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- 日本保険薬局協会「薬局・薬剤師ビジョン 2040」を策定:DXと専門性の融合による次世代インフラへの進化
「薬局・薬剤師ビジョン 2040」 日本保険薬局協会は、日本の医療が人口構造の激変や資源の制約という構造的転換点を迎えている現状を踏まえ、2040年に向けた行動指針および宣言を策定した。同ビジョンは、医薬品供給と薬物療法の安全を守る薬局を、決して止めてはならない「社会インフラ」と定義し、国民の生命と生活を支えるための覚悟を示すものである。 社会インフラとしての覚悟 日本の医療環境は、85歳以上人口が1,000万人を突破するなど、医療・介護需要が増大する一方で、生産年齢人口の減少により支え手となる人材不足が不可逆的に進行するという深刻な課題に直面している。同協会は、このような環境下においても、データとデジタル技術によって安全性を担保しつつ、人である薬剤師が患者に寄り添う「世界で最も信頼できる医療インフラ」の構築を目指している。本ビジョンは、現場の実態と専門的知見に基づく政策提言を行う「行動する機関」としての決意を、業界内外へ広く宣言するものである。 2040年に向けた3つの柱 同ビジョンでは、持続可能な地域医療を実現するために、「基盤」「機能」「役割」の3つの観点から再定義を行っている。 第一に、社会インフラとしての強靭な基盤を確立するため、医療DXやAI・ロボティクスの活用による業務プロセスの抜本的な効率化を推進する。これにより、労働人口が減少する環境下でも高い生産性と安定性を維持し、災害や供給不安といったリスクにも耐えうるレジリエンスを備えた供給体制を構築する。 第二に、薬剤師の機能を高度化させ、専門性を最大限に発揮できる体制へと転換する。AIやデジタル技術の活用によって対物業務を効率化し、それによって創出された時間を、高度な臨床判断や患者の生活背景を踏まえた継続的ケアなど、人ならではの専門性が求められる対人業務へと集中させる。また、マイナ保険証や電子処方箋の普及を背景に、物理的な立地に依存しない質の高い薬学的管理を提供できる評価体系の実現を目指す。 第三に、地域医療における役割を深化・分化させ、地域住民の健康を支える多角的なハブとしての機能を強化する。医療と生活、介護をつなぐ連携の要となるだけでなく、処方箋がなくても相談できる「ファーストアクセス」の場として未病・予防にも貢献する。全ての薬局が均一な機能を担うのではなく、各薬局が特定の専門領域や地域密着などの強みを生かして機能分化し、相互に連携・補完し合うことで、持続可能な地域医療インフラを実現する。 2040年に目指す社会 同協会が同ビジョンの先に目指すのは、全国どこでも等しく安全・安心な医療が受けられ、かつ患者自身が納得して医療を選択できる社会である。先端技術と人ならではの専門性を融合させ、「薬局があってよかった。薬剤師がいてよかった。」という言葉が自然に語られる未来に向け、組織の総力を挙げて行動し、進化し続けることを誓っている。
- セブン‐イレブンで処方薬の受け取りが可能に
ジェイフロンティア株式会社が提供するオンライン診療・服薬指導・処方薬配送サービス「SOKUYAKU(ソクヤク)」において、セブン‐イレブン店舗内※1に設置された宅配ロッカー「PUDOステーション」で処方薬を受け取れるサービスが本格化している。同社は利便性の向上とサービス認知拡大を目的として、システム利用料が無料になるキャンペーンを開始した。 サービスの概要とメリット 同サービスは、スマートフォンやタブレットを通じて診察予約からオンライン診療、服薬指導、そして薬の受け取りまでを非対面かつフルデジタルで完結させるものである。 特にセブン‐イレブン店舗内のPUDOステーションを活用することで、薬局の営業時間内に足を運ぶのが難しい多忙な層や、夜間・休日※2に自身のタイミングで薬を受け取りたい層のニーズに応える。また、感染症対策やプライバシー保護の観点から非対面での受け取りを希望する利用者にとっても、外出のついでに効率よく薬を受け取ることができる点は大きなメリットとなる。 利用方法のステップ 「SOKUYAKU」アプリ上での操作は極めてシンプルである。まずアプリでオンライン診療・服薬指導の予約を行い、受け取り方法の指定時に「セブン-イレブンPUDOロッカー受け取り」を選択する。次に、アプリ内の地図から希望する店舗を選べば設定は完了する。その後、薬の到着通知が届いたタイミングで、指定した店舗のPUDOステーションにて処方薬を回収する流れとなっている。※3 キャンペーン詳細 現在、「SOKUYAKU」を初めて利用するユーザーを対象に、システム利用料が実質無料となるキャンペーンを実施中である。PUDO受け取りを選択した場合、クーポンコードを入力することで、システム使用料相当額の550円(税込)が割引される※4。なお、このキャンペーンの利用期限は2026年5月10日(日)までとなっている。 「SOKUYAKU」が目指す展望 「SOKUYAKU」は現在、提携クリニック・薬局数が23,000店舗を超える国内最大級のプラットフォームへと成長している。同社は、単なる配送サービスに留まらず、電子処方箋や電子カルテ、お薬手帳とのデータ連携を推進している。一人ひとりの健康状態に最適化された医療・商品提供を可能にする「SOKUYAKUヘルスケア経済圏」の構築を目指し、今後も日本の医療DXを強力に牽引していく構えだ。 薬学生の皆さんへ 「薬局で待つ」という当たり前が変わりつつある今、薬剤師の職能もまた、物理的な場所の制約を超えた広がりを見せている。テクノロジーによる利便性の向上は、決して対面の価値を奪うものではなく、むしろ対面でしかできない深いケアに注力するための強力な武器となるはずだ。デジタルとアナログが融合する次世代の医療現場において、柔軟な発想で患者の選択肢を広げ、QOL(生活の質)の向上に貢献していくことが、これからの薬剤師に求められる役割となるだろう。 ※1 PUDOロッカー設置のセブン‐イレブン店舗対象 ※2 店舗により異なる ※3 宅配便ロッカー「PUDOステーション」は、設置している店舗により形状が異なる ※4 PUDOロッカー受け取りを選択の場合
- 第115回薬剤師国家試験からの新たな基本方針:2040年を見据えた教育改革と試験制度の刷新
厚生労働省は、2040年以降の社会的役割を見据えた「薬学教育モデル・コア・カリキュラム」の改訂や、社会的背景の変化に対応するため、2026年3月25日に新たな「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」を取りまとめた。本方針の策定にあたっては、医道審議会薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会において、2025年3月から同年12月まで計4回にわたる検討が重ねられた。厚生労働省は今後、この新たな方針に基づき、薬剤師国家試験の運用を行っていく予定である。 改訂の主要なポイントは以下の通りである。 試験科目の刷新 改訂モデル・コア・カリキュラムの学修領域に対応し、試験科目を「社会と薬学」「基礎薬学」「医療薬学」「衛生薬学」「臨床薬学」の5科目に再編する。なお、「薬学研究」については独立した科目は設けないが、受験者の課題発見・問題解決能力を評価するための要素として出題に盛り込まれる。 実践的能力の評価と出題形式の見直し 医療現場で求められる資質をより適切に評価するため、形式や運用が改善される。総合的な問題解決能力を評価する「連問」や「複合問題」については、組み合わせる科目の制限を撤廃し、より実践的な能力の評価を目指す。また、1問当たりの解答時間を確保するために複合問題の出題数を10問削減する。さらに、薬剤師に必要な資質を的確に確認できる良質な既出問題については、試験の質担保の観点から20%程度を目標に積極的に利活用する方針である。実務に即した技能や態度を確認する手段としては、引き続き写真や画像、イラストなどを積極的に活用していく。 合格基準と質の担保 合格基準については、現行の基本方針を概ね継続する。総得点については、平均点と標準偏差を用いた相対基準によって合格点を設定する。必須問題については、全配点の70%以上、かつ構成する一定項目ごとに30%以上の得点を必要とする。また、医療人としての高い倫理観を問うため、法律に抵触する内容や患者に重大な障害を与える危険性のある選択肢(いわゆる禁忌肢)を含む問題を継続して出題し、誤った知識を持つ受験者を識別する。 適用時期 本基本方針は、改訂モデル・コア・カリキュラムが適用された2024年度入学生が初めて受験する、2029年度実施の第115回薬剤師国家試験から適用される。 新方針に基づく試験科目・問題数一覧 試験は現行どおり2日間で実施され、出題数等の内訳は以下の通りとなる。 科目 必須問題 一般問題 (薬学理論問題) 一般問題 (薬学実践問題) 社会と薬学 10問 10問 ※120問 基礎薬学 15問 30問 医療薬学 45問 45問 衛生薬学 10問 20問 臨床薬学 10問 20問 合計 90問 125問 120問 ※一般問題(薬学実践問題)は複合問題のみ出題される。出題数の配分は、概ね従来の科目別出題数と同等になるよう努めること。参考として第110回国家試験の科目別出題数は「社会と薬学」10問、「基礎薬学」15問、「医療薬学」30問、「衛生薬学」10問、「臨床薬学」65問の合計130問で構成されていた。
- 医療・健康情報の“鵜呑み”に警鐘――3団体が「み・き・き」を提唱する啓発資材を共同制作
2026年4月9日、一般社団法人くすりの適正使用協議会、公益社団法人日本薬剤師会、日本製薬工業協会の3団体は、医療・健康情報を見極めるコツをまとめた一般の方向けの啓発資材「情報の鵜呑み禁止!」を制作し、各団体のウェブサイトで公開した。 科学的根拠に基づいた情報選択を促す背景 現代において、医療や健康に対する生活者の関心は非常に高く、インターネットをはじめとする多様な情報源から知識を得ることが一般的となっている。しかし、その中には科学的根拠に乏しい情報も散見されるのが現状である。こうした背景から、自分や家族の健康を守るために正しい情報を見極めるコツを身につけてもらうことを目的として、本資材が制作された。 情報を見極める合言葉「み・き・き」 本資材の大きな特徴は、情報を見極める際のポイントを「みきわめる」「きく」「きめる」という3つの観点から整理し、「み・き・き」というキーワードで紹介している点である。情報を安易に信じ込まずに信頼できるかを確認し、迷った際には医師や薬剤師などの専門家に相談した上で、納得して自ら判断することの重要性を説いている。 資材の形態は、市民講座などで幅広く活用されることを想定し、全26枚のスライドからなるパワーポイント形式となっている。パワーポイントのノート部分には各スライドの要旨とモデル台本が付随しており、聴講者が参加できる演習も盛り込まれているため、専門職が講師を務める際にも利用しやすい工夫が施されている。また、講座の参加者が持ち帰ることができるA4サイズ両面1枚のチラシも併せて用意された。 6団体の共同声明を具現化 今回の取り組みは、2018年3月に関係6団体が公表した、科学的根拠のない情報に対する取り組みを宣言する「共同ステートメント」を具現化したものである。制作にあたっては、医療ジャーナリストの北澤京子氏の協力も得ている。資材は各団体のサイトからダウンロードが可能であり、今後は都道府県薬剤師会などを通じても周知が行われる予定である。 啓発資材「情報の鵜呑み禁止︕」は以下のURLから ・協議会サイト: https://www.rad-ar.or.jp/knowledge/post?slug=unomi ・日薬サイト : https://www.nichiyaku.or.jp/yakuzaishi/pharmacy-info/use/link04 ・製薬協サイト: https://www.jpma.or.jp/information/evaluation/results/allotment/PV_202604_Unomislide.html
- 日本コープ共済連、大学生協奨学財団へ510万円を寄付——「たすけあい奨学制度」を支援
2026年4月6日、東京都渋谷区のコープ共済プラザにて、日本コープ共済生活協同組合連合会(以下、日本コープ共済連)から一般財団法人全国大学生協連奨学財団への寄付金授与式が執り行われた。 経済的困窮にある学生の「学び」を支える 今回の寄付は、日本コープ共済連が取り組む「CO・OP共済 未来を照らすプロジェクト」の一環として実施されたものだ。授与式では、日本コープ共済連代表理事理事長の笹川博子氏から、全国大学生協連奨学財団代表理事理事長の武川正吾氏(全国大学生協連会長理事)へ、510万円の寄付目録が手渡された。 寄付の対象となる「たすけあい奨学制度」は、扶養者を亡くし、経済的に学業の継続が困難となった学生を対象とした緊急援助制度である。返済不要の12万円を一括給付することで、予期せぬ不幸に見舞われた学生が夢をあきらめずに済むよう、精神的・経済的な支えとなっている。 30年以上にわたる「たすけあいの輪」 この制度の歴史は古く、1992年に発足した「勉学援助制度」を前身としている。2018年には、支援の輪をさらに広げ、社会的な信頼性を高めるために現在の財団による運営へと発展した。 2026年2月現在の累計実績は以下の通りであり、長年にわたり多くの学生を救ってきたことが分かる。 累計給付者数: 6,438人 累計給付額: 8億6,271万円 制度の概要と支援の呼びかけ 「たすけあい奨学制度」は、全国の有志や大学生協からの寄付を主な財源としている。財政的な制約があるため、審査に基づき、より学業継続環境が厳しい学生を優先して給付が行われる仕組みだ。 【制度の主な概要】 対象: 扶養者の死亡により、経済的に学業継続が著しく困難な学生 給付額: 12万円(返済不要) ※卒業まで5カ月以内の場合は月割計算 選考: 財団の審査基準に基づき支給対象者を決定 【 たすけあい奨学制度応募要項 】 なお、大学生協奨学財団は、一人でも多くの学生が学びを続けられるよう、個人・法人を問わず広く寄付や賛助会員への加入を呼びかけている。
- 10年後の自分を守るために、今知っておくべき子宮頸がん検診の話
子宮頸がん検診の受診率向上を目指す上で、心理的・物理的ハードルをいかに下げるかが大きな鍵を握っている。ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社が30~60歳の女性を対象に実施した「子宮頸がん検診に関する意識調査」の結果から、現代女性の受診に対する本音と、新たな検査手法への期待が見えてきた。 未受診の背景にある「なんとなく」という壁 調査によると、直近2年間に検診を受けていない理由の第1位は「なんとなく(特に理由はない)」で43.3%に達した。次いで「忙しい」(11.9%)、「症状がない」(11.4%)と続く。未受診期間が長くなるほど「なんとなく」の割合が高まる傾向にあり、疾患に対する無関心や、日々の生活の中での優先順位の低さが浮き彫りとなっている。 一方で、未受診層の約8割が「定期的な受診の必要性」自体は認識している。必要性を感じつつも、具体的な行動に移すための決定的な動機や、心理的な「最後の一押し」が欠けているのが現状だ。 直近2年以内に子宮頸がん検診を受けなかった理由 「5年に1回」の提示がもたらす行動変容 日本の子宮頸がん検診受診率は43.6%1)に留まっており、国が掲げる目標値(60%)2)やWHOの目標(70%)3)とは大きな乖離がある。この状況を打破する可能性を示したのが、2024年度から導入された「ヒトパピローマウイルス(HPV)検査単独法」(HPV検査)である。 従来の細胞診(2年に1回)に対し、HPV検査は精度が高く、陰性であれば次回の受診間隔を「5年に1回」に延ばすことが可能だ。この条件を提示したところ、直近2年間未受診のうち41.1%が受診に前向きな意向を示した。特に「忙しい」を比較的に高い割合で理由に挙げ、受診から近年遠ざかっている層(前回は3〜5年以内に受診)では、約62%が受診意欲を高めており、検査頻度の見直しが物理的障壁の解消に直結する可能性が示された。 検診の頻度が5年に1回になることで、子宮頸がん検診を受けようと思う気持ちの変化 知識の格差と自治体案内の有効性 調査では、受診層と未受診層の間で「疾患知識の格差」も顕著であった。自覚症状の有無や早期治療による完治の可能性について、未受診層は受診層に比べて認知度が低い。 また、実際に受診に至ったきっかけとしては「市町村からのクーポン・案内状」が約4割で最多であった。個人の意識啓発だけでなく、受診の経済的・物理的な障壁をなくすこともポイントになる。 子宮頸がんが「自覚症状がないまま進行する」ことへの認識の差 子宮頸がんの早期発見・早期治療によって、高い確率で治ることへの認識 直近の子宮頸がん検診を受診したきっかけ 学生の皆さんへ:自分の未来を「自分事」にするために 大学の健康診断などで、すでに検診や健康チェックの機会がある学生の皆さんにとっては、今の「健康な状態」が当たり前に感じられるかもしれない。しかし、子宮頸がんは若い世代でも罹患する可能性があり、その後の人生やキャリア、家族の形に大きな影響を及ぼす疾患である。 今回の調査で「なんとなく」という理由が最多だったことは、多くの人が明確なリスクを感じる前に受診の機会を逃している現実を示している。裏を返せば、正しい知識を持ち、賢くシステムを利用すれば、自分の未来を自分で守ることができるということだ。 「5年に1回で済む」といった新しい選択肢も、皆さんが社会の主役となる頃にはより一般的になっているだろう。自治体から届くクーポンや案内を「面倒な通知」として放置せず、自分のライフプランを守るための「プラチナチケット」だととらえてほしい。忙しい日々の中でも、自分の体をメンテナンスする時間を持つこと。それが、長く自由に活躍し続けるための、最も賢い投資である。 【調査概要】 調査テーマ:「子宮頸がん検診未受診層が抱える課題」と「HPV検査単独法の受容性」 調査対象:全国30〜60歳女性個人 2,047人 調査期間:2025年11月28日~12月1日 調査主体:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 調査実施機関:株式会社インテージ 調査方法:インターネット調査(人口構成比に合わせたウェイトバック集計を実施) 1)厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」 2)厚生労働省「がん対策推進基本計画」 3) https://www.who.int/news/item/17-11-2020-a-cervical-cancer-free-future-first-ever-global-commitment-to-eliminate-a-cancer 4)子宮頸がん検査の知識が「あまりない」「全くない」と回答した日本人女性は 7 割以上、 APACの8つの国と地域中で最も知識が不足している結果に 女性の健康管理に関する APAC8カ国・地域の意識調査 https://www.roche-diagnostics.jp/media/releases/2025-4-7
- エリス「奨学ナプキン2026」募集開始:生理の不安を軽減し、学生の毎日をサポート
大王製紙株式会社は、衛生用紙製品ブランド「エリエール」の生理用品シリーズ「エリス」において、生理用品の入手が困難な学生2,000人を対象とした「奨学ナプキン2026」の募集を2026年4月8日(水)より開始した。同取り組みは、1年分のナプキンを無償提供するもので、今年で5年目を迎える。 「生理の貧困」をゼロへ:学生の心身を支える4年間の実績 2022年に始動したプロジェクト「meet my elis」の一環である同活動は、いわゆる「生理の貧困」という社会課題に対し、学生が学校生活や日常生活を安心して送れるよう支援することを目的としている。 これまでの4年間で累計20,000件を超える応募があり、計8,000人の学生を支援してきた。過去の奨学生からは、経済的負担の軽減だけでなく、「交換頻度が上がり衛生面が改善した」「枚数を気にせず替えられることで心に余裕が持てるようになった」といった、QOL(生活の質)の向上につながる声が寄せられている。 学校生活への影響 同社が実施した調査によると、学校行事と生理が重なり困った経験がある学生は約9割(88.2%)にのぼる。また、約7割(67.1%)が体育祭などの活動を制限されると回答しており、生理が学習環境や体力の向上を妨げる要因となっている実態が浮き彫りになった。 「奨学ナプキン2026」募集概要 2026年度は、特設サイト内のアンケート回答者の中から選考により2,000人の奨学生を決定する。 項目 内容 応募期間 2026年4月8日(水)10:00 〜 5月17日(日)23:59 対象者 生理用品の入手に困っている全ての学生(小・中・高・大・専門・その他) 募集人数 2,000人 提供内容 1年分の生理用ナプキン(7月初旬提供予定) 提供商品 「ルナフィット」または「コンパクトガード」と「朝まで超安心」のセット 応募方法 特設サイトの応募フォームより回答 実施スケジュール 4月8日〜5月17日:奨学生募集 6月下旬:奨学生決定 7月初旬:ナプキンの提供(1年分) 8月頃:中間アンケート実施 12月頃:最終アンケート実施 同プロジェクトは、ツルハドラッグやマツキヨココカラ&カンパニーといった小売企業、NPO法人、教育機関など、25以上の企業・団体から賛同を得ている。 大王製紙は、SDGsの目標である「ジェンダー平等の実現」や「パートナーシップでの目標達成」に貢献することを目指している。今後も「だれかではなく、あなたのそばに。」というメッセージのもと、多様な価値観に寄り添う活動を継続していく方針だ。 【賛同企業・団体一例】 ※順不同 ツルハドラッグ/くすりの福太郎/杏林堂薬局/アルカドラッグストア/大賀薬局/有限会社ひまわり/NPO法人Mama's Cafe/特定非営利活動法人ぎふ多胎ネット/.Style(ドットスタイル)/学校法人駒澤大学/4MOON/結企画工房株式会社/株式会社ポーラ/スギ薬局/株式会社スギヤマ薬品/LOHACO(ロハコ)(運営:アスクル株式会社)/ (株)マツキヨココカラ&カンパニー/(株)マツモトキヨシグループ/(株)ココカラファイングループ/イオン九州株式会社/ウエルシア薬局株式会社/印西市市民公益活動団体 Shake Hands/NPO法人らいぶながさき/ひとり親Cheers/札幌看護医療専門学校/てとて広場 問い合わせ「エリス奨学ナプキン2026事務局」 MAIL:info@elis-shogaku.jp 受付時間:10:00~17:00(土日祝日・年末年始を除く) 受付期間:2026年4月8日(水)~2027年3月31日(水)
- 東京女子医科大学附属八千代医療センター、配送ロボットを導入。医療現場の「未来型看護」実現へ
院内を「FORRO」が走行する様子 2026年4月6日、東京女子医科大学附属八千代医療センターにおいて、川崎重工業が開発した屋内配送ロボット「FORRO(フォーロ)」の本格的な運用が開始された。本導入は、大学病院という複雑な環境下における配送業務の効率化と、医療従事者の負担軽減を目的としている。これに合わせ、看護現場におけるロボット活用の有効性を多角的に分析する共同研究も実施される。 高度な自律走行で広域配送をカバー エレベータに人と相乗りする様子 今回導入された「FORRO」は、最新のセンシング技術により、人や医療機器の往来が激しい院内を安全かつ安定して走行する能力を持つ。 特筆すべきは、メーカーが異なるエレベータを制御してフロア間を自在に移動できる点や、各所のセキュリティドアと通信・連動することで複数棟にまたがる長距離配送を実現している点である。また、エレベータ内で人と相乗りすることを想定した設計となっており、限られた空間でも円滑な運用が行えるよう配慮されている。 医療従事者の「働き方改革」を推進 これまで検体や薬剤の配送に割かれていた医療従事者の時間をロボットが代替することで、看護師らがより専門性の高い業務や患者への直接的なケアに集中できる環境を整える。 特に人手が限られる夜間や休日の配送をロボットが担うことは、長時間労働の削減や業務効率化に直結し、医療従事者の働き方改革を強力に推進する一助となる。ロボットとのタスクシェアによって、病院全体で提供する医療の質の向上を目指す考えだ。 地域に親しまれる愛称「やちまる」 導入に先立ち、院内で開催された地域向けイベントにおいてロボットの愛称が公募され、その結果「やちまる」に決定した。患者や地域住民に親しみを持ってもらえる存在として、病院という緊張感のある場において、より身近で温かみのある医療環境の提供に寄与する。 「未来型看護」のモデル構築へ 今回の運用開始に伴い、東京女子医科大学看護学部と川崎重工業による共同検証も行われる。配送業務の自動化が現場に与える影響を多角的に分析し、医療従事者の負担軽減効果や業務効率の向上について評価を行う予定である。これらの検証を通じて、看護現場におけるロボット活用の有効性を明らかにすることで、持続可能な「未来型」の医療現場改善モデルの構築を目指す。 薬学生としての視点:自動化が進む医療現場で考えるべきこと このニュースは、薬剤師を目指す学生にとっても決して他人事ではない。院内配送の自動化が進む中で、以下のポイントを考察しておく必要がある。 まず、対物業務から対人業務へのシフトが加速する。薬剤の運搬という「物理的な移動」をロボットが担うことで、薬剤師にはこれまで以上に、高度な薬学的管理や多職種連携、患者への丁寧な服薬指導といった「人間にしかできない専門業務」の質が問われるようになる。 次に、リスクマネジメントと責任の所在を明確にしなければならない。ロボットが薬剤を運ぶ際のセキュリティー管理や、万が一の配送エラーが発生した際の初動対応など、システムを安全に運用するための新しいルール作りやリスク管理の視点が求められる。 最後に、テクノロジーを使いこなす能力を養うことが不可欠である。将来の医療現場では、ロボットやAIとの共存が当たり前になるため、それらを単なる「道具」としてだけでなく、医療の質を高めるための「パートナー」として理解し、活用できるリテラシーを備えておくことが重要だ。
- 同志社女子大と大分大が連携協定を締結―研究高度化と薬剤師のUターン促進を目指す
同志社女子大学と大分大学は、2026年4月7日に連携・協力に関する協定を締結した。両大学はこれまで、大分大学医学部附属病院薬剤部と同志社女子大学薬学部の間で共同研究を進めてきたが、今回の協定によりその基盤をさらに強化し、双方の教育・研究資源を最大限に活用していくこととなった。 今回の連携において、両大学は研究設備や研究データ、さらには研究者ネットワークを相互に活用する。これにより研究の高度化と効率化を図ると同時に、学生や大学院生の交流および実習受け入れを活発化させ、次世代を担う研究者や医療人の育成を強力に推進していく方針だ。 また、本協定は地域課題の解決という側面も併せ持っている。現在、大分県では薬剤師の確保が大きな課題となっており、県外の大学で学ぶ薬学生のUターン就職をいかに促進するかが重要視されている。大分大学医学部附属病院は、2025年2月に薬剤師育成拠点として「薬剤師教育センター」を設置し、人材育成の要として薬学実務実習生の受け入れに注力してきた経緯がある。 今後は本協定に基づき、同志社女子大学薬学部の実習生が大分大学医学部附属病院で受け入れられる予定である。県外出身の学生が実習を通じて大分県の地域医療や独自の文化に直接触れる機会を創出することで、将来的な県内への就職や定着につながることが期待されている。両大学は本協定を通じて、研究力のさらなる向上と地域医療への多大な貢献を目指す考えだ。
- 東京薬科大学と大妻中学高等学校が高大連携協定を締結――理系人材育成を加速
東京薬科大学と大妻中学高等学校は、2026年3月23日、東京薬科大学において高大連携協定を締結した。本協定は、双方の教育内容の充実と、生徒および学生の資質向上を図ることを目的としている。 協定締結の背景と目的 東京薬科大学には、例年大妻中学高等学校から多くの生徒が入学している。昨今のグローバル化や科学技術の革新、国内における生産年齢人口の急減といった急激な社会変化に対応し、新たな価値を創造できる人材を育成することについて両者は合意に至った。 東京薬科大学学長の三巻祥浩氏は、1880年の創立以来、日本初の生命科学部開設や医療薬学専攻の設置など、同大が歩んできた先駆的な歴史に言及した。その上で、「2022年度より高等学校において本格的に導入された探究学習において、本協定を契機に、中学生・高校生の皆様がより専門的かつ体系的な学びに触れる機会を提供できればと考えている」と、中高生への教育支援に対する意欲を示した。 連携による具体的な事業内容 本協定に基づき、両校は多角的な交流を展開していく。具体的には、大学・中高双方への講師派遣や高大接続教育への支援を行うほか、課外授業やFD(教育開発)活動における交流活動を実施する。また、中高生が大学の授業や各種講座を受講する機会を設けるとともに、大学院生との交流や図書館等の大学施設の利用も可能とする。さらに、大学側の教育・研究活動、および学生の教育実習などに対する中高側の支援体制も構築していく。 これに対し、大妻中学高等学校校長の赤塚宏子氏は、近年の理系志望者の増加(現3年生で45%、1・2年生では5割超)という現状を明かした。赤塚氏は、「医療人教育において実績のある薬学部、トップレベルの研究力を誇る生命科学部を有する東京薬科大学様との連携で、本校の生徒たちが学ばせていただく機会が増えれば、より医学・薬学をはじめとした理系の分野を学び、進路先として志望する生徒のきっかけにもなる」と述べ、伝統ある同大との提携による教育効果に強い期待を寄せた。 本協定により、東京薬科大学の教員が大妻中学高等学校の教育プログラムに積極的に関わることで、生徒一人ひとりの才能や個性を最大限に引き出し、薬学・生命科学分野から社会に貢献する優れた理系人材を輩出するための強力な協力体制がスタートする。
- 眠れない夜と薬の話@名古屋 スタッフインタビュー
(一社)日本薬学生連盟は、2026年3月7日(土)に対面イベント「眠れない夜と薬の話~睡眠薬クイズ&服薬指導RPG~」を名古屋にて開催しました。イベント主催である薬学総合委員会委員長の山田真由香さん(名城大学薬学部4年生)と企画長の山田菜央さん(金城学院大学薬学部2年生)にお話を伺いました。 (執筆:東京薬科大学薬学部3年生 庄司春菜) ―当日のことについて教えてください。 山田真由香:睡眠薬についてそもそもあまり知らない人が多いと考え、睡眠薬についての講義とクイズを行いました。そして学んだ知識を生かし、服薬指導のRPGをしました。「患者さんのエピソードに対して薬剤師としてどのようにアプローチするか」を各グループで話し合い、患者さんのための服薬指導を考える意見交換ができました。講義からクイズ、そしてディスカッションを行うといった全体の流れも学びやすく、またスタッフの熱意や想いがオンラインよりも伝わりやすい対面形式で開催できたことも、とても良かったと思います。 ―このイベントを企画した理由を教えてください。 山田菜央:「睡眠薬」というテーマについて、私も知識を深めたかったからです。また、大学で「1つの医療テーマについて調べてみよう」という課題が出た際、睡眠系について調べてみたいと挙げた学生が多かったことも理由の一つです。睡眠薬はどの医師でも病院で処方でき、薬剤師も専門知識を生かして介入できる領域だと思い、今回企画しました。 ―イベントの準備はどのように行いましたか。 山田真由香:スタッフ同士で勉強会をしました。私は薬学共用試験の勉強で得た睡眠薬の知識や、実習で得られた経験を含めてスタッフの皆に共有しました。またイベントの進め方や参加者を楽しませる方法を考える中で、積極的に意見を出し合いました。 山田菜央:イベントで取り上げる薬の作用機序などが学術的に正しいものであるか、大学の薬理学の先生にお願いして確認していただきました。病院で働いた経験がある先生だったので、この薬を処方する際は実際にどう服薬指導を行うのかなどを教えていただきました。私の大学ではグループワークや発表の機会が多く、「そもそも自分自身が理解していないと人にはうまく伝えられない」ということ、「どのように学んでいくのが良いかのプロセスも伝える」ということを意識してスライドを作りました。 ―イベントを振り返ってみて、どのように感じますか。 山田真由香:予想以上に盛り上がった印象です。講義を聞きながら取ってくれたたくさんのメモを目にした時はとてもうれしかったです。また私は上級生として、下級生に伝える際に内容を分かりやすく説明することを気をつけました。 山田菜央:企画をやり切る大変さを感じました。特に人を集めるため、広報に力を入れました。またイベントに来てくれた方の時間を有意義なものにしたいという想いが軸にあったので、自分が既に知っていることだけを伝えるのではなく、勉強会や事前の情報収集で初めて知ったことも混ぜて伝え、知識をより深めてもらえるようにと意識して企画しました。 ―スタッフとしての学びや達成感はありましたか。 参加者の声 山田真由香:参加者は服薬指導を楽しんでくれました。私を含む上級生によるお手本を、下級生の皆さんが感心して見てくれて、とてもうれしかったです。 山田菜央:初めて先輩の服薬指導の姿を見て、「まだ想像できないけれど、数年後にきっとこうなれるよう頑張ろう」と感じられました。先輩の姿にあこがれたり、今度は自分たちが後輩に教えたりと、学年を超えて影響を与え合うことができます。このつながりは日本薬学生連盟の良さであり、ここだからこそできることだと思います。私も後輩たちに伝えていきたいです。 ―今後もこのようなイベントを続けていきたいですか。 山田真由香:薬学生のときにしかできないことを続けていきたいです。学生の時期は服薬指導についてしっかり考えて知識を深められる良い機会だと思っています。講義だけでなく、実践で生かせる今回のような場が必要だと感じます。 山田菜央:今後はもっと参加者の皆さんの興味や需要も知り、それをテーマに取り上げてみるというアプローチもしていけたらいいなと思いました。 ―参加してくれた学生へのメッセージをお願いします。 山田真由香:勉強熱心で、私の話をこんなに受け取ってくれるんだと感動しました。イベントの雰囲気もあたたかくて良かったです。参加してくださりありがとうございます。今後も、睡眠薬だけでない他の分野をテーマに据えたり、高学年の一人として伝えられるものがあれば、またぜひ企画をやりたいなと思います。 山田菜央:イベントに来てくださったことに感謝しています。先輩方からたくさん教えてもらって、企画自体は成功できるという自信はありましたが、そもそも皆さんに来ていただけないと成功しません。イベントに来てくださった方が日本薬学生連盟にも価値を感じて入ってくれて、一歩進むことができたのではないかとうれしかったです。ありがとうございました。
- 薬局を地域のコミュニティーへ 帝京平成大学・薬学生が支える「健康茶房」を開催
2026年3月25日、スギ薬局神田駅南口店にて、帝京平成大学地域連携部の薬学生によるイベント「健康茶房(けんこうさぼう)」が開催された。本イベントは、薬局を単なる「薬を受け取る場所」ではなく「住民が自然と集うコミュニティーの場」へと転換させることを目的としており、2025年9月から毎月継続して実施されている。 当日はあいにくの雨模様であったが、仕事帰りの人々などをターゲットとした午後5時から7時にかけて、薬学生たちが主体となって地域住民との交流を深めた。 多彩な健康茶と専門性を生かした交流 会場では、参加者の気分や体調に合わせたさまざまなメニューが提供された。飲み物については「活元茶」や「花通茶」、「漢茶 楽」といった和漢ブレンド茶が用意され、おかわりも自由とされた。また、スギ薬局オリジナルの青汁も提供され、参加者はこれらを飲みながらリラックスした時間を過ごした。 健康へのアプローチとして、握力測定器などの機器を用いた測定も実施された。薬学生は、測定結果に基づいた平均値との比較や、スギ薬局が作成した資料を活用しながら、食生活・運動習慣に関するアドバイスを行った。 薬学生による心の通ったサポートと連携 今回のイベントには、1年生から5年生まで合計10人ほどの薬学生が参加した。学生たちは日常の世間話から体調の悩みまで多岐にわたる対話を行っており、1人あたりの相談時間は短い場合で20分程度、長い場合には30分から1時間に及ぶこともある。参加した学生は、当初は何を話せばよいか戸惑いもあったというが、相槌だけでなく一歩踏み込んだ質問を自分から投げかけるよう心がけるなど、実践を通じてコミュニケーションのコツをつかんでいた。 また、同イベントでは役割分担も明確にされている。薬学生はまだ専門的知識が少ないため、より専門的な薬の相談については店内の薬剤師へ、栄養に関する深い困り事は管理栄養士へと適切につなぐ体制が整えられている。これは、将来薬剤師として現場に立つ際に必要となる他職種との連携や、初対面の人とも壁をつくらずに接する能力を養う貴重な教育の場ともなっている。 医療エコ活動の推進 さらに会場では、「医療のエコ活動」についての啓発も行われた。これは同志社大学教授の瓜生原葉子氏が提唱する活動であり、その趣旨に賛同するアステラス製薬と協働した取り組みである。学生たちは参加者とともに、処方された薬を正しく服用して「残薬」を減らすことや、不要になったPTP包装シートの適切な回収・リサイクルなど、個人が日常生活の中で取り組める具体的なアクションを提示。医療資源を大切に使い、次世代へ持続可能な医療をつなぐための意識変革を呼びかけた。 地域に根差した取り組みの成果 イベントには地域住民や薬局利用者が訪れ、高齢者から会社役員まで幅広い層の人々が参加した。現在では延べ200人近い来場者を得る成果を上げている。 この取り組みは今後も継続され、薬学生たちが地域の「笑顔のチカラ」となることを目指していく。次回は2026年4月23日に同店で開催される予定だ。











