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地域医療の未来を担う一手 横浜薬科大学と栃木県病院薬剤師会が連携協定を締結

左から、横浜薬科大学学長の都築明寿香氏、栃木県病院薬剤師会会長の臼井悟氏
左から、横浜薬科大学学長の都築明寿香氏、栃木県病院薬剤師会会長の臼井悟氏

横浜薬科大学は、2025年9月25日、栃木県病院薬剤師会との間で連携協定を締結した。同協定は、組織的な連携のもと相互に協力し、臨床で活躍する薬剤師の養成と地域医療の発展に寄与することを目的とするものである。


深刻な病院薬剤師不足と地域偏在の是正へ

協定締結の背景には、厚生労働省の調査により明らかになった全国的な病院薬剤師数の不足がある。特に、薬剤師の労働時間を推計業務量で割った「偏在指標」(基準値1.0)では、多くの都道府県で病院薬剤師が目標値を下回る状況にあり、地域偏在が深刻な問題となっている。

栃木県においては、病院薬剤師の偏在指標が0.69と全国平均をも下回り、2036年時点においてもその改善は見込まれていないという。この人材不足は、地域医療提供体制の維持にとって喫緊の課題となっている。


実績を生かした教育連携:栃木県との「Win-Win」な関係構築

同大学は、この課題解決に向け、すでに具体的な実績を積んでいる。2024年度には長野県病院薬剤師会と全国で初めて連携協定を締結し、「ふるさと実習」の推進や講師派遣を通じた教育連携を進めてきた。

こうした実績を踏まえ、栃木県病院薬剤師会と協議を重ねた結果、両者が抱える課題解決に向けた「Win-Win」な関係を構築できるとの認識で一致し、今回の協定締結に至った。同大学には栃木県出身者が多数在籍しており、今回の連携は学生の教育機会の拡充という点でも大きな意義を持つ。

同大学は連携を通じて、栃木県での「ふるさと実習」の拡大、インターンシップの実施、臨床薬剤師による講義などを提供し、学生にとって有意義な学びの場を創出する。これにより、栃木県における薬剤師不足の解消に貢献すると同時に、入学志願者の増加も目指す方針である。


協定に基づく具体的な連携事項

協定のもと、両者は以下の事項について相互に協力し、連携を推進する。

  1. 実務実習等の薬剤師養成における相互協力

  2. 医学・薬学関連情報の相互交換

  3. その他、本連携の推進にあたって必要な活動

この組織的な連携は、地域医療の質の向上と、次代を担う薬剤師教育の発展に大きく寄与するものと期待される。

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