【スタートアップ】母への恩返しを胸に、師の背中を追って駆け抜ける独立初年度の挑戦
- toso132
- 2 日前
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更新日:16 時間前
株式会社うちだ薬局 代表取締役社
内田 睦(うちだ・むつみ)

大学を卒業し、薬剤師免許を手にした後のキャリアパスは多様化している。病院、薬局、製薬企業。しかし、その先に「独立」という選択肢を明確に描き、実行に移せる者は決して多くはない。株式会社うちだ薬局の代表取締役を務める内田睦さんは、2024年11月に法人を設立し 、わずか1年余りで3店舗の経営に携わるに至った。現代の若手薬剤師が抱く「独立への心理的ハードル」を、軽やかな決断力と泥臭い努力で突破した一人である。
内田さんのキャリアは、神奈川県の薬局から始まった。しかし、1年が経過した頃、自身の「独立したい」という未来像を具体化するため環境を変える決断をする。「薬局だったら独立できる未来像が果たせると思った」と直感し、いちょう薬局株式会社へと入社した。ここで内田さんは、生涯の師となる佐藤裕之社長と出会う。内田さんの特筆すべき点は、単なる勤務薬剤師に留まらなかったことだ。日々の業務をこなしながら、薬局の数値管理を徹底的に学んでいった。技術料や薬剤料、さらには想定される人件費や分包機のリース料に至るまで、自ら収支を算出しては佐藤社長にぶつけ、「まだ甘い」と0点をつけられる。その繰り返しの2年半こそが、経営者としての目を養う修行期間となった。

2025年1月、東京都板橋区の「いちょう薬局板橋成増店」を事業承継したことが独立の第一歩となった。特筆すべきは、そのわずか4カ月後の5月には「うちだ薬局田無店」を完全新規でオープンさせ、さらに2026年3月には「こうえんじ薬局」の開局を控えている点だ。短期間での多店舗展開を可能にしたのは、師からの案件に即答し続ける姿勢である 。「佐藤社長からもらった話は断らない主義」という信念を貫き 、既存店舗の利益を積み上げることで銀行からの信頼を勝ち取り、融資を取り付けてきた 。


新規開局した田無店では、認知度向上のためにマスクを安く販売したり看板を設置したりと、地道な活動もいとわなかった 。さらに、近隣ドクターと密に連携し、流通が不安定な薬の在庫状況を共有することで、患者を「たらい回し」にしない体制を構築。待ち時間を減らすためのLINE処方箋の導入など、利便性の向上にも着手している。内田さんが掲げる目標は、店舗数の拡大そのものではない。「従業員が働きやすい環境を築きたい。雰囲気が良くなれば、患者さんも来たくなる。その循環が結果的に利益を生み、従業員に還元できるサイクルを回したい」と語る 。現在は約10人のスタッフを抱える経営者として、人間関係の悩みや雇用の重圧に真っ向から向き合っている。
未来の薬剤師である学生に向け、内田さんは2つのアドバイスを送る。1つ目は「自分がやっていて楽しいと思えることを1つでも多く見つけること」だ。内田さん自身、学生時代の飲食店アルバイトを通じて「店舗を回す楽しさ」に目覚めた経験が、今の薬局経営に生きている。2つ目は、「何のためにやるか」という絶対的軸を持つことである。最大の原動力は、自身のバックボーンにある。「母子家庭で育ててくれた母を幸せにしたいという思いが根本にある。そこが基盤にあると、どんなにつらいことがあっても耐えられる」と強い覚悟を口にする。独立から1年。数値へのシビアな視点と周囲への感謝、そして即断即決の行動力を持つ彼にとって、現在は通過点に過ぎない。自らの人生を切り開くその背中は、将来に悩む薬学生にとって一つの希望の形として映るだろう。


取材後記
佐藤社長のもとでの研鑽を経て、母への恩返しを胸に突き進む内田社長。その即断即決の行動力と泥臭い努力を間近で見てきたからこそ、今の躍進には胸が熱くなります!独立1年目、若きリーダーの挑戦を全力で応援します。(薬学ステップ 寺本)





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