれ意見を述べた。 ・AIの普及によって大学病院でなくても日常からデータを集めた研究ができるようになり、それを服薬指導などに活用できるようになる。(川上) ・これからはデータ活用が必要と言いながらも、長年調剤を主にやってきた薬剤師が変化することが障壁となる。またデータ活用がマネタイズできるのかも課題が残る。(多田) ・ビッグデータ活用が出そろい活用できる時代になり、一部の人間がつかうのでは無く、薬剤師がみな考えて活用することに期待を寄せ、セルフメディケーション分野に可能性がある。(濱野) KEYNOTE 株式会社カケハシ 代表取締役CEO 中川貴史氏 締めくくりにカケハシの中川貴史CEOがプレゼンテーションを行い、DXの進展で環境変化の著しいなか、医療業界で今起こっていること、これからのカケハシが開発するプロダクトの方向性が示された。 MusubiにもすでにAIエージェントを搭載することで薬剤師の業務支援に貢献している。 この先、クラウドやセンターで事務も効率化でき、ロボットが調剤を行うことも現実化しているが、オンライン化が進む中では患者の傾向も変化していき、自分に合った薬剤や専門性の高い薬剤師への相談を希望する患者も増えるかもしれない。薬剤師の働き方も、薬局の中に閉じない世界観になることを示した。そして、治療薬を扱うのみならず患者の生活を支えることが薬局の価値となり、テクノロジーの力を借りながら薬局がそれをどう実現していくかが重要なテーマになってくると締めくくった。
- 9月6日「妊活」テーマにセミナー開催 薬膳茶とスイーツ付き
大阪府吹田市で3店舗の薬局(千里プラス薬局・虹薬局南千里店・津雲台薬局)を展開しているネオプラスファーマ株式会社が主催する「ネオプラス健康セミナー」。今年は女性の健康をテーマにシリーズで実施しています。 9月6日は「妊活」をテーマに開催します。 妊活にやさしい薬膳茶とスイーツを試食しながらお話ししませんか? 薬学生の方も是非ご参加ください。 第2回ネオプラスセミナー 主催:ネオプラスファーマ株式会社 日時:2025年9月6日(土)15:00~16:00(14:30受付開始) 会場:南千里クリスタルホテル3階 ピア+プラス (大阪府吹田市津雲台1-2-D9 3階) 参加費:無料 お土産付き 先着10名(要申込み) 演題①プレコンセプションケアって知っていますか? 講師:柴田綾子(淀川キリスト教病院 産婦人科医) ・プレコンセプションケアって? ・妊活しやすい体づくりとは? ・妊活のウソ、ホント ・男性にも知っておいてほしいこと! 演題②“授かるチカラ”を高める食事術~薬膳から学ぶ妊活のからだの整え方~ 講師:加藤由季(管理栄養士・国際薬膳講師・国際薬膳調理師) ◆参加申込み neoplus_soumu@yahoo.co.jp こちらのメールアドレスに、 ・氏名 ・所属(大学名・学年) ・連絡先(携帯電話番号) を明記のうえ、「9月6日セミナー参加希望」とお書きください。
- 産学連携で理想の学生空間を創造! 城西国際大学の「協働リニューアルプロジェクト」が結実
学内の共同プロジェクトにより、城西国際大学千葉東金キャンパスのA棟1階「学生ホール」が全面リニューアルされ、新たな学生の交流拠点として生まれ変わった。2025年7月15日には新学生ホールの完成を祝うオープニングセレモニーが盛大に開催され、翌16日には同ホール内にコンビニエンスストア「ローソン」もオープンした。 「JIU文化の発祥の地」をコンセプトに協働リニューアル IKEA Tokyo-Bayにてプレゼンをする学生 今回のリニューアルは、学生と教職員に加え、IKEA Tokyo-Bay、株式会社ローソンが参画する「協働リニューアルプロジェクト」として推進された。2024年11月に始動した同プロジェクトは、従来の学生ホールが抱えていた課題を解決し、学生と施設主管部署の若手職員が協働することで、実践的な学びへと繋げることを目的としていた。 経営情報学部・松田世治准教授のゼミ生と総務部総務課の若手職員が中心となり、計10回に及ぶ会議を経てデザイン案を決定。IKEA Tokyo-Bayと株式会社ローソンからは、マーケティング視点からの専門的な意見が寄せられた。 旧学生ホールの課題と改善点 広さ約300平方メートル、座席数140席を有していた旧学生ホールは、統一感のない雰囲気や設備の老朽化、椅子や机の陳腐化が目立っていた。また、学生による独自調査の結果、以前のコンビニ店舗では昼食時に15分間で平均110人が利用し、深刻な混雑が発生していることも判明していた。 これらの課題を受け、リニューアルでは次の点が重視された。 学生ホール:「やる気がみなぎる空間」を創出 「やる気がみなぎる空間」をテーマに、学生の学習意欲向上と集中力向上を目指した空間づくりが行われた。全体の色調はダークカラーを基調とし、色数を抑えることで落ち着いた印象に統一。テーブル席とカウンター席を組み合わせることで、最大77人が着席可能となった。 さらに、リラックス効果や集中力・生産性・創造性の向上を促す観葉植物を配置。外部からの視線を和らげつつも、草木の配置で外部空間との連続性も確保した。イケアの家具が配された内装は、カフェのようなスタイリッシュな雰囲気を醸し出している。 コンビニエリア:「未来を創る学生のQOL革命」を実現 コンビニエリアのリニューアルテーマは「未来を創る学生のQOL革命」だ。レジの混雑緩和、商品を選びやすい陳列棚の配置、セルフレジの増設など、学生の利便性を高めるための改善策が検討され、最適なレイアウト案が提案された。これにより、7月16日に新たな「ローソン」が学生ホール内にオープンした。 オープニングセレモニー 江口さん 7月15日(火)に開催されたオープニングセレモニーでは、倉林眞砂斗学長をはじめ、プロジェクトに参加した松田世治准教授やゼミ生、株式会社ローソン、髙松テクノサービス株式会社、イケア・ジャパン、株式会社三燿の関係者が出席した。 倉林学長は「学生がお互いに刺激を与え合うような場所として、これからも永く意味を持ち続けることを願っています。学生ホールの価値が高まるように、ご支援いただいた皆様に恩返しをしてきたい」と感謝の意を述べた。 プロジェクト代表学生である経営情報学部総合経営学科の江口蒼央さんは「最初にこのプロジェクトに参加したときは、完成までたどり着けるのか非常に不安でした。しかし、企業の皆さまが温かく迎えてくださり、プロジェクトに対してアドバイスやご意見を頂きました。その結果、このような素敵な場所へと生まれ変わりました。この場所を中心として、大学の良さが広がっていくと嬉しいです」と喜びを語った。 同プロジェクトを通じて、学生は実践的な学びを体験し、職員は学生のニーズを深く理解し大学運営に反映させる貴重な経験を得た。同 大学は、今回のプロジェクトを契機に、学生と職員が協働して新たな価値を生み出すサイクルを大学の強み・特色として未来に繋げていく考えだ。
- 医療・薬に興味のある高校生集まれ!サノフィが夏休み特別授業を開催、多様なキャリアを考える機会に
サノフィ株式会社は、医療や薬に関心を持つ高校生向けの夏休み特別授業を2025年8月1日(金)に開催する。現在、参加する高校生20名を募集している。 文系・理系の枠を超え、知られざる医療の世界を体験 特別授業は、サノフィのサステナビリティ活動(CSR)の一環として実施される。当日は、普段なかなか聞くことのできない、医療現場を支える多様なプロフェッショナルたちが集結する。 例えば、企業で活躍する女性医師、男性看護師の認知向上に努めるNurse-Menグループ代表の秋吉崇博氏、そして、医療をITで支えるコンサルタントや、製薬会社の社員など、多岐にわたるバックグラウンドを持つ専門家が登壇する。 彼らがどのような仕事に従事し、どのような経験をしてきたのか、そのリアルな話を聞くことで、医療に関わる仕事の選択肢の豊富さにきっと驚くことであろう。自身の将来を考える上で、大きなヒントが得られるはずだ。 プログラムの主な特長 「医療=理系」の固定観念を打破 : 医師や看護師だけでなく、ITや文系の知識も生かせる、多様な医療の仕事を知る機会となる。 製薬企業の内部に迫る : 普段知ることのできない製薬会社の仕事内容を、現役社員が文系・理系の枠を超えて紹介する。 キャリアのリアルな声 : 女性医師や男性看護師といった、世の中で「少数派」とされる立場で活躍してきた方々の、ここでしか聞けない率直なキャリアストーリーが披露される。 社会課題への理解 : 現代医療が抱えるジェンダーの偏りや、多様性に関する社会課題についても、データを用いて分かりやすく解説する。 「医療は理系の仕事」「看護師は女性が多い」「医師は男性が多い」といった、無意識のうちに抱いているかもしれない固定観念。サノフィは、そのような固定観念を打ち破り、より自由に自身の進路を考えるきっかけを提供したいとの思いで、本プログラムを企画した。 サノフィは、日本のヘルスケア業界におけるジェンダーの偏りを解消するため、2023年から女子大学生・大学院生向けの奨学金制度「A Million Conversations」を実施している。今回の高校生向けプログラムは、さらに若い世代に向けた取り組みとして、固定観念にとらわれずに自身の進路を自由に考える機会を提供することを目指している。 開催概要および応募方法 医療の未来をつくる高校生プログラム~製薬からITまで、誰もがかかわれる医療業界の多様な選択肢~ 日時: 2025年8月1日(金) 13:00~15:00ごろ 場所: サノフィ株式会社 東京オペラシティタワー 募集人数: 20名(参加無料) 応募資格: 高校生に準ずる年齢の者(15歳~18歳) 応募方法: 以下の応募フォームより入力する。 http://surl.sanofi.com/n4t 応募期間: 2025年6月26日(木)10:00 ~ 7月21日(月)23:59まで 当選連絡: 7月23日(水)ごろまでに、当選者のみにメールで連絡する(応募多数の場合は抽選となる)。 問い合わせ先: サノフィ株式会社 サマースクール事務局 WeVolunteerJapan@sanofi.com














