空き日程から自分に合う薬局を探す!東京薬科大生がAIと挑んだ『ファーマカレンダー』開発ストーリー
- toso132
- 5 時間前
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就職活動を迎える薬学生の多くは、「まずは大手企業から」と有名な薬局ばかりに目を向けがちである。しかし、世の中には知名度が高くなくても、優れた特徴や魅力を持つ中小薬局が数多く存在する。
今回インタビューに応じてくれたた東京薬科大学薬学部5年生の久芳志羽和(くば しゅうわ)さんは、プログラミング未経験でありながら生成AIを駆使し、空き日程から薬局の会社説明会を検索・予約できるWEBツールおよびアプリ『ファーマカレンダー』を独自開発した。就職活動における自身の気づきから生まれたこのプロダクトの全貌と開発の舞台裏、そして将来の薬局経営に向けた情熱について詳しく話を聞いた。
就職活動体験で気づいた「中小薬局の魅力」と「情報の壁」
『ファーマカレンダー』のアイデアは、久芳さん自身の就職活動における気づきと課題意識から生み出された。4年生のCBT終了後、友人に誘われる形で早期に就職活動を開始した久芳さんは、当初「まずは大手企業」というイメージを持って企業を巡っていた。しかし、多様な薬局を見るうちに、地域密着型の中小薬局に非常に大きな魅力があることに気づく。

アプリ開発の出発点
「大手就職活動情報サイトは企業名での検索が基本であり、名前を知らない中小薬局を検索・発見するのは非常に困難でした。中小薬局には素晴らしい魅力があるのに、存在すら知られないまま選択肢から外れてしまうのは非常にもったいないと思いました」と久芳さんは語る。
企業名検索に頼らず、知名度にかかわらず優良な薬局と薬学生が出会える場を作りたいという強い思いが、アプリ開発の出発点となったのである。
「この日、予定が空いているから会社説明会をやっている薬局を探したい」という切実な思いが、『ファーマカレンダー』の核心となるアイデアの着想元である。
既存の就職活動情報サイトで特定の日程に絞って会社説明会を探そうとすると、無数の職種から薬剤師を選択し、何段階ものフィルターをかける必要があり不便を感じていた。そこで『ファーマカレンダー』では、カレンダー上の日付をワンタップするだけで、その日に会社説明会を開催している薬局一覧が表示されるシンプルな設計を採用した。
アプリの使い方と1画面完結デザイン

『ファーマカレンダー』は、1都3県をはじめとする首都圏の東京近郊エリアに所在する中小薬局やドラッグストアを主な掲載対象としている。各企業が開催する会社説明会や体験型インターンシップの日程および開催場所が網羅されており、参加希望者が日程を選んで申し込むと、自動生成された予約メールが企業へ直接送信される。その後、薬局側から確認メールが参加者に届くスムーズな連携機能を備えている。
また、同世代の薬学生に使ってもらうため、最も徹底したのがストレスのない入力設計である。従来の就職サイトでは住所や詳細な個人情報の入力を求められ、登録に手間がかかることが多い。『ファーマカレンダー』では新規登録項目を「名前、電話番号、メールアドレス、大学名、卒業予定年度、パスワード」の最低限に絞り込み、これらをすべてスマートフォンの1画面内に収めた。これにより数分で登録が完了し、直感的にすぐ活用できる操作性を実現している。
生成AIとの対話を通じたプログラミング未経験からの挑戦
驚くべきことに、久芳さんはアプリ開発やプログラミングの専門知識をほぼ持たない状態から制作を開始した。開発を可能にしたのは生成AIの活用である。「就職活動中の後輩のためにこのような媒体を作りたいがどうすればいいか」という根本的な相談からスタートし、AIを相談相手やサポーターとして駆使しながら、プログラミング学習と実装を並行して進めた。
久芳さんは「アプリ単体の画面だけでなく、企業側がGoogleフォームやCSV等で定員や日程を登録できる仕組みや、エラー対応など、実際に機能させるための細かな抜け漏れへの対処に予想以上の時間と試行錯誤を要しました」と振り返る。Macのアプリ開発ソフトを駆使し、Apple Storeの厳密な審査も念入りの準備によって一発で通過させた。
完成後に友人に試用してもらったところ、非常にポジティブな反響が得られた。「日付で検索できるのが想像以上に便利」「合同説明会に出ていないような中小薬局と出会える」といった声が寄せられ、空いている日に素早く探せる快適さを実感する結果となっている。
現状は1都3県の首都圏エリアをメインとし、テストマーケティング的に展開しているが、今後は福岡や大阪など他地域への横展開も視野に入れている。
企業の「強み・特徴」を可視化する新機能構想

5年生として実務実習や自らの就職活動を進める中で、久芳さんは『ファーマカレンダー』のさらなる発展形を描いている。現在は日付からの日程予約が主軸であるが、今後は「多摩地域に特化している」「福利厚生や給与体系に強みがある」といった各中小薬局の特徴や強みを2〜3行で確認できる機能の実装を計画している。
各社の個性がひと目で分かれば、薬学生はより自分に合った企業に出会いやすくなる。薬学生と中小薬局のミスマッチをなくすための橋渡しとしての機能を拡充していく意向である。
久芳さん自身の今後のキャリア
アプリ開発という大きなチャレンジを成し遂げた久芳さんであるが、自身の将来像としては薬局経営を真っすぐに見据えている。実務実習での学びはもちろん、就職活動においても「独立や開業ノウハウを学べる場があるか」「経営層や社長と直接対話ができるか」という軸で企業選択を行っている。
薬剤師としての臨床スキルと、プロダクト開発で培った視点を掛け合わせ、将来の薬局経営に生かす考えである。
就職活動は意外と楽しい!早めの行動がおすすめ
最後に、薬学生に向け、久芳さんから温かいメッセージが送られた。
「就職活動は堅苦しく大変なものと思われがちですが、実際にはどこも温かく歓迎してくれます。他校の友人ができたり、自分の視野が広がったりと、実はとても楽しいプロセスです。5年生まで後回しにするのではなく、低学年のうちから先輩に声をかけてイベントや交流会に顔を出してみてほしいですね」と語る。続けて「やりたいことがあってモヤモヤしているなら、一度行動してみることで解像度が格段に上がります。迷ったらまずは動いてみることを強くおすすめしたいです」と締めくくった。
ファーマカレンダー:薬学生専用の就活説明会カレンダー。製薬・調剤薬局・ドラッグストアの合同・個別説明会を検索・申し込みできる。



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