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のべ3.8億人の接点を生かした「次世代ヘルスケアインフラ」への挑戦――スギウェルネス×ノックオンザドアが描く、デジタルとリアルの融合による患者支援

  • toso132
  • 12 時間前
  • 読了時間: 4分

2026年4月21日から23日にかけて東京ビッグサイトで開催された国際医薬品開発展「CPHI Japan 2026」において、製薬×DXをテーマとした「ファーマIT&デジタルヘルス エキスポ」が同時開催された。その中で、スギ薬局グループのスギウェルネス株式会社とノックオンザドア株式会社によるセミナーが実施され、のべ3.8億人の来客数を誇る顧客基盤を活用したヘルスケア企業支援サービスの実例が紹介された。


セミナーでは、スギ薬局グループのデジタル戦略とPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の利活用を牽引する、スギウェルネス株式会社PHR推進部部長の川又大樹氏と、ノックオンザドア株式会社執行役員の糠谷貴使氏が登壇した。両氏は、ドラッグストアの持つ膨大な接点と当事者の深いインサイトを掛け合わせた、実務に即した知見を披露した。


スギウェルネスが主導するトータルヘルスケア戦略

スギウェルネスは、スギ薬局グループにおいて主に疾病予防や健康増進の領域を担っている。同社が推進する「トータルヘルスケア戦略」は、地域の生活者が未病の状態から、医療・服薬が必要な時期、そして介護や終末期に至るまで、生涯を通じて一貫したケアサイクルを提供することを目指している。

その基盤となるのは、年間のべ3.8億人の来店客数と、1,717万人のアプリダウンロード数という圧倒的なタッチポイントである。スギウェルネスは、これらリアルとデジタルの接点を高度に融合させることで、従来のドラッグストアの枠を超えた企業支援サービスを展開している。


川又氏
川又氏

アンケート調査が示す具体的な行動変容

具体的な手法として、ウォーキングアプリ「スギサポwalk+」を通じたアンケート調査により、生活者の健康状態や潜在的な悩みを可視化している。セミナーでは睡眠疾患領域の事例が紹介され、約2か月間の啓発配信によりバナーをクリックしたユーザーの73%がアンケートに回答し、そのうち約20%以上に意識変容が見られた。さらに、回答者の約2.5%にあたる約1,500人が実際に受診、あるいは受診予定であると回答するなどの具体的な成果が得られている。また、女性特有の疾患領域においても、施策前の事前サーベイにより日常生活での困り事や受診状況を定量的に把握し、ハイリスク層を明確に特定できている。


データに基づくターゲティングとリアルな支援

これらのアンケート回答や、処方箋の受付データに基づき、特定の悩みを持つ顧客を精度高く抽出している。処方箋データからは性別やエリアだけでなく、薬剤のYJコード(薬価基準収載医薬品コード)指定による絞り込みも可能である。顧客が来店した際、薬剤師はこれらのデータを踏まえ、その患者に最適なコンテンツや専用資材を、説明文書や領収書の印刷に合わせて自動で出力・提示する仕組みを運用している。薬剤師が服薬指導の延長線上でこれらの資材を用いて対面フォローを行うことで、情報の信頼性を高め、実効性の高い行動変容へとつなげている。


ノックオンザドアの取り組みと「言えない本音」の特定

糠谷氏
糠谷氏

セミナーでは、2025年9月にスギ薬局グループへ参画したノックオンザドアの糠谷氏より、同社独自の当事者参加型サービスの取り組みが紹介された。

ノックオンザドアは、インタビューやワークショップを通じ、アンケートだけでは見えにくい「患者の深い本音」を抽出している。例えば、医師に勧められても過去の治療で期待を裏切られた経験から新薬をすぐには使いたがらない心理や、副作用への懸念から薬を飲んでいない事実があっても医師に責められることを恐れて相談できずにいる実態などが明らかにされた。同社は、こうした「見えていない課題」を特定し、解像度を上げた上で施策を練り込むプロセスを重視している。

今回は、ノックオンザドアが独自に培ってきた「当事者の声をサービスデザインに落とし込むノウハウ」を中心に紹介されたが、今後はスギ薬局グループとの連携をさらに深めていく予定だ。


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