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薬学生と現場の薬剤師をつなぐ新潮流、「教科書には載っていない薬局のリアル」を開催――日本薬学生連盟の主体性とカケハシの思いが融合した、新しいキャリアイベントの全貌

  • toso132
  • 9 時間前
  • 読了時間: 6分


株式会社カケハシと一般社団法人日本薬学生連盟による共同開催イベント「教科書には載っていない薬局のリアル」が、2026年6月14日、東京会場・渋谷で開催された。今年で3回目を迎える同イベントであるが、日本薬学生連盟とのコラボレーションは初の試みである。

先んじて6月7日に開催された大阪会場の熱気を受け継ぐ形で迎えた東京会場は、日本薬学生連盟の強力な広報力とネットワークが加わったことで、参加申し込み数は50人を超え、参加法人数も従来の2倍にあたる12法人へと急拡大。会場には、さまざまな大学から集まった薬学生たちがひしめき合い、大盛況となった。


学生が本音で話せる空間

イベントは、カケハシの前田あゆみさん(薬剤師)によるオリエンテーションを経て、メインコンテンツである交流会およびフリータイムへと移った。大学が主催するような通常の合同企業説明会とは異なり、参加企業の現役薬剤師たちと学生が私服で直接テーブルを囲む、きわめてフランクな対話の場が用意された。

実際に東京会場に参加した学生からは、従来の就職活動に対する課題意識と、イベントならではの魅力が語られた。「大学が主催するような通常の合同企業説明会は、どうしても堅苦しい雰囲気になりがちです。しかし、今回のイベントは非常にフランクな形で企業や薬剤師の先生方と接することができるため、学生側も緊張せずに『本音』を話しやすいです。人柄や職場のリアルな雰囲気がダイレクトに伝わってきました」

また、今回の東京会場における大きな特徴として、1・2年生といった低学年層の参加が非常に多かった点が挙げられる。日本薬学生連盟会長の田代莉咲子さん(昭和医科大学薬学部4年)は、「東京のイベントは1、2年生が多く、学校の縦のつながりなどで参加してくれてます。早期の段階から就活や学外イベント、薬学全般に対して高い興味を持って動いており、低学年層の意識の高さに驚かされました」と語る。低学年にとっては「まだ将来の進路を考え始める初期段階であり、今は広い視野を持って、興味のあるなしにかかわらずさまざまな情報を得る時期」として、イベントが機能している現状が示された。

会場に設置されたカケハシの電子薬歴システム「Musubi」の体験ゾーンやAI薬歴の紹介コーナー。多くの学生が実際に端末に触れながら、最新の薬局デジタルトランスフォーメーション(DX)の現場を体感していた。
会場に設置されたカケハシの電子薬歴システム「Musubi」の体験ゾーンやAI薬歴の紹介コーナー。多くの学生が実際に端末に触れながら、最新の薬局デジタルトランスフォーメーション(DX)の現場を体感していた。

この活発なコミュニケーションを強力に後押ししたのが、参加者全員の胸元に貼られた「興味・専門分野を示すカラーシール」の工夫である。これは学生側が「いま何に関心があるか」を示すだけでなく、参加した薬剤師側も「現場、本社、在宅医療、専門認定、店舗マネジメント、経営」といった自身の強みを4つ掲げる仕組みである。

田代さんは、「どの先生がどういった分野のスペシャリストなのかがひと目でわかります。たとえ自分自身がまだ将来のビジョンを明確に決めかねている段階であっても、視覚的なアプローチがあることで、会話のきっかけを容易につかむことができました」と、その効果を高く評価していた。

さらに会場内には、カケハシが提供する電子薬歴システム「Musubi」の体験ゾーンやAI薬歴の紹介コーナーも設置され、多くの学生が実際に端末に触れながら、次世代の薬局DXの現場を体感していた。


日本薬学生連盟が語る「共催の意義」と企画者の思い

今回の共催に至った経緯について、田代さんは次のように語る。「これまでは学生だけの力では、多くの薬剤師の先生方を集めるような大規模イベントをゼロから形にすることは困難でした。現場で働く薬剤師の先生方と直接話せる貴重な機会を一緒につくれるということで、ぜひともご一緒させていただきたいと思い、大変うれしくお引き受けいたしました」と、共催がもたらした価値を強調した。

さらに、同イベントへの参加を通じて、自団体の認知拡大や広報活動の限界突破にもつなげていきたいという。「企業様からのアプローチを通じて、自分たちの発信力だけでは届かなかった層の薬学生にまでイベントを届け、同時に連盟の活動を知ってもらえる貴重な機会になりました」と振り返る。

一方で、イベントを企画した前田さんも、この場に並々ならぬ思いを寄せている。自身も明治薬科大学からカケハシへ新卒入社した経歴を持ち、かつて先輩薬剤師との出会いによってキャリアの選択肢が劇的に広がった経験があるからだ。

前田さんは、現代の薬学生が陥りがちな「病院か、薬局か」という二者択一の思考に一石を投じたいと考えている。「薬局と一言で言っても、門前薬局か地域密着型か、あるいはデジタルをどう活用しているかによって学べることは全く違います。学生の皆さんには、この場でひたすら選択肢の幅広さを知り、良い意味で大いに悩んでほしいです。AIが普及するこれからの時代だからこそ、ネット上の情報だけでなく、自分で動いて直接手に入れる『一次情報』が何よりも強みになります。未来への不安を払拭し、自分の強みを育てるヒントにしてほしいですね」と、学生たちへの期待を熱く語った。

また、参加した企業側にとっても、この場は単なる採用活動の域を超えている。前田さんは、「参加企業からは『学生と話しやすい若手薬剤師が外に出て活躍する挑戦の場』として活用されており、さらに会場に多く集まった1〜3年生といった低学年層の潜在的なニーズや生の声を直接聞ける、他にはない貴重なプラットフォームとして機能しています」と、双方向におけるメリットを説明した。


「未来への架け橋」と今後の展望

イベントの締めくくりとなる閉会式では、日本薬学生連盟の財務統括理事である磯貝颯哉さん(明治薬科大学3年)と、会長の田代さんが登壇し、それぞれの思いを語った。

磯貝さんは、「最初は会場全体に少し硬い雰囲気もあったが、本番の交流会が始まると非常に活発に意見が交わされ、素晴らしい1日となりました。日本薬学生連盟としても、まさに学生と企業との『架け橋』になれたと確信しています」と、確かな手応えを口にした。

続いて挨拶に立った田代さんは、参加企業への深い謝意を述べたうえで、次のように総括した。「私自身、病院勤務を経て薬局に移られた先生や、一貫して薬局でキャリアを積まれてきた先生など、多種多様な背景を持つ薬剤師の方々と対話ができ、非常に実りのある時間を過ごすことができました。参加した学生の皆さんは、進路を考え始めたばかりの1年生から、まさに就職活動の渦中にいる5年生までさまざまであったが、それぞれにとって有意義な時間になっていればこれほどうれしいことはありません」と語り、会場に集まった薬学生たちへ向けて、今後の連盟活動への参画を呼びかけた。

大阪・東京の両会場における大盛況を受け、すでに他地域への規模拡大や地方開催(東海地方など)を要望する声が法人・学生の双方から寄せられている。学校の教室や教科書からは見えてこない「次世代の薬局のリアル」をコンテンツとして体感し、自らのキャリアを主体的に切り開くためのプラットフォームとして、同イベントは今後さらにその存在感を増していくに違いない。


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