【スタートアップ】「患者さんのために」を胸に:ゼロからの開業を成功させた薬剤師・森田幸一さんの歩み
- toso132
- 5月22日
- 読了時間: 3分
株式会社ALL EARS
うさぎ薬局
代表取締役・薬剤師 森田幸一

「妻には迷惑をかけていると思いますが、それでも一緒に働いてくれているので感謝しかないですね」と話すのは、神奈川県横浜市緑区でうさぎ薬局を経営する薬剤師の森田幸一さんだ。森田さんは大学院卒業後、病院に勤務していたが、40歳の2023年
6月に独立開業した。
医療職にあこがれて薬学部に入学。大学院時代での病院研修がきっかけで、病院に勤務していたが、薬剤師としてもっと患者さんに関わりたいという思いが募り、独立することを意識するようになったという。当時は子供が3人いたことから、自分の夢と家族を守るというバランスを考えながら独立を模索していた。最初は既存の薬局で働くことを周囲の人に勧められたが、薬局の勤務経験がまったくなく、管理薬剤師として働くことができないと状況だったことから、M&Aでの薬局開業を目指したという。「個人には収益のいい案件はなかなかまわってこない」というM&A仲介会社の言葉にも負けず、とにかく自分が納得できる案件を探し続けた。「独立のことを妻に話したら、最初は反対されましたが、いろいろな案件を見せて、将来の見通しを話しているうちに、応援してくれるようになりました。子供たちの将来をつぶさないためにも失敗は絶対に許されない状況でしたので、開業するまで2~3年の時間を要しました」と森田さんは同時を振り返る。
現在、薬剤師はパートを含めて5人、医療事務2人の体制で薬局を運営している。処方箋枚数は月間約1000枚で、主応需先は小児科のクリック。「調剤報酬改定の議論の中で処方箋の集中率のことが話題になっていたので、今後集中率を下げるために方策を立てていきたいです」と話す。
近年、医薬品の供給不足が課題となっており、地域の薬局が医薬品を取りそろえるのが難しい状況だ。特に森田さんのような新規で開業した薬局は、その状況は深刻だという。「取引歴がないと、卸から断られるケースがあるので、薬局を経営している大学時代の友人に薬を譲ってもらったり、医師に状況を説明して代替薬を使ったりというふうに工夫しています」と森田先生。
外来に加えて訪問在宅も3人の患者さんを担当している。近隣のクリニックに電話をして、患者さんへの思いや薬剤師介入のメリットなどを医師に話し、現在、在宅医療に力を入れているクリニックと連携して、患者さんの療養生活をサポートしている。
「患者さんから『ここまでやってくれた薬剤師はいなかった』という言葉をいただいたとき薬局を開業してよかったと思いましたね」と話す。
今後の目標について聞くと、「タイミングが合えば2店舗目を開業したいですね。それには信頼の置ける薬剤師が必要になります。これまでも家族をはじめ、大学時代の友人、病院時代の同僚者や先輩など、たくさんの人に支えられてここまでくることができましたが、これからも人とのつながりを大切にしていきたいと思います」と森田さんは締めくくった。
取材後記
森田社長とは、うさぎ薬局の開業前の病院薬剤師時代から何度かお話しさせていただきました。悩みながらも勇気を持って開業し、まだ時間はたっていませんが、既に地域に愛される素晴らしい薬局へと成長しております。今回の取材でも、森田社長の心意気やモチベーションの原点などを感じることができました。うさぎ薬局のさらなる成長と今後の新店舗も楽しみにしております!(薬学ステップ 寺本)

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