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【薬局・ドラッグストアで活躍する管理栄養士】地域の健康生活支援ステーションとしての管理栄養士の取り組み

札幌保健医療大学大学院教授・管理栄養士(医学博士)川口 美喜子


薬局やドラッグストアに勤務する管理栄養士は、地域社会において重要な役割を果たしています。地域の生活状況を把握し、個々の顧客に対して食を通じた健康支援を提供することで、地域の健康維持と向上に寄与しています。食に関する支援は、その人のライフステージ全体に影響を与え、最期までの生活の質を高めるための身近なサポートとなります。管理栄養士は、健康や栄養、食事に関する疑問や不安、期待に応える最も身近な存在として、地域の方々や多職種と連携しながら活動します。これにより、地域住民の健康リテラシーを高め、より良い食習慣の定着を促進します。地域の健康づくりにおいて、管理栄養士の役割はますます重要になっており、その活動の継続と拡大が求められます。管理栄養士が地域での活動を継続し、効果的に役割を果たすためには、専門的なスキルの向上だけでなく、地域に根ざした活動の継続性も不可欠です。地域のニーズに応えながら、信頼される存在となることが、地域の健康支援の基盤となります。

今回は、株式会社サノ・ファーマシー所属の管理栄養士の活動について土方茉璃(まり)さんにご紹介いただきます。土方さんは、地域の健康支援の中心的な役割を担い、地域の方々の健康維持と生活の質向上に貢献し、今後の地域活動の模範になると考えます。同社は、全国に63店舗(2026年1月時点)を展開し、「地域の健康生活支援ステーション」を経営ビジョンに掲げ、地域住民の健康を総合的にサポートしています。秋田県では初めて「認定栄養ケア・ステーション」を取得(2019年)しています。

 

事例紹介

株式会社サノ・ファーマシー 佐野薬局保戸野千代田町店

土方茉璃

全国に63店舗(2026年1月時点)を展開する弊社は、「地域の健康生活支援ステーション」を経営ビジョンに掲げ、地域住民の健康を総合的にサポートしています。

 

多職種と取り組むフレイル健診

2020年度より市区町村の介護予防事業「フレイル健診」へ自治体・企業から、派遣依頼を受けています。 株式会社アルファシステムのαFROWの導入とベジチェック®で推定野菜摂取量を計測します。InBody分析、運動測定によるロコモ度測定、オーラルフレイルチェックを多職種で実施します。フレイルやロコモティブシンドロームに関連する身体機能や生活状況を複数の視点から把握し、保健師、歯科衛生士、管理栄養士の専門性を生かして生活の改善点のアドバイスを行います。管理栄養士は結果をもとに筋肉量評価、食事内容や生活背景を踏まえた栄養リスクの把握と助言を行い、続参加者では栄養指導を通じて行動が変化し、体組成の改善がみられた例もあります。

 

乳幼児健診における栄養支援

2024年度から男鹿(おが)市、五城目町(ごじょうめまち)の依頼を受けて乳幼児健診における栄養指導に従事します。「量は足りていますか」「偏食が心配です」といった保護者の声に耳を傾け、発達段階による個人差を丁寧に説明することで、不安が和らぐ様子を感じることができました。健診終了後には多職種でカンファレンスを行い、情報共有と支援の一貫性を図りました。多職種での意見交換を通じて、栄養の視点だけでは気づけない支援の必要性を学びました。

 

医療機関と薬局をつなぐ集団栄養指導

近隣医療機関の医師の依頼を受けて2018年12月より医療機関と個別に契約を結び、非常勤管理栄養士として集団栄養指導を実施。現在は毎月糖尿病指導を行い、指導後は個別にフォローし、管理栄養士、薬剤師、医療機関が連携しながら患者の食生活改善の動機付けに寄与しています。医師・薬剤師・管理栄養士の「医・薬・栄」連携による薬物治療の安全性や治療効果の向上につながると考えます。例えば、インスリンや血糖降下薬の代表的な副作用である低血糖予防のため、適量の補食に関する提案は副作用リスク軽減による服薬アドヒアランス向上を期待できた症例がありました。

 

秋田で考える薬局管理栄養士の可能性

秋田県は人口減少と高齢化が全国でも最前線にあり、地域包括ケアの重要性が一層高まっています。地域の方々が住み慣れた場所でよりよい暮らしをするための一助となるべく、自治体・企業・医療機関・介護事業所など多職種との連携も重要です。人員や体制など課題を感じる場面もありますが、乳幼児から高齢者まで幅広いライフステージに関わる中で、管理栄養士が果たせる役割はまだ多く残されていると感じています。活動が自己満足なものとならないためにも、薬局管理栄養士の介入による効果の検証や、その学術的な発信をしていくことも重要です。薬剤師と日常的に情報を共有しながら専門性を発揮することで、薬局が地域にとってより身近で相談しやすい存在となれるよう、今後も取り組んでいきたいと考えています。

 

会員募集

日本ヘルスケア協会に薬局・ドラッグストアの部会を設立

栄養ケア・イノベーション研究会 紡ぎ部会(部会長:川口美喜子 札幌保健医療大学大学院教授)

詳細はこちら https://jahi.jp/activity/jhi/


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