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【城西大学薬学部】がん患者と家族のためのレシピサイト「cojimiru」を開設

  • toso132
  • 13 時間前
  • 読了時間: 4分


城西大学薬学部は、がん患者とその家族に向けたメニューサイト「cojimiru」を公開した。

同サイトは、2018年から継続されている「がん患者さんのためのメニュー開発」プロジェクトの成果をまとめたアーカイブサイトである。当初は医療栄養学科の取り組みとしてスタートしたものの、現在では薬学科、薬科学科、医療栄養学科の3学科が連携する多職種連携教育プログラムへと発展を遂げている。


患者の身体と家族の食卓によりそう工夫

サイトに掲載されているレシピは、実際に闘病中のがん患者の症例をもとに開発されたものである。がん化学療法に伴う味覚障害や口内炎、食欲不振、吐き気といった副作用や体調の変化に対応しており、苦味や金属味を感じるときでも食べやすい工夫や、食欲がないときに少量で効率よくエネルギーを補給できる工夫が凝らされている。

さらに、薬剤師や管理栄養士の視点から、抗がん薬と食品の相互作用にも十分な配慮がなされている。患者本人の食べやすさや栄養面を追求するだけでなく、同じ食卓を囲む家族も一緒においしく食べられるメニューとなっている点が大きな特徴である。

閲覧者は自身の体調や好みに合わせてスムーズにレシピを検索できる構成となっており、「味覚変化」「吐き気」「食欲不振」といった症状や悩みからの検索に加え「主食」「主菜」「副菜」といったメニュー種別からの検索にも対応している。


3学科混成のグループにて検討、試作を行う
3学科混成のグループにて検討、試作を行う

3学科の専門性と強みを生かした多職種連携

同プロジェクトの核となっているのが、薬学部の持つ3学科の専門性を融合させた教育体制である。それぞれの学科が果たす役割と専門性は以下の通りである。

医療栄養学科(管理栄養士養成) 食と栄養の専門家として、患者の症状や食べやすさ、嗜好に配慮した栄養バランスの良い献立を作成する。さらに実際の調理や栄養価計算、試作検討を担当している。

薬学科(6年制・薬剤師養成) 医療薬学の専門知識を生かし、がん化学療法による副作用の発生メカニズムや症状を詳細に調査する。使用食材と処方薬(抗がん薬など)の飲み合わせに問題がないか、薬学的視点から確認を行う。

薬科学科(4年制・創薬および生命科学研究) 創薬科学や生命科学の知見に基づき、食品成分と医薬品の相互作用について科学的根拠を調査・検証し、レシピの安全性と有効性を裏付ける。


学問の垣根を越えたチームによる開発工程

14回目を迎えた今回のレシピ開発では、薬学科4年生と薬科学科・医療栄養学科の1〜4年生が学科横断の混成グループを結成。学生たちは症例に応じた1日分の献立を考案し、以下のプロセスを経てレシピを作り上げた。

  1. 副作用・症状の調査: がん化学療法による副作用を調査し、食事面での課題を抽出する。

  2. メニュー考案・栄養計算: 医療栄養学科が中心となり、栄養バランスと食べやすさを両立した献立を作成する。

  3. 相互作用・エビデンス確認: 薬学科および薬科学科が、食材と医薬品の飲み合わせや科学的根拠をチェックする。

  4. 試作・試食検討会: 実際の調理を行い、味付け、彩り、硬さや温度などの食べやすさを学生と教員で評価・改良する。

  5. レシピ公開: 管理栄養士資格を持つ大学院生や、薬剤師・管理栄養士の資格を持つ教員による最終確認を経てサイトへ掲載する。


また、同プロジェクトには那覇市立病院の管理栄養士や、みよの台薬局の薬剤師・管理栄養士など、実際の医療現場で活躍する専門家も協力しており、教育現場と臨床現場の知見を融合させることで、きわめて実践的で信頼性の高い内容が担保されている。



医療の未来を担う人材育成と今後の展開

超高齢社会や医療技術の高度化に伴い、医療現場では単一の専門性だけでなく、異なる職種と協働して課題を解決する「多職種連携」の力が強く求められている。同プロジェクトは、食、薬、生活という多面的な視点から患者の健康を支える力を養う教育プログラムとして、人生100年時代を支える医療人材の育成に寄与している。

同サイトでは、今後も学生たちが情熱を傾けて開発した新たなレシピを順次追加し、更新していく方針である。

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