【スタートアップ】二度の起業、そして政治の世界も視野に
- ito397
- 4月8日
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更新日:4月13日
株式会社おうか
フォルトゥーナ薬局
代表取締役・薬剤師 小原一将

株式会社おうか
フォルトゥーナ薬局
代表取締役・薬剤師 小原一将(こはら・かずまさ)
東京都大田区でフォルトゥーナ薬局を経営する代表取締役で薬剤師の小原一将さんが会社を起業したのは、2019年のときのこと。高校時代までは普通=最高だと思い、「平凡な生き方を」と考えていたが、大学進学を機にサークルの立ち上げに携わったり、イベントの企画運営をしたりしたことで、ゼロから作り上げる楽しさに魅了され、この時からいつしか社長になりたいという思いが募ったという。
自分の価値をつきつけられた経験
もともとは医学部を志望していたが、2浪して断念し、薬学部に進学した。心理学を学ぶために大学院に進学したものの、紆余曲折あって中退。その後、薬剤師の免許を取得し、薬局で働き始めた。まさにゼロからのスタートだった。管理薬剤師や店舗の立ち上げなど、責任ある立場で仕事をしていたが、30歳のときに独立を決断。知り合いから薬局の物件を紹介されたものの、事前に示された内容とあまりにもかけ離れていたため、契約を見送った。小原さんは「この契約に人生のすべてをかけていたので、心が折れてしまいました」と当時の心境を話す。続けて「他の仕事を始めようかと思いましたが、『薬剤師しか経験していない30歳は、薬剤師を辞めたら価値がないおじさん』と周囲の人から言葉をかけられた時、あらためて社会にとっての自分の価値を突きつけられました」と振り返る。
このとき小原さんは、香川から神戸に引越し、心機一転を図る。しばらくして知り合いを通じて東京の薬局で働いていたが、35歳の時にふたたび起業することを決意した。はじめは共同経営者とパーソナルトレーニング事業を始めようと考えていたが、新型コロナウイルスが蔓延して断念。創業3年目に大田区で薬局を開局、翌年には2店舗目を開局した。現在は最初に運営していた店舗を売却し、1店舗の薬局を運営しながら、講師活動や講演、事業支援などを行っている。
地域や薬剤師の業界をより良くするために
小原さんに今後の目標について聞くと、政治家になって住んでいる町や薬剤師の業界をより良く変えたいと話す。「私には5歳の子どもがいます。先行きが見えない日本。子どもが社会人となる20年後の日本の医療や社会を良くするために私ができることは何なのかと考えたとき、経営以外の方法もあるのではないかと思ったのです。大きなことはできないかもしれませんが、子どもたちのために政治の世界で新しい仕組みや制度づくりに関わり、その後に続いてくれる人たちに背中を見せていきたいですね」と胸の内を明かす。その目標へ向かうために、政治の勉強会を企画したり、政治家や政治に関わる方の勉強会に参加しているそうだ。
薬学生へのアドバイス
最後に小原さんに薬学生に対してアドバイスをお願いすると、「私もそうでしたが、自分の人生しか考えられていない人が多いかなと思います。皆さんの仕事を通じて社会がどう良くなるのか、あるいは誰が喜ぶのかという視点を意識してほしいですね。社会に価値を提供して対価を得るのが本来の仕事。自分のことばかり考えていると、仕事へのモチベーションも保てなくなります。自分を育ててくれた親や学校、それから町への恩返し、そういった視点をもつことで視野が広がりますし、周りも応援してくれるようになるのではないでしょうか」とメッセージを送ってくれた。
取材後期
小原社長はこれまで何度も困難にぶつかり、その度に壁を乗り越えて強くなっていき今があると感じました。薬局業界・薬剤師に対しての想いも強く、現状を憂う気持ちから改革への熱い気持ちに繋がっていると思います。これからの小原社長の活躍が楽しみです。
(薬学ステップ 寺本)







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