問◆アジソン病で特徴的に認められる所見はどれか。【国試探検隊】
- toso132
- 5月29日
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問 63 アジソン病で特徴的に認められる所見はどれか。1つ選べ。
❶高血圧
❷高血糖
❸体重増加
❹色素沈着
❺活動性亢進
(第108回薬剤師国家試験より)
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蔵之介です。必須問題【病態・薬物治療】からの出題です。アジソン病は副腎の機能不全により、副腎ホルモンが不足する疾患。起立性低血圧や易疲労感、食欲不振、体重減少、色素沈着などの症状がみられます。また、コルチコステロイドが不足すると、インスリン感受性が高まり低血糖を起こします【解答は4】。
アジソン病と言えば、第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディが有名です(政治家に病気はタブーなので、在職中は公表されていません)。若々しい雄姿と卓越したスピーチで、キューバ危機、アポロ計画、公民権法などを克服し、ギャラップの世論調査では歴代1位と絶大な人気を誇ります。しかし、現実はだいぶ違うようです。幼少時から病弱で、アジソン病による脊髄の発育不全で、家庭内では松葉杖状態。副腎ホルモン(コルチゾン)の長期的な補充療法による副作用のせいか、骨粗鬆症(腰痛)、精神症状、不眠など、大量の鎮痛薬や睡眠薬を手放せず、マリリン・モンローをはじめとする醜聞には事欠かきませんでした(日本のケネディ神話とは、かなりのギャップが…)。閑話休題。
ウォール街の相場師の異名を持つ父ジョセフは、株式や不動産投資で巨万の富を築きました。息子を大統領にという野望は、長男のジョセフ・ジュニアの戦死により次男のジョンに託されました。莫大な選挙資金をバックに、三男ロバートが選挙戦を仕切り、名スピーチライターのセオドア・ソレンセンなどのブレーンを抱え、43歳の若さで大統領選に挑戦しました。対立候補は経験豊富な共和党のリチャード・ニクソン。歴史的な接戦を制したのは、史上初のテレビ討論会です。スタイリストを雇い、濃紺のスーツに入念なメーキャップ。対するニクソンは、議論を重視しノーメイクに無精ひげ。薄い色のスーツは弱々しい印象を与えました。ラジオを聴いた人はニクソン、テレビを見た人はケネディに軍配を挙げました。カラーテレビの時代ならコウメ大夫のように厚塗りしないと隠せませんが、60 年代のモノ黒テレビには、「色素沈着」は日焼けしたスポーツマンに映りました。映像の時代のフロントランナーの暗殺事件を伝えたのも、日米初の衛星テレビ中継でした。
出題予想
バセドウ病のようなメジャーな疾病ではなく、少々マイナーな「橋本病」を予想します。
■解説
蔵之介(アポクリート株式会社)
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