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JACDS・塚本会長、スイッチOTC推進へ「業界の足元固め」を強調――薬剤師の職能拡大を訴え


塚本氏(中央)
塚本氏(中央)

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は2026年5月26日、記者会見を開催した。会見の中で、会長の塚本厚志氏はスイッチOTC医薬品の推進に向けた課題や、今後の業界の方向性について見解を述べた。


スイッチOTCの推進と直面する「高い壁」

塚本氏は、スイッチOTCの推進を大前提とする協会の基本方針を改めて強調した。生活者がスイッチOTCを求めているのは明白であり、そうでなければ市場がこれほど活況を呈するはずがないと指摘。その推進にあたっては「安全性」と「薬剤師による確実な説明」の担保が絶対条件となるとした。


検討会議における慎重論と抵抗

直近の厚生労働省「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」で話題に上がった品目(ユベラNなど)を巡っては、業界側の「なぜスイッチ化が認められないのか」という感覚に対し、会議では意見が割れるなど慎重論が根強い。医師会など医療側からは、OTC化によって将来的に患者の自己負担が増えるのであれば、治療そのものに影響を及ぼしかねないという懸念が示されており、スイッチ化への抵抗感は非常に強いのが現状であるという。


業界内のガバナンスとコンプライアンス強化

こうした強い抵抗や懸念をクリアするためには、まずドラッグストア業界側が襟を正す必要があると塚本氏は述べた。現在、ガイドラインの遵守状況について調査が入っている段階だが、協会の加盟企業間にはまだガバナンスやコンプライアンスのレベルに格差がある。外的な批判を跳ね返すためにも、「まずは業界全体の足元を固め、レベルアップを図ることが最優先課題である」とした。


社会保障制度の維持と「薬剤師の職能拡大」

持続可能な社会保障制度を維持するため、塚本氏は医師から薬剤師へのタスクシフトやシェアリングを進め、薬剤師の職能を広げ、深掘りしていくことが不可欠な局面に来ていると主張した。

日本は他のOECD関連国と比較して、臨床医の数が少ない一方で、薬剤師の数は非常に多いというデータが出ている。このデータを踏まえ、限られた医療資源を効率的に活用するためにも、薬剤師が果たすべき役割は大きいとした。

近年の動きとして、緊急避妊薬の薬局での販売をはじめ、スイッチOTC化される医薬品の選択肢は着実に増えつつある。これらは、薬剤師という職能を生活者の中にしっかりと根付かせるための「試金石」であるとした。安全性や作用の観点から議論が一時ストップする可能性はあるが、全体の大きな流れとしては進んでいくという見解を示した。

最後に塚本氏は、「今まさに、薬剤師が生活者や患者と真摯に向き合い、正しい判断ができるかどうかが厳しく問われている段階である」と締めくくった。

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