がん治療における「通院間の空白」をデジタルで解消 ― カケハシ、AMED採択の大規模実証「PRO-MISE Trial」を始動
株式会社カケハシは、日本医療研究開発機構(AMED)の令和7年度委託事業※1に採択され、がん患者の外来治療中における体調や副作用をスマートフォン等を通じて継続的に把握する大規模検証プロジェクト「PRO-MISE Trial」を開始した。
従来、外来治療への移行が進む一方で、通院日と通院日の間(通院間の空白)は医療従事者の目が届きにくい期間となっていた。この空白期間における体調変化の把握不足や不安感は、症状の重篤化や予定外入院、自己判断による服薬中断を招くリスクとなっている。
本事業では、病院・薬局・患者をデジタルでつなぐことで、この課題の解決を目指す。主な特徴は以下の通りである。

国内有数の規模:約900症例を対象とし、日本や地域のがん治療を支える約50病院が参画する。
長期的なモニタリング:患者一人ひとりの状況に応じ、24週間(約半年間)にわたって継続的に見守る。
負担の少ない自動送信システム:患者のスマートフォン(LINEアプリ等)に週1回、自動で質問 (ePRO※2 )が送付され、医療従事者の業務負担を増やさずに早期発見・早期介入を実現する。
情報連携は、カケハシの患者フォローシステム「Pocket Musubi」の技術基盤を高度化して採用し、以下の4ステップで実施される。
Step.1(利用同意と回答):患者がスマートフォンに届いた副作用や症状変化に関する質問に回答する。
Step.2(モニタリング):薬剤師がシステム上で患者の状態を確認する。
Step.3(フォローアップ):気になる副作用や症状がある場合、電話やメッセージでフォローを行う。
Step.4(HRQoL※3向上・連携活性化):健康や生活の質の改善および、病院・薬局間の連携強化につなげる。

今後のスケジュールとしては、2026年6月から患者登録が開始され、2027年2月までの期間(約8〜10カ月)で約900症例の登録を目指す。最終的な結果とりまとめは2028年上半期(2028年3月頃)を予定している。

※1 令和7年度「予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業(ヘルスケアサービス実用化研究事業)」
※2 ePRO(electronic Patient Reported Outcome):患者がスマートフォン等を使って、自宅での体調や副作用を直接デジタル入力・報告する仕組みのこと。
※3 HRQoL(Health-related Quality of Life):健康関連のQOL(生活の質)のこと。病気やその治療が、患者さんの「体」「心」「日々の生活」にどのような影響を与えているかを、患者さん自身の視点から評価する指標。



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