13兆円市場への挑戦と「攻めの予防医療」――JCDSが語るドラッグストアの未来
- toso132
- 6月15日
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2026年6月15日、日本チェーンドラッグストア協会(JCDS)の特別記者会見が開催された。新体制の発表とともに、2030年に向けた業界の成長戦略や社会課題への取り組みについて示された。
2030年「13兆円市場」の達成に向けた道筋
会長を再任された塚本厚志氏は、ドラッグストア業界の現状を「10兆円産業」としたうえで、2030年までに13兆円の市場規模を達成するという目標をあらためて強調した。この目標を達成するための大前提として、単なる売上の拡大ではなく、生活者から健康生活拠点として本当に認められることを掲げている。
13兆円への拡大を牽引する具体的な要因としては、まず食品をはじめとする現在伸長している商材カテゴリーを健全に成長させていく、既存事業の延長線上の取り組みが挙げられる。これに加えて、上場企業を中心とした各社が持つ資金力や財務力を活用し、M&A(企業再編)を戦略的に進めることで拠点数を拡大していくことも見込んでいる。さらに「NEXT25」プロジェクトのもと、若い経営者や企業のキーマンたちが2025年以降の業界の未来を見据え、健全な発展のために足元の事業を構築する取り組みを各企業で実施していることも市場拡大を支える要素となっている。
セルフケアの進化と調剤市場の展望
「攻めの予防医療」でお役に立つ
超高齢社会において、若年期からの「サクセスフル・エイジング(いかに人生をかっこよく、全うするか)」や「健康寿命の延伸」への貢献がドラッグストアの使命であると塚本氏は指摘する。医療に近い領域から日々のセルフケアまでをカバーする「攻めの予防医療」こそが、長年セルフケアに取り組んできたわが業界の真骨頂であるとした。
調剤市場を「トータルケアの拠点」に
一方、ドラッグストアにおける重要な成長ドメインである調剤分野に目を向けると、日本薬剤師会が発表した「保険調剤の動向」では、全国の処方箋発行枚数がコロナ禍などの特殊要因を除いて初めて前年割れを記録し、外来患者数の減少や人口減少を背景とした市場全体の縮小傾向が見られる。
こうした状況の中、塚本氏は「一方で処方箋単価の方は上がっており、重篤な疾患向けなどの高い薬が出回るケースが多くなってきていると感じる。そんな中で、ドラッグストアにおける調剤分野の売上は、時系列で見ても前年比で伸び続けているのが事実だ」と指摘した。
さらに、ドラッグストアが持つ日常の買い物やセルフケア、セルフメディケーションから処方箋対応までを1拠点でトータルにケアできる「面分業」の強みに触れ、「マーケット全体が縮む、あるいは処方箋の発行枚数が減っていくかもしれないが、ドラッグストアで処方してもらいたいという患者さんが増えている。生活者が処方箋をどこに持っていこうかなという時に、ドラッグストアを一番最初に想起していただけるよう、協会としてもPRをしていきたいし、各社もそのような取り組みをしていくものと考えている」と今後の展望を語った。
また、2040年頃に65歳以上人口がピークを迎え、その後も75歳以上・85歳以上の人口が長期的に増加していく高齢社会を見据え、ドラッグストアの果たすべき役割はさらに進化を求められている。急性期医療の進展に伴い慢性期疾患の在宅移行が見込まれることや、より高度な在宅医療への対応が必要とされる現状を受け、今後はドラッグストアとして患者の生活に寄り添いながらどのように貢献できるか、その方向性を模索していく方針だ。こうした生活支援と医療が融合したトータルケアの拠点として、調剤市場における新たな需要を確実に取り込んでいく構えを見せている。
生活者に最も身近な健康の拠点として、ドラッグストア業界が果たすべき役割と責任は次の時代に向けてさらに大きなものとなっていきそうだ。



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