ケーエスケーが関わる地域医療-地域包括ケアシステム推進に向けて予防・未病対策への取り組み提案
- toso132
- 10月21日
- 読了時間: 7分
地域包括ケア推進部が目指す健康社会創造
株式会社ケーエスケー(本社:大阪市)は、会社のビジョンに「地域に寄り添う、健康スペシャリスト企業へ」、ミッションに「私たちは、医療・医薬品はもとより、健康に関連する商品の流通に携わる企業として、全ての人々が健康で幸せに生活できる社会の実現のために貢献します」と謳い、これにのっとり、会社の価値・目的を明確にするよう努めて、関西2府4県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)を対象に医療用医薬品等の卸売業を運営する企業だ。
同社では現在、自社の立ち位置における「高度先進医療から在宅医療までの医薬品等の適正使用をサポートできる」という優位性を鑑みて、地域包括ケア推進部が中心となり、「地域包括ケア等の地域医療に対する取り組み」を行っている。
地域包括ケアシステムを推進していくにあたって、多くの地域でその図式、掛け声が盛んになっている割には、自治体、病医院、介護福祉施設、薬局などの関連業種間に求められる連携、あるいは多職種連携において、多くの課題を抱えているのが実情だ。
こうした中にあって、現在、ケーエスケーが従来のロジスティクス企業としての機能と役割を果たす日々の営業活動だけでなく、同社がカバーする関西2府4県の地域が健康社会創造に当たって抱える課題解決を目指す「地域に寄り添う、健康スペシャリスト企業」としての様々な取り組みが手応えを見せ始め、一定の成果を上げてきている。
これに関しての経緯、実情、これからの見通しなどについては、同社の杉本豊志 前上席地域包括ケア推進部長の著書である『高齢者がすてきに暮らせるまちづくり 医薬品卸がつなぐ、はぐくむ、地域の医療』(評言社MIL新書)に詳しいが、現在、地域包括ケア推進部では、大きく3つの枠組みの中で具体的なアクションプランに取り組んでいる。
3つの枠組みの中の具体的アクションプラン
一つ目は、「地域医療のパートナー企業」として多職種連携のコーディネートを通じて医療・介護連携の円滑化に取り組むというもので、具体的なアクションとして「小さな顔の見える会」という少人数で実施する、いわば“多職種連絡会”を設けている。これは地域の医療機関を中心に繋がりのあるコメディカルが集まる機会創出、参加者のニーズに合わせたオーダーメイドの連携会の実施、アンケートで次回のテーマを募ることにより会の継続性を維持することを目的とし、参加者全員が同じ目線に立って話し合いができる場として機能している。
「小さな顔の見える会」の実施状況は2府4県で948件(大阪府343件、兵庫県311件、京都府141件、滋賀県64件、和歌山県60件、奈良県29件)に及ぶ。また参加者は延べ7516名にのぼる。この内訳は、医師1028名、看護師1032名、薬剤師1315名、ケアマネジャー1789名、介護士(介護福祉士+ヘルパー)239名、地域包括支援C247名、その他1866名、ケーエスケー495名(いずれの数値も2025年6月末日現在)となっていて、同会がいかに活発に行われているかが分かる。

二つ目は、「真の地域密着企業」として認知症患者増加の対策のために「キャラバン・メイト活動」を行っている。これこそ杉本氏の著書のタイトルに掲げられた「高齢者がすてきに暮らせるまちづくり」を具現化する活動だ。活動内容は多彩だ。自治体または企業、職域団体が実施するキャラバン・メイト養成研修を受講した者が「認知症サポーター養成講座」などを企画・開催し、講師を務める。
中でも「間違いが許されるレストラン」と銘打つ「てへぺろキッチン」の成果は大きい。“てへぺろ”とは、まさに間違ってしまった時に、てへっと笑ってぺろっと舌を出して照れ隠しをする際に使う言葉だ。大阪市福島区の「カフェ&スペースマルシン」で開催された食事会におけるサポートする側とされる側双方の写真に写る楽しそうな笑顔が素敵だ。
同市此花区の「Garden Terrace 舞洲キッチン」での食事会にサポーターとして参加したケーエスケー担当者の一人は「最初は無表情に近かったホールスタッフの認知症の高齢者の方が、お客様と触れ合ううちに笑顔になっていき、認知症があっても輝くことができることを体感しました。お互いが助け合い、認知症があっても関係ない心のバリアフリーを今後も形成していきたいと思います」と語る。こうした事例の数々を作り上げているキャラバン・メイト活動の認知症患者増加対策は効果絶大なのだ
そして三つ目は、「医療経営のサポート企業」として地域住民の健康リテラシー向上を目的として行うフレイル対策、がん検診の推進、地域の薬局などが行う「健康イベントのサポート」を通じた様々な健康増進活動だ。特に、一般社団法人介護予防ネットワーク協会の後押しを受けて行うロコモゼロトレーナーによるロコモチェックやロコトレ指導は、出色イベントとして注目されている。
特筆すべきは、ケーエスケーがこうした一連の活動を推進するに当たり、介護予防ネットワーク協会認定のロコモゼロトレーナーの資格を有すること、また社内認定制度におけるキャラバン・メイトやエリア・パートナー(AP)になるための研修講座を受講することを必要としている点だろう。このことでスキルアップが図られ、より骨太な活動につながっていることはいうまでもない。
社内認定制度の有資格者である同社社員のAPは101名、キャラバン・メイトは65名となっており、介護予防ネットワーク協会が認定するロコモゼロトレーナーが137名、NPO法人全国ストップ・ザ・ロコモ協議会(SLOC)が認定するロコモコーディネーターは3名となっている(2025年4月1日現在)。
薬局、薬剤師に期待される地域での活動
ところで、これらの活動の中で、医療・福祉関連の多職種連携が必要だが、ケーエスケーではこれを様々な“舞台”で実践している。ただ基本的にケーエスケーは、「小さな顔の見える会」「キャラバン・メイト活動」「健康イベントのサポート」などについての実施主体はあくまでも地域の医療・福祉関連施設であり、そこで働く専門職が表立って活躍すべきだと考えていて、地域に寄り添い、地域の活動を支援するという立場を取っている。このことから地域でのアクションプランのひな型となる“パッケージ”を用意し、地域の医療・福祉関連施設に提供しているということなのだ。
ケーエスケーが営業展開をする2府4県の中でも地域の薬剤師と地域薬局がこれをうまく利用し、地域住民向けの様々なイベントを行う事例が増え続けている。地域薬局がこれに取り組むことは、大目的である予防・未病対策という見地から相性の良さが見えることは多い。
このため地域住民への啓発や健康社会創造への貢献も成される一方、結果的に薬局の経営向上につながっているという声も聞こえてくるという。「OTCをはじめあらゆる商品の売り上げが増えた」「主応需医療機関以外からの処方箋応需が増えた」「在宅実績につながった」など収益面のメリットに加えて、「患者との会話の幅が広がった」「地域の医療提供施設、介護関係施設との連携が増えた」「薬局職員の意識向上とスキルアップにつながった」などの収益面以外のメリットも顕著だという。
ちなみにケーエスケーの案内によってロコモゼロトレーナーの資格を取得した地域の薬局薬剤師は308名(大阪府93名、兵庫県83名、和歌山県37名、滋賀県29名、京都府35名、奈良県11名、その他20名=2025年7月末日現在)となっている。これだけの数になってくればそれなりの力を発揮できる。よく言われるところの「薬局薬剤師はもっと地域に出ていこう」という掛け声に対する具体的かつ力強い“武装”と言えるだろう。

そもそも医薬品卸業といえば、物流機能(仕入れ、保管、品揃え配送、品質管理)、販売機能(販売促進、コンサルティング、販売管理、適正使用促進)、金融機能(債権・債務の管理、経営の効率化)、情報機能(医薬品等に関する情報収集・提供)、さらに災害・パンデミック時の対応機能(医薬品等の安定供給)などを主な機能としている。
これは、医療関連業界の中にあってなくてはならない大きな存在なのだが、いわば“BtoB”の業種で、普段はあまり表立つことのない“縁の下の力持ち”的な業種だ。ケーエスケーは、関西2府4県を営業エリアとしている地域卸でもある。
だからこそのチカラとフットワークを活かして、「地域に寄り添う、健康スペシャリスト企業」として、地域の医療機関や福祉施設、さらには自治体などに、様々な健康づくりあるいは健康維持のコンテンツを提供し、住民の主体的な健康増進を促し、「高齢者がすてきに暮らせるまちづくり」を目指す。






コメント