書類よりも「対話」を。ロート製薬が挑む選考の常識を覆す「Entry Meet採用」の全貌
- toso132
- 1 日前
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採用市場においてAI選考やエントリーシートによる効率化が進むなか、ロート製薬株式会社が打ち出した方針は、それらとは一線を画す「対話への回帰」であった。2027年新卒採用から導入された「Entry Meet採用」。書類選考を完全に廃止し、全ての始まりを直接の対話に置くこの挑戦が、人財採用の在り方を根本から変えようとしている。
対話を起点とする「Entry Meet」の実施
2026年1月から2月にかけ、ロート製薬は全国8拠点で「Entry Meet」を実施した。一人あたり15分という時間設定のなか、従来の書類選考に代わり、対話を起点とした選考が行われた。
各会場には、同社の商品やカルチャーブックを並べた待合ルームが設けられた。そこには採用担当以外の有志社員が常駐し、企業理解を深めるためのコミュニケーションの場として活用された。こうした対話の時間を重視するプロセスにより、学生と会社の相互理解を図る試みがなされている。

最終選考を経て見えた変化
その後、複数回の面接やグループワークを経て、4月に最終選考までのプロセスを終了した。例年と比較して、以下のような変化が見られている。
選考の質の向上と効率化:初期段階で価値観や成長可能性のマッチングを見極めることで、エントリー母数にかかわらず質の高い採用につなげることができ、選考に関わる時間の短縮に成功した。
多様な人財の確保:対話の時間を重視することで、多様なバックグラウンドや専門性を持つ学生の採用につながった。
学生からの評価:受験した学生からは「自分の言葉で話すことができ、書類選考やAI面接よりも納得感がある」「社員との対話で企業理解が深まった」という声が寄せられている。
入社後の「自律」を支える3つの柱
同社が掲げる「個人と会社の共成長」を支えるのが、以下の3つの主要な制度だ。
社外チャレンジワーク(複業)
2026年3月時点で76人が実践。実践者の99%がウェルビーイング向上を実感し、88%が本業へのプラス効果があると回答している。社外での経験が視座の向上や自信の醸成に寄与している。
社内ダブルジョブ(兼務)
部門の枠を超えて働く制度で、現在233人が参加。スキルの拡張に加え、部門間での「知の循環」が組織全体の価値創出を促進している。
社内起業家支援プロジェクト「明日ニハ」
個人の想いを起点とした起業を支援しており、これまでに9社が設立された。直近では、体験農園の運営を通じて食と農の価値を再発見する「食卓農園合同会社」や、医療的ケア児等の母親が社会とつながり仕事を創出するコミュニティ型事業「合同会社ママズマール」が誕生。個人の志を社会価値へと変換する好循環が継続的に生まれている。
同社の取り組みは、対話重視の採用で個の可能性を見いだし、複業や起業支援によってその能力を社会へ解き放つ流れを構築している。この一連のプロセスが、変化の激しい時代における「個人と会社の新しい関係性」を象徴している。



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