九州在住の20代〜60代男女に聞く「生理・PMSや“隠れ我慢”に関する意識と実態調査」
株式会社ツムラは、生理のつらさを我慢しなくていい社会を目指す「#OneMoreChoice プロジェクト」の一環として、九州在住の生理を経験した20代〜60代および同年代の男性1,000人を対象に意識調査を実施した。調査結果からは、当事者が抱える「隠れ我慢※」の実態や具体的な症状、周囲とのコミュニケーションのすれ違い、職場や社会の環境的課題など、多角的な実態が浮き彫りとなっている。
※隠れ我慢:心身の不調を我慢していつも通りに仕事や家事を行うこと。ツムラが定義。
67.6%が生理・PMSを“隠れ我慢”――年代別の傾向と理由
生理を経験した九州在住者のうち、67.8%が生理・PMSに伴うつらさで「日常生活に影響がある」と回答している。さらに、つらさを我慢して普段通りに仕事や家事、学校をこなす“隠れ我慢”を経験した人は67.6%にのぼり、年代別に見ると20代で79.0%、30代で78.0%と若い世代ほど高い割合を示している。
“隠れ我慢”をしてしまう理由としては、「休むと仕事、家事などに支障がでるから」(53.0%)が最多となり、次いで「病気ではなく休むほどではないと思っているから」(35.8%)、「人に心配や迷惑をかけたくないから」(33.4%)、「我慢できる程度だと思っているから」(31.4%)、「我慢するのは当たり前だと思っているから」(28.4%)が挙げられている。

感じる症状と、周囲に理解されにくいもどかしさ
我慢してしまうほどつらい生理・PMSの症状について聞くと、九州在住者では「イライラ感」(24.4%)、「腹痛」(22.0%)、「疲れ・だるさ」(21.4%)、「腰痛」(19.0%)、「眠気」(16.6%)が上位となった。
一方で、「普段感じている症状の中で、周囲に理解されにくいと感じるもの」としては、「イライラ感」(20.0%)、「疲れ・だるさ」(17.4%)、「情緒不安定」(13.8%)、「腹痛」「眠気」(同率で12.0%)が挙げられており、精神的な不調や外見から分かりにくい疲労感などが特に理解されにくいと感じられている。

また、日常生活に影響が出るほどのつらさがある人のうち90.0%が、その度合いが人によって違うことを「知ってもらいたい」と切実に願っている。実際にそれが知られていないことで、「周囲に相談しにくかった」(38.4%)、「職場や学校などで適切な制度や環境が整っていなかった」(23.3%)、「甘えや言い訳だと思われた」(21.6%)、「適切なサポートが受けられなかった」(19.3%)といった深刻な困りごとを経験している。
対人コミュニケーションへの影響と「伝えにくい」理由
生理・PMSに伴うつらさや不調が原因で、人間関係などのコミュニケーションに「支障があった」と答えた人は50.8%にのぼる。その相手は「配偶者・パートナー」(54.3%)や「母親」(28.3%)、次いで「職場の上司・先輩」(21.7%)や「職場の同僚」(19.3%)が多くなっている。

つらさを周囲に「伝えたことがある」人は55.8%いるものの、それを上回る68.7%の人が「周囲に伝えにくいと思ったことがある」と回答している。伝えにくい理由としては、「相手に気を遣わせたくないから」(45.5%)、「自分の症状やつらさを分かってもらえないと思うから」(42.9%)、「自分の症状やつらさを表現・説明しにくいから」(38.2%)、「我慢すべきだと思っているから」(27.0%)などが上位を占めた。地域の特徴として「困っている人に自然に声をかける雰囲気がある」と感じる人が多い一方で、「相手に気を遣わせたくない」という気遣いが逆に本音を言えなくさせる要因となっている。

職場・学校の環境、および男性側の意識のギャップ
職場や学校における制度や環境面では、「制度があり、利用しやすい雰囲気もある」と答えた人はわずか5.8%にとどまった。一方で、「制度・環境がある職場・学校ではない」(23.4%)、「制度・環境があるか分からない」(22.2%)、「制度はあるが、利用しやすい雰囲気ではない」(14.2%)、「制度はなく、休憩・業務調整なども相談しにくい」(10.2%)といった状況であり、十分な環境が整っているとは言い難い。さらに、日常生活に影響がある人のうち、実際に生理休暇を取得したことがある人は7.6%にすぎず、92.4%が取得経験のない状態となっている。


こうした状況の一方で、男性側の意識には変化の兆しもある。九州の男性を対象にした調査では、61.0%が「生理・PMSについてもっと知る機会がほしい」と求めている。しかし同時に、74.6%が「サポートしたいが対応の仕方が分からない」と答えており、知りたい気持ちはあるもののどう行動すべきか迷っている実態が浮き彫りとなった。

なお、生理・PMSのつらさには症状そのものだけでなく、「立ちっぱなし・座りっぱなしの仕事・学業」(26.4%)や「こまめにトイレに行きにくい環境」(24.4%)といった周囲の環境も大きく影響している。一方で、51.6%の人が「周囲の人が体調を気遣ってくれた」「周囲に経験者がいて話しやすかった」などの環境のおかげで我慢せずに済んだ経験も持っている。


無意識のうちに自分を縛る「“隠れ我慢”の5タイプ」
同社の「隠れ我慢チェッカー」に基づく分析では、日頃の考え方や行動の傾向から、無意識の我慢が以下の5つのタイプに分類されている。九州在住の生理経験者では、特に「気遣いさんタイプ」や「頑張りやさんタイプ」の傾向が高くなっている。
気遣いさんタイプ 自分がしたいことを我慢して、周りへの気遣いを優先させるタイプ。一方で、自分勝手にふるまう人の行動にイヤな思いをすることもある。
頑張りやさんタイプ 自分の成長のために我慢を前向きに捉えられるタイプ。一方で、「今のままでいいのか?」という理想と現実のギャップに悩み続け、つらくなってしまうこともある。
敏感さんタイプ 感覚や感情の変化を感じ取りやすいタイプ。「察してほしい」「分かってもらえないかも」という思いから、自分が感じる違和感を周りに伝えられず我慢してしまうこともある。
慣れっこさんタイプ 幼い頃から、何事も我慢で乗り切ることを得意とし、我慢に慣れているタイプ。一方で、我慢が癖になってしまい、気づかぬうちに無理を重ねてしまうこともある。
不調さんタイプ 日常的に不調を我慢しながら過ごしているタイプ。特に女性特有の心身の不調は周囲には理解されにくく、余計に我慢を重ねてしまうこともある。

専門家からのメッセージ
山崎産婦人科小児科医院の産婦人科専門医・後藤薫氏は、不調の程度を「休むほどではない」「我慢できる」で判断するのではなく、「自分は望む状態で毎日を過ごせているか」という視点で考えることが重要だと指摘する。
生理やPMSに伴うつらさやホルモン変動による変化には個人差があり、外からは分かりにくい症状もある。全てを完全に理解することは難しくても、「毎月こうした不調を抱えながら日々を過ごしている人がいるかもしれない」と周囲が少し想像し、必要なときに自然に話せる理解が社会全体に広がることが望まれる。我慢を前提とせず、誰もが自分の体調について声を上げやすく、周囲が自然に受け止められる環境づくりが求められている。



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