トライアルとスギ薬局が連合体を形成 リテールメディアの規格統一と大型化へ

株式会社トライアルホールディングスと株式会社スギ薬局は、小売企業の垣根を越えた広告ネットワークの構築を目指し、「TOKYO Retail Media Federation(東京リテールメディア研究会)」を立ち上げた。本取り組みには、トライアル傘下の西友も参画する。
個社ごとに分断されたメディアの共通規格化
店舗での購買直前にアプローチできるリテールメディアは急速に普及しているものの、企業ごとに配信枠や効果の測定基準が異なり、出稿側(メーカー等)にとって比較や一括買い付けがしにくい構造的な問題を抱えていた。
両社はこれまで首都圏エリアでデジタルサイネージや店内放送を連動させる実証実験を重ねてきた。その結果、複数チェーンを束ねた広域配信の有効性が確認されたため、本格的な研究会の発足に至った。単なる「店舗ごとの販促ツール」を脱し、グループ売上高計2.3兆円規模の広範な購買データを背景とした「本格的な広告メディア」への刷新を推進する。
事前検証の知見:併用率2%未満が示す高いリーチ補完性
2026年5月の約1か月間、一都三県の401店舗(スギ薬局・西友・トライアル)で実施された実証実験では、以下の実績とそこから見えた気づきが得られている。
重複を除いた接触可能人数:GPSデータを基にした推計で、4週間で約685万人のユニーク来店客へリーチ可能と試算された。
相互利用の少なさ:ドラッグストア(スギ)とディスカウントストア・スーパー(トライアル・西友)の顧客併用率は約2.1%(スギと西友間では約1.8%)にとどまった。
この結果は、競合せず客層が綺麗に分かれている店舗同士を連携させることで、無駄な重複を抑えながら首都圏の生活者へ広範囲にアプローチできる利点を示している。
主な研究課題:TVCMにおける「GRP」のような標準指標の策定
本研究会では、主に次の3点について具現化を進める。
広域ネットワークの基盤整備
各社の得意エリアやメディア特性を統合した配信基盤を整備する。
多角的な費用対効果(ROI)の可視化
認知率だけでなく、新規購入率、リピート率、顧客あたりの購買頻度など、購買行動に直結するデータを指標化する。
業界標準となる統一指標の提示
テレビ広告のGRP(延べ視聴率)に相当する、リテールメディア共通の基準を定義する。
アプリ連携と他社の参画呼びかけ
今後は共通指標を用いた効果測定の知見を順次公表するほか、スギ薬局の公式アプリと連動した検証も予定している。参画企業にはunerry、東芝テック、SalesPlusなどのテクノロジーパートナーが名を連ねており、今後は他の小売企業の参画も募りながら首都圏を皮切りにネットワークの拡大を図る構えだ。



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