がんとともに生きる人々の「生の声」が、今、科学の力で新たな希望へと昇華されようとしている。
慶應義塾大学薬学部(堀里子教授)と、女性がん患者向けSNS「Peer Ring ピアリング」を運営する株式会社リサ・サーナは、2025年12月23日、膨大な投稿データを用いた共同研究の開始を発表した。これは、132万件を超える患者の経験談を自然言語処理(NLP)——人間が日常で使う言葉をコンピュータに処理させる技術——や、文脈を深く理解する大規模言語モデル(LLM)で解析し、これまで見えにくかった患者の「真のニーズ」を構造化する画期的な試みである。