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薬局の未来と私たちの働き方——物価高・制度改革に揺れる「地域医療インフラ」のゆくえ

6 時間前
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2026年10月8日、一般社団法人日本保険薬局協会は、同年7月に閣議決定された「骨太方針2026」などを踏まえ、これからの薬局および薬剤師政策に関する考え方を公表した。全国の薬局が地域医療を支える重要なインフラである一方、現在の経営環境や制度には多くの課題が山積している。将来、医療の現場へ飛び込む学生にとっても見逃せないポイントが詰まっている。

   

現場を直撃する物価高と、「管理薬剤師」の現状

現在、多くの薬局では人件費だけでなく、調剤資材費や光熱費、システム関連費などの物価高騰が経営を直接圧迫している。同協会は、2027年6月に予定される「調剤ベースアップ評価料」や「調剤物価対応料」の引上げを着実に実施し、経営の安定化を図るよう求めている。   

ここで学生が知っておきたいポイントの一つが、「管理薬剤師」の待遇問題だ。薬局には法律上、必ず「管理薬剤師」を置く必要がある。しかし現状は、店舗の管理者という名前だけで、労働基準法上の「本当の経営者サイド(管理監督者)」とは異なり、実際には一般の薬剤師と同じように毎日調剤や患者対応に追われている人が少なくない。それにもかかわらず、現行の賃上げのための評価料では、管理薬剤師が一律で対象外とされてきた。   

同協会は、こうした雇用されて現場を支える管理薬剤師もちゃんと支援の対象に含め、必要な財源を確保すべきだと強く訴えている。将来、就職して数年で管理薬剤師を任される可能性もある学生にとって、給与や残業代などの労働環境に直結する切実な問題だ。   


「予防医療」と「治験支援薬局」——広がる薬剤師の活躍フィールド

薬局・薬剤師の役割は、処方箋をもとに薬を渡すだけにとどまらなくなっている。   

ここで注目したいのが、厚生労働省が掲げる「U.E.N.O. Plan」と薬局のギャップだ。 国は「攻めの予防医療」として、栄養・食生活やがん検診、健康管理などを総合的に推進するこのプランを打ち出している。しかし、日頃から熱中症予防の啓発や血圧測定、健康相談会などを窓口で行ってきたはずの「薬局・薬剤師」の役割が、このプランの中に明確に位置付けられていないという課題がある。同協会は、薬局を地域住民の身近な「健康支援拠点」として、測定や受診勧奨を担う専門職として正式に施策へ位置付けるよう求めている。   

また、新しい医療の取り組みとして期待されるのが「治験支援薬局」としての役割だ。海外で承認された新薬が日本で使えない「ドラッグロス」を解消するため、現在は患者が自宅にいながら治験に参加できる「分散型治験」が進められている。治験支援薬局とは、患者の身近な薬局が病院と連携し、個人情報を守りながら治験薬の管理や交付、服用中の安全サポートを担う仕組みである。AIやDXを活用して調剤業務を効率化し、こうした高度なサポートに時間を割く新しい薬局の形が目指されている。


制度の「中」へ声を届ける——これからの医療をどう作るか

こうした現場の新しい取り組みや経営実態、DX・設備投資の必要性が、国の政策や診療報酬の改定に十分反映されているとは限らない。同協会は、社会保障審議会の部会や中央社会保険医療協議会(中医協)などの重要な審議の場に、チェーン薬局を含む保険薬局事業者の代表がしっかりと参画できる体制を作るべきだと求めている。 

  

私たちが将来医療の現場に出るとき、そこにある労働環境や薬局の役割は、まさにこうした日々の政策議論や制度改革の積み重ねのうえに成り立っている。地域医療の第一線を守る薬局がどう変わり、どう支えられていくのか。これからの医療を担う世代としても、注目していきたい動きである。

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