誰もが安心して買い物できる環境へ:ツルハHDと多摩美術大学が「スローショッピング」の共同研究を開始

株式会社ツルハホールディングスと学校法人多摩美術大学は、高齢者や認知症のある方をはじめ、誰もが自分のペースで安心して買い物を楽しめる環境づくりを目指し、「スローショッピング」を基軸とした共同研究を開始した。店舗での実践と大学のデザイン教育・研究を融合させ、よりインクルーシブな買い物体験の構築に向けた取り組みが進められている。
「人生に寄り添うライフストア」を目指す背景
買い物は日々の暮らしに必要なものを手に入れるだけでなく、自分で選ぶ楽しみや人との交流をもたらす大切な営みである。しかし、商品の見つけにくさ、通路の狭さ、店内の音などが「買い物のしづらさ」につながる場合がある。
株式会社ツルハホールディングスでは、これまでも通路の確保や音への配慮、休憩用椅子の設置、ゆっくり会計できるレジの導入など、誰もがゆっくり買い物ができる環境づくりとしてスローショッピングに取り組んできた。同研究では、こうした店舗での実践を多摩美術大学のデザイン教育・研究と結び付け、利用者の経験から店舗環境の見直しを図る。生活者と共に考え、試し、改善するプロセスを通じて、一層の知見の蓄積を目指す。
用賀中町通店を舞台にした具体的な研究内容
同研究のフィールドには「ツルハドラッグ用賀中町通店」(東京都世田谷区)が選ばれており、多摩美術大学統合デザイン学科の教員やソーシャルデザイン履修学生、およびツルハホールディングスの従業員らが参加する。
店舗での観察や対話を通じ、商品選びや会計の困りごとに加え、「忙しい店員に声をかけづらい」「人に迷惑をかけたくない」といった助けを求める際の心理的なハードルについても調査が行われる。学生と従業員が共に気づきを持ち寄り、共創ワークショップを通じて具体的な改善案を検討する。
具体的には「気軽に頼ってよい」「ゆっくりで大丈夫」と伝える店内サインやバッジなどの試作を進める。さらに、日常の接客で従業員が気づいた変化や困りごとを抱え込まず、本人の意思や個人情報に配慮しながら地域包括支援センターなどの相談先へ円滑につなぐための記録様式や対応手順についても検討がなされる。試作品の検証と改善を重ねた成果は、店舗づくりや地域との連携、従業員の学びに生かせる資料としてまとめられる予定である。
成果の一般公開と今後の展開
同研究で得られた調査から生まれたデザイン提案や試作品などの成果は、2027年2月27日から3月10日まで、多摩美術大学上野毛キャンパス本部棟のギャラリー「Sala Blu」にて展示される予定となっている。
地域の人々と成果を共有するとともに、ツルハホールディングスは得られた知見を今後の店舗環境や接客の改善、地域との連携に広く生かしていく方針である。




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