【一日一笑】OTC医薬品の適正使用と薬剤師に求められる役割
- toso132
- 3 時間前
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医薬情報研究所 株式会社 エス・アイ・シー
公園前薬局(東京都八王子市)
堀 正隆

セルフメディケーションの推進とOTC医薬品のリスク
現在、日本では高齢化が急速に進んでいる。全人口に占める65歳以上の割合によって、「高齢化社会」は7%以上、「高齢社会」は14%以上、「超高齢社会」は21%以上と区分される。日本では65歳以上の割合が29%を超えており、世界的に見ても非常に高い水準にある。
高齢化が進むにつれて、医療を必要とする人も増加する。そのため、今後も医療費の増加が予想され、必要以上の医療機関への受診を抑えながら、国民自身が健康管理を行うセルフメディケーションの推進が重要となる。
セルフメディケーションを実践するうえで重要となるのがOTC医薬品である。OTC医薬品には要指導医薬品と一般用医薬品があり、一般用医薬品はリスクに応じて第1類から第3類までに分類される。また、健康維持を目的としたサプリメントなどの活用もセルフメディケーションの一つといえる。
現在、OTC医薬品は薬局やドラッグストアだけでなく、さまざまな場所で購入できるようになっている。利用しやすくなる一方で、自己判断による誤用や過量使用には注意が必要である。インターネット上にも医薬品に関する情報があふれているが、すべてが正しいとは限らない。正しい医薬品の知識を伝え、適切な使用を支援することは薬剤師の重要な役割である。また、OTC医薬品で対応できない場合や重大な疾患が疑われる場合には、医療機関への受診を勧める必要がある。
ここからは、OTC医薬品の誤った使われ方について紹介する。
一つ目は、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、オキシメタゾリンなどの血管収縮薬を含有する点鼻薬である。これらは鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻づまりを速やかに改善する。即効性が高いため、効果が切れて鼻づまりを感じると、定められた使用回数を超えて繰り返し使用してしまうことがある。
血管収縮薬を過度に使用すると、鼻粘膜の血流が低下した状態が続き、薬の効果が切れた際に粘膜がかえって強く腫れるリバウンド現象が起こる。その結果、点鼻薬を使用するほど鼻づまりが悪化するという悪循環に陥り、薬剤性鼻炎につながる可能性がある。そのため、使用回数だけでなく、なぜ回数を守る必要があるのかまで伝えることが重要である。
二つ目はオーバードーズの問題である。現在、濫用のおそれがある医薬品として、エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン、プソイドエフェドリン、ブロモバレリル尿素、メチルエフェドリンの8成分が指定濫用防止医薬品の対象となっている。これらを含む医薬品では、18歳未満の方に対して、適正使用数量が定められ、原則として一包装単位かつ5日分、「かぜ薬」「解熱鎮痛薬」「鼻炎用内服薬」は7日分とされている。
適正使用数量を超える購入を希望された場合、単に販売を断るだけではなく、その背景にも目を向ける必要がある。なぜ大量に必要なのか、何か困っていることがあるのか、過剰服用を目的としているのか。相手の状況を確認し、必要に応じて周囲の人や医療機関、相談窓口につなげることも重要である。
背景に寄り添い、人に手を差し伸べる言葉がけ
孤独を感じたり、何もかもうまくいかず苦しくなったりすることは誰にでも起こり得る。
そんなとき、誰かに話を聞いてもらうことで少し冷静になれたり、自分の気持ちを言葉にすることで気持ちが整理されたりすることがある。
あなたが苦しいとき、つらいとき。
家族?先生?先輩?友人?きっと、誰かがあなたに手を差し伸べてくれたはず。
今、手を差し伸べる事ができるのはあなた。
薬剤師の役割は、薬を適正に販売することだけではない。目の前にいる人の言葉や行動から、その背景にある困りごとに目を向けることも重要である。
目の前の人が本当に必要としているものは、薬だけとは限らない。もしかすると、必要なのは一つの薬ではなく、一つの言葉かもしれない。
「過剰に服用したかったのだろうか」
「何かつらいことを抱えているのだろうか」
「誰かに相談できず、一人で抱えているのではないだろうか」
もちろん、全てのケースに同じ対応が当てはまるわけではないから、こんな対応をしてほしいなんて正解はないけれど。
それでも、ほんの一言声をかけることで、その人の状況が少し変わる可能性がある。
その可能性を忘れず、一人ひとりに寄り添った対応をしていくことが、これからの薬剤師に求められる役割である。



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