女性のキャリアを「10年目の壁」で終わらせない。エスエス製薬が示すAIメンターと新指標の可能性
- toso132
- 5 時間前
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エスエス製薬の解熱鎮痛薬ブランド「EVE(イブ)」は2026年3月5日、女性のキャリア支援を目的とした「BeliEVEカンファレンス 2026」を都内で開催した。国際女性デーを目前に控え、改正女性活躍推進法の施行も間近に迫る中、坂東眞理子氏ら有識者を交え、女性が本質的にキャリアを考え行動するために必要な「次の一手」が議論された。
「10年目の壁」と「5年目の分岐点」を突破する新施策
「EVE」の調査によれば、女性がキャリアをあきらめる傾向は社会人10年目を境に急増する。この背景には、5年目から生じる男女間のキャリア意識の格差や、ロールモデルの不在、正当な評価機会の不足といった「目に見えにくい課題」がある。
これらを解消すべく、カンファレンスでは2つの新たな取り組みが発表された。まず「BeliEVE Career Index(キャリア信頼指数)」は、女性のキャリア意識を可視化する新指標である。これは単なる数値目標にとどまらず、昇進機会の公平性や重要な仕事へのアサイン状況など、定性的な側面から企業の「本気度」を測定することを目指している。
もう一つの「AIメンターサービス『BeliEVE Mentors』」は、LINE上でAIと対話しながらキャリア相談ができるツールである。漫画家のマキヒロチ氏がキャラクターデザインを担当し、人に話しにくい悩みも打ち明けられる「人格を宿したAI」として、自己分析のトレーニング場を提供する仕組みとなっている。
ウエルシア薬局での実績:メンタリングが組織を変える
第1部では、先行して「BeliEVE Mentoring Program」を導入したウエルシア薬局の事例が紹介された。同社では、プログラムを通じてメンティー15人中4人が店長へ昇進し、さらにメンター側も5人が昇進するという顕著な成果を上げた。
取締役人事本部長の盛永由紀子氏は、体系的なメンタリングによって会話の質が上がり、参加者の表情に変化が出たことを報告した。そのうえで、リーダーの多様性が企業を強くするという確かな手応えを語った。
坂東眞理子氏が説く、職場に必要な「3つのき」

第2部では、昭和女子大学総長の坂東眞理子氏とジャーナリストの白河桃子氏が登壇し、日本が「女性キャリア後進国」から脱却するための構造的な課題が議論された。
坂東氏は、職場が女性に対して提供すべき要素として「期待」「鍛え」「機会」の3つの「き」を提唱した。女性を単なる「管理職候補」としてではなく、組織を動かす「変革人材」として期待し、難しい仕事を通じて鍛え、たとえ失敗しても再挑戦できる機会を与えるべきだと説いた。
また、女性自身に向けては、最初からホームランを狙うのではなく、まずは塁に出るという小さな成功体験を積み重ねることが自己肯定感の向上につながるとアドバイスした。最後には「一緒にファーストペンギンになりましょう」という力強いメッセージで議論を締めくくった。
キャリアの悩みを「個人の問題」にしない社会へ
今回のカンファレンスは、制度や数字といった外枠の整備だけでなく、女性一人ひとりの内面的な変化や対話のプロセスに光を当てた。エスエス製薬は今後も「BeliEVE PROJECT」を通じ、女性が自身の選択を信じ、本来の力を発揮できる社会の実現を目指していく。



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