問◆フレイルに関する内容として、正しいのはどれか。
- toso132
- 5月8日
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問 226(衛生)
フレイルに関する内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。
❶フレイルは、加齢に伴う身体的、精神的な機能低下のことである。
❷フレイルは、要介護になった状態のことである。
❸フレイルは、回復することない病態である。
❹フレイルの進行を防ぐことは、健康寿命の延伸につながる。
❺フレイルは、過栄養により防ぐことができる。
(第109回薬剤師国家試験より)
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蔵之介です。薬学実践問題【衛生/実務】からフレイルに関する設問です。リード文に続き、フレイルとその予防に関する提案の2連問。超高齢社会において要介護者の急増は喫緊の課題なので、毎年のように出題されています。
フレイルとは、『加齢に伴う身体的、精神的な機能の低下』を意味し、とくに高齢者に多い状態です。『自立した健康な状態(no frailty)』と日常生活動作に介助を必要とする『要介護状態(disability)』の中間的な段階に位置します。語源は、欧米の老年医学で使用されているfrailty(フレイルティ)。直訳すると、「虚弱」や「老衰」になります。しかし、この日本語訳だと“不可逆的に老い衰えた状態”というネガティブな印象を与えるため、日本老年医学会は、2014年5月に『フレイル』という新しい概念を提唱し、フレイルが持つ多面性や正しく介入すれば再び健常な状態に戻れるという可逆性を強調しました。
フレイルは、加齢により筋肉量が減少して、筋力が低下した状態(サルコペニア)や運動器障害のため移動機能が低下した状態(ロコモティブ・シンドローム)などを含む『身体的フレイル』と配偶者との死別など、ライフイベントから抑うつや軽度の認知機能低下になる『精神・心理的フレイル』、独居や経済的困窮などを背景に、社会との繋がりが希薄化する『社会的フレイル』などから構成されます。フレイル予防には、散歩や軽い筋トレなど、適度な『身体活動(運動)』や栄養バランスやオーラルフレイルに配慮した『栄養・口腔機能』、余暇活動、ボランティア活動などを積極的に取り組む『社会参加・こころの健康』などがあります。フレイルは早期に対処すれば、進行を緩やかにし、健康寿命を延ばすことができます。中年期はメタボリックシンドロームに注意しますが、高齢期では低栄養の改善や良質な蛋白質の摂取が重要になります。過栄養ではなく、バランスの取れた適切な栄養の補給になります【正解は1、4】。
出題予想
フレイルの判定基準、サルコペニア、ロコモティブ・シンドローム、オーラルフレイル、フレイルサイクルなど。
■解説
蔵之介(アポクリート株式会社)




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