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日本保険薬局協会が調査:中東情勢緊迫化に伴う調剤資材の供給遅延と薬局現場の対応実態

  • toso132
  • 5 時間前
  • 読了時間: 3分

一般社団法人日本保険薬局協会の医薬品流通検討委員会は2026年7月、中東情勢の緊迫化やナフサ供給不安に伴う「調剤関連資材等への影響に関する実態調査報告書」を発表した。2026年6月15日から7月3日にかけて全国5,466の保険薬局を対象にオンラインで実施された同調査では、現場における資材調達の遅延や在庫逼迫の現状、ならびに各種対応の工夫が浮き彫りとなった。 

 

資材調達リードタイムの長期化と在庫の現状

調査結果によると、平時と比較して調剤関連資材の調達リードタイム(発注から納品までの期間)が延長しているとする回答が多数を占めた。  

特に遅延が顕著であるのは軟膏容器(軟膏壺)であり、「1週間以上の遅れ」と回答した割合が89.5%に達した。次いで水剤ボトル(投薬瓶)が76.0%、錠剤・散剤等一包化機器の分包紙が75.4%となり、調剤に不可欠な多くの資材で納期の遅れが生じている。  

また、在庫量に関しても懸念が示されている。軟膏容器では39.3%、分包紙では38.1%の薬局が「在庫量1ヵ月未満」と回答しており、約4割の店舗で在庫が逼迫している実態が判明した。  

クロス集計や統計解析の結果では、処方箋受付回数が多い大規模な薬局ほど資材の消費量が多いため、在庫1ヵ月未満となる割合が高くなる傾向が認められた。例えば、軟膏容器において在庫1ヵ月未満の割合は、月間処方箋受付500回未満の薬局で18.3%にとどまる一方、2,000回以上の薬局では60.0%に達した。

  

現場における創意工夫と連携対応

調達遅延や在庫の減少に対して、現場の薬局は一律に入手不能となる事態を回避しつつ、多様な対策を講じて業務を継続している。  

選択式設問において最も多く挙げられた対策は「薬局間での在庫調整(62.8%)」であり、次いで「資材の節約(47.8%)」「患者への協力呼びかけ(28.9%)」「処方医との連携(25.5%)」であった。  

自由記述回答の分析(1,857件)からは、さらに具体的な現場の工夫が明らかになっている。

処方医との連携・運用見直し: 軟膏の混合を避けてチューブ単位での処方や重ね塗り指示へ切り替える相談、処方日数の見直し、小児処方における水剤から散剤・ドライシロップへの変更、不要な一包化の抑制などが実施されている。

資材使用量の抑制・容器再利用: 複数容器の1つへの統合、計量カップやスポイトの必要時のみの交付、患者への洗浄済み空容器持参・再利用の依頼などが行われている。

代替資材の活用: 100g容器の不足時に50g容器を2個使用するなどのサイズ調整や、別メーカー・別規格品の活用により補っている。


今後の見通し

現場からは、容器や分包紙だけでなく、PTPシート、薬袋、レジ袋、手袋などの周辺消耗品の品薄・価格上昇や、医薬品自体の供給・物流への波及を懸念する声も寄せられている。  

しかし報告書では、現時点において資材が一律に入手不可能となっているわけではなく、薬局間の調整や節約運用によって対応が維持されている点を強調している。また、不安感に基づく過剰発注や買い占め行動は流通の偏りや目詰まりを引き起こすリスクがあるため、冷静な判断と適正発注の徹底が求められる。  

同協会は、今後も調剤業務への影響が大きい資材の供給状況を注視し、現場の懸念が続く場合には再調査や関係行政・メーカー・卸との情報共有を通じて、供給の安定化に向けた検討を進める方針である。

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