東京理科大学葛飾キャンパス 新たな歴史の幕開け
- toso132
- 6月16日
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更新日:7月18日

16年の歳月を経て完成したイノベーションキャンパス
東京理科大学の浜本隆之理事長は、開会の挨拶で、葛飾キャンパスが2013年に「先端分野の連携を重視し、教育と研究を推進するイノベーションキャンパス」として開設されたことに触れた。そして、2021年に着工した第2期工事の目玉である共創棟が昨年9月に竣工し、今年4月には薬学部が野田キャンパスから移転を完了したことを報告。これにより、2009年のキャンパス開設計画開始から約16年という長きにわたる整備計画と学部移転が全て完了し、新たな葛飾キャンパスが誕生したと述べた。
葛飾キャンパスは、地域との共生を理念に掲げ、産学連携の推進、公開講座の実施、公園や運動場、葛飾区未来わくわく館を通じた交流の場提供など、地域との連携を積極的に行ってきた。薬学部の移転により、葛飾キャンパスは工学部、先進工学部、そして薬学部の3学部体制となり、約7,000名と東京理科大学で最大の学生を擁するキャンパスへと成長した。浜本理事長は、これを機に学部を超えた教育研究活動や学生間の交流がより一層活発になり、キャンパス全体としてさらなる進化を遂げることに期待を寄せた。

「葛飾モデル」で社会に貢献する大学へ
石川正俊学長は、大学の使命が教育・研究に加え「教育と研究の成果を社会に還元すること」に変わったことに言及。東京理科大学が「日本随一の理工系総合大学」として、日本に合った産学連携を推進してきたと述べ、葛飾キャンパスにおいて「葛飾モデル」と称する新たな産学連携モデルを推進していく意向を示した。これは、キャンパス内に留まらず、周辺にベンチャー企業や大手企業のサテライトが集積し、大きなクラスターを形成することで社会のイノベーションを推進する形を目指す。
また、科学技術の広範化に対応するため、他大学との分野を超えた連携も推進する。既に東京慈恵会医科大学、日本医科大学との医学分野での連携が進められており、今後はそれ以外の分野にも広げ、「理科大の葛飾キャンパスに行けば、科学技術の全てが揃う」ようなクラスター形成を目指すという。さらに、AIの進化に対応した初等中等教育の改革にも言及し、葛飾区と連携しながら大きな絵を描いていると語った。

地域に開かれたパーク型キャンパス「共創棟」
1881年に東京物理学講習所として創設された東京理科大学は、現在4つのキャンパスを擁し、2031年には創立150周年を迎える。葛飾キャンパスは、神楽坂キャンパスと野田キャンパスの中間に位置し、各キャンパスのシナジー効果を狙って設置された。「地域に開かれたパーク型キャンパス」をコンセプトとし、キャンパス内に門を設けず、誰もが自由に敷地を散策できる設計となっている。中央には約250メートルのキャンパスモールが整備され、印象的な景観を創出している。また、南北の公園とガーデンパスで繋がることで、地域の回遊性向上にも貢献。環境負荷を抑えた地球に優しいキャンパスとして、自然エネルギーの活用や省エネルギーでの管理などにも取り組んでいる。
今回完成した共創棟は、地上11階、地下2階建てで、地上45メートルと既存の第一研究棟と高さを合わせた設計となっている。共創棟は、薬学部等の研究室や実験室を配した「フォーカスゾーン」と、交流やディスカッションの場となる「コラボレーションゾーン」に分かれている。
1階のラーニングスクエアやラウンジは開放的な空間で、学生の交流を促進する。また、カフェ店とコンビニエンスストアも入居し、学生や教職員のキャンパスライフを充実させる。研究室や実験室は地下階や高層階に配置され、研究に集中できる環境を整備。教室エリアは大小29の教室があり、プロジェクターやスクリーン、電源付きの固定机などを完備している。2階には事務機能が集約されており、学生はワンストップで各種手続きを行える。
兵庫明常務理事は、共創棟がイノベーション創出、キャンパスの中心拠点、地域連携のさらなる推進の場となることに期待を述べた。


東京理科大学葛飾キャンパスは、新たな施設と理念のもと、教育・研究の発展だけでなく、地域社会との連携を強化し、未来を拓く人材育成と社会貢献を一層推進していくこととなるだろう。






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